2012年に「民主の村」として注目を集めた中国広東省の烏坎(ウカン)村。この村で3月31日、「村民委員会」の主任(村長)などの村幹部7人を選ぶ選挙が行われた。前回の選挙から2年、任期満了による今回の選挙では現職の林祖鑾(リンズラン)氏が5000票以上を獲得し、再選した。しかし、この選挙に疑問の声が上がっている。
2012年3月、烏坎村で住民らによる直接投票が行われたのは、40年以上にわたり烏坎村のトップに居座っていた共産党の書記が村有地(農地)の3/4を不正に売却し、それに怒った住民が抗議デモを起こしたことが発端であった。住民と当局側の対立は激しく、さらには当局側に拘束された住民側のリーダーが取り調べ中に死亡するという事件が起こり、対立は一層激化した。しかし、最終的には広東省側がこれまでの対応の悪さを認め、直接選挙を行うこととなり、住民側の代表である林祖鑾氏が、非共産党員として村長に就任した。
だが、この選挙から2年が経過した今でも、公約であり、住民の願いであった村有地の早期回収が進んでいない。また、選ばれた「村民委員会」の幹部メンバーの一人が半年で辞任した上、今年初めにアメリカへ出国し、3月下旬に亡命申請の意向を示すなど不可解な動きを見せている。
さらに、副村長の2名が、「林村長は当局に取り込まれた」と批判し、自ら村長に名乗りを上げたが、選挙目前の3月中旬に汚職容疑で検察当局に拘束されるという事件が起こった。これに対しては、当局による選挙への明らかな妨害行為との見方が広がっている。
APFの調査によると、村には約9000人の有権者がいるが、今回の選挙では投票数は1000人にも満たなかった。それにも関わらず、林村長は5000票以上を獲得し再選した。この票数の相違についての説明は拒否されたという。また、今回の選挙の前には広東省トップの胡春華氏が、省内の各村民委員メンバーの8割を党員で占めるように指示したと言われている(3月31日付 読売新聞)。不正を疑われても無理はない。
そもそも、2012年の直接選挙についても、民主化への一歩という意見のある一方、国内の他の村の不満を抑え、混乱が中国全土に拡大しないための当局の作戦であったとの見方もあり、評論家の伍凡(ゴボン)氏は当時から、「直接選挙にしろ、一人一票にしろ、共産党はきっと小細工をするでしょう」と指摘していた。
結局、住民が望んでいた村有地の農地は戻らず、選挙の公平性も失われている「民主の村」の民主化は実現されていない。このような政治参加の自由の無い国・中国において、住民は今も自由と正義を求めて厳しい戦いの中にある。各国メディアも中国共産党の小手先の動きに一喜一憂し、惑わされるのではなく、中国国民が真の「自由」を手にするまで、中国の現状を正しく報道し、中国の民主化を支援するべきである。
(HS政経塾 和田みな)
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