「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

アエラの最新号、表紙は「Perfume(パフューム)」です。「30歳を迎えるアイドル」に見るブルース

2018-08-29 08:04:01 | 過去のハード・パンチ・コラム
「アエラ」の最新号に
パフュームのインタビューが掲載されている
というニュースは「新聞広告」で見て知ってはいた。
表紙も蝶のような衣裳の3人が飾る。

多くは語らないけれど、彼女たちも、もう30歳だろ?
さすがに「大人のインタビュー」ってところかね…
「裏方への感謝」と「3人の仲良しさ」
そして少しだけ「ニューアルバムの話」という内容。

ボリュームはそう多くは無く、
表紙を飾っている割には
「拍子抜けする内容」と言えよう。

偶然ラウンジで目にし、手に取ってみた俺…
あの頃「10代の彼女たちに見たブルース」
って、今はもう微塵も感じる事は出来ない。

ただ、逆に「30歳を迎えるアイドル」
という立ち位置に「新しいブルース」を見た。

「時代は変わる…」
とボブは歌った。
彼女たちの中ではどの様に時間が過ぎ去り
そして「時代は変わる」のだろうか?

変わることの無い
3人の「仲の良さ」は良い事に違いない。
ただ、艶々とした「アイドルの行く先」に
本人たちは「どう立ち向かおう」としているのだろうか?

そして、それはもはや
「裏方の意向」
によるものなのだろうか?
「裏方への感謝」の言葉にブルースが滲む。

今でも俺は「Voice」や「Wonder 2」
といった曲が好きだ。
でも自分から率先して聴くことは無いんだ。
どこかで不意に聴いたら笑顔になるかもしれない。

でも、その「心の笑顔」って
ラジオからボブの「時代は変わる」が流れた時の
「1%にも満たない」んだよなぁ。
そう思いながら、今日も盤を回す…。

「時代は変わる」が
「良い盤」は決して変わることはないのだから…。

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俺たちの「ソウル・クィーン」が逝った… 「アレサ・フランクリン」に捧げるゴスペル!

2018-08-18 15:09:00 | 黒人音楽
アレサが逝った。

言いたいことは山ほど有るけれど、
最初に一つだけ言わせて頂きたい。

「いつも彼女の歌に助けられて来た!」

俺はアトランティックから出された45回転の盤
(当然その全てをコレクトしているのだが)
によって、完全に彼女に酔わされて来た。

彼女の歌の本質はゴスペルであり、
それは例えばビートルズの「Let It Be」や
S&Gの「明日に掛ける橋」などの
「名ロックンロール・クラシック・ソング」
においても、実に顕著であった。

「美しく、厳かで、力強く…」 来る!

結局、俺はそんなアレサの歌を
生で聴くことは出来無かった…

飛行機嫌いのアレサだったから、
こちらからデトロイトに行くしかないのだけれど…

今、彼女は神のもとへ行かれた。
そして神様の前で歌っていることだろう。
神様が喜んで奥の間に通してくれる。

そしてそこでは一足先に来た、
オーティスやJBが招き入れてくれるんだ!
さあ、思う存分歌ってくれ!

俺たちの
「クィーン・オブ・ソウル」
は決して死なない!
そう、不滅なんだから、さ!

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明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る…「どこまでもヴァイナル中毒」(第8回)ビーバー&クラウス(パート2)

2018-08-06 12:26:01 | 『ハウリンメガネ』コラム集

読者諸賢、毎日暑いなぁ...
ハウリン・メガネである。

ここまで酷暑が続くと
さすがに私もヴァイナルの保管状態が不安になる。
諸君にも一つ、お勧めの保管方法を挙げる。

それは「毎日聴く!」ということだ。

毎日何かしらの盤を聴くということは
それだけで盤をジャケットから取り出し、
新鮮な空気にあてることになり、
変形やカビの防止につながるのだ。
盤はコレクトするだけのものじゃない。
聴く為にあるのだ。

さて、今回ご紹介する盤は前回に引き続き「Beaver&Krause」の作品。
それも前回紹介した「Gandharva」(1971年)の次作である「All Good Men」(1972年)を紹介しよう。

まずはこのジャケットを見て欲しい。
前作も強烈だったが、別の意味で強烈なジャケットだ(笑)。

ただ、前作が見るからにサイケな絵だったのに比べると、
今作の絵は超現実派(シュールリアリズム)のようで、個人的に好きなのである。
こういう絵画的なジャケット、少なくなったなぁ...

やっぱりCDサイズじゃいかんのである。(しみじみ)
盤サイズのでかいジャケでばーん!!
と見えないと、だ。

ミュージシャン本人の姿がカッコいいもの
(以前紹介したクラプトンのSlowhandとか)
なんかもやっぱりこのサイズで!ね。

さて、話を盤に戻す。
前作ではマイク・ブルームフィールドやレイ・ブラウンなど、大御所の参加が目立っていたが、
今作ではメジャーなゲストプレイヤーの名前は少ない。
ただし、参加者の名前を見るとある側面が見えてくる。

前作にも参加していたジム・ケルトナーやハワード・ロバーツなど、
知ってる人は知っている大御所や、
アル・ケイシー、 フランク・キャップ、レイ・ポールマンという名前に聞き覚えはないだろうか。

そう、この人達は知る人ぞ知る、ロスのスタジオミュージシャンチーム、
The Wrecking Crewの面々なのである!

有名どころではビーチボーイズの「サーフィン・USA」や
サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」などでバックを担った面々の一員だ。

そんな人選もあってか、
今作はアメリカンポップ趣向が反映された作風になっている。

混声コーラスが鳴り響く
[A1:A Real Slow Drag]や、カーペンターズやS&Gを髣髴とさせるメロディが美しい[A4:Sweet William]、[A6:Looking Back Now]、[B2:Child Of The Morning Sun]。

ちょっとカンタベリーロック寄りな[A5:Bluebird Canyon Stomp]、[B3:Between The Sun And The Rain](カンタベリーはイギリスだろうって?いいの!あれは広義のジャズロックだから(笑)!)。
70年代の映画のエンディング曲のような[B1:Prelude]など、良曲が並んでいる。

だが、個人的に一番興味深かったのは[A2:Legend Days Are Over]だ。
淡々としたピアノのフレーズにこれまたシンセと思われるシンプルなフレーズが絡まり、途中でパーカッションが呪術的に打ち鳴らされる。

そんな中でカットアップされたようなナレーション的言葉が無機質に繰り返される。

先に述べたような良質なポップの中に一曲だけ、
ぽつんと挟まれている「この単調な曲」が異常に私の心を捉えて離さないのである。

でも、こういうのどこかで聴いたな?
そう!ここ数回で何度も名前の出ている
ブライアン・イーノの作品に近いのだ!

前回も述べたとおり、ビーバー&クラウゼはイーノにも強い影響を与えたと言われている。
それは「シンセの使い方」だけではなく、
このような「カットアップ手法」や、アルバム内に違和感のある曲をポンと置く所も含め多大な影響が伺えるのだ!

そして、ここまで書いたからにはもうお気づきだろうが、当連載、次回以降しばらく
「ロック史上最大の異才」
ブライアン・イーノの話が続く!

ビーバー&クラウゼのような音に影響を受けた
御大ブライアン・イーノがどんな盤を作ったのか、紐解いていくことにする!

次回以降も大いに期待してくれ!
ハウリながら待て!お楽しみに!

以上、ハウリン・メガネでした。