舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

人間ドラマの先に衝撃のラスト!『15時17分、パリ行き』観て来ました!

2018-04-06 02:28:39 | Weblog


4/5(木)に『15時17分、パリ行き』を観て来ました!





予告編はこんな感じです。



予告編を見た時点では、電車の中で起きたテロに巻き込まれてしまった人間たちのサスペンスみたいな印象だったんですが、特にそれ以外の情報は入れずに観に行きました。
すると、実際に観た映画は、僕の想像していたものとはまったく違うもので、しかもまったく予想していなかった感動があったのです。

はい、今回はっきり言っておきますが、軽くネタバレしながら書いていきます!
僕みたいに何の情報も頭に入れずにこの映画を観て衝撃を受けたい人は読まないでくださいね!

いいですか、警告しましたよ!
この次の行からネタバレしていきますからね!



という訳でネタバレ感想を書いていきますけど、先程も言ったように、僕がこの映画の予告編を見た時、列車の中で起こったテロを巡るサスペンスなんだろうなと思っていました。
しかし、実際に映画を観始めると、いきなり3人の男がドライブしているところから始まり、彼らの幼少期からの生い立ちが語られていくのです。

幼少期は子役が演じているのですが、大人になってからは冒頭でドライブしていた3人が演じ、色々なことが起こって行きます。
それが、青春群像劇と呼ぶにはあまりにもこれと言ってドラマティックな目立ったエピソードが起こることもなく、非常に淡々と進んでいくのです。

で、この映画は一体どこに向かっているのだろう…?と、非常に不思議な気持ちで映画を観ていると、映画も終盤に差し掛かった頃、久し振りに再会した彼らが「15時17分、パリ行き」の電車に3人で乗り込んでいき、ああ、いよいよここで何かが起こるんだ!と予感されます。
そして、そこでやっと予告編で見たテロが発生するのですが…色々はしょりますが、ここで3人がテロリストをやっつけることに成功するのです。

興味深いのが、ここで3人がテロリストを撃退することが出来たのが、よく見ると非常にたくさんの様々な偶然が重なった上で、成功していることなのです。
もっと言うと、ここに至るまでの彼らの生い立ちの中で描かれてきたいくつかの出来事が、なんとなく伏線として働いて、テロリストの撃退に成功しているのです。

ここまで観て、この映画が言いたかったことがやっと分かった気がしました。
僕なりに思ったことは、人間の行動はすべて膨大な過去の上で起こっていて、特に奇跡と呼ばれるような出来事も実際は非常にたくさんの偶然の上に成立しているものであり、生死を分かつような出来事さえも実は本当に奇跡様な偶然で生き延びたり、また一歩間違えば人が亡くなったりしていることもあるんだよな…みたいな感じですね。

ここの時点でかなり感動したのですが、最後にさらに衝撃がありました。
と言うのも、ここまでは明らかに映画として撮られているのですが、最後の最後でいきなり映画ではなく実際に起こったニュースの映像に切り替わるのです。

すると、そのニュースの中で取り上げられていたのは、電車の中でテロから人々を救った3人を表彰するという内容であり、この映画が実話に基づいたものであることが分かるのです。
ただ、普通こういう映画のラストで実際の映像が登場する映画って、それまでは役者さんが演じていて、最後だけ本人の映像が流れるというものですが…なんとこの映画の最後のニュース映像の中で表彰されている3人は、先程まで映画に出演していた3人と同じ3人なのです!

えっ!?どういうこと!?って思ったのですが、なんとこの映画のクリント・イーストウッド監督は、実際にテロリストを撃退して表彰された役者でも何でもない3人を、役者としてこの映画に出演させてしまったということということなのです。
つまり、彼らは彼ら自身の過去を映画の中で役者として演じていたということになるわけで、こんな映画は前代未聞だと思います。

しかし、この仕掛けがあることで、ごくごく普通の人間たちがある日突然ヒーローになってしまったことに衝撃が伝わると思うんですよね。
つまり、役者でも何でもない彼らがクリント・イーストウッドの映画の主演として世界で観られるということもすごいことなわけで、その凄さとこの出来事の凄さが完璧にシンクロすることで生まれた衝撃だと思います。

いやー、こんな映画初めて観ました!
何が起こるか分からない人間の可能性を描いた映画であると同時に、また一つ映画の可能性を広げた映画と言えるかも知れませんね。
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