人はヘソの緒で母親とつながりこの世に出現した。一人で放り出されては生きていけない不完全な生きものとして生まれ落ちた。親との絆はそのような危なっかしい正真正銘の命綱だった。そして様々な支え合いを条件として人は成長する
絆はときどき柵(しがらみ)となって窮屈な世界へ引きずられたりする。ひとえにこちら側の受けとめ方次第。絆も柵(しがらみ)もまた仮のものである。だからこそ絆にほだされず、柵をものともせず、自在に生きる
誰も私に代わって、私の生老病死を生きてはくれない。そのような人生での「真の寄り添い」とはどのようなものなのか?
私一人のために私の命から、惜しみない采配がある。私が私に寄り添うことができたとき、他者に寄り添い、自然に寄り添い、老いに寄り添い、病に寄り添い、死に寄り添い、寛容に生を全うしきることができる
私が私に寄り添いながらの人生の一人旅。他者や自然との出会いの眼差しは、「共にこの世にあり、切れながらも繋がっている絶対的な命。共に生老病死の一人旅」という切なくも嬉しい共鳴を見る