成井豊さんのWSの思い出。その五。『いつまでもアマチュアリズムを忘れない。あの夏を忘れない。』

成井豊さんのWSの思い出。その五。
「成井豊さんのWSの思い出。その四。『僕らの自由を！僕らの青春を！』」の続きです。



さて、8月24日(土)。
二日間で6時間しかなかった成井豊さんの怒涛のＷＳも終わり、ついに発表公演に。

えっと、発表してみての素直な感想ですが、とても気持ち良かったです
やっぱり作品が良いので、良い作品の一部としてで演じられるっていうの役者としてはすごく気持ちいいことなんだなって思いました。

しかも、スタジオＢの美しい照明と音響の中で演技できるというので、すごく贅沢な気持ちでした。
あと、銀河鉄道の夜が小さい時から大好きな作品だったってこともあり、主役のジョバンニをいただけたのは嬉しかったです。

ジョバンニは唯一、舞台の最初から最後まで出ずっぱりで、しかも他の全ての登場人物との絡みがあるんですね。
なので、ＷＳ参加者の皆さんと絡める、とても恵まれた役だったなあと思います。

そんな訳で、ＷＳの発表公演『銀河鉄道の夜』は、滞りなく終わりました。
お客さんもたくさん来ていただき、本当にありがとうございました。



そして、ここからが成井さんの公開ダメ出し＆質問タイム！
役者全員が観客席を向いて座り、その横で成井さんが話しているんですが、これ発表より緊張したよ！



最初に成井さんからの嬉しい言葉が！



成井さん「僕も見ていましたが、まず普通に一人の観客として面白かったです！そして演出としてですが、皆さん練習ではやっていなかった色んなことをやっていてくれたのが嬉しかったです」



ありがとうございます！



そして一人一人に公開ダメ出しが始まる…
が、ダメ出しとは言っても、ちゃんとその人を褒めた上でこうした方がいいみたいな言い方に、成井さんの優しさを感じました。

その後、色々な人からの質問タイム。
一人一人の質問に丁寧に答えていく成井さんでしたが、徐々に作品や演劇論の深い部分の質問になるにつれ、ヒートアップしていく成井さん。



成井さん「作品を作る時は、色んな映画とか小説とかとにかくたくさん見て参考にします。それからとにかく道を歩きながら面白そうなアイディアを探します。一時間歩いては喫茶店に入ってメモするみたいにして、一日10kmくらい歩きますね」

成井さん「これはもう超えられないって作品に出会うこともあるんですけど、時々は自分ならもっとこうしたいなっていう作品に出会うことがあります。そういうアイディアをいくつか書き溜めておいて、そのアイディアをいくつか合わせたら面白いものが生まれる時があるんです」

成井さん「あ、でもとなりのトトロとかラピュタとかナウシカみたいな名作には、さすがに手を出さないですよ(笑)」

成井さん「自分だけのアイディアとかが作れる人はすごいですよね。今日やった銀河鉄道の夜もすごいですけど、セロ弾きのゴーシュもすごいですよ！あんなアイディが生み出せたら僕は一生幸せだと思います」

成井さん「作品にこういうテーマがあるとか、こういうメッセージを届けたいとかは考えないですね。多分プロの作家でそういうことを考えてる人はほとんどいないと思います。僕はただ、面白い！やりたい！って思ったものを作るだけなんです。でも面白いと思ったものを一生懸命作っていると、幸運なことに見た人に何か届くんですよ」



成井豊さんの作家としての貴重な言葉の数々！
中でも、一番好きだったのはこの言葉。



成井さん「高校野球はプロ野球より技術なんかありませんが感動しますよね。それでいいんです！アマチュアでも一生懸命頑張る姿は人を感動させるんです！それでいいんです！僕はいつまでも演劇界の高校野球でありたい」



いい言葉だ！
いつまでもアマチュアリズムを忘れない、成井さんの純粋さがすごく感じられる言葉ですね。



かと思いきや、「配役はどうやって決めたんですか？」という質問については…





成井さん「適当です」



適当だったーーーー！！



でも、考えてみれば、配役を決めたのは初日の8月23日(金)
全くの初対面の状態で、1時間発声練習をして、その後の10分間の休憩時間で配役を決めた成井さん、やっぱスゲエ！







前にも載せたけど、最後に全員で記念撮影しました。






台本にサインもいただきました！




成井さん、ＷＳ参加者の皆さん、発表をご覧になっていただいた皆さん、そしてこんな機会を作っていただいたりゅーとぴあの皆さん。
本当に素敵な体験を、ありがとうございました！



演劇集団キャラメルボックスは、11月29、30日に「ウルトラマリンブルー・クリスマス」の新潟公演があります。
今から楽しみです。