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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

シネ・ウインドで『ビジランテ』先行上映!入江悠監督の舞台挨拶も!

2018-03-06 18:07:26 | Weblog


3/4(日)、シネ・ウインドで『ビジランテ』を観て来ました。



シネ・ウインドでの『ビジランテ』の上映は3/24(土)~4/6(金)なのですが、それに先駆けて3/4(日)に上映され、さらにこの日は入江悠監督の舞台挨拶もありました。
個人的に、「SR サイタマノラッパー」は未だに友人と盛り上がるほど大好きな映画だし、去年観た「22年目の告白 -私が殺人犯です-」も本当に大好きなので、そんな入江悠監督の最新作が観られるだけでも嬉しいのに、その上監督にも会えるということで本当に楽しみでした。





予告編はこんな感じです。



さて、『ビジランテ』の感想を書いていく前に、僕は最近『デトロイト』と『スリービルボード』を観ていて、どちらもすごい衝撃的な映画だったのですが…

実話を元にした衝撃作『デトロイト』を観て来ました。

衝撃のサスペンス映画『スリー・ビルボード』観て来ました!



今回観た『ビジランテ』も、この2作に負けずとも劣らない衝撃作でした!
しかも、『ビジランテ』には、『デトロイト』で描かれた暴力を受ける者の苦しみ、『スリー・ビルボード』で描かれた一つの地方都市で巻き起こる騒動や暴力の応酬など、この2作品に通じる部分があるなあとも思いました。

『デトロイト』や『スリー・ビルボード』を観た時、人が人を傷付ける暴力の恐ろしさや、様々な人間模様が入り組んだ社会そのものの複雑さに全力で向き合ったような映画が作られるような時代になったのは本当に凄いことだと思うし、映画は進化しているなあと感じたのですが、そんな映画が日本でも作られるようになったのは本当に凄いことだと思いました。
さらに、『ビジランテ』はそういう世界の映画で描かれているようなことを、日本の風土ならではの、日本人だから作れる物語として、映画にしていたのが本当に凄いことだなあと思いました。



どんな映画かと言うと、ある日本の地方都市で、ある3兄弟を巡る群像劇であり、かなりのバイオレンス映画です。
地元の有力者である暴力的な父親のもとに生まれた3兄弟は、大人になり、父親の死をきっかけに再会します。

幼い頃に失踪し、自堕落な生活を送る長男を大森南朋さん、地元の政治家となった次男を鈴木浩介さん、デリヘルの店長となった三男を桐谷健太さんが演じます。
父の死がきっかけとなり3人は再会するのですが、父が残した土地を巡って、様々な利権が絡み、政治家や警察、さらには暴力団までもが絡む事態へと発展していきます。

また、この物語では、交錯する3兄弟それぞれの人生や彼らに関わる様々な人間模様の他にも、その町で起こる様々な出来事も描かれていきます。
印象的だったのが、その町に暮らす外国人たちと、その町の自警団に所属することになった若者たちの関係性だったりと、現代の地方都市や様々な世代が抱えている問題などが同時並行的に描かれ、まさに群像劇という感じがしました。

地方都市に暮らす人々の現実を描いた映画として、同じく入江悠監督の『SR サイタマノラッパー』も印象深いですが、入江監督は地方都市の閉塞感などを描くのが本当に上手いなあと思います。
また、地方都市を舞台にした群像劇として、富田克也監督の『サウダーヂ』を思い出したりもしました。

言ってしまえば、日本は東京などの大都市を除けばほとんどの地域が田舎の地方都市なわけですから、地方都市の現実を描くことは、そのまま日本という国の現状に向かい合っているということになるのかも知れません。
『ビジランテ』の触れ込みによると、「ビジランテとは、法や正義が及ばない世界、大切なものを自ら守り抜く集団」ということですが、未だに日本各地の地方都市にはこういう「法や正義が及ばない世界」がたくさんあるんだろうなあ…なんて思ったりもしました。(出来れば関わりたくないです…)

そして、この映画はそんな暴力的な世界を、肉体的な暴力から精神的な暴力まで(一ヶ所本気で目を背けてしまうほど痛々しいシーンがあった)、次々と描いているのですが、『スリー・ビルボード』同様に、様々な要因や人間模様が複雑に絡み合い、次々と新たな騒動が起こり、事態が悪い方へどんどんエスカレートしていくという、すごく絶望的な気持ちになったりもします。
とは言え、「ビジランテ」という言葉の通り、3人の登場人物たちがそれぞれ大切なものを自ら守り抜こうとする姿があることで(ある者は守りたいと思いながらそれが出来なかったり、ある者は満身創痍になりながら必死で守ろうとしたり)、希望を感じる…というほどのものではありませんがギリギリで100%絶望になることを回避している感じがしました。

全体的に人間の嫌な部分ばなりが描かれ悲劇の連鎖ばかりが起こるという、非常に重いものを受け取ってしまう映画であるにもかかわらず、観終ったあとの気持ちがそこまで悪いものではないのは、そういう理由なのかも知れません。
とにかく、人間の弱さや暴力性に真正面から向き合ったこの映画、物凄く見応えがあったし、どんどん絶望に突き進むストーリーに何だかんだ引き込まれてしまって、要するにすごく面白かったです!





上映後には、入江悠監督の舞台挨拶がありました!
主演の3人をそれぞれどうしてああいう人物として描いたのかとか、かなりハードだったという撮影秘話とか、興味深いお話が色々聞けました!





また、普通に観客として観に来ていたこの映画の出演者で新潟出身の浅田結梨さんも急遽登壇し盛り上がりました!
あとから知ったのですが、浅田結梨さんは普段はAV女優ということですが、この映画で初めて女優に挑戦したということです。





入江悠監督、浅田結梨さん、ありがとうございました!
上映後にはお二人からサインしていただきました!





そしてなんと、入江悠監督と記念撮影をしていただけました!
大好きな監督なので本当に嬉しかったです!ありがとうございました!
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