舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

水銀のような人生にも道はある。

2025-02-22 21:56:13 | Weblog
昔から好奇心旺盛で色々なものに興味を抱きがちな一方、物凄く興味があったものに対して一気に興味を失うこともある。
これはみんなそうなのか、僕は特にその傾向が強いのか分かりませんが、ちょっと書いてみます。

例えば何かの機会に昔の友人と連絡を取った時に、友人は未だに当時の同級生たちと連絡を取り合い定期的に同窓会や飲み会を開いていることを知る。
僕はそのことをまったく知らないが、寂しいとか羨ましいとか感じることもない自分に気付く。

別に彼らを嫌いになったわけでもないが、なんというか、自分の中で彼らの存在が「過去」になってしまっている。
そして彼らと仲良く遊んでいた頃の自分がもう他人のように感じられてしまうし、もし話しても微妙に話が合わなくなっている。

他にも、10年以上前に演劇をやっていた時代の自分も、当時は「演劇を盛り上げるぞ!」みたいなことを本気で思っていたのに、辞めてしまってからは本当にまったく興味がなくなってしまっている。
当時、やれあの劇団はどうだの、あの役者はどうだの、劇評からゴシップまで演劇のことが関心事の中心だった日々が、今となっては本気で他人事にしか思えない。

最近も、2019年から2023年までの5年間にトークイベントをしていた時は、このイベントをどう宣伝して運営していくかを本気で毎日考えていたのに、辞めてからというもの、人前に出て何かしたいみたいな気持ちが一気になくなってしまった。
この目立ちたがり屋精神みたいなものって、演劇人にはありがちなことなのだが、実は演劇をやっていた時からずっと周りと微妙にノリが合わなかったので、もともとこういう人間で、本来の自分に戻っただけかもしれない。

そして、トークイベントに呼ぶゲストを調べるために、新潟の色んな表現者に関心を持って実際に色々な現場に足を運んでいたのが、辞めてからはまるで無関心になってしまった。
当時は新潟のサブカルチャーを日常的にチェックしているような感覚があったが、今となっては人生のどこにそんな余裕があったのか本気で思い出せない。

特に、アイドルに対する興味が一気になくなってしまった。
昔は新潟のアイドルの動向を日常的にSNSでチェックして、わりと頻繁にライブ現場にも足を運んでいたのが、昨年からほぼなくなった。

まあ昨年は、好きだったcana÷bissもRYUTistも活動終了したので、アイドルオタクを卒業するにはいいタイミングだったのかもしれない。
そして、今思えばアイドルオタクの人達のように「推し」みたいな感覚が当時からあまりなかったので、もともとオタク向けの人間ではなくて、本来の自分に戻っただけかもしれない。

何かに物凄く興味を持っては一気に興味を失っていくことは、双極性障害の人間にはありがちな傾向だと、ある人から言われたことがある。
それは例えるなら、性質が変わりやすいのに転がる時は痕跡一つ残さない水銀のようだとその人は言った。

思うに好奇心旺盛なのはそもそも自分の性分なのだ。
あらゆるものに関心を持っては、何でもかんでも頭に詰め込んでしまう。

それ故に、普通の人が見向きもしないような記憶力が妙に良かったりする。
しかし、頭を効率的に、要領よく使えるようなキャパシティのある人間ではないので、脳に対する負担が人より大きくて疲れてしまう。

だから、定期的にもう自分には不要だと感じたものを、頭の中から削除する作業が必要になる。
ただ記憶力はいいので完全に忘れるのではなく、関心があった気持ちを忘れていくというか、「これに関してはもう考えない!」という断捨離みたいなことが脳の中でお壊れている気がする。

ただ、自分の本質的な部分というか、昔からずっと興味があるものは残っていくわけで、芸術や絵を描くのが好きな気持ちはずっと変わらない。
寧ろ、それまで手を出していた色々なものをばっさり切り捨てて、地域活動支援センターで絵を描くことに集中したら、絵を展示する機会が一気に増えたので、自分の進むべき道みたいなものが見つかったのかなと思う。

最近は美術の勉強も兼ねて日常的に美術館や画廊みたいな場所に行きまくっているのだが、少し前に會津八一記念館に行った時、「獨住」という書に心を動かされた。
故郷の新潟に戻り一人で生きていく覚悟を感じる晩年の八一を見習って、昔は交流のあった世界がどんどん過去になったとしても、自分の進む道だけは忘れずにいたいと思う。





それと、こうして毎日日記を書き続けることも、他の色々なことに興味を失ってもこれだけは17年以上ずっと続いているのだから、きっと死ぬまで書き続けるのだろう。
最近の主な関心事は書き忘れた日記をいつまでに全部書けるかということばかりで、2月下旬になってスーパーで新しい花を買ってきて机に飾っては、ひたすら机に向かって日記を書き続けるという、完全に自分だけの世界を生きる毎日、そんな人生もいいじゃないか。





日記と平行して利用しているSNSも、最近は自分の気持ちや考えの整理と記録のために使っているのだが、意外とその作業に時間がかかることが多く、そうなるとリアルタイムでの更新がどんどんできなくなっていく。
それもまあいいじゃん…というわけで、やっと2/22(土)の猫の日まで来たので、絵を載せておきます。
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