品質測定ワークショップ

ISO9001と10012及び5Sを利用して測定力をシステム的に発揮する方法

中小企業向け測定基礎講習会

2011-08-17 13:38:18 | 品質計量管理
京都を皮切りに中小企業測定基礎研修会が始まる。

この目的は、中小企業の計量管理の状態が大企業に比べてよくないので、中小企業の計量管理を向上させると大きなメリットが出ることである。それと、中小企業の計量管理を向上させるための事業として、計量士の職域が拡大できることである。

ここで一つの不安がある。それは、測定は簡単であるから測定の基礎教育は必要ないという不安である。これまで、簡単であるから教育は必要ないと考えられてきている。

現在まで、測定は簡単であるから測定の基礎教育は必要ないと考えられてきた理由を考えてみよう。
1)測定は、ちょっと先輩が教えればできるようになる。
2)生産用の設備を購入する費用は出せても、測定には講習会に行く価値がないから費用が出せない。
3)生産用の設備には関心があるが測定には関心がない。
4)測定の効果が解らない。
5)親企業が教育してくれる。
6)その他

素朴に、中小企業の計量管理の状態が大企業に比べてよくないので、中小企業の計量管理を向上させると大きなメリットが出ることであるから、中小企業に教育をしたらどんなメリットが出るのかを考えてみる。
1)作業性が向上する。
2)品質が良くなる。
3)取引先会社の信頼が向上する。
4)測定器や現場がきれいになる。
5)社員が元気になる。
6)データによる合理的な考えができるようになる。
7)設備の計画的な管理ができるようになる。

上記の教育をしない理由と、予想できるメリットを考えながら該当する中小企業に適した教育方法を、計量士が該当する企業にあわせて組み立てる。教育方法を組み立てる時に、教材として「中小企業向け測定基礎・・・・」が必ずどこかで役に立つ。

中小企業教育をするときの計量士の心構え
1)計量士の多くは、大企業、公務員の出身者であるから、これまでの経験から中小企業を見下げることが自然に起きるが、中小企業と現在の計量士の立場で見て、考えて測定技術を指導する。
2)測定技術のみで中小企業を評価しない。
3)教育対象の中小企業の良い点を早く把握して指導する。
4)相手の話を終わりまで聴く。
5)相手が理解したことを確認して、次の指導を行う。
6)一度に多く指導しすぎない。
7)効果を早く期待しない。
8)予想される上記のメリットと関連させて指導する。

東日本の大震災で、支え合う気持ちをもっているので、この時期に計量士と中小企業が支え合って、お互いのメリットの出る方法を見つけ出したい。

老人のぬいぐるみ