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全国一般東京東部労働組合の記録

東部労組HTS支部より-判決に臨むにあたって

2018年03月02日 10時38分08秒 | 添乗員・旅行業界

(2015年11月 提訴時の記者会見)

時給制への移行による不利益変更撤廃を求める裁判
3月22日、東京地裁の判決が出ます!


阪急トラベルサポート所属の派遣添乗員で組織する私たち東京東部労働組合HTS支部は、2014年10月より移行された「時給制」について異議を唱え、それによる不利益変更のために闘っています。

私たちが主に主張する大きな要点は以下の2つです。
●往復の航空機移動における拘束時間は、時差や利用する航空便の遅延などが考慮され、以前は「日当」が保証されていたところ、時給制により2時間分のみしか支払われなくなったことへの不利益。
●残業代を計算する際の元となる単価(時給額)は、以前までの日当を8時間で割って算出されるべきところ、会社は12、ないし13時間もの数字で割った数を基準にして時給額を決定したという方法は、前訴訟の最高裁判断に背くものであり、大いなる不利益となっていること。

2008年から6年近くもかけた前訴訟は、添乗員の残業代の存在を問う争いでした。
「みなし労働制」だから定額の日当以外に残業代はないとする会社側の主張を退け、東京高裁は、みなし労働には当たらず、8時間を超える労働には法定の割増し賃金を支払うよう判決し、これを最高裁が支持して確定しました。

<参考>
「偽装みなし労働」残業代請求裁判(労働審判異議訴訟) 最高裁で勝利判決!
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/072ea6b2417416923f8279dbefe6f729

普通に考えれば、日当制のまま、日々の労働で8時間を超える部分が残業代として支払われるようになり実質収入はアップするであろうと想像できるところ、会社はその判決の内容をねじ曲げ、団体交渉の場でも誠実に向き合うことなく不利益変更を強行し現在に至っています。「時給制」は支払いを値切るための会社の手段に過ぎません。

労働対価の安売りは長時間労働を助長させます。
無理な行程にならぬよう、無理な労働をせずとも生活ができるよう、心身ともに健全で余裕のある態勢で添乗に臨みたいものです。

添乗員の皆さん、この判決に注目してください。
2018年3月22日(木)13時10分、東京地裁527号法廷において判決が言い渡されます。
判決についてはこのブログでもご報告する予定です。

【参考1】東部労組HTS支部の主に処遇改善に関する歩み
2007年
1月:東部労組HTS支部結成
5月:組合、三田労働基準監督署に申告
7月:組合、品川ハローワークに雇用保険被保険者資格確認請求
10月:三田労働基準監督署から是正勧告、指導出る
「みなし労働」には当たらず、残業代を支払うよう勧告。また、深夜残業、休日勤務手当、有給休暇の付与を指導。
10月:品川ハローワークより雇用保険加入指導出る
2008年
1、2月:会社、三田労基署の勧告を無視し、「労働者代表」の署名付きで「みなし労働」と盛り込む就業規則の作成と届出をし、強行
3月:組合、港社会保険事務所に社会保険加入資格請求し、その後加入指導出る
5月:組合、添乗員の残業代の存在有無を問う裁判を東京地裁に提起
その後、労働審判、東京地裁、東京高裁、最高裁判所へ
2009年
3月:HTS支部委員長、アサイン停止を告知される
その後、東京都労働委員会、中央労働委員会共に会社側の「不当労働行為」を認定、委員長の名誉回復、職場復帰を果たす
2014年
1月:最高裁判決
「みなし労働」の適用を否定、残業代の存在が確定。
9、10月:会社は最高裁判決の内容をねじ曲げ、会社側の都合に合わせた「時給制」を「労働者代表」の署名、意見書とともに品川労基署に届出
2015年
11月:組合、不利益変更を訴え、東京地裁に提訴
2018年
3月:判決

【参考2】東部労組HTS支部の要求で実現した成果(中央労働委員会命令書における事実認定より)
第2回団体交渉(2007年3月)
・打合せ・精算業務の時間に応じた賃金の支払
・燃料サーチャージ代明細記入業務の廃止
第3回団体交渉(2007年4月)
・国内添乗の早朝・深夜手当の増額
第5回団体交渉(2007年6月)
・「旅日記」作成義務の原則撤廃
第11回団体交渉(2007年11月)
・スーツケース購入代金の補助

※ 詳細は当ブログのカテゴリ「添乗員・旅行業界」をご参照ください。
https://blog.goo.ne.jp/19681226_001/c/f6f077e2913f9cdf847abac9fa0ec287


東部労組HTS支部は、添乗員の生活の向上と地位の向上を目指して10年余り活動してきました。
行政、司法の確認をもって、この先もできるだけ揺るぎのない権利の獲得をしてきました。
しかし一方、これらのお墨付きのないことに関してはどうでしょうか。
残念ながら、地位向上どころか人権の問題をも感じさせる事項も時々耳にします。

せっかく勝ち取った揺るぎのないはずのものまで失くしてしまわないよう、一緒に守っていきましょう。
東部労組HTS支部への組合加入を呼びかけます。

■連絡先■
電話:03-3604-5983
メール:info@toburoso.org

コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

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応援してます (名無し)
2018-03-03 04:48:00
本当にその通りだと思います。
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