■新田開発時代
戦国時代後期から近世にかけては、耕地が飛躍的に増大した。この田畑造成事業を新田開発という
全国総石数が約1.7倍伸びた
近世以前は開発の手が及ばなかった台地、扇状地、山麓、低湿地、沿岸部、湖、沼が、干拓・埋立によって耕地となった。これらの開発を可能にした背景には、全国統一権力の確立と土木技術の進展がある
■新田開発の種類
★幕府・藩など【領主側】が行う
※代官見立新田
※藩営新田
※藩士知行新田
※土豪開発新田
★町人資本により行う
※町人請負新田
★村が行う
村請新田
百姓寄合新田
■新田開発の仕方
村内の耕地の周辺に小規模な耕地を開き、切添新田を主流に、耕地を増加させていった
開発地が離れる場合は、出新田といった
未開発地に新しい村が成立する場合が村立新田で、成立した村を新田村という。村立新田は周辺の村々や他領から移った農民によって開発されたため、開発者の人名や出身地の名がつけられた
■新田開発の抑制
近世後期になると、秣場(肥料、飼料採取するための土地)の確保や本田重視のため次第に新田開発は抑制された
低湿地などでは開発されても旧状に復す耕地も多かった
耕作が放棄された手余地を再開発することを「起し返し」といい、新田村よりさらに当たらしい村が開かれる地域もあった
■開発耕地の特徴
★【路村型】
※耕地、集落、道などを計画的に設定
※中心となる道は直線に引かれた
※道両側に屋敷地・家屋。その背後に短冊状の耕地が配される
★【散村型】
屋敷地、家屋が点在
★低湿地の堀上田、急傾斜地の棚田なども新田開発の成果である
★一筆(一区切りの田畑)の面積が、古村の耕地割より大きい
★耕地所持は、古村ほど激しい格差は見られず、均等に配分された
■新旧耕地の違い
形状や大きさ
旧耕地との不整合
土地の高低
などで識別できる場合が多い
ひとたび水害が起こると、いちはやく冠水する耕地は、かつての河道や湿地。そこに開かれた新しい耕地は、古い耕地に対して安定性に欠ける脆弱な面を持つ