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HTS支部塩田委員長アサイン停止問題 命令の変更を求め、組合が中労委を提訴

2012年04月27日 12時00分00秒 | 添乗員・旅行業界

東部労組と東部労組HTS支部は、塩田委員長へのアサイン停止問題につき、中央労働委員会(中労委)が昨年11月29日に発した命令をめぐって4月26日、中労委を被告として行政訴訟を提起しました。

中労委命令は、阪急トラベルサポートが塩田さんに対して行ったアサイン停止につき、「労組法第7条第3号の支配介入に該当する」として、それが組合を弱体化させるための不当労働行為(違法行為)であると断じました。
【概要】http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/3ca4f680dfd7e749c9f431ba71bbcbcc

しかし、この中労委命令は、2010年2月に交付された初審東京都労働委員会(都労委)命令より後退した内容となっているのです。

都労委命令は「支配介入」と「不利益取扱い」の両方を認定し、バックペイとして「アサイン停止から添乗業務復帰までの間」分を支払うよう命令しています。
【都労委命令概要】
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/c9c238f618b5b075250a4c27566c0f88

しかし、中労委命令は、会社が問題にしている「週刊金曜日」の当該記事を執筆してもおらず、ましてや同誌の発行主体でもない塩田さんに「一定の責任が認められる」などとして、アサイン停止が塩田さんに対する「不利益取扱い」(労組法第7条1号)には該当しない、と判断しています。また、それを前提にしてか、バックペイを「1年間分」に限定しているのです。

中労委命令は「本件アサイン停止は、みなし労働の撤廃等を掲げて活動する支部の中心的な存在である塩田に対し、解雇と同視し得る措置を課し、同人を会社から排除することにより、組合の組合活動を減退させようとして行われたものと推認でき」と会社の不当労働行為意思を認定しながらも、その不当労働行為意思の発現たるアサイン停止を「不利益取扱いには該当しない」と判断しているのです。「意思」と「意思に基づく手段」を分離するというおかしな命令です。

私たちは、中労委が、阪急トラベルサポートが行ったアサイン停止を「支配介入」の不当労働行為と認定したことについては評価していますし、この命令に基づき、塩田さんを職場に戻すよう会社に強く求めています。しかし、記事の執筆者でも雑誌の発行者でもない塩田さんに「責任あり」とした中労委の判断は明らかに間違っています。
私たちは、その「責任」を前提に都労委命令から変更された命令を取り消した上で、塩田さんの「責任」をめぐる判断を修正し、都労委命令の維持=不当労働行為のよりはっきりとした認定=労組法第7条1号「不利益取扱い」の認定を求める趣旨で、中労委を提訴しました。

阪急トラベルサポートも、命令の取り消しを求めて中労委を提訴しています。ただ、会社は、「アサイン停止は不当労働行為ではない」との相変わらずの主張から、「支配介入」に限定されているとはいえ不当労働行為を認定した中労委命令そのものの取り消しのみを求めています。いわば「アサイン停止は不当労働行為ではない」との趣旨の判決を求めています。その点が、私たち組合が今回提訴した趣旨とはまったく異なります。

今後、塩田委員長アサイン停止問題は東京地裁にて争いが続いていきます。
しかし、私たちは争いを好むものではありません。この問題は、会社が塩田さんを添乗業務に復帰させ、バックペイを支払うことにより自主的に解決すればおさまる問題なのです。

阪急トラベルサポートは塩田さんを職場に戻せ!

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3 コメント

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人権番外地を許すな (名無しの添乗員)
2012-05-02 06:02:04
日本国憲法の基本中の基本を何と心得ているのでしょうか?人は皆働いて収入を得て生活する権利を有します。しかし、今の添乗派遣業界は雇用、賃金、福利厚生等では一部を除き現実的に人権番外地であると断言できます。昇給は下請け料金が上がらないの理由で一点張り、福利厚生は知らぬ存ぜず、会社の命令に服従しろ、嫌なら辞めろ・・・これらわ一体何なのですか?塩田さんの事件は正に典型でありましょう。今、塩田さんは一人の人間としての生きる権利を或る一つの組織によって否定されているのです。こんなことが許される理由がありません。そして私たち添乗員だれもが明日は我が身であることもよく認識すべきです。
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旅行業界の問題は労働問題ではなく人権問題 (o.m)
2012-05-05 19:12:56
私はフランスの現地旅行係員です。
添乗員さん達の79.5%が、日に14時間~16時間以上働かされる事に比例して現地の私達は観光ガイド ディナー・ナイトツアーの仕事が失われ、過半数の現地係員は失業保険事務所に登録しながら働いています。昨年7月13日、阪急のヴェルサイユツアーの為、パリ郊外の危険な地域にあるホテルに向かう途中、日本語ガイドのエディさんが何者かによる強度の頭部打撲により亡くなりました。阪急はこの事件を一切隠蔽してしまいました。犯人は見つからないまま、もうじきパリ警視庁の捜査は打ち切りになります。今日もこのホテルの使用は相変わらず続いています。健康を害する以外にも「このままでは殺される」の状況は続いています。
 在仏日本大使館領事部では、邦人添乗員 旅行係り員 旅行者のこの様な隠蔽された事件も、匿名 代理 後日でもフランスで事件のあった事実の報告を受け付け、邦人観光客の安全確保を図る体制を整えました。組合員でない添乗員さん達、私達現地係員も死に至らずとも会社の責任を添乗員個人に押し付けている例は他にも沢山ある筈です。あきらめ 泣き寝入りを止める事は、仲間の為だけでなく、自分自身の心の健全性を保つ為に必要だと思います。
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危険地帯のホテル (欧州添乗員)
2012-05-11 15:40:51
パリ郊外のノボテルの近辺でよく路上強盗が出たのですが、
同じところでしょうか?

お客さんも強盗の被害にあっていましたが、レポートに
使用しないようお願いを書いていたのですが全く関係なく
使われているのですね。
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