るるの日記

なんでも書きます

源氏物語を読む「桐壺」人からの嫉妬によって病弱になって、いっそう帝に愛される

2022-11-07 11:20:50 | 日記
■朝夕の宮仕えにつけても
人の心をのみ動かし
恨みを負ふつもりにやありけん
いとあつしくなりゆき
もの心細げに
里がちになるを
いよいよあかずあはれなる者に思ほして
人のそしりをもえ憚らせたまわず
世の例(ためし)にもなりぬべき
御もてなしなり

※あつしく→病弱
※あかず→あはれの装飾

■朝夕の宮仕えにつけても
人の心をもませてばかりで
恨みを負うことが積もったのか
病弱になっていき
淋しげに頼りなさげな様子で
里帰りが多くなるので
帝はいよいよたまらなく不憫な者に思えて
人の非難にも気がねせず
世の話の種にもなりそうな
もてなされ方である

源氏物語を読む「桐壺」女の嫉妬

2022-11-07 11:01:32 | 日記
はじめより
我はと思いあがりたまえる御方々
めざましきものに
おとしめ、そねみたまふ
同じほど
それより下らふの更衣たちは
ましてやすからず


※めざましきものに→目が覚めるほど意外な
※同じほど→身分の同じ更衣たち
※ましてやすからず→なおさら期待できない

宮仕えの初めから、
我こそはと自負していた方々は
この方を目に余る意外な者だと
さげすみ、にくむ
同じ身分、それより低い者たちは、
なおさら天皇の寵愛を期待できず
気持ちがおさまらない

源氏物語を読む「桐壺」帝の愛する身分の低い女がいた

2022-11-07 10:48:43 | 日記
★桐壺とは、光源氏の母・「更衣」の、局(自分用の部屋)の名で、光源氏誕生から12歳までの物語★

■いづれの御時(おほんとき)にか
女御(にょうご)・更衣(こうい)
あまたさぶらひたまひける中に
いとやむごとなき
際にはあらぬが
すぐれて時めきたまふありけり

※御時→ご治世
※女御→中宮に次ぐ天皇夫人
※更衣→女御に次ぐ天皇夫人
※やむごとなし→止む事なし→捨ておけない、放っておけない→重んぜられる
※際→身分、階級
※時めき→帝の寵愛を一身に集める

■どの帝の御代であったか
女御や更衣が
何人もお仕えしておられた中に
たいして重い家柄ではない方で
目立って帝の寵愛を集める方があった