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長野ロキシーでバーフバリ二部作を観て来ました!後編『バーフバリ 王の凱旋』の感想!

2018-02-06 19:04:34 | Weblog
2/3(土)、2/4(日)の2日間、長野ロキシーで『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』を観て来ました。
『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』は前編、後編に分かれている、2作セットで一つの物語になるインド映画です。



前編『バーフバリ 伝説誕生』の感想は、一つ前の記事に書きました。
長野ロキシーでバーフバリ二部作を観て来ました!前編『バーフバリ 伝説誕生』の感想!





と言う訳でここからは、翌日2/4(日)に観た、後編の『バーフバリ 王の凱旋』の感想を書いていこうと思います!



ひとまず予告編はこんな感じです。





いやー、予告編の時点で本当に血沸き肉躍るほどの面白さですよね!



空前絶後のアクション!
豪華絢爛な歌と踊り!
常識破壊のインパクト!
映画の面白さここに極まる。
すべてを超えた!
人類史上最大の映画叙事詩!
王を称えよ!




いや、この予告編を初めて見た時、あまりに煽るから思わず笑っちゃったんですけど、実際に映画を観て僕は思いました…これ、全然煽りじゃない!
そう、本当にこの予告編そのままの、いや、それ以上に派手で豪華でハイテンションな超ド級エンターテインメントでした!



また、前編『バーフバリ 伝説誕生』について、僕は一つ前の記事に「とにかく全てのシーンの音楽もアクションも凄まじい盛り上がりで見応えがあり、その上、ストーリーも演出も王道、どんな人でもワクワクするしストレートに楽しめるような内容」という感想を書きました。
しかし、この『バーフバリ 王の凱旋』の凄いところは、あの大興奮の超大作だった『バーフバリ 伝説誕生』の感動をさらに上回る、桁違いの面白さになっているのです!



まず、前編の『バーフバリ 伝説誕生』の物語をざっくり振り返ると、謎の生い立ちを持つ主人公・シブドゥが逞しい青年に成長し、マヒシュマティ王国の圧政とデーヴァセーナ王妃の幽閉を知った彼は、マヒシュマティ王国に侵入し敵の攻撃をかわしながらデーヴァセーナ王妃を救出します。
そこで彼は最強の奴隷剣士カッタッパから、自分が伝説の王・バーフバリの息子であることを聞かされます。

そして、そこからはカッタッパの回想シーンが始まり、マヒシュマティ王国の現在の暴君バラーラディーバと、父バーフバリの幼少期の物語が明かされ、その中で敵国との戦争が映画のクライマックスとして展開していきます。
その戦争の後、父バーフバリはマヒシュマティ王国の王となったところで、物語は現在に戻り、カッタッパが父バーフバリがすでに死んでいること、殺したのがカッタッパ自身であることを告白したところで、物語は終了、後半『バーフバリ 王の凱旋』に続くのです。



と言う訳で、後編『バーフバリ 王の凱旋』は、まずはカッタッパの語る回想シーンの途中から始まり、様々なドラマを経て、謀略によって父バーフバリが殺されるまでの物語が展開していきます。
その回想シーンが終わると、すべてを知ったシブドゥが、マヒシュマティ王国の圧政を終わらせるために、暴君バラーラディーバとの戦いに挑み、最後は勝利したシブドゥが父の名を注ぎ新たな王・バーフバリに即位したとなったところで映画は終わります。

まず、回想シーンでの王に即位したバーフバリが謀殺されるまでは、二転三転するストーリーに複雑に絡み合う人間関係という一言では語り尽くせないくらいの情報量になっているのですが、その全ての展開があくまで言葉ではなくアクションで語られるので、まったく飽きることもなく、ストーリーの流れが頭に入ってくる、これが本当にすごいなと思いました。
ざっくり説明すると、王に即位することになったバーフバリがカッタッパとともに旅に出る→旅先でクンタラ王国の王妹デーヴァセーナと恋に落ちる→しかしそれを知ったマヒシュマティ王国のバラーラディーバはデーヴァセーナに求婚、シヴァガミも二人の結婚を進めようとする→そのことでマヒシュマティ王国とクンタラ王国の関係も悪化→クンタラ王国を盗賊団の襲撃から救ったバーフバリはデーヴァセーナとともにマヒシュマティ王国へ→しかし結婚を巡ってシヴァガミとバーフバリは決裂し、王位を奪われ、ライバルのバラーラディーバが王に→バラーラディーバの謀略によりバーフバリはシヴァガミの命で国を追われ、さらに反逆罪の濡れ衣を着せられたバーフバリは、カッタッパによって殺害される→しかし、バーフバリの死後、真実を知ったシヴァガミは、バーフバリとデーヴァセーナの息子を連れて国を逃亡。

…いやー、本当にすごい情報量ですし、他にもここに書ききれないドラマがたくさん登場するのですが、どの登場人物の行動する理由もはっきり描かれるし、またその結果どういう行動に出るのかも、これでもかというくらいしっかりと丁寧に描かれるので、複雑な物語もしっかりと頭に入って来て、「ちゃんと物語を描く」とはこういうことかと思わされました。
そして、その全てのシーンが「他の映画だったらクライマックスなんじゃないか?」っていうくらいの見応えのあるアクションで描かれるので、まったく飽きることなく映画にずっと引き込まれ続けていくのです。

例えば、旅先でバーフバリとカッタッパが、クンタラ王国のデーヴァセーナと出会うシーンも、デーヴァセーナが盗賊たちと戦っているという非常にカッコいいアクションからいきなり始まり、その中で盗賊団を倒すためにバーフバリとカッタッパが加勢するのですが、その戦いの中でバーフバリがデーヴァセーナに一目惚れをするという心の動きが、あくまで言葉での説明でなく、彼の戦い方というアクションによって描かれているのです。
他にも、クンタラ王国が盗賊団の襲撃を受けるシーンも、ピンチのデーヴァセーナをバーフバリが一度に3本の矢を同時に盗賊たちに放ち続けながらその戦いの中でその技をデーヴァセーナにも伝授し共に敵を撃退するという、一連のアクションの中で二人が信頼関係を築く様子を表現したり、弱腰だったクンタラ王国のクマラをバーフバリが鼓舞することで彼が勇気を出し隠れていた戦闘能力を発揮するという、バーフバリのカリスマ性までも描いたりと、とにかく一連のアクションの中で登場人物の変化や個性を伝える映像表現が素晴らしいのです。

映像表現の素晴らしさと言えば、例えばバーフバリがデーヴァセーナに本当はマヒシュマティ王国の王であることを明かすシーンも、怒ったデーヴァセーナがバーフバリに松明を向けるとバーフバリの衣装が燃え上がり、するとその下からマヒシュマティ王国の鎧が登場するという、誰もが驚くぶっ飛んだ演出によってストーリーの流れを表現したりと、とにかく物語の流れを面白い映像表現で行うという工夫が素晴らしいのです。
そして、最もぶっ飛んだ映像表現と言えば、バーフバリとデーヴァセーナが船でマヒシュマティ王国へと向かうシーンで、なんと船が巨大な白鳥の形となって大空に舞い上がり、雲の上を白馬が走る中、船の上では人々が歌い踊るという、豪華絢爛なミュージカルによって二人の愛を表現するシーンには思わず目を見張りましたが、そんな常識では考えられないシーンにもとにかく「すごい!」と感動できてしまうあたりが、この映画の本当に幸せなところだなあと思います。

しかし、その後のマヒシュマティ王国に入るところで巨大な象の石像の下を通る時にはマストの先端が折れるシーンで、その後の不吉な物語を暗示させたりと、派手な演出以外でもこういう地味ながら丁寧な演出もできるあたりが、この映画の本当に豊かな部分だと思います。
マヒシュマティ王国では、謀略と駆け引きの連続に人物関係やストーリーが二転三転するですが、先程も書いたように一つ一つ丁寧なアクションによって描くことでその度にハラハラさせられるし複雑なストーリーもすんなり頭に入ってくるのも見事だなと思いました。

また、そんなストーリーの中でバーフバリは王位を奪われたり終いには王国を追放されたりとどんどん窮地に陥っていくのですが、卑怯な謀略を巡らせるバラーラディーバとは対照的に、どんな局面に於いても民衆の気持ちに立つことで民衆の信頼を勝ち取ってしまうバーフバリの真の英雄であり唯一の王であるカリスマ性が表現されるので、彼がピンチに陥れば陥るほど思わず自分も民衆に感情移入しバーフバリを応援し讃えたくなるというあたりも、本当によく出来ている映画だなあと思いました。
だからこそ、その後の卑怯で狡猾な謀略であんなにバーフバリを信頼していたカッタッパの手によってバーフバリが殺されてしまうという展開にも納得のいくものになっていたと同時に、どうしてこんな悲劇が起こってしまうのか!と思わず映画を観ながら気持ちを映画に投入して嘆いてしまうものになっており、とにかく、観客が理性的に物語を理解することと、それに合わせて感情を激しく動かされることが両立しているという、非常に良く出来た映画になっていたなあと思います。

…と、ここでバーフバリの死後、真実を知った国母シヴァガミが生まれたばかりのバーフバリとデーヴァセーナの子供を救出して王国を逃げ出すところで、回想シーンは終了し、ストーリー的には前編の『バーフバリ 伝説誕生』の冒頭に繋がるわけです。
ここまでの複雑な展開を時間をかけて丁寧に描いてきたことによって、前編『バーフバリ 伝説誕生』でどうしてシヴァガミは幼いシブドゥを命懸けで助けたのか、デーヴァセーナ王妃はどうして幽閉されたのか、そして、そんなデーヴァセーナの故郷クンタラ王国の残党の一人がアバンティカであることなど、前編と後編の過去と現在の物語が一つに繋がるという、『スター・ウォーズ』的な感動もありました。

そしてここからが映画の本番、ついにシブドゥがマヒシュマティ王国に乗り込んで行って因縁の宿敵バラーラディーバを倒す!という、超絶手に汗握り血沸き肉躍る最高で最強のクライマックスに繋がっていくのです。
つまり、基本的にこの映画はシブドゥが父の因縁の敵とやっつける!という非常にストレートな勧善懲悪な物語なのですが、そんな王道の物語に説得力を持たせるために前後編のある物語の大半を費やすほどの長い長い回想シーンが存在するという極めて真っ当なエンターテインメントの作りになっており、さらにそんな前フリとしての物語が単なる前フリに過ぎずクライマックス級のアクション満載という、どこまでエンターテインメントになっているんだ!というてんこ盛りの内容になっているのです。

この先の、シブドゥとバラーラディーバの因縁の対決も、シブドゥたちの軍が椰子の木をしならせた反動で戦士たちを飛ばし空中で戦士たちが盾で防御しながら爆弾みたいに地面に突撃する驚愕の技で王国に侵入したかと思えば、バラーラディーバも前編からさらにパワーアップした巨大な回転ギロチンや大量の矢を放つギミック付きの馬車戦車で応戦したりと、何もかもがぶっ飛んだアクションシーンの連続で、本当に全てのシーンに見応えがありました。
また、戦闘の中で前編で建てた巨大黄金像が倒れることで暴君の終わりを表現したり、後編の冒頭で登場した火を頭に乗せて運ぶ悪魔祓いの儀式を今度はデーヴァセーナが再現し、さらに前編でデーヴァセーナが復讐のために集めていた小枝の上に宿敵バラーラディーバを追い詰めて焼き殺すエンディングまで、そこまでの伏線をすべて見事に回収して物語が終演に向かうという、アクションだけでなく前後編合わせて5時間もあるストーリーの構成が凄まじくよく出来ている!という、何もかもが見事な物語になっていたなあと思います。

そんな訳で、長々と感想を書いてきましたが、要するにまとめると、最強の英雄が巨悪を倒し平和をもたらすという、おそらく世界中にあるであろう伝説のような「物語」というものの持つ純粋な面白さを、あらゆる映像表現によって伝えてくる、究極のエンターテインメント映画になっていたなあと思います。
また、この物語をざっくりまとめると、要は残酷な運命に翻弄され王国を追われた主人公が、運命に立ち向かい王国に戻り平和をもたらすという英雄譚になっており、それがあの前編『バーフバリ 伝説誕生』の冒頭に流れた川の流れを運命になぞらえたオープニングや、シブドゥの滝を登るシーンに象徴されていたんだなあ、などと思ったりもしました。

この、運命に流されてある場所を離れた主人公が、運命に立ち向かい元の場所に戻って、勝利と繁栄をもたらす、という物語は、神話や伝説譚における極めて典型的な物語らしく、考えてみれば『風の谷のナウシカ』も『マッドマックス 怒りのデス・ロード』もそうだったなあ、などと思ったりもしました。
とにかく、長々と書いてきましたけど、とにかく世界中どの時代の誰でも感動できるような物語というものの純粋な面白さを、驚愕のアクションの連続によってこれでもか!と伝えてくるような、それでいて、『物語』とは『映画』とはこんなに面白いものだったのか!と再認識させてくれるような、素晴らしい映画だったと思います!

最後に、とにかく主人公のシブドゥ、バーフバリがもう信じられないくらいカッコいい!この一言に尽きます!
観終わった頃には、バーフバリを、そしてこの映画を讃えたくなってしまうのは間違いない映画でした!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!
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