舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

これは俺のするべき仕事ではない。

2011-03-29 23:43:16 | Weblog
この前の土曜に、松本に住んでいる高校の先輩から呼び出されて駅前に行くと、そこには見知らぬ男性が。
彼は一体何者か・・・と訝しんだ俺ですが、取り敢えず正体を探りつつ話を聞いてみることに。

彼は俺や先輩と同じ新潟出身で、Mさんという方でした。
Mさんは最近、とあるベンチャービジネスに加わり、全国を飛び回っている方らしいのだ。

そんなMさんは、自己紹介もそこそこに、日本の経済の未来について熱く語りだすではないか!!
少子高齢化の進行、人口の減少、そして経済の衰退・・・


Mさん「これからは、人口が減るからモノなんて売れなくなりますよ。だから数年後には、モノには価値なんてなくなる訳です。だったら企業はどうやって生き残るか、それは広告に頼るしかない。例えばこのコーヒー、数年後にはタダ同然になります。その代わり、店の中で違う企業の広告が延々と流れている、そんな時代になります」


そして、そう考えた時にMさんは、一つの結論に至ったのだと言う。
それは要するに「自分の身は自分で守るしかない!」という事実。


Mさん「例えば、不景気で企業が信頼できない、年金も当てにならないと、誰もが口にする。加えて今回の震災で、日本はいつ何が起こってもおかしくない、という事を誰もが納得した。それなのに、今の若者は未だに取り敢えず仕事にさえつければいい、という考えで生きている、これはおかしい!」


Mさん「俺は、どんな時代になろうが、俺の好きなもののためにお金を使いたいし、叶えたい夢もある。今回の地震みたいなことが起こった時でも、正直に言えば、最終的に俺と俺の大切な人だけが助かればいい。そのためには絶対的に俺が金を持っていることが必要だが、この時代、それだけの金を普通の企業に期待できない。ならば、俺が誰もやったことのない方法で金を稼ぐ必要がある。仕事はそのための手段に過ぎない」


Mさん「だから俺が始めた仕事は・・・」


そして始まる、ベンチャービジネスの仕事内容の説明。
経済の知識を交えながら話していたので、経済に疎い僕には難しかったです。


Mさん「で、これから長野の市場も開拓していきたいから・・・」


ここでようやく理解したのですが、俺を誘った先輩は、そのビジネスの長野県の市場開拓に加わった一人だったのです。
そしてMさんの真の目的とは、俺をそのベンチャービジネスの市場開拓のメンバーに加え、そのために投資させることだったのだ!!


正直この瞬間、俺は詐欺に遭っているんじゃないかと思いました。
しかし、正直に言いますが、経済・ビジネスの分野に強い人の話術ってのは本当に凄いなあとも思いました。
「これは詐欺じゃないのか!?」と思いつつも、頭の片隅では、「俺もその企業の可能性に賭けてみたくなってきた」などと思ってしまったのですから。

まあ、考えれば考えるほど詐欺っぽい話ですが、「詐欺ではない」そうなのです。
企業の内容について詳しいことは書きませんが、「新しいSNS」ってとこなのでしょうか。
確かにそのSNSが日本に流通したら一種の革命なのかもしれないですが・・・

それにしても、初対面の人間にここまで考えさせる話術というのも詐欺師っぽいので、何度も確認してみたんですが、
Mさんは詐欺師ではなく、あくまで真剣に夢を追っている人間だと何度も言っていたのでした。

そもそも、俺はベンチャービジネスなんてまったく興味が無い人間だったはずなんですが、
なんでそんな人間がMさんの話を最後まで聞いてしまったかと言うと、やっぱり彼の話術がすごかったからなのです。

Mさんが途中で夢を語り出したのですが、Mさんはダンサーになるのが夢で、東京で事務所も立ち上げているらしいのです。
でも、ダンサーで食べていくことは出来ない、だからそのためには金を儲ける仕事をする、という考えに至ったのだそうです。
自分もBLUESをやっているので、この話を聞いた時は少しMさんに共感してしまったのかもしれません。

でも、俺はこのビジネスには加わらないことにしました。
正直、話を聞いた直後はだいぶ考えさせられてしまったのですが、最後には自分の直感で判断しました。

夢がある仕事だという考え方も、もしかしたら出来るのでしょうか。
でも、「これは俺のするべき仕事ではない」と、本能的に思ってしまったので、断る以外の選択肢は俺にはありませんでした。

とても怖かったです。
でも、自分の判断は正しかったと思います。


と、ここまで自分の気持ちをまとめられるのに、丸一日かかりました。
何しろ、全く会った事のないタイプの人から、突然全くされたことのない話をされて、しかも「君の人生が180°変わるかもしれない!」という話をされて、更には決断も迫られるというプレッシャー。
自分でも信じられないくらい神経をすり減らしました。


この日のインプロライブを観に来てくれた方は分かるかもしれませんが、前半の俺の様子がおかしかったのは、こういう理由です。



あと最後に、俺の貴重な時間と、ただでさえ病気があるし震災後で弱っている俺の精神面の健康を奪われたのがムカついたのでやっぱり名前を出してしまうと、MCMという会社です。
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