■沢山集まるという貴重な機会はあれど、時まだ来ずと判断し
仏は請われても説かず
寂滅道場の砌(みぎり・行われる時)十方の諸仏示現し
一切の大菩薩集会し
凡夫・大根性の者は耳をそばだて
生身得忍(しょうしんとくにん・現実の身のままで、涅槃の法理に安住し心が動じない位)の諸菩薩
解脱月菩薩等、請をなし給う
しかれども世尊は
二乗作仏、久遠実成をばを隠し
即身成仏、一念三千の肝心
その義をのべ給わず
これらは
機はあり
しかども
時の来らざれば
のべさせ給わず
■諸仏の種が入っていれば
時が至れば成仏すると定まっている
一代謗法の提婆達多には
天王如来と名をさづけ
五障の竜女は蛇身のままで仏になる
決定性の成仏は
いれる種の花咲き果なり
一念三千は
九界即仏界
仏界即九界と談ず
されば此の経の一字は
如意宝珠なり
一句は諸仏の種となる
此は熟・不熟はさておき
時の至れるゆえなり
経にいわく
「今正しく是れ其の時なり
決定して大乗を説かん」