5/26(火)、イオンシネマ新潟西で「ムルゲ 王朝の怪物」を観てきました。
もともとユナイテッド・シネマでの上映が新型コロナウイルスの影響ですぐに終わってしまったのですが、映画館の自粛明けにイオンシネマ新潟西でも上映が始まったんですよね。
予告編はこんな感じです。
1950年代の韓国を舞台にした時代劇モンスターアクション映画です。
開始早々、疫病が流行する中、政府が民衆を弾圧するという、このご時世に観るとまったくシャレにならない場面からスタート。
その数年後、山の中にムルゲと呼ばれる怪物が出現し被害者が続出する事件が発生。
国家によるムルゲ退治が実行されるんだけど、その裏でムルゲを権力に利用とする政治家とか、貧しい民衆たちの苦しみとか、社会問題要素を入れてくるあたりさすが韓国映画ですよね。
で、今は隠居して山で猟師をしていたかつての伝説の戦士や、国家に親を殺された少女などがそこに加わり、国家の陰謀やムルゲとのバトルが勃発します。
ムルゲと疫病と国家の陰謀が徐々に繋がっていくストーリーはテンポが良くて面白かったし、アクションはとにかく迫力がありました。
そして、大きな危険が国家や人々を襲う中でも権力争いを繰り広げる人間たちの醜さを描くという風刺も入れ込んできて、とにかく見応え満載のさすがは韓国映画という感じでした。
ストーリーは奥深く濃厚で、時に残酷なバイオレンスも容赦なく描きつつ、一人一人の登場人物が抱えた背景もしっかり描きつつも、同時に彼らのコミカルな側面もしっかり入れ込むことで、いい意味で重くなりすぎないエンターテインメントになっていました。
ただ一ヶ所だけ、ムルゲのデザインが地味なのだけ微妙に気になったのですが…
ただまあ、変に派手にしすぎないことで、本当にこういう生き物がいそうというリアリティを感じる部分もあったので、これはこれで逆にアリなのかも知れませんね。
最後の最後、主人公達は、ムルゲと国家の陰謀との死闘の末に「簡単に死んでたまるか」というメッセージを感じるラストがぐっときました。
新型コロナウイルスの前に撮影された映画だと思いますけど、びっくりするほどこの時代に対するメッセージになっているという不思議な映画でしたね。