5/28(木)、イオンシネマ新潟南で「囚われた国家」を観てきました。
新潟市内ではイオンシネマ新潟南のみでの上映だったようです。
予告編はこんな感じです。
宇宙人が地球を支配して9年、国家間の対立は消え、地球人と宇宙人の共生により平和を手に入れたかに見えた…
かと思いきや、実際は残された人類の間で貧富の差が拡大し、国家による激しい弾圧や、全人類にGPSが埋め込まれた超監視社会になった近未来。
そんな中、レジスタンスは密かに国家への反逆を企てていた…
という、予告編から受けた印象をいい意味で裏切る、宇宙人とのバトルよりもスパイアクション重視な地味で渋いSFでした。
SFと言っても宇宙人や宇宙船も、激しいバトルやアクションも少ししか登場しません。
前半はスラム街に潜伏するレジスタンスの地を這うような緻密な情報伝達、後半は二転三転する国家の陰謀という、SF的な世界観を舞台にしているけれど、ストーリーは完全に昔ながらの渋いスパイ映画なんですよね。
地味だけど、世界観や小道具のディティールとかがすごく作りこまれているし、音楽の使い方とかカッコよくて見入ってしまいました。
個人的に、前半で様々な作戦で極秘に情報を伝達し合い、作戦を計画していたレジスタンス達が、いざ作戦に向かう時にみんなで緊張した面持ちで黙ってエレベーターに乗っている場面の音楽の使い方がめちゃくちゃカッコよくて最高でした。
正直、宇宙人とのSFバトルアクションを期待すると物足りないと思うし、頑張って見ないとストーリーが難解で眠くなりそうな映画ではあるんですよ。
でも、スパイ映画、サスペンス映画として見れば、もっと言えばチーム作戦モノとして見れば最高の映画だったと思うんです。
前に、ライムスターの宇多丸さんが、ラジオで「47RONIN」を語る時に、「忠臣蔵は、綿密な計画を長い時間をかけて立てて最後の最後に実行するチーム作戦モノとして面白い」みたいな話をされていたのですが、この映画はまさにそういう映画だったと思うんですよ。
とは言え、この映画では、作戦は一度失敗に終わるかと思わせておいて、最後の最後に、ある人物が最大の復讐に向かおうとする場面を匂わせて終わります。
それがまさに最後の1分くらいで明かされるのですが、その人物が途中まで敵か味方か分からない感じで描かれるので、「そういうことだったのか!」というすべての謎が解けて物語が一つに繋がる感動とカタルシスを感じるラストでした。
同時に、この映画のレジスタンス達が持っていた自己犠牲の精神が、最後の最後に最大級に発揮されるラストになっていたあたりも、実はかなり泣かせる映画になっていましたね。