舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

恋を繋ぎ止めておくものは何もない。

2020-05-30 21:53:18 | Weblog


好きな人が遠くに行ってしまったり会えなったりしたらつらいので、何か繋ぎ止めておけるものがほしくなってしまって、ああそうか、だから人は付き合ったり結婚したりしたいと思うのかと、多分10代20代とかで気付かないといけなかったことに30代でやっと気付いて一人でうわあああとなってます。



5/29(金)、新型コロナウイルスとは関係なく、好きな人にまったく会えないのがつらすぎて、前日の夜から一睡もできずに朝を迎えてしまいました。
こんな気持ちになることもこの先滅多にないだろうと思うので、自分の気持ちと体験を書いておこうと思います。

そもそも僕は、中学生の時に初恋があって、大学生で初めてまともに彼女ができて初めてセックスをして、それ以降、まともに恋愛らしい恋愛をしたことがありません。
誰かを好きになって、付き合って、セックスして、みたいないわゆる普通の恋愛をできたことが一度もない。

人を好きになることと、セックスがしたくなることが、自分の中でどうしても噛み合わない。
好きな人がいてもそれ以上発展せずにいつも片想いで終わってしまうし、セックスをしたいと思ってもただ性欲が先走るだけです。

片想いは別にいいのですが、ただ性欲だけでセックスをしたくなるのは問題で、それで失敗したことが何度もあります。
5年前、僕のことを好きだという女の子とすごく軽い気持ちでセックスしてしまい、すごく傷付けてしまったことがあり、それ以降、セックスは人を傷付ける行為だという気持ちが強くなり、性欲に対する嫌悪感、罪悪感から、ずっとエロを自分の中で封印してきました。(その子とは後日和解し、今では友人です)

また、2年前、32歳で生まれて初めて、作家になりたいという将来の夢というものができて、今後はとにかく夢を仕事にできるようにストイックに頑張っていこう、そのためには恋愛をしている場合じゃない、という気持ちから、ますます恋愛と性欲については考えないようにしていました。
なので、今は34歳なのですが、30代になってからは恋愛やセックスのことほとんど考えることもなく、できればしたくない、くらいの気持ちで過ごしていました。

去年の7月、飲み会をする機会があり、その中に5~6年の付き合いの女友達がいました。
彼女は新潟と東京を行ったり来たりする不思議な生活をしていて、新潟に帰ってくる度に、年に数回、飲みに行ったりする仲でした。

当時の他の友人たちに比べたらそこまで会う機会も多くないのに、ほとんどの友人たちと僕がどんどん疎遠になっても、(僕はそういう人付き合いが雑なところがあります)彼女とだけは細々と友人関係が長く続いていました。
彼女はいわゆる下ネタや、男女が集まるとよくある恋愛ゴシップみたいなゲスな話題を極端に嫌い、恋愛もセックスもしたくないという人間で、それを知った上で僕がわざとそういうネタでいじると彼女がツッコミを入れてくるという変な関係で、お互いにまったく恋愛対象にもならずに、不思議と仲が良かったんです。

その飲み会の席で、他の友人たちが下ネタで盛り上がりはじめた時、いつもならドン引きするはずの彼女が、意外なことに話題に乗っていったのです。
あまりに驚いたので「どうしたの?」と聞くと、「最近色々あって…」とのことで、彼女のことが突然気になりだしました。

別な友人が「ちひろはどうなの?」と聞くので、「俺は忙しいから恋愛はいいや…」と説明すると、彼女が「でも、作家を目指すなら恋愛経験も無駄にならないんじゃないの」と言ってきたのをよく覚えています。
そんなこと言ってもらえたことが生まれて初めてだったので、本当に嬉しかった。

今まで避けてきた恋愛を、もしかしたら自分はまだできるのかも知れない。
その時、もう直感的に、「この人としたい」と思いました。

とにかく、早くまた会いたい。彼女をもっと知りたい。
その時、好きになっていたと思います。

翌日にさっそく連絡して、2人だけで会うことになりました。
そこで彼女のこれまでの恋愛やここ最近の体験を聞いたりしました。

5~6年の付き合いの中で、そんなことは初めてでした。
僕も自分の恋愛体験を話したのですが、その中で、僕が初恋の人とセックスできなかった話をしました。

一度そういうチャンスがあったのですが、その時に何もできなくて、それ以来、どんなに頑張ってもチャンスは巡ってこなかった、という話です。
その話を聞いた彼女は「切ない…」と言って、こういう話題に彼女が感情移入するのも初めてのことでした。

チャンスは一度逃したら二度と巡ってこない。その一度だけのチャンスは今しかない。そういう絶対的な確信がありました。そんなことはそれまでの人生で一度もありませんでしたが、あの時は確かにそう思いました。
そして、本当に全部その通りになりました。

自分の中でずっと否定してきた感情を彼女が受け入れてくれたことが嬉しくて、この日のことを思い出すと、未だに泣きそうになります。
たった一日の体験で、人生の意味も世界の見え方も何もかも変わってしまった。

初恋と初体験が、もう一度、同時にきたような気持ちでした。
こんなにも心の底から生きていて良かったと思ったのは、この日が初めてでした。

8月になると、彼女は東京に旅立っていきました。
会えない間も、毎日連絡を取っていました。

彼女はとんでもなくモテるらしく、東京には複数人の相手がいるということでした。
そんな近況報告を聞きながらも、彼女と連絡が取れるだけで嬉しかったし、ここには書けないようなエロい話をしては興奮していました。

毎日彼女と連絡を取りながら、どんどん好きになっていくのが分かりました。
脳内に恋愛の快楽物質がドバドバ出ているのが自分で分かるくらい、とにかく毎日が幸せで、彼女のことばかり考えて他のことが何も手に付かなくなりました。

9月になったら彼女が新潟に帰って来るということで、僕が早く会いたいと言うと、彼女も早く会いたいと言ってくれました。
ある日、どうしても気持ちが押さえられなくなって、ついに好きと言ってしまいました。

彼女はすごく驚いていましたが、僕に対して好意は持っているけれど、今は誰とも付き合うつもりはない、とのことでした。
それでも、変わらず付き合ってくれて嬉しかったです。

9月になって彼女は新潟に帰ってきましたが、突然まったく連絡が取れなくなりました。
心配していると、一週間後に連絡があり、体調を崩して、返信もできなくなっていたということでした。

それからまた一ヶ月近く会えず、結局、彼女に会えたのは9月末でした。
ドライブをして一緒に夕日を見に行って、僕がこの2ヶ月間、彼女のことばかり考えてしまって他のことが何も手に付かなくなったことも正直に話しました。

彼女は、今までほとんど人に話したことがないという過去の恋愛について話してくれて、自分は彼女の過去の恋愛には敵わないのだろうなと思うと複雑でしたが、それでも大切な想い出を話してくれたのが嬉しかったです。
別れたあと、彼女から「しばらく連絡は控えます。その分、ちひろさんは目標のために頑張ってほしい。ちひろさんが私を応援してくれるように、私もちひろさんを応援しています」という連絡がきました。

最初、振られたのかなと思いましたが、本当に応援してくれているらしく、僕が彼女のことばかり考えて何も手に付かなくなったことを心配して、そう言ってくれたということでした。
その言葉があったから、今日まで頑張っていられているようなものです。

10月になると、彼女はまた東京に旅立っていきました。
年内に1回か2回は新潟で会えると言っていましたが、その約束は果たされませんでした。

2月に彼女が新潟に帰ってきて、2回だけ会うことができました。
どちらも何人かの友人たちと遊んだので、2人だけで会えたのは僕が運転した行き帰りの車の中だけでした。

とりとめもない話をして別れました。
それ以来、彼女には会えていません。

4月に僕の撮った桜の写真に対して「すごくきれい」、僕が描いた猫の絵に対して「かわいい」と連絡がありましたが、その2回以外、彼女からは何の連絡もありません。
付き合えなくても、話せるだけ、連絡を取れるだけで今まで幸せだったことに気付きました。

また体調を崩しているのかも知れないと思うと心配ですが、何となく、このまま会えなくなるかもという不安もあります。
だとしたらつらすぎる、そうなる前に何か繋ぎとめておくものがほしくなってしまって、ああ、そうか、だから人は付き合ったり結婚したりするのかと、そういう気持ちに30代で初めて気付きました。

突然、中学生の時の初恋の相手から、数年前に貸していた本を返すと連絡がありました。
初恋の相手に会えばさすがにドキドキするかなと思いきや、そうでもありませんでした。初恋は完全に過去になっていました。

今の彼女に対する気持ちもいつか過去になるとしても、今はまだ彼女のことを忘れられそうにありません。
彼女と2人で夕日を見た想い出の駐車場に行こうとしたら、緊急事態宣言の影響で閉鎖されていて入れませんでした。
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