舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

死を否定せずに生を肯定する事は誰にでも出来ることではないのだ。

2012-02-27 22:40:43 | Weblog
こわれ者の祭典の話。Part 2





一つ前の記事の続きです。
2/12(日)に開催された「こわれ者の祭典」というイベントに行って来ました。

主催者は月乃光司さんという方。
アルコール依存症やリストカット、引きこもりといった過去を経て、今では障害を持った人々によるイベントを主催している、ロックでカッコ良いハゲのオッサンでした。



そんな月乃さんのパフォーマンスは、「絶叫詩人」。
つまり、自分で作った詩を感情をむき出しにして朗読する、というものでした。

しかも、朗読する時は引きこもり時代に来ていたパジャマで登場。
更に、途中から何を思ったかパジャマのズボンを脱ぎ始め、もも引きになるという、ぶっ飛びっぷりでした!

その状態で、月乃さんによる絶叫朗読が始まる。
月乃さんの詩は、病気である自分やダメな自分を否定せず全開にするので、初めて見た人からキチガイと思われかねないようなものでした。



月乃さん「告白します!僕が子供の頃、部屋でオナニーをしているところにお姉ちゃんが入って来ました!お姉ちゃんから『何してるの?』と訊かれた僕は『別に…』と答えましたが、本当は『別に』じゃなくて、『オナニーーーーーー!!!!』」




こんな感じなので、人によっては見たら引いれしまう人もいるのかも知れません。
まあ、僕はゲラゲラ笑って見てしまったのですが…

しかし!しかしである!
月乃さんの凄いところは、この下らない、またはイカレた世界が、突如として感動に変わる瞬間があるということだったのです!

それは、ある時はじわじわと、またある時は一瞬で訪れていました。
だから、びっくりしたと思ったら、次の瞬間には感情を鷲掴みにされたかのような、謎の感動に襲われてしまうのでした。



そんな月乃さんの詩で、すごく印象に残ったのは、「人生は短距離ランナー」という詩でした。
うろ覚えですが、確かこんな内容だったと思います。



月乃さん「僕は本当に誰かを殺したいくらい嫌いになったことがある。でも僕はそんな時思い出す。僕が何もしなくても、そいつは絶対死ぬんだ。死なない人間はいない。金持ちでもアイドルでもみんな死ぬ。だから焦ることは無い。僕は未来の世界を想像する。その世界には僕は存在せず、僕が嫌いな人間も誰一人生き残ってはいない。それは清々しい世界のように思う。何もしなくても、人はみんな死ぬ。だからこそ、誰かを殺したり、死に急いで自殺する必要はない」



これはすごいと思いました!
要は生きることを肯定をしている詩だと思うんですけど、その前に死の肯定があるんですよね。

「命を大切にしよう」「自殺はやめよう」と言うのは簡単です。
でも、月乃さんの場合はそうじゃない。

死にたい、誰かを殺したい思いをした過去があり、そんな自分を否定せず、隠さずに全部吐き出す。
死を否定するのではなく、死そのものを肯定し、受け入れ、その結果、それが生の肯定につながっている。

これは誰にでも作れる言葉ではない。
月乃さんだからこそ作り出せた言葉なんだと思います。



そんな月乃さんから、こわれ者の祭典の二次会に呼んでいただきました。





フラッシュ焚き忘れたけど!!




月乃さん、カッコ良かったです!
そんな月乃さんとお話することが出来て、僕は本当に幸せでした!



今年の9月に、こわれ者の祭典の10周年イベントがあるということでした。
これには是非とも、何らかの形で関わりたいものだなあと思いました。





つづく。
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2 コメント

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鏡の中にあるがごとく (七色仮面)
2012-02-25 15:28:12
「この道を歩んでいった人たちはね、
もうあの誇らしい地の懐に臥したよ
酒を飲んで、俺の言うことを聞きたまえ
あの人たちのいったことはただの風だよ」
ルバイヤート
返信する
死ぬまで生きるぜ (ローメン)
2012-02-27 23:52:23
>七色仮面

死んだ人は伝説になる。それは間違っていないと思う。
ただ、どんな偉業の残して死んだ人間でも、平凡でも今生きている人間の生命の尊さにはかなわない、とも思う。
返信する

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