編集長「MASH」同様、俺も頭にきている!
そう「処理水の海洋放出の方針決定」についてだ。
福島県からこんにちは!「フクシマン土屋」です。
2021年4月13日お昼のNHKニュース、いちばん最初に流れたのは
「政府は東電・福島第一原発で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水の処分方法について海へ放出する方針を決めました。」
このニュースだ。
この発表において言われたことは
以下、NHKニュースからの引用~~~
〈決定した方針〉
具体的には、東京電力に対し、2年後をめどに海への放出を開始できるよう設備の設置などの具体的な準備を進めることを求めています。
放出にあたっては、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHO=世界保健機関が示す飲料水の基準で、7分の1程度に薄めるとしています。
また、農林水産業者や地元の自治体の関係者なども加わって放出前後の濃度などを監視するモニタリングを強化するとしていて、
IAEA=国際原子力機関の協力も得て国内外に透明性の高い、客観的な情報を発信し風評を抑えることにしています。
さらに、漁業関係者への支援や観光客の誘致、地元産品の販売促進などの対策も講じるとしています。
それでも生じる風評被害には東京電力が賠償を行うよう求めています。
このほか、関係閣僚による新たな会議を設けて必要に応じて追加の対策を機動的に実施します。
そして〈菅総理の発言〉
菅総理大臣は会議の中で「アルプス処理水の処分は福島第一原発を廃炉するにあたって避けては通れない課題だ。このため本日、基準をはるかに上回る安全性を確保し、政府を挙げて風評対策を徹底することを前提に、海洋放出が現実的と判断し、基本方針を取りまとめた。
これまで有識者に6年以上にわたり検討いただき、昨年2月に海洋放出がより現実的との報告がなされた。IAEAからの科学的根拠に基づくもの、こうした評価がなされている。また、海洋放出は、設備工事や規制への対応を行い、2年程度のちに開始をする。
トリチウムの濃度を国内の規制基準の40分の1、WHOの定める飲料水の基準の7分の1まで低下させる。さらに、IAEAなど第三者の目もいれて高い透明性で監視をする。
さらに福島をはじめ被災地の皆様や漁業者の方々が風評被害の懸念をもたれていることを真摯(しんし)に受け止め、政府全体が一丸となって、懸念を払拭(ふっしょく)し、説明を尽くす。そのために徹底した情報発信を行い、広報活動を丁寧に行う。
早速週内にも本日決定した基本方針を確実に実行するための新たな閣僚会議を設置する。
政府が前面にたって処理水の安全性を確実に確保するとともに、風評払拭に向けてあらゆる対策を行っていく。国民の皆さんには心からのご理解をお願い申し上げる」と述べました。
~~~引用ここまで
わかりやすくざっくりまとめると、
「決定した方針」
1.実際の放出は2年後をめどに開始できるよう、東電に指示
2.放出するトリチウムの濃度を、飲み水の基準よりもさらに薄める
3.海以外の産業や地元関係者などと一緒に、モニタリングを強化していく
4.IAEAにも協力してもらって国内外に客観的な情報発信、風評を抑える
5.漁業関係者への支援や観光客の誘致、地元産品の販売促進などの対策
6.それでも生じる風評被害には、東京電力が賠償を行うよう求める
7.必要があれば追加の対策を行う
おいおい7つともツッコミどころ満載だ!
「決定した方針」について感じたこと
1.東電次第、東電任せ、東電への責任転嫁
2.飲めないんだから、飲み水と比較してどないすんねん
3.他の産業や地元と、いかにも協力しているかのような印象付け
4.福島県への風評を抑える為ではなく、日本政府への風評を抑えるためだよね
5.この10年、それやってきて未だに回復してないよ
6.やっぱり東電任せ、しかも金で解決しようとする傲慢な姿勢
賠償では解決しないのにね、国が最後まで責任を持つ!ってどこ行った
7.上記6と合わせて風評被害が起こることは織り込み済み、確信犯
「菅総理の発言」について感じたこと
もう要約するのもうんざりなんだけどね、
結局言っているのは「自身(政府)の正当化」。
時間かけました、いろんな意見を聞きました、専門家の意見を踏まえて科学的に判断しました。結果、これだけの対策を行っていきます。皆様方の懸念を真摯に受け止め、その払拭にあらゆる対策を行います。
そして最後は得意の「国民へのお願い」!
このフレーズ、
どっかで聞いたことあるでしょう?
そう、「コロナ」とおんなじなんだよ。
言葉巧みに俺たち国民を操っているつもりなんだ、バカにしているよね。
それにしても文面を考えているのは同じスタッフなんだろうか…
ツッコまれない文言を考えることに、
頭のいい官僚を使ってんじゃねえよ。
閣僚や超権力者の保身に使わせるなよ。
その頭脳、労力を実際の政策運用に使ってくれよ。
ふ~
頭にきて感情的になっちゃったよ。
失礼しました。
俺の言いたいことは3つだけだ。
1.「決定した方針」の1~4は技術的な課題と労力の問題なので、やって当たり前。
2.「決定した方針」の5~7は、この10年何を見てきたの?まったくわかってないじゃん!という落胆。
3.海外諸国も注目する「処理水の海洋放出」という世界的な課題を、福島県だけの問題として解決しようとするな!
日本中を巻き込んで議論すべきことだと思うぞ。
みんなで考えない、福島でもごく一部の関係者としか話していない!
だから「風評」が生まれるんだ。なぜそれがわからないのか?
それともわかっていてやらないのか…
「処理水の海洋放出」には反対しないよ。ただし、
環境汚染を最小限に抑えて
国際ルールに則り処理するのが大前提だ。
残念ながらこれを行わないと
肝心の「廃炉作業」が進まないからだ。
これから本格的な廃炉作業が行われれば
「処理水」は今以上のペースで生まれるからね。
みんなも映像で見たことあるだろう?
第一原発敷地内にずらっと並んだタンクを。
あれは「決定した方針」で定めた数値まで薄める前の状態だ。
もしまた大津波が来てタンクが流されたら、海に流れ出てしまったら
「取り返しのつかない事態」になりそうだよね。
処理水を計画的に流さない方が、リスクが大きいと思うんだ。
2年後に海洋放出が始まれば、
今のままでは風評が生まれることは間違いないと思っている。
それを絶対に起こさないことに全力を注ぐのが政策じゃないのか。
風評が起こること、最後は賠償で黙らせよう!
っててのが織り込み済みの政策なんて、ひどい!
そんなのもういらないよ。
正直まったく期待していないけれど、
東電と国にはこれからの2年間で
「風評の起きない環境づくり・教育」を政策として行ってほしい。
いや、命がけで取り組んでもらわなきゃ困ります。
「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございます。
いろんな意見や考え、立場や事情があるのは分かっているけど、
言わずにはおれませんでした。
《 「フクシマン土屋」筆 》