「過労死の責任は労組にもある」
すかいらーく過労死遺族が会社の組合に民事調停申し立て
ファミリーレストラン最大手「すかいらーく」で店長だった中島富雄さんを過労死で亡くした妻の晴香さん(「過労死をなくそう!龍基金」代表)と、晴香さんを支援している全国一般東京東部労組は7月31日、「すかいらーく労働組合」(吉田弘志委員長)に謝罪と労働環境改善への努力などを求めて、武蔵野簡易裁判所に民事調停を申し立てました。
申し立てで私たちが求めているのは次の通りです。
①中島富雄さんの過労死について労働組合としての義務を十分に尽くさなかったことへの謝罪
②これまで労組が講じてきた過重労働を防止する措置の説明
③今後、過労死が起きない労働環境改善への努力の確認
④吉田委員長が、過重な業務になるのは店長の責任という趣旨の発言をしたことへの謝罪
中島富雄さんは2004年8月に48歳で亡くなりましたが、直前の月の残業時間は180時間を超えていました。会社と遺族、東部労組との間で団体交渉を重ねた結果、会社は非を認めて昨年夏に和解しました。
しかし、過労死が起きた責任は社内の労働組合にもあるはずです。
富雄さん自身、ユニオンショップ協定(社員は必ず組合員になる制度)のもとで組合員となり、毎月の組合費は給与から天引きされていました。
すかいらーく労組は長時間労働の抑制など、職場でどのような取り組みをしてきたのでしょうか。また、自らの組合員が過労死したことについてどのように考え、対策を取ろうとしているのでしょうか。
吉田委員長は富雄さんが亡くなって間もない時期に「店長は誰の助けもなく、忙しさも半端ではありません。しかし、本当にできる店長、つまり強い店長は、その中でも休みを取れるのです」などと発言し、雑誌などで公表しています。
労働組合としては、まず過労死が出るほどの劣悪な職場環境の改善を会社に求めるべきです。しかし、吉田委員長の発言は逆に店長に責任を負わせています。中島さんを冒とくするものです。
こうした点について晴香さんと東部労組は手紙などで再三にわたって謝罪や説明の場を持ってほしいと、すかいらーく労組に求めてきましたが、明確な回答は得られませんでした。過労死問題をめぐり遺族が労働組合を相手取って法的措置を取るのは異例のことです。
申し立て後、中島さんと代理人の玉木一成弁護士(過労死弁護団事務局長)、東部労組は厚生労働省で記者会見を開きました。そこで中島さんは「(会社の)労働組合がしっかりしていれば夫は助かったかもしれない。今回の申し立てで労組の襟を正したい」と訴えました。
遺族の思いに、すかいらーく労組は真摯(しんし)に向き合うべきです。
申し立てのニュースは新聞やテレビで大きく報道されました。
読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070731i213.htm
朝日新聞 http://www.asahi.com/life/update/0731/TKY200707310443.html
毎日新聞 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070801ddm041040193000c.html
時事通信 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2007073100998
NHKでも昨日(7月31日)午後8時45分のニュースで流れました。
以下のアドレスをクリックすれば見ることができます。
http://www.jca.apc.org/j-union/movie/index.htm
すかいらーくの労働組合は、これを契機に、職場環境の改善をより積極的に推進していくべきです。
私たちの問題意識は「労働組合とは何であり、どうあるべきなのか」ということです。労働条件の向上や職場環境の改善は個人では限界があります。働く人の団結による労働組合があって、はじめて労働者1人ひとりの権利や生活が守られます。しかし、残念ながら日本の企業内組合には、こうした労組の原点を忘れ、経営側とゆ着する「御用組合」が少なくありません。組合が、その会社での出世の手段になっている例も多くあります。職場環境が劣化している今、働く人の切実な苦しみや疑問を会社側にき然と要求できる労働組合がこれほど必要になっている時はありません。
「ナイスガイ」さんへ。コメントありがとうございます。
企業内組合の大きな問題点の1つは、多くの労組が正社員中心で、パート・アルバイトや派遣や請負や契約社員ら非正規社員の権利擁護に無関心であることが多い点です。どのような雇用形態であっても、同じ働く仲間として均等な待遇を会社に求めていくべきだと思います。正社員化を求めている人には、その希望を実現するために尽力すべきだと思います。「私も弊社組合に調停を申しこめないか考慮中」とのこと。私たちの方で協力できるかもしれません。よければ相談してみてください。NPO法人労働相談センター(電話03-3604-1294、メールtoburoso@ka2.so-net.ne.jp)まで。
以下の書籍でも記載してあります。
すかいらーく・ここまでバラせばクビがとぶ―現職幹部社員の怒り!!
/須貝 良久
1章 「汚い店内、まずい料理」と苦情山積
2章 誰も言わない「ガスト失速」の危機
3章 利益第一主義がすかいらーくをダメにした
4章 技術否定、教育ないがしろの素人集団
5章 会社を私物化する経営者、失敗の責任を取らない役員
6章 次々潰れる子会社。アイデア倒れのすかいらーく商法
7章 コキ使われ、使い捨てられる社員たち
8章 デニーズ、ロイヤルに食われる日は来るか
店長も長時間労働で憔悴しきっている筈なので、助けてあげてください。
Aダイヤルは、内部が筒抜けなので、電話してはいけません。
是非、こちらへご連絡を。
休日出勤を黙認する
エリアマネジャーばかりなのに
パワハラもされては
たまりませんね
毎日12時間は働いている店長ばかりなのに
タイムカードは8時間
きっかりの店長ばかりって
おかしな会社ですよね?
所轄である三鷹労基は動いてくれているのでしょうか?