国王一家が帰りついたパリでは
「国王が祖国を捨てて逃げ出すのか!」
「もう国王なんかいらないぞ!」
「王政廃止しろ!」
「王政廃止して共和制を!」
「君主制を廃止して共和制を!」
「国王と王妃を死刑に!」
の声が高まる
5日間の逃避行の恐怖は、マリーアントワネットの美しかったブロンドの髪を、老婆のような白髪に変えてしまっていた
■ロベスピエール
「そろそろ本気で共和制を考える時がきたようだ。明日の議会はあれるぞ。王政派の連中にひとあわふかせてやらねばならん」
当時フランスでは、平民の中にも財産を持った裕福な平民と、貧しい民衆との差があらわれていた。財産のある平民はブルジョワ階級と呼ばれ、彼らはまだ立憲王政によって革命を進めていくことしか考えてはいなかった
貧しい民衆の中にしだいに王政廃止。共和制を望む声が高まり、この貧しい民衆と、ブルジョワ階級との対立は、議会内における議員同士の深刻な対立となってあらわれていた
そんな中、共和主義をおし進めて、終生変わらず貧しい民衆の味方であったのがジャコバン党の若き指導者ロベスピエールであった
■逃亡事件をきっかけとして、革命は急遽に新しい方向へ舵をとることに。共和制!
それは国王とマリーアントワネットにとって、ただひたすら断頭台へのまっすぐな道であった