テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

秋の夜語り-人工惑星夢想

2013-10-17 23:53:05 | 日記
星空を観ていて、木星土星火星金星月など、肉眼でもよく見える惑星、衛星たち、これらの光は太陽の光を反射して見えるわけです。また時間は限られますが、地球の軌道を回る人工衛星達も太陽や、希には月の光を反射してみえることもあります。なら、いっそのこと、どっかの特に奇矯な人々達が、常に地球へ反射光を届ける人工天体を打ち上げてもらえないだろうかと想像するのです。

技術的に困難かもしれないけど(スイングバイが使いにくいため)、太陽系の惑星公転面に対してほぼ垂直に、地球から太陽の影になることの無いような軌道で、公転面との直交点を地球軌道に沿わせておけば、寿命の延長や、将来的な回収(地球にぶつければよい)も可能になります。最近になってやっと大きさがほぼ確定されたエリス(Eris)のような軌道傾斜角の大きな準惑星のように、公転面外の空間にはまだまだ未知のものがたくさんあるはずです。
現在の太陽系内の研究は、もっとも観測対象が多い公転面に沿った空間が偏重されており、この人工天体によって、さまざまな新しい発見が意外に地球軌道近くで成されることになるのではと期待しますし、ある程度の反射能の人工天体、例えば宇宙で巨大な銀色ガス風船を展開し、内側から補強コーティングしたもの、あるいは常に直反射角を保つ大きな反射板を備えた人工天体などが実現できるとしたら、例え地球から1.5AU以上離れたところにあっても(最近接時に地球公転軌道上、1/4回転離れた位置で直交するとすると√2AU前後)、六等くらいの肉眼で確認できる不思議な動きの天体が空にいつも見えることになり、夢のある、そして現実に実効のある、壮大な人工天体になると思うのです。

あのはやぶさが、日本どころか世界の人々に強い印象を与えたのは、「還ってきた」というその事実です。目で見る、自分の近くにあると感じられることが、あのたくさんの関心と情動を産み出したのだと思うのですが、帰還の時(とそれに先立つ数年間)を過ぎてしまえば、あとは薄れがちな記憶の中でしか興味は維持できません。
いつも夜空に肉眼で見える人工惑星、しかも、自然にはあり得ない軌道で太陽系内をめぐるものがあったら、おそらくは星空にセンスオブワンダーが一つ加わることになるでしょう。