「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第21回)チバユウスケ逝く・・・

2023-12-09 11:20:40 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

読者諸賢、体の調子はどうだい?ハウリンメガネである。


先に謝っておく。
今回は気持ちの整理がついていないままこのコラムを書いている。

とりとめのない話になるがご容赦願いたい。

チバユウスケが逝った。

thee michelle gun elephant
ROSSO
the birthday
のフロントマンとしてロックシーンの最前線を走り続けたチバユウスケが逝った。


正直、逝ったという言葉を書きたくない。

確かに癌の治療のため療養するという公式アナウンスはあった。

それでもあまりにこの訃報は突然過ぎた。


だってチバだぜ?
ステージに立ったら無敵にしか見えないあのチバだぜ?


絶対にステージに戻ってきて、またあの凄え音を聴かせてくれると思っていた。


だけどそれは叶わなくなった。
そりゃいつかは誰でも死ぬけどさ。
55って早すぎるだろうよ。

 

忘れもしない。あれは中学生の頃だ。

深夜にAMラジオを聴いていた私の耳に突然ブッ刺さったのは、
ざらついたギターリフにのって、
歪んだギターみたいな声が歌う「ねえルーシー 聞かせてよ そこの世界の音」という不思議な歌詞。


ミッシェル・ガン・エレファントの「ゲット・アップ・ルーシー」だった。


ラッキーなことに寝落ちした時のためにテープを回していた私は
翌日から「ゲット・アップ・ルーシー」の部分だけ繰り返しリピートしていた……


ラッキーは続く。


当時テレビ神奈川にミュートマJAPANという、邦楽のPVやライブ映像を流す番組があり、
そこでミッシェルがよく流れていたのである。

当時の私はビデオに番組を録画し、そこからカセットテープに音声だけダビングするという、
今思えば涙ぐましい努力でミッシェルの音源を聴き倒していたのである。
(ミッシェル以外にもこの番組経由で好きになった日本のバンドは私の中でかなりの比重を占めている。それこそチバがゲストボーカルで参加したピールアウトもこの番組で知ったんだ。思い出した)

 

ウエノコウジの極太ベースにクハラカズユキのタイトなドラム、
アベフトシのマシンガンギターにチバユウスケのナチュラルに歪んだハスキーボイスが見事に噛み合った
thee michelle gun elephantは例えるなら高速で爆進するロッキン重戦車であり、
まだFのコードも満足に鳴らせない中学生だった筆者の心を鷲掴みにし、
今に至るまで、心の底の原体験かつ影響源として在るのである
(ギターの弾き方はアベさんからだし、最初にかっこいいと思ったブルースハープはチバのブルースハープだ)

 

チバがボーカルだけでなくボーカル&ギターとしての彼を打ち出したROSSOの1stも好きだ。(ミッシェルでもギターは弾いているが録音では弾かず、ライブでも外音(客席に出す音)には出していなかった)

最初に聴いたときには「えっ!チバ、ギター上手いんじゃん!」と驚き、結構熱を入れてコピーに勤しんだ覚えがある
(ROSSOの「シャロン」は今でも手が覚えてるぐらい好きだ)

 

the birthdayのアルバムだと「I'm just a dog」が好きだ。
「なぜか今日は」の歌詞が好きだ。


『なぜか今日は殺人なんて起こらない気がする
 だけど裏側には何かがある気もする
 でも なんか今日は
 でも きっと今日は』

(「なぜか今日は」)

 

チバの歌はぶつ切りにされた言葉の羅列の中にセンチメントと優しい眼差しが混ざっている。

「なにかになりたい想い」だけがあって
鬱屈していた中学生だった筆者の背中をロックの世界に押し出してくれたのは、
やっぱりチバの歌だ。

 

嗚呼、だけどやっぱり早すぎるよ。

ショックとか悲しいとかじゃなくて、なにか自分の底が抜けたような気分だ。

去年、フェスでthe birthdayを観て「さすがチバ!白髪が増えてもカッケー!」とか思ってたのに。


ああ、どうしてもあなたのあの歌詞が頭に浮かんじまうよ。


『骨になってもハートは残るぜ』(「ターキー」)

バイバイ、ジェニー。
バイバイ、ダニー。


バイバイ、チバ。

R.I.P

<ハウリンメガネ 筆>

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