「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る…「どこまでもヴァイナル中毒!」(第19回目)ジャニス「パール」編

2019-08-29 07:50:00 | 『ハウリンメガネ』コラム集

やあやあ、読者諸賢、ごきげんよう。ハウリンメガネである。

最近、急に涼しくなったせいか少々調子が悪い私である。皆様も体調にはご注意を。

 

まあ、そんな話はさておき、今回のお題は写真でもうお分かりであろう!

前回のクリス・クリストファーソンの回でも名前の上がったジャニス・ジョプリンの遺作であり、前回書いたとおりクリスの名曲「ミー・アンド・ボビー・マギー」を収録した大傑作!「パール」である!

(写真の並び順で左上から逆時計回りに日本盤(ステレオ)、日本盤(クアドラフォニック)、EUリシュー(2007年)、EU(オランダ)盤である。そう、四枚!私が思わず四枚そろえてしまうほどの大名盤である!ガラッとミックスが違うということはないのだが、なんとも面白い事に四枚を聴き比べると日本盤(ステレオ)が一番迫力(ダイナミズム)があり音が良い。それ以外の3枚はそれぞれ細かな違いはあるが、はっきり言えばダイナミズムが少しスポイルされている感がある。なお、クアドラフォニックとは4チャンネルステレオのことでこの盤だけ妙にエフェクトがかったような音が聴こえる時があるのだけど、私がノーマルのステレオで聴いている為かもしれない。閑話休題。ちなみに表題のパールとはジャニスの愛称である。これまた閑話休題(笑))

 

こんなふうに書いてはいるが、先に白状しておこう。

私は昔、ジャニスが苦手だった!

 

最初に聴いたジャニスのアルバムは「Cheap Thrills / Big Brother & The Holding Company」だったのだが、当時グランジやハードロックに夢中な中学生だった筆者はCheap Thrillsを聴いても「あんまりハードじゃないな……」やら「なんでこの人はこんなにしゃがれた声で歌ってるんだろう……(サマータイムを聴いての感想ね(苦笑))」やら思い、「よくわかんねぇや」とこのアルバムを棚にしまいこんだのであった……

 

時は流れて数年後。たしか高校生だったはずだ。夜中にラジオを聴いていた私の耳にやたらとファンキーなベースが聴こえてきた。

裏で聴こえるギターや鍵盤がロックの気配を残しつつタイトにシブくリズムを刻むなか、ボーカルがハスキーな声で吐き捨てるように歌う”Won’t you move over”というフレーズは当時多少なりともブラックミュージックに接近しだしていた私の心を捉えた。(誰だ?メモしなきゃ……)とDJが曲名をナレーションするのを待っていた私に聴こえた言葉は……

 

「はい。お聴き頂いたのはジャニス・ジョプリンの”Move Over”でした」

 

……えーぇぇぇ?今の人が?あのえらい嗄れ声の?あの人?

翌日、学校帰りにCD屋によって”Move Over”が収録されているアルバムを探した私が見つけたのがそう、今回紹介の盤である「パール」なのでありましたとさ……

 

そんな紆余曲折を経てジャニスへの苦手意識が消えた私だが、その思い出を抜きにしてもジャニスの作品中一番好きなアルバムは、やはり「パール」だ。

 

理由は単純。ジャニスが一番レイドバックしているのがこのアルバムだからだ。

 

ものすごくざっくり言えば、先に挙げた「チープ・スリル」はやはりロック、それもサイケデリックブーム華やかりし頃ドンピシャのサイケデリックロックアルバムだろう。

 

次作である「コズミック・ブルース」はジャニスが一番ブラックミュージックに接近していた時期の大傑作であり、ジェームス・ブラウンもかくやと云わんばかりのホーンセクションもド派手にブロウするゴージャスなビッグバンドサウンドに仕上がっていた。

 

であるならば、この「パール」のサウンドを表現するのに最も相応しい言葉はなにか?そう、「レイドバック」である。

ジャニスが残した有名なメジャーアルバムは3枚(細かく言えばもう少しあるが、まあ、3枚ということにしてほしい)。その3枚全て、バンドが異なる。

チープ・スリルでのBig Brother & The Holding Companyはギター2人にドラムとベースの4人組。

コズミック・ブルース期(この時期にあのウッドストック・フェスティバルに参加している)のKozmic Blues Bandは先に述べた通り、ホーンセクションを含む大所帯。

そして、この「パール」でジャニスをタイトにバックアップするFull Tilt Boogieだが、鍵盤2人にギター、ベース、ドラムという5人組みである。

 

そして、パールはこのFull Tilt Boogieのプレイがとにかく素晴らしい!

ギター、ベース、ドラムがタイトにリズムを締め、そこに鍵盤2人が自由自在に彩りを添える。さらにコズミック・ブルース・バンドに比べて人数を絞ることで、よりジャニスとの密接なコミュニケーションを図る事ができたに違いない。

そんなバンドがしっかり脇を固めた結果、ジャニスが最ものびのびと歌うことができた、レイドバックしたアルバム、それがパールだと筆者は断言しよう(故にこのアルバムが遺作となってしまったことが本当に残念でならない。このコンビネーションが続いていたらさらなる名盤を生み出していたであろう気配がプンプンするのだ。さらに云うならばもしジャニスが生きていたらアレサと向こうを張れる白人女性ボーカリストになっていたであろうと筆者は夢想する)。

彼らのプレイの素晴らしさをざっくり書かせて欲しい。

先に述べた[A-1]Move Overのタイトさや、[A-2]Cry Babyでの緩急自在なリズム、[A-3]A Woman Left Lonelyでのモノホン感が凄まじいチャーチミュージック的サウンド、[A-4]Half Moonでの小気味よいファンクネス、そしてジャニスの死によってボーカルレスでの収録となった[A-5]Buried Alive In The Blues……これについてはジャニスのボーカルが入っていたらどうなったのかと想像するのも楽しいが、逆にフル・ティルト・ブギーのプレイに耳を済ませてみて欲しい。他の曲ではジャニスに歌に気が集中しがちだが、こんなに上手いバンドはなかなかいるものではないのが良く分かると思う)

盤を返してB面では先ほど述べた「レイドバック」というキーワードがよく合う楽曲が並ぶ。

[B-1]My Babyでのザ・バンドにも通じる神々しさすら感じる演奏、コーラスともに素晴らしいし、もう皆さんお馴染みであろう[B-2]Me And Bobby McGeeではリラキシンなカントリーもしっかりこなし(ここではジャニスもアコースティックギターを弾いている)、[B-4]Trust Meではソウルフルなグルーヴを惜しみなく発揮!(なお作曲者であるボビー・ウーマックがアコースティックギターで参加していることもお忘れなく!)。そして最後の[B-5]Get It While You Canでは[B-1]同様、またまたザ・バンドに匹敵する神々しい演奏できっちり〆る、という、まことに素晴らしいバンドなのである!(逆にジャニス級のボーカルでなければ彼らの方が主役になってしまうだろう。その意味において、まさにこれはボーカルとバンドの実力が拮抗した状態で生まれる名盤のお手本である)

さて、駆け足でご紹介してしまったが……皆さん上記の曲紹介で抜けているトラックがあったことにお気づきだろうか?

そう、[B-3]Mercedes Benzである。

なぜ飛ばしたか?そりゃそうである。この曲だけはバンドは入らず、ジャニスのアカペラなのだ(笑)!そして、この曲は私の一番好きなジャニスの曲でもある。

ジャニスの死の3日前に録音されたこの曲はジャニスのストンプと歌しか入っていない1分少々の小品である。それなのになぜ、この曲はこんなに素晴らしいのだろう。彼女のこの独唱はブルースにも、フォークにも、ゴスペルにも聴こえる。

ジャニスは歌う。

「ねえ、神様、私にベンツを買ってくださいな。友達はポルシェに乗ってる。私も負けてらんないのよ。友達の助けも借りず、働き続けてきたんです。ねえ、神様、私にベンツを買ってくださいな」

 

この曲の〆にジャニスの笑い声が入っているのだが、何とも飾らない、素朴な笑い声なのである。

大量消費社会への皮肉として書かれたとも言われるこの詩をジャニスが独り歌うとき、何を想っていたのか。

 

ショウビズの世界で戦い抜いて死んだ、心にブルーズを抱え込んだ女、ジャニス。

秋が近づきだし、物思いにふけりがちなこの季節。彼女の声に耳を傾けてみるのはどうだ。きっとあなたも何かを感じるはずだ。

ハウリンメガネでした!

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
 
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ゲスト・ライター陣紹介
〈ハウリンメガネ〉
俺「Mash」の店「ジェリーズ」に
16歳の時に来店!
来店初日から「サン・ハウス」の話をし
俺に強烈インパクトを与える。
 
以後数々のバンド活動を続けながら
ソロ活動も「ハウリンメガネ」として活躍。
この明石のブルースマンが繰り出す
「ハウリンメガネShow」は一見の価値有り!
 
ジェリーズ軍団では
「AL」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。

「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード!45回転」〜今夜この曲をあなたに〜 (カンサス編)

2019-08-22 09:42:00 | 編集長「MASH」のレコード&CDラック(音楽紹介)
毎日蒸し暑い日々が続く8月です。
連日、外に出るのが危険なぐらいの猛暑と報道されていて、
各家庭でも、街の色々な施設やらショッピングモールとか、とにかく至る所で、
冷房をガンガンに効かせています。
 
こんなに電力を使っているのに、
数年前まで大きく叫ばれていた
「電力不足」
は一体何だっただろうと思う今日この頃です。

あの「原発が停止しているため、可能な限りの節電を」と
呼びかける東京電力のアナウンス。
(関東限定でしょうか?)
 
そう言えば、当時のYahoo Japanのトップページには、
「現在の電力使用状況」という類のグラフまで掲載されていましたっけ。
まるで「原発が再稼働しないと、あなた達の生活は大変なんですよ~」
と、国と企業が束になって、我々民衆を脅迫している感じ。
 
でもご安心ください。
あの頃よりも、圧倒的に暑い夏がやって来ている今ですが、
電力不足を大々的に報じるメディアはいません。
あの脅迫的な報道は何だったんだ!
と叫びたくなるのですが、
要するに電力は足りているのです。
 
だからってどんどん電気を浪費しましょう!
というわけではなく、
何事も無駄遣いは良くありません。
 
やっぱり夏は、ある程度汗をかかないと代謝も悪くなりますし、
体温調節の機能も麻痺してしまいます。
 
代謝が悪くなると、当然太りやすくなるわけで、
色んなダイエット方法が溢れている昨今、
一旦冷静になって考えれば
「運動=ダイエット」という、
もっともシンプルで基本的な解決方法に辿り着くはずなのですが、
「楽して痩せたい」というユーザーの願望を満たすため、
多くの企業は創意工夫、研究を重ね、あれこれと「これで楽して痩せます!」的な
商品を売り出すわけです。
 
話は少しそれましたが、何が言いたいかと言うと、
 
国やメディアは常に根拠のない情報操作で、
我々の不安を煽り、統制しようとしています。
そんな中、毎日雪崩のように押し寄せる情報(そして誘惑)を自分で精査し、
何が正しいかを見極める「自分の価値観」を持つことが大事なんだと思います。
 
その姿勢こそが「ロック」なんだと、僕は思うのです。
 
この記事を書いている今日、
僕の住んでいる藤沢の気温は最高35.0℃でしたが、
僕は毎日のルーティーンである
「30分のランニング」をこなしました。
 
と、強がってはいますが、
こちらの編集長「MASH氏」のようなトレーニングを日々積んでいない僕は、
さすがの暑さで少しフラフラ…
頭痛もしています。

ただ、この暑さの中でハードに戦った!
という、何とも言えない充実感があります。
 
そして、この「戦っている感覚」も、
「ロック」なんだと、声を大にして言いたい!
薬物にトリップする時代はとっくに終わりましたからね。
 
やはりこれからは、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ミックジャガー等の「師匠達のような
「演り続けることの強さ」から学んでいかねば、と思うわけです。
 
さてさて、そんな中、今回、MASH氏から送られてきた45回転シングル盤に針を落としました。
 
今回紹介する盤は
「カンサス」の1976年のアルバム「Leftoverture(永遠の序曲)」からのシングル
「A面:Carry On Wayward Son」
「B面:Questions Of My Childhood」
のカップリングです。
 
以前、地名を冠したバンドということで
「アメリカ」の盤を紹介し、
その際、カンサスというバンドが存在することも紹介しました。
 
しかし、「アメリカ」以上に「カンサス」というバンドについて、
話をしたことがないし、当然「カンサス好きです」という人に会ったことがないのです。
 
「カンサス」英語の表記では「KANSAS」。
アメリカ中西部に位置する州の名前なのですが、
この言葉を聞いて第一に思い浮かべるのが、
何と言っても、
「Ah~Kansas city!!」というポール・マッカートニーの熱唱でお馴染み、
ビートルズによるカバー、その名も「Kansas City」でしょう!
 
どうもそのイメージが拭えないのですが、
このバンドは「カンサス」と名乗った理由!
以前、「アメリカ」というバンドについて書いた記事で、
メンバーがバンド名に託した想いについて紹介しましたが、
カンサスの場合、
単純にカンサス州を中心に活動していたから名付けたそうで・・・・
 
そのエピソードから分かるように、カンサス。
一般的に「アメリカン・プログレッシブロック」等と表現されていますが、
プログレなど「何処吹く風」というような、
あっけらかんとした明るさがあります。
 
この「プログレッシブ・ロック」という言葉(ジャンル)について少し説明しましょう。
 
50年代の「ロック創世期」から、
その音楽は「シングル盤(45回転)」が中心で、
基本的に2分30秒~3分前後のものがほとんどでした。

シングル盤よりも、多くの曲を収録する事ができる
「LP」は、価格も高く、当時は「シングル盤の寄せ集め」というイメージで、
特に若い世代にはあまり浸透していなかったようです。
 
60年代に入り、ビートルズが、LPアルバムを、
単なる曲の寄せ集めでなく、一つの統一性を持った作品として制作し、
そこから、アルバムを一つのコンセプトに基づき制作する
「コンセプト・アルバム」の考えが広がっていきました。
 
そして、60年代後半から現れたバンド達、
代表的なのは「キング・クリムゾン」「イエス」「エマーソン・レイク&パーマー」等が、
所謂「プログレッシブロック」のバンドとされており、
一曲が20分を超えるほどの大作を多く発表しています。
 
もちろん、ただ延々と同じビート、アレンジで演奏しているのではなく、
その間にリズムチェンジもあれば転調もあり、幾つかのパートに分かれて構成された、
要するに「組曲」、クラシックにおける「交響曲」のようなことをロックで演ってみよう!というのが
「プログレッシヴ・ロック」の発想なのです。
 
そして、そうなると当然、
クラシックの影響の強い「キーボーディスト」がバンドの主導権を取る傾向が強くなり、
プログレッシヴ・ロックというジャンルでは、僕の敬愛する「キース・エマーソン」
「リック・ウェイクマン」を始めとする、それまでギタリストの影に隠れて脚光を浴びなかった
「スターキーボーディスト」達が登場します。
 
さて、そんな「プログレッシヴロック」ですが、
イギリスを始め、ドイツ、イタリア、オランダなど、クラシックの影響が強い国々で、
多くのバンドが誕生してきました。
 
じゃあ、イギリスと並ぶ、
もう一つの「ロック大国」であるアメリカはどうかと言うと、
60年代から70年代にかけて、
たとえば「オールマン・ブラザーズバンド」や
「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」
またはアル・クーパーが多くのミュージシャンとの共演を記録した「スーパーセッション」等で、
20分近い演奏を繰り広げることがありました。
 
ただ、これらは「ブルース」をベースにしたアドリブ(即興演奏)で、
その時々のミュージシャンの調子や、メンバー同士の掛け合いにより演奏のクオリティが左右され、
クラシック的に緻密に計算された「プログレッシブロック」とは、全く異なるものでした。
 
やはりヨーロッパには「クラシック」、
そしてアメリカには「ブルース」
という音楽が根底にあり、
たとえば生まれ育った地域の方言が中々抜けないように、
その血というか、土壌は中々乗り越えられないんだなーと、僕は思っていました。
 
さて、話は戻りますが、
今回紹介する「カンサス」は、
一般的に「アメリカン・プログレッシブロック」と呼ばれています。
 
正直言うと、僕の中のイメ―ジでは、
プログレッシヴロックは、イギリスを中心としたヨーロッパの物であり、
アメリカ人がそれらしいことをしても、やはりアメリカの土壌というか、
ブルース等のルーツミュージックの影響は隠せず、
ただの「ロックミュージック」に聴こえてしまうんじゃないかと思ってしまう。
 
同じアメリカのプログレッシブロックとしてカテゴライズされているバンドは、
「ボストン」「ジャーニー」「スティクス」などなど、
うーむ、どちらかと言うと、僕が敬愛する渋谷陽一先生が名付けた
「産業ロック」という言葉が良く似合うバンドばかりじゃないか。
 
その中で「カンサス」は、もっとも
「アメリカにおいて、最もプログレっぽいバンド」だと思っていて、
彼らのアルバム、特に1970年代までは、
文学的な歌詞だったり、キーボードを中心とした緻密なサウンドだったりは、
ヨーロッパのプログレッシブロックに通じる部分がある。
 
ただ、先ほども言ったように、やっぱり彼らのサウンドは「明るい」。
ボストン等よりも、もっと深みのある、プログレっぽいサウンドですが、
イギリス勢のそれとは違う、
その絶妙さがカンサスのオリジナリティであり、
最大の強みだと僕は思っています。
 
今回紹介する「A面:Carry On Wayward Son-B面:Questions Of My Childhood」も、
1976年にリリースされたもので、
バンドにおいてはバリバリの「プログレ期」の曲。
 
では、針を落としてみましょう!
今回は特に、
「アメリカのバンドにプログレが出来るのか?」という
部分に着目して聴いていきたいと思います。
 
レコード特有のチリノイズの後に聴こえてくるのは、
「Carry on my wayward son(疲れ果てた我が子よ、前に進むのだ)」
から始まる力強いアカペラのコーラス。
 
イギリスのプログレ勢で感じる、
ヨーロッパ的な霧がかった湿ったサウンドは一切なく、
コーラスなんてCSN&Yやカントリーミュージック的な、
太陽に照らされた爽やかさを感じる。
 
ギターなんては、なるべくブルース的なフレーズを排除したり、
曲もクラシック的なコード進行を加えて工夫しているのですが、
さすがに「歌」まではごまかせないなー、と痛感。
そこには、実に明るく美しいコーラスが響き渡ります!
 
演奏時間は5分ですが、その間に細かいリズムチェンジがあったり、
一瞬ピアノを中心としたバラードっぽいアレンジになったり、
ハードなロックサウンドかと思いきや急に、
エレキギターが一切カットされ、カントリーぽくなったり、
ギター、キーボードが互いにソロを掛け合ったりと、
しっかりと考えて作り込まれたアレンジで、
アルバム1枚をぎゅっと凝縮したような密度とダイナミック感があります。
 
「よくこれだけのアレンジを5分にまとめたなー」と感心してしまいます。
 
カンサスのドラマー「フィル・イハート」は、
ドラムを学びにイギリスへ渡り、
そこでプログレッシヴロックに出会ったことから、
そのサウンドを取り入れた方向に転換したそうなのですが、
 
イギリスのプログレをリスペクトしながらも、
しっかりと自分達のオリジナリティに消化している辺り、
ミュージシャンシップと、ロックの美しさを感じる!
 
さて、次にB面「Questions Of My Childhood」に針を落としましょう!
いきなり、ピアノの激しいタッチによるバッキングと、オルガン、シンセサイザーの
軽やかなリフが絡み合い、
キーボーディスとの僕としては、「大好物」な一曲。
 
カンサスには、キーボーディスとが二人もいるので、
2台の鍵盤によるアレンジが実に豊富!
 
この曲はもちろん、他の作品を聴いていても、
「あっ!こんなアレンジがあるのかー」
と、一人拳をぐっと握りしめてしまいます。
 
そして驚くべきことに、エレキギターの音は全く聴こえません。
アコギのバッキングが後ろの方で薄く聴こえる程度で、
その代わりに、重要な位置をしめているのが、
メンバーの「ロビー・スタインハート」によるヴァイオリン。
 
この人は、基本的にヴァイオリンと歌しかやらない、
ロック界でも中々珍しい「ロック・ヴァイオリニスト」で、
カンサスのサウンド、特にこの曲では、通常のロックバンドが、
リードギターを演奏するような個所で、ヴァイオリンのソロが入る。
 
彼のサウンドは、クラシックでは無く、カントリーミュージック的な、
どちらかと言うと「フィドル」と呼んだ方が良いような、
軽やかで陽気なプレイが多く、
それがカンサスの演奏の特徴の一つにもなっています。
 
さて、ここまで聴いて思うのは、
「えっこれってプログレなの??」ということ。
もちろん、シングル盤ですから、
アルバムとは違いポップで短めの曲が選ばれているのは確かですが、
 
どうも「アメリカン・プログレッシブロック」という言葉が、
彼らのイメージを捻じ曲げてしまっているように思えてしまう。
 
どの音楽もそうですが、
実際に「カンサス」の音楽を知るには、彼らの音楽に針を落とすしかないのです。
 
針を落とせば、縦横無人に広がる、
45回転シングル盤ならではの美しい世界があります。
 
最近、色々な人と話していて、
「これ、ネットでこんな評価でしたよ!」的な言葉をよく聞く。
まるで、自分の価値観や信念を、自分自身で決めるのではく、
インターネットなど、他人の評価で決めてしまっているようで、
毎回、悲しくなってしまいます。
自分の考えを否定されること、多くの人と自分の意見が違うことを、
極端に恐れているように思います。
 
安倍首相の言葉が詭弁か
真実かを見極めるように、
 
世に出回るダイエット商品の美辞麗句が
本当か否かを見極めるように、
 
その音楽が素晴らしいかどうかは、
最終的には、自分自身で決めるしかないのです。
感動するのは自分ですからね。
 
僕は音楽を通じて、
自分自身の価値観でしっかりと判断すること、
信念を持つことを教わりましたので、
 
そういった人が
「今後、少しでも増えれば良いなー」
と思うばかりなのです。
 
そして、良い音楽は、
必ずあなたの肩を
そっと「一(ひと)押し」する糧になるはず!
 

さあ、僕と一緒に

今夜も45回転シングル盤に針を落としましょう!

(企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
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ゲストライター陣紹介
〈Starman☆アルチ〉
 
俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
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を2019年新規結成
 

遂にこの国で「フリーランス」が300万人を突破しました!

2019-08-21 12:17:10 | MASHイズム

フリーランスが増えて来た!

という新聞記事を目にした。
(写真は神奈川新聞より)

こんな喜ばしいことはないよね!
そもそも私はフリーランスを推進していて
みんなが「好きな事を仕事にするべきだ!」
と思い続け活動をして来たし、
今もサポートをしているんだ!
(詳しくはコチラを https://1on1.crayonsite.com)
 
私自身のフリーランス歴は長く
そのスタートは古く、
中学生の時(35年前)に始めた
「ビデオ・ダビングのビジネス」
を皮切りに、
ここで得た資金をレコードに注ぎ込み
マニアへのレコード販売やトレードも
ほぼ同時にスタートさせているんだ。
 
とにかく好きだったから
「ダビング仕事」で得たお金は
全て「ビートルズのレコード盤」
に当てたね!
 
当時洋書を購入し、レア盤を調べまくって
「全国の行ける範囲のレコード屋」
を旅しては、ブツを見つけ出す!
この繰り返しが実に充実していたんだ。
 
だからバイトも高校時代は
友人に誘われたらスポットの仕事だけやり、
十分「ダビング&レコード」で稼いでいたね。
その後、音楽ライターをしたり、
音楽をプレイしたり…
 
ただ音楽活動をしながらも
人生に疑問を感じてさ…
結局「(株)リクルート」に入れて貰って、
「ぶつかり稽古」の毎日を経験し
本当に鍛えられたよね!
 
その後は自分の人生…
すなわち「音楽」に戻って行き
フリーランスの世界に骨を埋づめながら
今まで20数年経っちまった…ってワケ!
 
昨今の若い子にも言うんだが
「好きならプロになっちゃえ!」
って思うよ!簡単だからさ!
他者と自分を比べず
「とにかく走ってみろ!」
ってね!
 
俺はずっとソーやって生きて来た!
ギターで自分と比べたのは
エリック・クラプトンだけ!
子供の頃の俺には
神様みたいな存在だったからね!
「彼くらいギター弾けたら最高だろうなぁ…」
なんてさ(笑)
 
ホント幼稚だったよな。
クラプトンみたいに弾けるようになった今
俺にとってそんなもんは
「幸せなんて程遠い代物」
だったワケで
「嗚呼コレぞまさにブルース!」
なんて言いたくもなるものよ!(笑)
 
そこでクラプトンの心情を知ったり、
彼の音楽に再度リスペクトしたり…
とにかく深く音楽を理解出来る
そんな人間にはなったな。
 
ただただツッパって、
無茶して突っ走って来たから
本当に見える世界が広がった。
成長させて頂きました!
 
フリーランス万歳!
さあ、後に続くのは誰だ?
好きなら、簡単だぞ!
 
《 ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
* 当ブログの「編集長」&「執筆者」
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を集めた総合セレクトVintage Shop
「鎌倉ジェリーズ」
を経営中
 
俺のバンド「Mashroom High」公式ホームページ
にて、演奏映像公開中!
 
俺と1対1での「経営&人生相談」と「音楽教室」
「One On One」のご紹介ページは以下
 
 
 
 
 

マジかよ?横浜市はIR(カジノ)誘致を決定!

2019-08-19 12:16:18 | 社会・政治・国際情勢

急展開で嫌になる…

林さん(横浜市長)は選挙時から
「全て白紙」とは言ったものの
その雲行きは、怪しさが滲み出ていたからな…
やはり彼女の中では決まっていたんだろうよ!
(写真は本日の神奈川新聞より)
 
何の話かって?
例の「カジノを横浜に誘致する」
ってやつさ!
 
前にも書いたんだが
私がそもそも
「税収が厳しいので
人をギャンブル漬けにしてしまえ!」
という、こんな
「幼稚で危険過ぎるアイディア」に
「yes!」と言うわけねえだろ?
 
どうやら市長も含めた推進派は
横浜の山下埠頭に建設を考えている様で
「ギャンブルtown」にしちまおう!
って腹だな…。
 
私は毎日、
横浜の「みなとみらい地区」に行く。
朝イチでワークアウトしているんだ!
 
その帰り道「土日」ともなると
JRAの場外馬券場にウジャウジャ入る
ギャンブラーをマイカーの窓越しに見るが、
「大丈夫か?」
と思ってしまうね…。
 
だってそうだろう?
ほぼみんなメタボリックだぜ!
ワークアウトした後の私には
「厳しいジョーク」にしか見えないな。
そして「幸せ」には決して見えないね…
 
そんな中、カジノ誘致で
またそーいう人間を増やして
「金を取りに行く行政」ってのは
ホント、「愛の無い世界」だよね!
 
ホント、夢も希望も無い…
と感じる私ですが、
奴らは真逆!
「夢と希望のIR」
とCMしてくる日々でありんす…
 
  《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
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終戦記念日こそ、「戦争」についてハードパンチに書く!

2019-08-15 09:49:07 | 編集長「MASH」の新コラム「Mashからの遺言」

終戦記念日だ。

戦争と平和について前回も書いた。
今日はもう一つ踏み込んで書きたい。
 
戦争は至る所にあり
その存在に気づいていない現代人に
私は危機感を感じているからだ。
 
前回の記事でも書いたが
「タバコのポイ捨て」が「極度の利己主義」
だとは気づいていない…それどころか
「歩きスマホ」でさえ「極度の利己主義」
と私が言えば、反感を持つ読者もいるだろう。
 
ハードパンチに行くぜ!
ただ事実、反感を持つお前たちは
「我慢出来ないオナニー野郎」に変わりない!
んだよ!
 
自分のことだけで他者を顧りみない…
そんな行為こそ
「愛の無い人間」のヤル事であり
「自分の為に他者を犠牲にする」
そーいう奴は、「とんだ戦争野郎」だ!
ってコト!気づけよ!
 
「自分の人生が上手く行かない…」
「好きだけど自信が無い…」
と嘆く前に、自分の行動を考えろよ!
 
お前は「自分と戦っている」のか?
ハードな道をビビらずに歩いているか?
「好きな事」と言いながら、
「でも成功するかどうか…」
そんなコトで迷っていないか?
 
好きならトコトン突き進んでいるだろ?
「他者と競わず自分と戦って!」
ドンドン前へ前へと、さ。
 
人は他者と戦う必要なんて無い!
戦争は要らないんだよ。
「自分の対戦相手は常に自分」
自分に負けている奴が
人より上を目指しているだけ…
これじゃ「世の中が良くなる」わきゃぁねーよな!
 
くだらねえ愛国心など要らねえ!
自分が自分に勝ち続ければ
「真っ当な人間」にしかならない!
当然「戦争など仕掛けない」よな。
 
「だってスマホ見たいもん!」
「ライン来たから…」
と言う「歩きスマホ」のお前!
「それ誰の為にやってるのか?」
を考えろよ!
 
「自分の為」か?
「ライン相手」の為か?
「すれ違いでぶつかりそうな人」の為か?
もう分かっただろ?
 
戦争を起こすのは自分優先…
そう!
いつの時代も「利己主義な奴」さ!
 
私には友達なんか居ない!
必要だと思ったことも無い!
「くだらねえ時間」なんて
悪いが持ち合わせていないもんでねぇ(笑)
 
「意味のあるコト」
しか話したくないし
「役に立つコトしか」
書きたくもない!
 
「戦争が悲惨」な様に、眼を背けず
この世をチラっと見てご覧よ!
きっと、うじゃうじゃと居るぜ…
「戦争を仕掛けて来る奴」が!
 
君たちが「世界を変えたい」なら
「自分自身の弱さ」と戦って、勝てばイイ!
戦う相手は常に自分の中にあり、
他者と戦う愚かさを知るべきだ。
 
今日は終戦記念日…
侵略国家の敗戦記念日だからこそ
ハードに書かせて頂いた。
 
「全世界、全ての戦争被害者」へ黙祷を…
そして、今なお起こる「数々の戦争」
自分達の周りに起こる「小さな戦争」
が早く終結するよう私は切に願う…
 
PS,写真は今年も無くならない戦争を見た
「2019 世界報道写真展」での図。
 
 《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
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「フクシマン土屋」の「イイトコ探訪 福島県!」( 第9回) まさかの混浴!?でも自己責任で!!

2019-08-08 12:12:49 | 『フクシマン土屋』コラム集

こんにちは!「フクシマン土屋」です。

今回訪れたのは猪苗代町、

安達太良山麓にある「沼尻温泉♨」の「源泉」。

 

沼尻温泉の宿は山からパイプで源泉を引き込んでいるんだけど、

その「源泉」が「自噴」している、

つまり温泉が地中より湧き出している!

そんな「生まれたての湯」に

どばーんと入りに行ってきたゾ!

 

しかし!まず断っておきたい。

旅にしても、アウトドアにしても、なんにしても

楽しい中には当然リスクもつきものだ。

特に自然の中では人の考えの及びもしない…

そんな出来事が次々と起こる。

 

だから少なくとも想像できる範囲の危険、

それに対応する準備や情報集め、

迷ったときにはムリはしない!

ということを守って楽しんで欲しい。

 

さあ行こう!

安達太良山は過去に噴火を繰り返してきた活火山だから、

周辺には温泉も多い。

「沼尻温泉♨」もその中の一つだ。

温泉宿のお風呂へは何度も入りに来たことはあった。超濃厚な硫黄泉♡。

源泉かけ流しで、入れば2~3日は「におい」が取れないし、洗濯物もしかりだ。

覚悟して入れ!(笑)

 

この源泉が山より引かれていて、しかもそこでは 

「川がそのまま温泉になっている!」 

なんて聞いたら確かめずにはいられないよね!!

「ぜったいに行きます!」と即答した次第だ。

というのも情報提供というか誘ってくれたのは、

フクシマンの尊敬する

アウトドアアクティビティの達人

「Mr.KSさん」だ(以下「ミスター」)。

 

とにかく、すごい人で

フクシマンは勝手に「師匠」と思っているのだが、

紹介しだすと長くなるので

こちらの「ミスター」については

また今度ご紹介させていただく。

  

紹介地そこは硫黄川上流の「沼尻元湯」。

フクシマンは初めてだ。っていうか知らなった。

 

福島県第1号の道の駅である

「道の駅つちゆ」で「ミスター」と待ち合わせ、

ワクワクしながらバイクで目的地へと向かう。

 

沼尻温泉は沼尻スキー場の隣に位置するんだけど、そこから先へは脇道のダート(未舗装路)を走りスキー場の上部へ。しばらく行くと登山道入り口の駐車場に着いた。(メイン写真がそれ!)

ここからは登山になるけれど、

登山道はひとつかと思いきや

目立たない谷側にも道があった。

前に来たときはまったく気づかなかった。

 

「登山」ではなく「温泉」が目的なら谷側の道からアプローチするほうが近い。

先に言ってしまうと30分もあれば着いてしまう。

風呂に入るだけの軽装な方もいる。

しかしあくまで「登山道」であって、

途中足場の悪いところもあるし、

滑落すれば自力で上がれないような斜面も。

 

しかも火山地帯だからガスが出ている場合がある。

実際そのガスでさらに上部の「沼の平」では、

1997年に登山者が亡くなっている。

そういう場所だと認識して、自己責任のうえ複数人で訪れることを強く推奨する。

 

途中ビューポイントの「白糸の滝」を左手に眺めつつ足を進める。

  

景色が一気に変わる。そして 

「なんじゃここ!こんなスゴイところが近くにあったのかっっっ!」

ってのがフクシマンの感想だ(笑)

  

視界が開けたそこは荒涼とした谷間。

規模こそ小さいが以前に訪れたことのある秋田県の「川原毛地獄」を思い出した。

安達太良山の噴火で移動したらしいが、昔はここに硫黄鉱山と温泉宿があったらしい。

 

「硫黄川」の名前には納得だ!

川は白濁していて、いかにも温泉成分たっぷりな感じだ。

早く川に飛び込みたい(笑)

そんな気持ちを抑えつつ、手で川の温度を確かめながら上流へ進む。

すると我々だけだと思っていたら先客が!

もう入浴されている。邪魔しては悪いのでもう少し上流へ。

  

ここは完全な「野湯」。

お金はかからないけど湯船もない脱衣所もない。

谷間を流れる川が温泉というだけで(珍しいことだが)、登山道の脇を流れる自然の川場だ。

これまでの先客が作ったであろう「湯だまり(湯船)」らしきところが何か所かあるが、大雨でも降ればすっかり流されてしまうだろう。

ここには互いに譲りあったり、自分たちで湯だまりを作ったりと「野湯」ならではの

醍醐味とルールが存在する。

 

我々は梅雨の合間に来たので、雨のせいか水温が低くなかなかポイントが見つからない。

普通の川へ超熱い源泉が流れ込む感じで、冷たいか火傷するほど熱いかのどちらか!

ちょうどいい場所なんてない。

  

それは、自分たちの入る湯だまりは自分たちで作ることを意味していた。

したがってここへ来るときは「スコップ」が必需品だった!

バイクできた我々はそんなものを持っておらず、板や手で川を掘って湯だまりを作った!

もちろん素っ裸だ(笑)

 

夢中でやって、気が付いた時には上の登山道に部活なのだろうか、学生らしき団体が通過しているところだった。

我々が手を振ると、手を振り返してくれた。

しかしおっさん二人が裸でムキになって川を掘っていたのだから、きっと笑っていたのだろう。。。

 

なんとか腰が隠れるくらいの湯だまりを完成させ、待ってましたと飛び込む!

 

「冷たっ!! あちっ!!!」

絶えずかき混ぜていないと

こんな調子で落ち着かない(笑)

それでも大自然に囲まれた中、

裸という「生まれたての姿」で「生まれたての湯」に入るのは最高に気持ちいい!!

来た甲斐あり!だ。

  

我々が悪戦苦闘しているのを見かねたのか、

下流にいた先客グループの方が

「ご一緒にどうですか?」

と声を掛けてくれた。

  

フクシマンは耳を疑った。

なぜならそのグループは3人組で

その中の1人はおそらく女性!

いや間違いなく女性!!

それは「ミスター」とも途中話題にしていたのだった。 

 

我々はお言葉に甘えることにした(早っ!)

期待と不安に胸膨らませ(なんのこっちゃ)

おっさん二人はグループのもとへ。

 

これは!!!

湯だまりではないっ!

湯船だ!!

なんて見事なつくり!! 

えっ?

そこじゃない!?(笑) 

先客3人組は30歳そこそこか。

女性はもっと若いかも。

 

聞けばカップルとそのお友達とのことで、

カップルは各地の「野湯」巡りが趣味で、

昨夜に岐阜から8時間かけて来たらしい。

旅慣れていて我々よりよっぽど落ち着いている。

  

5人が入れてしまう素晴らしい湯船でしばし旅談義。

もちろん素っ裸だ。

チキン野郎のフクシマンは目のやり場に困ったが、旅好きな同じにおいのする素敵な方たちであった。

お邪魔しました、ありがとう!

  

こうして「沼尻元湯」初挑戦は、

まさかのハプニング付きで

(もちろん「ミスター」のお陰)

印象に残る旅となった。

 

 改めて言う!

ここへ来るのは先に言ったリスクがあること、

そしてこんなハプニングは本当にそう起こることではないってこと。

それを踏まえて、みんなも旅を楽しんでくれ!

  

〔追伸〕

東北には混浴の文化が残っているところが

まだ、あちこちあるんだ。

東北人らしいとても素晴らしい文化だと思う。

とはいえ最近はルールが乱れ問題になったり、

数も減ってきていると聞く。

時代が変わっているのだから仕方ないのだけれど

古き良き文化の一つ。

残っていくといいね。

そんな東北を福島を

俺、フクシマンはこれからも旅してまわりたい!

 

今日も「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございました。

後日、いちばん長く湯に触れていた足の裏の皮がボロボロにむけキレイになりました(笑)

薬効が強いようだから、その辺も気を付けてね~

 

( 編集・校正・加筆リライト「Mash」)
-------------------------------------------------
ゲスト・ライター陣紹介
〈フクシマン土屋〉
俺「Mash」とは小学5年生時から!
という長い付き合い。
 
彼が福島県に移る中3の夏まで
毎日登下校をする仲であった。
ちなみにここ時の彼への餞別には
ビートルズ「ホワイトアルバム」の
「ミュージックテープ(国内盤2本組み)」
(当時はカセットテープも売られていた)
を贈った。
 
以後、お互いの結婚式に出掛けたり…
と関係を保ち続けながら、
「震災後」頻繁に手紙のやりとりを続け
現在に至る。
 
俺にとっては数少ない
「友人」と呼べる人物。
である。

戦争と平和 「広島と長崎の日」の狭間で

2019-08-07 11:54:38 | 過去のハード・パンチ・コラム

戦争は終わっていない…

本当にくだらなく、悔しいことだが
そこら中に戦争があり、
多くの人間はそのことに気づいてすらいない。
 
日中の貿易戦争は、また一段と激化し
日本と韓国は馬鹿らしくイガミアウ始末…
広島と長崎の日の間に私があえて書く意味を
読書はお分かりになるであろうか?
分かって頂ければ幸いですがね…。
 
文章を続けよう。
中止に屈した「あいちトリエンナーレ2019 企画展」
(写真は神奈川新聞の記事からのもの)
韓国での「日本製品不買運動」
このどちらの騒動も「ひとつの戦争」だと
私は認識している。
そして両国民の「クダラナサ」に呆れている。
 
私は日本人だが、そんなコト別にどうでもいい!
「日本人って何?」「韓国人って何?」
答えは「どちらも同じ人間」ということです。
 
住んでいる場所が違うだけだよね。
だから私は「人間」というカテゴリー
でしか、両国民を見ていません!
 
そう思うと、どんなに茶番劇か…
分かるだろ?
 
ハッキリ言っておきますが、
日本人には「恥ずべき過去」があるワケですよ。
 
そう!
過去の日本政府は
「戦争を仕掛けて、アジア各国を侵略した」
んだよね!
 
今の日本国民はそんな汚ねえ国に生まれ
今も住んでいるワケなのよ!
そーいうことをしっかりと分かってんのかねぇ?
 
「原爆を落とされたこと」を嘆くのもいいが
そればかり言って「平和を知った顔」はマズイぜ!
 
日本兵は殺して来てるのよ!至る所で!
アジア各地でさ!満州でも朝鮮でも!
 
世界へ出るとイイぜ。
そんな生まれる前の
遠い過去の話を面前で言われる時が何度もある。
 
そんな時には私も韓国の人に謝って来た。
「私の国が過去に酷い事をし、お許し下さい。」
と。
 
彼らの大半は
「あなたに責任があるわけではない」
と言ってくれるし
「私達は未来に向けた人間という友人だ」
という共通の認識を思っている。
 
当たり前のことだけれど
この文化的、人間的交流でさえ
両国が「嫌悪感溢れる宣伝」をすれば
嫌ぁな空気になって
いつかは戦争にだってなるかもしれない…
 
人間に愛国心を植え付ける
そんな国の方向性は間違いだし、嫌いだね!
だって今やこのグローバル時代に
国境なんて無意味だからさ!
 
でも馬鹿人間達がソコを理解していない…
そんな事実には本気で危機感を感じるね。
 
今日私は車からタバコをポイ捨てする
「若い茶髪の馬鹿女」を見たよ!
こんなヤツの周りには
「戦争は日常茶飯事」なんだろうな!
だってそうだろ?
「ポイ捨て」で仕掛けて来るんだから!
 
そう!
戦争はどこにでもあるんだよ。
悲しいことにね…。
 
《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
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Trouble no more!

2019-08-02 12:53:25 | 編集長『MASH』の『生涯アスリート生活』(食・ケガ・トレーニング)

トラブルノーモア!

古いブルースにそんなのが有っただろ?
「とにかくトラブルは御免こうむりたい!」
ってヤツ。
 
そんな書き出しをした俺なんだけれど
ココ1ヶ月半はトラブル続きでね…
周りの人は知っていたんだけれど
声が出なくなってしまってね…
 
予定されていたライブも急遽キャンセルして
回復に努めているところなんだ。
ホント、「ヒソヒソ話」くらいの音量
しか出ないんだから、参ったよね!
 
歌手専用の病院にまで行き
その後の地道なリハビリにより
話すことは出来始めたものの
未だ歌える状態ではないんだよ…。
そうやって喉で苦しんでいる間に
今度はヘルニアが痛み出してさぁ…(苦笑)
 
いつも季節の変わり目には
多少の違和感が出るんだけれど
今年は梅雨が長かったセイで
左の腰が、もう強烈に痛い!
 
で、その左をカバイ
右も疲労から痛む様になってしまってね…
 
それでもルーティーンで体力維持の為
毎日泳いでいたんだけれど、
今度は腰をカバイながらのクロールで
右肩を痛めてしまったのよ…
もう満身創痍(笑)
ホント、これ以上のトラブルは御免だよ!
 
人生は色々なコトが起こるから
コレも試練として真正面から
バシッと受け止めて
前を向いて生きるだけです!
 
さすがに治りが悪いので
「準備運動」だけでなく
泳いだ後もしっかりと時間を掛けて
「ヨガを取り入れた整理運動」
を行うことにしたさ!
 
とにかく、心身ともに健康でないと
何も始まらんからな!
暑さも大敵だから
みんなも注意してくれよな!
 
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「ジョーカーウーマン」の「明日もボブで狂うわよ!」(第六回) 2019年春ヨーロッパツアー雑感(その3)

2019-08-01 13:40:17 | BOB DYLAN

このまま梅雨が終わらないのではと思ってましたが、しっかり夏がやってきました。
皆様いかがおすごしでしょうか?

さて、そうこうしてる間に初夏ツアーも成功裏に終了しましたね。
ツアー最後は、ニール・ヤング御大とのダブルヘッドライナーで、ハイドパークとアイルランド(の聞いた事ない町!)とか、、、ニュースを聞いた際にはてっきりデマかと思ってしまいました。

実際、初夏ツアー前にボブがフィル・レッシュのツアーの一部のショーに参加するかもという話もあり、、、そちらはしっかりデマ(チケットマスターのミス?)だったので。

しかし、ニール・ヤングについては堂々実現!

しかもハイドパークの前のStuttgartでは長年君臨して一部ファンからは「辟易」との心無い声も目立った他人の名曲(?)Things Have Changed(ニックネーム THC)が消え、一曲目が人気曲のBallad Of A Thin Manへ!!!
フェスを意識した仕様かしらん?

しかし、最終日のアイルランドではもっと衝撃的なことが!

なんとニール・ヤングが出てきて仲良くWill The Circle Be Unbroken?を一緒に歌った模様です。
模様ですっていうか普通にYouTubeで見れるのです。ありがたいことです。

凄い!!!!!
セカンドアンコールとかではなく、通常セットリストのPay In Bloodの後、その事件はハプンしたようですので、会場にいたリアルタイムの観客の驚きと喜びといったら、、、想像を絶するものだったことでしょう!

動画で確認したところ、ボブカッコいいです。。。
大好き!

近年は固定セットリストとなって、完成度の高いショーを追求してるのかもしれません。
一部の隙もない感じです。バンドメンバーは完璧で、ボブの気に障る事をすると怖い目で睨まれます。
よく睨まれていたギタリストは昨年で去ってしまいました(好きだったのに)。

ボブ、ちょっと出だしがマイクに通ってなかったみたいですが、そんなヘタレな出だしも大好きなんですよ!!!
ああ。
ボブ、いい。。。(うっとり)

選曲が死を意識する歌なので70代の二人に歌われるとちょっとチクリとするけど。。。
(まだまだ空の家とかには帰ってほしくないです)
これを期にシナトラ系じゃない昔の歌もガンガン歌って欲しいです。
20歳くらいの時にこの歌歌ってる有名なテープがあり、それも超良いですが、
超良いというか、、「この子天才!」と多くの人を唸らせたと思いますが、、
今ボブもなんかもう、本来のギフト+何もかも絶妙で、PC前で煩悶し続けるレベルです。

現地参加者も「これを撮らずにどうする!」と思ったのか、ステージ近め、遠め、右から左から、スクリーンを映したものと各種アップされてるようです。
色々楽しい事が起こり続け、一時ボブ・ディランから目が離せませんね♪


***


さて、衝撃のあまり、長く語ってしまいましたが、先月の続きの春のツアーの記憶続編に行きたいと思います。
【パリ】

ボブはパリが好きだと思う。なんとなく。

会場はボブが何度か使ってるLe Grand Rexという古い映画館だった。
初演は、ちょっと調べるのが面倒だから「知らない」と言い切るが、
少なくとも私は1990年2月の “infinity on trial” というWanted Man Music製海賊盤CDを持っていて(内容素晴らしいです)、2013年はYouTubeでも公演と出待ちの狂乱(既にバンドメンバーのみ)を確認することができます。

また、2013年も連続3日でその時、ボブは他所では見た事のない驚くほどゴージャスな刺繍のスーツを着ていたことが忘れられない。

「ボブはパリが大好きで、パリに来るといつもより少しお洒落をする」と心に焼きついたのです。
(今回は全然他の街と同じ衣装)

パリ公演は3日共驚愕の素晴らしさだった。
3日公演で3日とも素晴らしいって、とても幸運。

強いて違いを言うなら、
やや不安定感ある立ち上がりからのエネルギーのシフト、シフト、またシフトの連続に感銘を受けた初日。
また2日目は最初から噴出するようなエネルギーに満場釘付け状態となった疑問の余地の無い名演(特にERKは必聴)。
3日目の完成感は抜群。

こんな三日間ありえるのか!!

ボブ・ディランだから基本絶対良い。
あえて「普通」とか「OKショー」とか言ってる時でも、普通に凄く良いから!
基準かなり高めで平均値に比してのOKだから!

しかし、この3日間は激しく期待を超えた日々だった。

ボブ凄い、パリも凄い。

ボブに新時代が到来したに違いない。
(先月も熱弁をふるったような気がするが)、
初日のテープを聴いた印象とパリ3日間の凄い日々に結論をつけた。

パリ観客は熱く、連夜開演のずっと前からボブを待ち望んでいた。
観客年齢層は日本より高め、古くからのファン多い様子。

プラハ2日目に観客を天国と地獄のジェットコースターに乗せたTom Thumb's Blues,
実際に体験すると感動的だった。

間違いなく素晴らしいバンド、バンドメンバー紹介が終わったのはいつなのか?既に誰も覚えていない(多分調べたらすぐわかるが)。
Tom Thumb's Bluesをインストで演奏する企画は、ファンが惜しみなく、それぞれのメンバーに賛辞を送る貴重な時間となった。

他のアーティストの場合(嘘、もうボブしか見ないから半分記憶、半分推測)、構成を考えて、観客が最後に満足して帰るようライブを組み立てると思うのだけど、ボブって結構自分のやりたいことやりっぱなしで帰るように思う。

ボブ・ディランのコンサートは、「ボブがやりたいことやり終わって帰る」、ということで終わる。

それで成り立ってるんだから凄いし、そんなボブ沼に一度はまってしまうと他では物足らなく、、、というか興味持てなくなってしまったのだけど。
(また、物凄く構成考え抜いて、あの感じだったら、それはそれで凄いと思う)

このインスト曲演奏のお蔭で、観客皆のエネルギーが一つにまとまって非常に良い感じで終わる。
まるで普通のコンサートのようだ、この企画結構続くといいなぁと思う。(※その後すぐ終わりました)

続くウィーンは、、、
と続く予定だったのですが、今月も長くなったのでこの辺で。
来月は春のウィーン公演まとめの予定です。

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ゲスト・ライター陣紹介
〈ジョーカーウーマン〉
日本を代表する
「ボブ好き5人衆」
の一人。
 
お金が有ればもちろん、
無ければローンを組んででも
海外まで出掛け
「ボブ・ディランLive」
をGetsし続ける「重鎮」
 
俺「Mash」とは
「ボブの音楽的部分」
そして
「ユーモラスに笑える部分」
にて合致!
 
今回の新連載で
より深く「ボブ」を掘り下げる!
 
ジェリーズ軍団では
「Starman☆アルチ」
「ハウリンメガネ」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。