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「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が誇る!「私のギター軍団」 (魅惑アイテムその2)「1929年製 ナショナル Style−O」

2019-10-31 12:18:47 | 『ハウリンメガネ』コラム集

いやはや残暑が厳しいと思ったら急に冬の匂いが近づいてきたが皆様、体調はいかが?ハウリンメガネである。

Mash氏からの依頼により久々に番外編(盤外編!)をしたためている私である。

ということで、今回は前回好評だった番外編に引き続き、筆者の「愛用ギター紹介」パート2である!

今回紹介するのは私のスライド弾き語りでのメイン器!「1929年製、National Style-O "TONY"!」

見ての通り、メタル(ブラス)ボディにハワイアンな彫金が美しいリゾネイターギターだ。

(なおTONYとはこのギター右側にキリか何かで開けられたと思わしきサインから筆者がつけた愛称。

最初こそ「誰やねん、トニー。こんな穴開けやがって……」と思ったものだが、もはやこのTONYの文字を見るたび、このギターを弾いていたであろう顔も知らないトニーのことを思う。

どんな曲を弾いていたのだろう。チューニングは?誰のために弾いた?なぜ手放した?

ビンテージギターは不思議だ。時間も距離も超えた相手と対話することになる。閑話休題)

ちなみに諸君、リゾネイターギターという楽器そのものについてはご存知だろうか?

 

写真をご覧いただけばわかると思うがこれはアコースティックギターの一種である。

ただ、見てのとおり、一般的なアコースティックギターとは大きく異なる構造をもつ。

流石に近年では再評価も行われ、少しは楽器屋にも並ぶようになったが、おそらく見たことのない方もおられるだろうから、少々長くなるが、「そもそもリゾネイターギターとはなんなのか?」からご説明しよう。

ものすごーく単純に言えばリゾネイターギターとは「アコースティックギターの音量をもっと大きくできないか?」という要望から開発された、アルミ製スピーカーコーンを内蔵したギターである。

これが開発された当時(1920年代)、エレキギターはまだ発明されておらず、ギターといえばアコギの事を指していた。

やったことがある人なら分かるだろうが、アコギの生音というのはドラムやピアノ、ラッパなんかと一緒にプレイすると全くと言っていいほど客席に聴こえない!

当時のプレイヤーや、楽器職人達は考えた。 

「どうすればギターをもっと聴こえるようにできる?」

幾多のアイデアが生まれた。

マーティン社は主力商品をそれまで主流だったガットギターからスチール弦を張るためのギターに変え、ボディを大型化した(俗に言うドレッドノートサイズはマーティンが発祥である)。

ギブソンはアーチトップタイプが主力だったが、ボディサイズを大型化すると共により材にこだわり、良い鳴りをするギターの製作に勤しんだ。

他にも様々のメーカー、工房が「より大きな音を!」というユーザーの要望に応えようとした。

そんな中で一つのメーカーが生まれる。

ジョンとルディのドピエラ兄弟とジョージ・ビーチャムが設立したナショナル・ストリング・インストルメント社だ。

ドピエラ兄弟は他のメーカーと全く異なるアイデアで音量問題を解決しようとした。

 「ギターにスピーカーを仕込めばよいのでは?」

そう!これこそがリゾネイターギター誕生の瞬間であった!

リゾネイターギターの構造はこうだ。

ギターのボディ部にアルミで出来たスピーカーコーンが仕込まれており、その中央にギター弦を支えるブリッジが置かれる。

ギターの弦はちゃんと張ると強い張力(弦の太さにもよるが、だいたい50〜60kg)がかかる。

この張力によってブリッジがスピーカーコーンに押し付けられ、弦の振動がスピーカーコーンに伝わり、スピーカーコーンが振動することで音が増幅される=大きな音が出る!

という仕組みになる(つまりスピーカーのドライバーがギターの弦に置き換わったと考えればよい)。

 こうして大音量を出すことのできるリゾネイターギターは多くのプレイヤーに福音を与え、世界中で飛ぶように売れた……というわけではなかった。

その発音構造上、それまでのギターの音とは趣きの異なるリゾネイターギターは大音量がだせるギターというより新たな種類のギターとして受け入れられたというのが実情のようだ(そして実際に弾いてみると分かるが、一般的なアコギと比べれば確かに音はデカイが、バンドに混ざるとそこまでの差はない)。

どこか無骨でハスキーな色気のあるリゾネイターの音色は特にスライドプレイにマッチし、スライドを多用するブルース、カントリー、ハワイアンなどのプレイヤーに好意的に受け入れられた。

ナショナル社も何種ものリゾネイターを販売したが、開発者であるドピエラ兄弟とビーチャム氏との間で権利闘争が発生したらしく、ドピエラ兄弟はナショナル社を離れ、新たにドブロ(ドピエラ・ブラザーズの略)社を設立(これがリゾネイターギターがドブロギターとも呼ばれるようになった理由である)。

ナショナル社とドブロ社という二大メーカーによってリゾネイターギターは発展、販売を続けていたのだが、最終的には大音量が出せるギターの決定版であるエレキギターの誕生とともに売上が激減。ナショナル社は倒産、ドブロ社も身売りされ、リゾネイターギターという楽器は一部の愛好家を除き、世間から忘れられていってしまった……

と、まあ中々に塩辛い歴史を持つリゾネイターギターなのだが、そのサウンドやルックスは強烈な魅力を持っており、それに惹かれる愛好家は多い(故に如何に流行りが廃れようとも現代まで生き残ったといえよう)。

有名どころのミュージシャンはメインギターではなくとも、間違いなくリゾネイターを一本は持っている。

クラプトンやキースなんかはステージ、レコーディング問わず使っているし、意外なところではジョンもソロ時代に使っている写真が存在する。マーク・ノップラーに至ってはダイアー・ストレイツ時代にアルバムジャケットをリゾネイターの写真にしてしまうほどの愛好家だし(筆者のもの同様NationalのStyle-Oだ!)、ロリー・ギャラガーやジョニー・ウィンターも愛用者として有名だ。

ブルースにおいては枚挙にいとまがないが、筆者としてはやはり、ブッカ・ホワイトとサン・ハウスというメタルリゾネイター使い二大巨頭の名前を出さざるを得ない!

何故筆者がリゾネイター、それもナショナル製のものを手にしたか。

そう!このコラムの筆者紹介で名前が挙げられているマイ・フェイバリット・ブルースマン、サン・ハウス!そして名前は挙がっていないがブッカ・ホワイト!彼らがこれを抱えていたからに他ならない!

筆者の中でブルースギター=メタルボディのリゾネイター!という公式が出来上がったのはこの二人の影響なのである。

だが、正確にいうと実はサン・ハウスもブッカ・ホワイトもメインで使っていたリゾネイターは同じナショナル社製でもデュオリアンというモデルであり、厳密には筆者のものとは異なる(デュオリアンはスチールボディ。筆者のStyle-Oは前述の通り、ブラスボディである。Style-Oも使われていたらしいのだが、少なくともサン・ハウスのレコードを聴くと彼はやはりデュオリアンユーザーだったと思われる。聴けば分かるがもろに鉄板!な音なのだ。ブッカ・ホワイトはStyle-Oらしい柔らかさのある録音も多いのだけどね)。

では、何故筆者はデュオリアンではなく、Style-Oを購入したのか?

このリゾネイターもいつもの如く、Mash氏に譲ってもらったギターなのだが、氏にリゾネイターが欲しい、と相談したとき、私は氏にデュオリアンを持ってないかと訊いたのだ。

氏の応えはこうであった。

「持ってるけど、お前には合わないんじゃないかなぁ。あれ、ほんとに鉄板の音しか出ないんだよ。Style-Oの方が柔らかい音も出るしそっちの方がいいと思うよ?」

ふーん、そういうものか。それならば。ということで、まずはStyle-Oを準備してもらい、気に入らなければデュオリアンを試す運びとなった。

後日。

用意されたこのギターを見た瞬間

(うわぁ、キラキラに光ってるじゃないか……カッコ良すぎる……)

というのが、私のファーストインプレッションであった(笑)。

もうこの時点で欲しくなっているのだが、とはいえ、音が気に入らなければ買うわけにはいかない。

オープンGにチューニングし、スライドバーを滑らせる。

(あ、俺の欲しかった音だ……)

そう、流石Mash氏は筆者のことをよく分かっていた。

そもそも何故筆者はリゾネイターの音に心惹かれるようになったのか。話はさらに過去に遡る。

筆者が中学生の頃、深夜にトライガンというアニメが放送されていた。

マンガ大好き少年だった筆者は毎週楽しみに見ていたのだが、このアニメ、音楽にやたらギターの音が使われており、その中でも筆者の脳裏に強く印象に残ったがブルージーなアコースティックスライドの曲だった(今もサントラを持っているので聴き返してみたらおそらくだが、ウッドボディのリゾネイターと思わしき音であった。なお、後になって知ったのだが、劇中歌担当は今堀恒雄氏。そう、菊地成孔氏と共にフリージャズグループ、ティポグラフィカを創設した名ギタリストだったのである。いい音出してた訳だ)。

筆者はその音のイメージを元にスライドギターの名手達を遡り、サン・ハウスとブッカ・ホワイトにたどり着いた……

そう、つまり憧れはメタルボディなれど、欲しい音色は柔らかさのあるもの、という、筆者の要求ドンピシャのものがこのStyle-Oだった訳である(とはいえ、このStyle-O、柔らかいだけではなく、鉄板らしさもきちんと感じさせてくれる。ハウス師ばりにスナップを効かせて弾けばバッチバチの、"あの音"も当然出る。結構万能なのだ)。

斯くしてこの"TONY"は筆者のメインギアとなり、今日も私の膝の上で美しく、激しくその音色を響かせているのであります。

 

スライドギターはやはり良い。

それもリゾネイターならなお良い(笑)。

オープンチューニングの弦の上をスライドバーを滑らせるだけで嬉しくなる。

 

ギタリスト諸君、やはり男は滑らしだ!

いや、女性も滑らしだ!

人類皆滑らしだ!滑らしこそが人生だ!

 

Slide 4 your life!ハウリンメガネでした!


「フクシマン土屋」の「イイトコ探訪 福島県!」(第11回)「 UFO」!?

2019-10-18 17:32:17 | 『フクシマン土屋』コラム集

こんにちは!「フクシマン土屋」です。

「UFO」

この文字を見て、みんなは何をイメージしますか?

言わずと知れた、空飛ぶ円盤!って人がほとんどかな?

そもそも「空飛ぶ円盤」なんて今は言わないかな(笑)

 

ピンクレディーやマイケル富岡・デーブスペクターあたり(UFO仮面ヤキソバン)を思い出す人もいるかもね、時代を感じさせるなぁ(あのバカバカしいCM好きだったな)

 

フクシマンは「UFO」の文字にわくわくします、血が騒ぎます(笑)

 

当時は珍しかった深夜番組の「11PM」。

小中学生には見たくてもハードルが高くてね~(笑)

ここでやっていたUFO特集にハマってね!

もう、どきどきわくわくして夢中になって見てたね。

UFOが見たくて中学校の部活の帰りは夜空を見ながら自転車運転してたね。

番組は胡散臭かったけどUFOをなんか信じてね。

MASH兄弟や、お母さんまでも見た!って言っていたしさ!

もう絶対に見たかった!宇宙に連れていかれてもよかった(笑)

フクシマン少年はUFO大好きだったのよ!

でも結局いまだに見られずじまいなんだけどね。

 

むかしの少年もすっかりおじさんになったんだけど、UFO好きは変わらなくてね。

で、フクシマンたまに行くのよ!

今回は仕事があまりにも多くて時間もなかったんだけど、行き詰ってきたんでリフレッシュに行ってきました。

 

開館と同時に入館して、風呂入って、お昼食べて、生まれ変わってきました。

ホントはもっとゆっくり居たかったんだけどね。

 

どこの温泉かって?

ノンノン(笑)

 

そこは第六回でちょっぴり話した福島市飯野町のズバリ

「UFOふれあい館」だ!

好きでもう何度か訪れている。

飯野町は自ら「UFOの里」と銘打ち、街灯はUFOの形をしていたり、町内には宇宙人の石像が点在していたりと、UFOや宇宙人にとてもフレンドリーだ!

そして、それらの文化や情報の発信基地が、飯野町シンボルの山「千貫森」だ。

 

千貫森は古代ピラミッド説やUFO基地説もあって、地元の住民にも昔から発行体が飛来する場所として認識されているミステリースポットなんだ。

その中腹にあるのが「UFOふれあい館」だ。

すごいよね、わくわくしちゃうよね!

フクシマン的には、もう行くしかない!って感じだよね(笑)

 

さて、ここへのアクセスだけど、福島市からR114で川俣方面へ20分も走れば左手に

「UFOの里」、「千貫森公園」ってデカイ看板が出ているからわかりやすいよ。

ただ「UFOの里」?ん?ってなって二度見して危ないから気を付けて!

案内通りに進むと分岐には宇宙人が看板から顔をのぞかせて異世界へ導いてくれるぞ。

迷うことなく「UFOふれあい館」へ。その向かいには「UFO物産館」も建っている。

まずは千貫森の山頂を目指したいところだが、今回は「ふれあい館」へ。

9時開館でフクシマンは1番乗りだ!

決して他にお客がいないわけじゃないぞ、すぐ後にお子さん二人連れのご家族も入館された。

料金は400円、小中学生は200円。

けっこうするのね!と思われたあなた!

とんでもございませんよ、この料金でUFOを満喫し、素晴らしい眺めのお風呂に入れて、和室の休憩室でゆっくり過ごしていいという、超お得料金なのよ!

ちなみに給湯室もあるし、持ち込み禁止にもなってないぞ。閉館は17時です。

 

チケット売り場にはこれまでに訪れた有名人のサイン色紙が。

サンドウィッチマン、堂本剛、パパイヤ鈴木、セインカミュ、ボビーオロゴン、博多華丸大吉に、ゆうこりんって、テレビ界からもコリン星からもご来場している超人気スポットなのに驚くゾ!

 

そして迎えるはいかにも怪しげな「ミステリーゾーン」への入り口。

中は薄暗く後ろからくる子供たちが「キャーキャー」言ってる(笑)

そこを抜けると明るいホールで、「UFO目撃と千貫森伝説コーナー、UFOエリア、UFOの歴史コーナー、宇宙人エリア、写真パネル、そして3Dバーチャルシアター」と盛りだくさんだ。

フクシマンが好きなのはUFOの歴史コーナーだね。フクシマン少年がわくわくしてテレビを見ていた、まさにあの時の資料が展示されている!

ぐわ~懐かし~これにやられたんだよ、夢中にさせられたんだよ!(笑)

そして写真パネル!昔は文字通り「空飛ぶ円盤」だったんだよな~と、しみじみ思います(笑)

そしておススメは3Dバーチャルシアター。これだけはちょっぴり、いや、めいいっぱい今時ですね(笑)3D映画を上映してます。時間8分くらい。

子供たちは飛び出す映像を手でつかもうとしていたり、とても楽しんでいる様子でした。

 

さあ、展示と映像でUFOを満喫した後は2階に上がり、展望風呂だ!

まだ10時くらいだからね、フクシマン1番風呂です(笑)

確かに眺めいいわ!

子供たちも入ってきて、広い湯船で喜んでいる。

サッパリしたら休憩室へ。

二部屋あるんだけどネーミングがこれまた粋だ!「宇宙」に「銀河」。

「宇宙」で休ませてもらう。和室でゆったり、畳のヘリはUFO柄だ。芸が細かい。

いやあ、ホントに1日居れるんじゃないか、UFOコーナーに戻ってもいいし(笑)

 

そしてここで終わりじゃない!UFOふれあい館を出て向かいの「UFO物産館」へ。

 

ここはUFO関連グッズをはじめ地元の名産品なども販売しているゾ、ぜひ寄ってほしい。

フクシマンは11時営業開始の軽食コーナーで名物「とび魚ラーメン」を注文。

めんは喜多方系の中太な感じだけど、スープが、スープが、めちゃくちゃ美味しいのよ!

一滴残さず完食しました。ここに来た時は試してみてね、おススメです!

 

お土産コーナーの「NO UFO NO LIFE!」Tシャツに後ろ髪引かれつつ、店をでた。

この物産館も眺めがよくて、軽食もできるし、この辺では有名な「椏久里コーヒー」も飲める。隣には公園もあるしご家族で遊びに来るにはもってこいです。

桜の木が多いから花見の季節もいいかも。

近くの「小手神社」でお参りをしてフクシマンは帰路についた。

 

いや~午前中だけでリフレッシュ、最高の気分転換になりました。

午後からの仕事もはかどりました。

 

また来たい!フクシマンにそう思わせる場所なんだよね~

 

今日も「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございました。

そういえば矢追純一さんってどうしたかな。。。

 
 

ジョーカーウーマンの「明日もボブで狂うわよ!」(第8回) ボブ書籍をご紹介よ!

2019-10-11 09:15:33 | BOB DYLAN
良かった~~~
心の底からほっとした。

2018年秋ツアーは8月初旬に発表だったため、
今年も遠からずの発表があるだろうと待ちに待った8月。
ファン内では、既に「秋ツアーは西海岸からスタート 
今年は北回り(西から東の北回り、南回りを隔年で繰り返す傾向にある)」
との「そこはかとない噂&推測」が優勢だったが、8月中は1件のリークもなし。

北米ツアーを狙ってるファンでナーバスなタイプ(私とか)が真っ先に不安サイクルに突き落とされ、
「今年の秋は無いのか?」
「過去年間100回位が近年年間80回位になっている、、、」
「ボブは他の同年代アーティストのように『ラストツアー宣言』してからツアー生活を終えるだろうか?。。。否。絶対知らん顔してぷつりと止める」
等々、考えても仕方ないネガティブ思考の渦に巻き込まれる。

タイミング悪く「ボブ・ディランがオリジナル曲のニューアルバムを製作中。2020年末から世界ツアー」とのフェイクニュースがネットで拡散され(※パロディサイトの記事で事実無根)、「もしかして1年以上ボブ観れないのでは?」と想像しただけで、ボブ・ディラン依存症の私は手が震えてくる毎日。

その後、イタリア某市の市長が「来年の7月のわが町のフェスにはBob Dylan呼ぶからね~」と無邪気にリークしたことで、ツアー引退はないと推測され、一安心。

更に、昨年、一昨年と11月下旬連続ショーが開催されたマンハッタンのBeacon Theatre の予定が不自然に11/23から12/11まで空いていることから、「おそらくBeaconはある」との推測が濃厚となる。

「レイバーディ(今年は9/2)明けには発表される」
との噂があるも、発表されず、おそらく今年は通常ツアーはなくBeacon連続ショーと東海岸の数か所になるだろうと予測していた。

が、9/9 9時(東海岸時間)、突如オフィシャルページに、10/11 カリフォルニアからスタートする、ほぼ週5態勢でのツアー予定が堂々掲載。。。

どうなってるの?

999という数字もちょっと気になる。

ともかく、一安心。

その後、大方の読み通り、Beacon連続公演、2017の5回、2018の7回に続いて、2019年堂々10公演が発表された。やはりNY公演は売れてるんでしょうか?
 

さて、ツアーとツアーの合間、何を語らせて頂きましょうか?

本日はボブの幼なじみ Louis Kemp氏の「Dylan & Me: 50 Years Of Adventures」(以下ケンプ本)という本を熱く語らせて頂きます。

とは言ってもネタばれになるので、直接的な内容には触れません。
英文ですが、ケンプさんはプロの作家ではないからか平易な英語で面白いのであっという間に読めます。
また、AmazonのKindle Unlimited対象となってますので、Unlimitedのお試し期間や99円期間を利用すれば、無料~格安で読めます。

Louis Kemp氏(以下ケンプさん)はボブとユダヤ教の夏休みこどもキャンプで友達になります。

本物の友達です。

海鮮関係の仕事で大成功され、経済的に裕福なので、同じく経済的に豊かなボブと付き合い続けるのが簡単だったのかもしれません。

ケンプさんは成功したビジネスマンらしく、
「誰が自分の本を買って読むのか」正確に解っていて(もしくは優秀な編集者か)、小ネタであってもファンが食らいつくようなボブの言動は外しません。

その分、本としては、ボブに絡む年代順小ネタ集的な感も否めませんが、今までの伝記本とは一線を画す、対等の友達のみ語れる非常に興味深い内容となっています。

ハイライト(の内の幾つか)

・理解されずとも堂々の子供時代ボブ・ディランのパフォーマンスの思い出
・思春期ボブはやんちゃもした
・バディh・ホリーのラストコンサート(ボブが既に語ってることを疑ってたけど本当かも)
・ビリー・ザ・キッド撮影現場に同行とその後のメキシコ旅行
・プラネット・ウェイブス製作時期に、ジョニ・ミッチェルと会い、新作から数曲歌ってくれるチャンスを得るが、その時ボブは。。。
・74年ツアー同行記(こぼれ話多数)
・ローリング・サンダー・レヴューの重責を担い、無事やり遂げる
・ローリング・サンダー・レヴューに参加のアーティスト達について
・ラスト・ワルツの時、アラスカキングサーモンを提供した
・ラスト・ワルツ映画製作サイドの思惑とボブの意向の相違が生んだすったもんだ
・グロスマン対ボブのすったもんだ(ケンプさん紹介弁護士活躍する)
・78年日本公演に同行する
・78年日本で地震に遭遇、その時ボブは。。。
・80年代初頭にボブと同居する
・同居時代の熱心な宗教討論(キリスト教V.S.ユダヤ教)
・ケンプさんが強力ラビ紹介、そしてボブは。。。
・伝説のチャバット派テレソン出演はこうして実現した
・ユダヤ教の儀式参加時のボブ
等々

ネガティブ要素が少ないので楽しく読めます。

最も興味深いのは、ボーンアゲインクリスチャン時代からインフィデルズの間、
何が起こっていたかの断片を垣間見れたことでしょうか。

思い出しただけでも心が震える”What Can I  Do For You”の超絶パフォーマンス(ハーモニカがすごい)、裏返り声炸裂の”When He Returns”等々、ゴスペル期の名演の数々(2年前には『トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-1981』もオフィシャル発表され、また出回ってる有名ブート80年のトロン公演も絶対見逃せない、聞き逃せない内容です)だったのに、いや?あんなにラブだったジーザスはどないなったん?との長年の疑問が少し解明されました。

面白かった。

ケンプさんは海鮮物取り扱い業なので、日本の企業とも取引があったらしく、
スーパーで”ほぼカニ”を見ると条件反射的に「ケンプさん・・・」と思う毎日です。

また、Louis Kempの名前はNetflixで公開された「Rolling Thunder Revue: A Bob Dylan Story by Martin Scorsese」でも「嫌われ者」として語られてましたね。

興味深いです。近日またNetflixに加入予定ですので、次回はケンプさんに注目しつつ見直したいと思います。


※先月掲載分で、最初違う写真を掲載するつもりで文中に書いてましたが、Windows10にアップデートしたら写真の所在がわからず、ピアノの蓋を開けた写真に変更しました。その後文章訂正するのを忘れてました。
訂正してお詫び申し上げます。
 
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ゲスト・ライター陣紹介
〈ジョーカーウーマン〉
日本を代表する
「ボブ好き5人衆」
の一人。
 
お金が有ればもちろん、
無ければローンを組んででも
海外まで出掛け
「ボブ・ディランLive」
をGetsし続ける「重鎮」
 
俺「Mash」とは
「ボブの音楽的部分」
そして
「ユーモラスに笑える部分」
にて合致!
 
今回の新連載で
より深く「ボブ」を掘り下げる!
 
ジェリーズ軍団では
「Starman☆アルチ」
「ハウリンメガネ」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。

「カネやん」「ジェシーノーマン」そして「ジンジャーベイカー」訃報が相次ぎ過ぎだろ!

2019-10-07 12:56:36 | 過去のハード・パンチ・コラム

偉人たちの訃報が相次いだ…

本当に残念でならない人物たちであり
私にとっても実に大きな存在であった。
 
クラプトンが居た
60年代の伝説的なバンド「クリーム」
そこでドラムを叩いていた
ジンジャー・ベイカー。
彼も逝った…
 
既に数年前にベース&ヴォーカルだった
ジャック・ブルース
も他界し、結局クラプトン以外は逝ってしまった。
 
私自身、クリームの盤では
「カラフル・クリーム」
がダントツで好きだ。
 
歌と演奏のバランスに
適度なサイケデリック感…
時代を反映したカラフルなジャケットも含め、
「アート満載!」
と言ってイイ強烈な名盤だろう。
ぜひ今夜にでも、聴き返して欲しい!
 
そして、ジェシー・ノーマンも逝った…
幼少の私に「黒人音楽の素晴らしさ」
を教えてくれたのが他ならぬ彼女だった。
 
78年吹き込みの偉大な作品。
この「黒人霊歌集」が無ければ、
私がルーツ・ゴスペルやブルースへ行く事は
絶対に無かったであろう。
 
今でも思い出すが、
ビートルズとロック好きの小学生の頃
音楽の授業でコレを聴いた。
確か6年生の時だと思う。衝撃的であった!
 
その当時の黒人音楽は
ブラックコンテンポラリーと呼ばれていて、
その軽めでスウィートなサウンドを
私は好きにはなれずにいた。
 
唯一の黒人歌手で好きなのがプリンス!
っていうくらい、ロック好きだったんだよなぁ。
 
ところが、小学生の音楽室で聴いた
この「黒人霊歌集」には今までとは異質な
それでいて、とても深い音楽の世界を見た。
 
ここからブラックルーツへの道が開いた!
その後は黒人ゴスペルやブルースを聴き込む。
 
そのキッカケとなったジェシー・ノーマン。
ずっと愛聴しているCDだが
死去のニュース後に聴くことになるとは…
本当に「今の私を創り出した1枚」
であり偉大な人物である。
 
そして、最後は今日のニュース。
「カネやん」が逝ったって…
 
朝刊で知ったわけだけれど、もう声も出ないよ。
野球をやっていた人間にとって
「カネやん」
は全てにおいて、憧れた存在。
 
ピッチャーなのにホームランも打つ強打!
そして投げては400勝だよ!
 
人柄も、実績も含め、
コレほどまでにカッコイイ人物って
野球界以外も含めて
そうは居なかったと思います。
 
とにかく、大好きでね。
「周りを明るくさせるパワーと豪快さ!」
に溢れていたよね!
 
だからこそ
誰も破れない大記録を達成出来たんだと思う。
「愛のある人」だったんだろうなぁ…
と容易に想像できる。
 
大きなアイコンたちが逝ってしまった…
「いつかは書く時が来る。」
とは思っていても
いざ来るとキビシイものがある。
 
祈ろう。合掌。
 
 <MASH>
 

明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る…「どこまでもヴァイナル中毒!」( 第20回) 「マーク・ボラン編 」 Part 1

2019-10-03 06:12:47 | 『ハウリンメガネ』コラム集

10月に入ったというのに残暑が厳しいがお元気かな?

読者諸賢、ハウリンメガネである。

突然だが、みなさんマーク・ボラン(T.Rex)はお好き?

 おそらくだが「誰だっけ?あー!あの映画の曲の人かー!」という人が5割。

「たしかグラムロックのひとでしょ?」という人が2割。

「ゲットイットオンとかカッコいいよね!」という人が2割。

 「いや、エレクトリック期もいいけど、やっぱりティラノサウルス・レックス時代が…」と言い出すマニアが1割!である。

前述の通り、以前マンガ及びそれを原作にした映画「20世紀少年」のテーマソングにド派手なリフが印象的な「20st century boy」が取り上げられたこともあり(というかマンガがT.Rexの同曲を元ネタにしているのだけどね。なにせ作者の浦沢直樹氏はロックファン、ボブファンとしても有名。なお個人的に氏の作品では「Masterキートン」が好き。閑話休題)

一部では「すわT.Rexブーム到来か!?」という希望的観測(もとい大いなる勘違い)がもたらされたが、当然そんなことは起こらず(苦笑)、知名度としては今も依然「好きな人は知っている」というレベルに留まっている。それがマーク・ボランという人であり、T.Rexというバンドである…

確かに「20st century boy」や、「solid gold easy action」に代表されるように派手なビジュアルでこれまた派手々々しいギターリフをブチかまし、グラムロックのフォーマットを作り上げたのは間違いなくT.Rexだが、そもそも彼らがロックバンドではなかったことを諸君はご承知だろうか?

そう、T.Rexはもとは前述のとおり、ティラノサウルスレックスを名乗るギター&パーカッション二人組みのフォークデュオだったのだ。

そう!今回ご紹介するのは彼らがT.Rexに変わる前のティラノサウルスレックス時代の4枚。

[1st] My People Were Fair And Had Sky In Their Hair, But Now They're Content To Wear Stars On Their Brows

[2nd] Prophets, Seers And Sages, The Angels Of The Ages

[3rd] Unicorn

[4th] A Beard Of Stars

 をパッケージにまとめた80年代UKリシュー盤である!(写真: 正確には1st&2nd、3rd&4thの2in1二組)

 

どうしても世間的にはエレクトリックの印象が強いマーク・ボランだが、そもそも、彼の好きな音は何だったのか?

 ビートルズ(特にジョン)や名前の元となったボブ(彼のボランという名前は芸名で、ボブ・ディランを縮めたもの)はもちろんだが、実は(私が名前を拝借させてもらった)ハウリン・ウルフをはじめとしたブルース、それもフォークブルースをかなり好んでいたらしい(ある意味において私は彼と同じ文脈にいるということになるのだなぁ)。 

そんなマーク・ボランはエレクトリック化する以前、どんな音を出していたのか?いや、これがまた見事に美しい、ため息が出るようなサイケデリックフォークなのである。

1stから3rdまではボランとスティーヴ・ペレグリン・トゥックというパーカショニストの二人で製作しているのだが、ボランとトゥックの二人だけの音でどこまでやれるのかを徹底的に追求したようなアルバムに仕上がっており、ボランのジョン譲りの美しいコード使いやダブルトラック(多重録音)を多様して声をハーモナイズするテクニック(これはこの頃からプロデューサーについていたトニー・ヴィスコンティのアイデアかな?)、特にコードの使い方についてはアコースティックギターの美味しいところを引き出すようなプレイで、ジョンに負けるとも劣らない、変幻自在に揺蕩うような雰囲気をアコギ一本で表現しており素晴らしい(何というかモノクロームの美しさとでもいおうか、激しい美しさを抑えることで生まれる美というか)。

 トゥックについても実は凄い人で、この人、手数は多いのに不要な音は鳴らさないという素晴らしいバランスを保っており、アコースティックギターとパーカッションという組み合わせだと感じがちな音の物足りなさや、逆に叩きすぎによる過剰さを感じさせない、ジャストな音を鳴らせる職人肌なパーカッショニストである。

いや、まったく、アコースティック楽器で音楽をやろうという人なら絶対聴いた方がいいと断言できる3枚なのだ。(実際私も3rdのユニコーンはこの盤とは別に所持しており、かなり聴き込んだ。そういえば奥田民生さんが所属するバンドであるユニコーンもこの3rdアルバムから名前をとったそうな。みんな好きだねぇ(笑))

ところが4thでトゥックが脱退し、ボランの相棒がミッキー・フィンに変わってからティラノサウルスは小さな、だが大きな変化を見せる。

そう、エレクトリックギターの導入である。(同時にこの辺りからトニー・ヴィスコンティの発言権が強くなって来たと思われる)

4thアルバムでは3rdまでの流れ、つまりアコースティック楽器によるデュオ編成でどこまでやれるかというよりも「どうすれば二人以上の音を出せるか」に焦点が当てられたように感じる(このあたりはトゥックとフィンの気質の違いも大きいだろうが)。

というのもこのアルバムではボランもフィンも自身のパートにこだわらず楽器を使っているのだ。エレキギターの音は当然として、オルガンの音も聴こえればベースの音もする。

ただ、全体としてはアコースティック楽器の音が強く、エレキギターも後々のT.Rex的なガーン!としたプレイよりも歌に対するメロディラインを足すような使われ方が基本で、まだ「ティラノサウルスレックス」の空気が多く残っており、アコースティックとエレクトリックの過渡期で生まれた、グラムロックのT.Rexとサイケデリックフォークのティラノサウルスレックスのミッシングリンクを繋ぐ良作、それが4thアルバムであると言えよう。

この「二人以上の音を出すにはどうすれば良いか」という方向性が4th発表後のベースとドラムの加入に繋がり、ボランはアコースティックギターからエレキギターへ持ち替え、ティラノサウルスレックスはT.Rexとなり、美しいアシッドフォークは爆発するエレクトリックブギーへと変化していくのであるが……ではこの美しいアシッドフォークを作り出した男はグラムロックの狂乱の中でどう変わったのだろうか?

次回!マーク・ボラン、エレクトリック篇!乞うご期待!

ハウリンメガネでした!また次回!

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( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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ゲスト・ライター陣紹介
〈ハウリンメガネ〉
俺「Mash」の店「ジェリーズ」に
16歳の時に来店!
来店初日から「サン・ハウス」の話をし
俺に強烈インパクトを与える。
 
以後数々のバンド活動を続けながら
ソロ活動も「ハウリンメガネ」として活躍。
この明石のブルースマンが繰り出す
「ハウリンメガネShow」は一見の価値有り!
 
ジェリーズ軍団では
「AL」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。