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大傑作ハートフルアクションコメディ映画の続編はまたしても大傑作!『パディントン2』を観て来ました!

2018-02-13 14:31:15 | Weblog


2/10(土)に、映画『パディントン2』を観て来ました。



ひとまず予告編はこんな感じです。





この映画、熊のキャラクターを主人公にしたイギリスの児童文学「パディントン」を原作に、2016年に公開された映画『パディントン』の続編です。
僕は前作の『パディントン』も観ているのですが、まあこれが老若男女が楽しめる大傑作で非常に感激していたので、続編もすごく楽しみにしながら観に行って来ました。

前作『パディントン』の良かったところは、魅力的なキャラクター、大人から子供まで誰もがワクワクできるストーリー、スラップスティックなギャグ、伏線回収が鮮やかな完成度の高い脚本、そしてその全てから人を幸せにする温かさが伝わってくる、などなど、挙げればきりがありません。
そして今回の『パディントン2』も、やっぱりそんな物語になっていました。

一応最初に言っておくと、『パディントン』『パディントン2』は続き物ではありますが、それぞれが完全に独立したストーリーになっているので、どちらから見ても問題ないと思います。
そして、こういう風に続編が作られると、よく「どっちの方が面白い」なんて話になったりしますが、パディントンに関しては本当に見事に「どちらもちゃんと面白い」作品になっていたと思いますし、それもこの映画の素晴らしいところだと思います。



と言う訳で、そんな『パディントン2』の素晴らしさを書いていこうと思う訳ですが、まず何と言っても主人公のパディントンが物凄く可愛い!
この可愛いというのは、単純にビジュアルや仕草が可愛いというのももちろんありますが、それ以上に、彼の行動の一つ一つがとても魅力的なのです。

パディントンは、誰にでも親切で優しく、真面目で一生懸命に生きていて、その姿がとても素敵で、見ていて思わず彼を応援したくなってしまうのです。
しかし彼には不器用な一面もあり、時折失敗もしてしまったりするのですが、そこはちゃんとギャグとして笑えるような作りになっているという、そこらへんのバランスも絶妙だなと思いました。

キャラクターとして魅力的なのはパディントンだけではなく、登場人物たちは全体的に魅力的だったなあと思いました。
特にパディントンと暮らすブラウン一家も、例えばご主人がちょっと偏屈だったり、子供たちが生意気だったりするのですが、それでも基本的にみんな人に対する優しさで生きているような素敵な人達で、見ているだけで幸せな気持ちになります。

他にも、同じ街で暮らす人達も基本的にパディントンが大好きで、そんな素敵な人達とパディントンが仲良くしているだけで、見ていて幸せな気持ちになりました。
さらに、この物語には悪役も登場するのですが、この悪役がまた、いい味を出しているんですよねえ…と言う訳で、軽くストーリーを説明していきます。



パディントンは、遠い故郷に暮らす、育ての親である熊のルーシーおばさんに、誕生日のプレゼントをあげようとしているのですが、ある時、街の骨董品店で飛び出す絵本を見付けたパディントンは、その素敵な飛び出す絵本に感動し、お金を貯めてルーシーおばさんにプレゼントしよう!と思い立ち、アルバイトを始めます。
そんなある日、街に移動遊園地がやってきて、その開会式に登場した近所に住む売れない俳優のフェリックス・ブキャナンと出会ったパディントンが、何気なくその飛び出す絵本の話をすると、フェリックス・ブキャナンはやたらと食い付いてきたではないか…

その後、骨董品店に何者かが忍び込み、飛び出す絵本を盗み出すところを目撃したパディントンは、犯人と逃走劇を繰り広げるものの逃がしてしまい、それどころかパディントンが犯人だと疑われ逮捕され、刑務所に入れられてしまいます。
これはおかしいと思ったブラウン一家は、独自に調査を進める中で、犯人はフェリックス・ブキャナンではないかと気付き、なんとか彼を追い詰めようと画策します。

実は、飛び出す絵本には秘密の宝物の隠し場所を示す暗号が記されており、その隠し場所が移動遊園地にあると気付いたフェリックス・ブキャナンは、宝物を盗み出すために飛び出す絵本を盗み出し、邪魔者であるパディントンに濡れ衣を着せていたという、何もかも彼の罠だったことが、徐々に判明していきます!。
果たして、逮捕されてしまったパディントンは助かるのか、そして、ブラウン一家はフェリックス・ブキャナンの陰謀を止めることが出来るのか…?とまあ、こんな感じの物語です。



この悪役のフェリックス・ブキャナンが、自分の野望のためなら手段を択ばない冷酷さがある一方で、売れない俳優の哀愁や、ひょうきんな一面など、様々な顔を持ったコミカルなキャラクターになっていて、まあ見ていて面白いのです!
善人ばかりが登場する映画の中での唯一の悪役なので、その時点でかなり美味しい役どころではあるのですが、悪役と言っても陰惨な表現は登場しないあたりも、何と言うか、家族みんなで楽しめる映画に相応しかったなと思います。



さて、この映画の魅力はキャラクター以外にも、例えば映像表現などもあります。
僕が一番感動したのは、パディントンが初めて飛び出す絵本を開くシーンで、その本を見ながらルーシーおばさんをロンドンに案内したいなあ、とパディントンが空想すると、飛び出す絵本の中のロンドンの街中を、パディントンとルーシーおばさんが歩き出すという、まさに映像のイマジネーションみたいなシーンが繰り広げられます。

何が素敵って、こんな素敵な本をルーシーおばさんに見せてあげたい、ロンドンの街をルーシーおばさんに案内したい、というパディントンのとても優しい気持ちが、とても素敵な映像によって表現されている、ということなのです。
この映画は基本的にどんなシーンもパディントンの優しさが根底にあるので、ストーリーや映像の感動がそのままパディントンの優しい気持ちに繋がっていく、そこが本当に素敵だと思います。

また、この映画はアクション映画としても非常に優れていて、例えば飛び出す絵本を盗んだフェリックス・ブキャナンをパディントンが追い駆けるシーンは、かなりハラハラする逃走劇になっていましたし、途中で仲良しの犬の背中に乗ったり、鳥の足につかまって空を飛んだりと、様々なアイディアが満載で楽しませてくれるのです!
他にも、フェリックス・ブキャナンが犯人だと気付いたブラウン一家が、独自に彼を調査していくシーンは、『ミッション・インポッシブル』のようなスパイ映画並みのハラハラする作戦になっていたりと、とにかくパロディ含めてあらゆるアクションに込められたアイディアが本当に豊かなのです。

一方その頃、パディントンは刑務所に入れられ、殺伐とした世界に生きているのですが、ここでもパディントンは大活躍します。
ふとした弾みから刑務所のキッチンを手伝うことになったパディントンは、そこで物凄く怖い受刑者と仲良くなり、徐々に彼が優しい性格になっていくのですが、それに合わせて殺伐とした刑務所の中が徐々に明るくなっていくのです。(このシーンは、ちょっと『ショーシャンクの空に』を思い出したりしました)

と言う訳で、パディントンは街の中でも刑務所の中でも、彼の持つ優しさが周りの人達を変えて行く、そんな素敵な存在として常に描かれるのです。
そして、それが物語の後半で全部しっかり伏線回収として活きてくる!というのも、本当によく出来ていたなあと思います。

物語の中でパディントンが頑張って来たことや、周りの人達に与えてきた優しさや親切な気持ちが、最終的に物語のクライマックスでしっかりと回収され、パディントンやブラウン一家を助けるのです。
そういう、因果応報というか、情けは人のためならずというか、ほんの少しの僕の気持ちも巡り巡るよというか、そういう希望が描かれていた映画だったんじゃないかと思います。(あの悪役さえも最後には素敵な結末を迎えるあたり、どんだけこの映画は優しさに溢れているんだ!って思いました


伏線回収の見事さと言えば、登場するネタを、ことごとく全部最終的に回収していく様子は、本当に見事すぎます。
映画に出てくる、それぞれの登場人物の特技や、最初はギャグとして登場する小道具などが、ことごとく全部がクライマックスの大アクションシーンでもう一度活躍するのです。

例えば、映画の前半で、パディントンが飴を舐めていると、口がくっついてしまう、という、本当に小ネタ中の小ネタが登場するのですが、まさかあの小ネタがクライマックスであんな活かされ方をするとは!
とにかく、登場するネタの一つ一つが、その時一回きりの面白さではなく、二度、三度物語の中に登場し、あとあと全部が活きてくる、なんて良く出来た脚本なんだ!って思いました。

そして、そんな全ての伏線が一気に回収されるクライマックスは、まさかの移動中の列車の、様々な車両の中や屋根の上(!)で、その中に登場する様々なアイテムを使っての超面白いアクションになっており、これには『ミッション・インポッシブル』のクライマックスや、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のオープニングを思い出したりもしました。
(余談ですが、最近続編が公開された『キングスマン』のシリーズが『007』のパロディを取り入れているのに対し、『パディントン』では前作も今作でも『ミッション・インポッシブル』のパロディが登場しているという、同じイギリスを舞台にした映画で異なる有名スパイ映画のパロディが使われているのは面白いなあと思います。)

まあ、そんな訳で長々書いてきましたけど、『パディントン2』はアクションもギャグもそして伏線回収も非常に完成度の高い映画であり、しかもその根底にはパディントンの優しさが常にあるという本当に素敵な映画になっていたなあと思います。
今時、老若男女の誰もが楽しんで感動できる映画なんて珍しいのかも知れませんが、この『パディントン2』はそれを成し遂げた、非常に完成度の高い映画だったなあと思いました。
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