(勝利判決後、裁判所前で)
東京高裁も「偽装みなし労働」を断罪
「添乗員の労働時間を算定することが可能」
移動時間もすべて労働時間
阪急トラベルサポートはただちに不払い残業代と
同額の付加金(ペナルティ)を支払え!
「偽装みなし労働」をただちにやめろ!
2008年10月に提訴した「偽装みなし労働」不払い残業代請求裁判第3陣(原告:豊田組合員。対象は国内宿泊旅行)。昨年5月11日、東京地裁は組合側完全勝利の判決をくだしました。「添乗員の労働にみなし労働時間制は適用できない」というものでした。
しかし、会社はこの地裁(1審)判決を不服として控訴、その控訴審判決公判が9月14日、東京高裁で行われました。その冒頭、福田剛久裁判長から組合勝利の判決が通告されたのです。
高裁は、1審に続き、「添乗員の労働時間算定は可能」と明確に判断し、「事業場外みなし労働」の適用を否定。未払い残業代51万3730円(1審の認定額に比べ減額されているのは、証拠がなかった分を差し引いたため)の支払いを命じると共に、同額の付加金(ペナルティ)(51万3730円)の支払いも命じました。
会社の主張はまたしても全面的に否定されました。
裁判所は、添乗員が義務づけられている「出発時のモーニングコール」「指示書による行程の指示」「時刻が記入された詳細な添乗日報」等により、「社会通念上・・・添乗員の労働時間を算定することが可能であると認められ、添乗業務は、その労働時間を算定し難い業務には当たらないと解するのが相当」と明確に判断しています。
そして、休憩時間についても、会社の主張(「移動時間、自由行動時間等の非労働時間に適宜休憩を取っている」)を全面的に退けました。
裁判所の判断は、「参加者との関係で添乗員の休憩時間を保障する措置を執らなければ、これを直ちに労働からの解放が保障されている時間(休憩時間)ということは困難」とし、「添乗員自らが参加者に対し・・・休憩時間を取ることを伝えて休憩時間を取ったというような事情がない限り・・・休憩時間があったと認めることはできない」と明確に判断しています。
また、移動時間についても、「添乗員は、移動時間中における恒常的な業務のない時間においても、参加者への対応が義務づけられているというべきであり・・・移動時間の全てが労基法上の労働時間に含まれるというべきである」と判断しました。
その他、残業代の算定賃金額(日当÷8時間)、始業・終業時間の認定についても、1審判決を踏襲し、組合側の主張に沿った判断をしています。
まさに、添乗員の業務の実態に即した判断と言えます。
また、付加金(ペナルティ)の支払について、「控訴人(会社)が労働基準監督署の指導を受けながら、労基法37条所定の過去分の時間外割増賃金等を支払う姿勢があるとはいえなかったことは原判決(1審判決)が説示するとおり」とし、1審に続き会社の姿勢を厳しく糾弾しています。
組合はこの勝利判決を受け、弁護団とともに厚労省記者クラブで記者会見を行いました(下写真)。
その席で原告の豊田さんは「添乗員の業務の実態を分かってもらった判決でとても嬉しい。この判決をステップに、力をあわせてがんばる。これを期に業界全体が変わってほしい」と訴えました。
阪急トラベルサポートはじめすべての会社は、添乗員への「みなし労働時間制」適用をただちにやめ、残業代を支払うべきです。
いい加減に、添乗員をいじめるのはやめてください。
裁判所の判決、労基署の是正勧告指導に抵抗することはただちにやめてください。
阪急トラベルサポートは2度にわたる司法判断を真剣に受け止め、高裁判決に従え!
過去分も含めて全添乗員に残業代を支払え!
私も以前添乗員として働いておりました。また、働いていたときから労働時間に関しては矛盾を感じつつも働いておりました。
地裁から高裁と正当な判決が出ているにもかかわらず、HTSは更に最高裁に申し立てを行うのでしょうか。早く考え方を変えて全ての添乗員さんの幸せを願って判決を履行していただきたいものです。
それぞれの添乗員さんの就業条件が改善すれば、もっと素晴らしい添乗員サービスも出来ると思います。それは業界にとっても意義のあることだと思います。
阪急トラベルサービスは即刻、上告を断念し真摯に劣悪な労働条件を見直すべきです。
これ以上添乗員をいじめるのは止めてください。