東部労組は5月12日、添乗員派遣会社の業界団体である「日本添乗サービス協会」(TCSA)に対し「新型コロナウイルス関連 添乗員の生活保障に関する要請書」を送り、必要な施策の実行を求めました。
TCSAの会長である三橋滋子氏は添乗員派遣会社「TEI」代表取締役会長でもあります。
また、理事には東部労組HTS支部組合員が所属する阪急トラベルサポートをはじめ、添乗員派遣会社の取締役らが名を連ねています。
TCSAのホームページでは「日本添乗サービス協会について」(http://www.tcsa.or.jp/about/outline.html)として「協会では1986年の設立以来現在まで、添乗員の生活を守ることを目的にして多くの施策を行ってまいりました」とあります。
そのような設立趣旨・活動趣旨を掲げるTCSAに対して東部労組・HTS支部は2008年5月にも添乗員の長時間労働の是正、「事業場外みなし労働」撤廃を会員企業である添乗員派遣会社に指導することなどを求める要請行動を行いました(上写真)。
【参考】5・1メーデーでTCSA前アピール行動「添乗員に人権を!」
今回、新型コロナウイルスの影響に関連し、組合がTCSAに対して要請したのは大きく以下の2点です。
●添乗員派遣会社に対し、休業補償の対象期間を限定することなく、また、支払い対象を「キャンセルとなったツアー」に限定することなく、新型コロナウイルスの影響が終息するまでの間、ツアー(アサイン)のない期間についても対象とするよう、会員企業に働きかけ、実施させること。
●添乗員派遣会社に対し、「ツアー(アサイン)のない期間」についての休業の補償にむけ「みなし休業補償」を行うとともに、その実現を担保するべく雇用調整助成金を活用するよう指導すること。
TCSAが添乗員の就業実態に即した雇用調整助成金の適用について行政に働きかけを行っているとの報道もありますが、現在までのところ、TCSAから公式にアナウンスされている「支援」は添乗員への「個人向け共済貸付」です。
これについては、3年以上の勤務経験が必要、貸付金額にも上限(20万円)が設定され、しかも無利子期間が2年間と限定されているなど、困難な状況下にある派遣添乗員の生活保障としては不十分と言わざるを得ません。
TCSAの定款には「添乗員等の社会的地位の向上と魅力ある環境整備に係る事業」を行う、と謳われています。
就労の機会を奪われたことで収入を絶たれ就労の見通しも立たない、休業に対する補償も不十分。これが「魅力ある環境」でしょうか。
TCSAは今こそ、派遣添乗員の「社会的地位の向上と魅力ある環境」を整備するためにも、休業の補償を始めとする生活保障を責任もって行うよう、HTS支部組合員が所属する阪急トラベルサポートを始めとする会員企業に強く求めるとともに、国や行政機関への働きかけを強めるべきです。
TCSAの真摯かつ誠意ある回答・対応を期待します。
全国の添乗員のみなさん・旅行業界で働くみなさん
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