法華経は念念に
一心三観
一念三千
のいわれを観ずれば
我が身本覚の如来なること
覚り出され
無明の雲晴れて
法性の月明らかに
夢想の夢醒めて
本覚の月輪いさぎよく
父母所生の肉親
煩悩具縛の身
即、本有常住の如来となるべし
此を即身成仏とも
生死即涅槃とも申す
此の時、法界を照し見れば
ことごとく中道の一理にて
仏も衆生も一なり
されば天台の所釈に
「一色一香中道に非ざること無し」
と釈し給えり
此の時は十方世界皆寂光浄土にて
何れの処を浄土と云わん
是をもって法華経に
「是の法は法位に住して
世間の相、常住なり」
と説きたまう