花を咲かせよう

鼻先ばあさん、3度目の引っ越しです。
日々の一言絵日記

テロリストは日本の何を見ているのか

2017-01-21 15:17:36 | 

                                    

世界各国の紛争地で武装解除と言う困難な仕事をしてきた著者伊勢崎賢治さんが、

すでにISの「敵リスト」に入っている日本の行き方について非常に現実的提案をしている本。

テロリストは、日本の海岸線沿いに並んだ54基の原発は、兵器によらず、

電源喪失だけで済むことを3.11で知った。

60年も変わらぬ日米の地位協定は、テロリストにとっては

日本はアメリカの支援国とみえる。

世界4,5番目の装備を持つ自衛隊は、軍隊ではないということで、

縛りも無くグローバルテロリズムのそばに出かけて行って

日本自身が狙われる口実を作り続けている。

「9条下の戦争」を止める「新9条」は、さすがに実践者の提案だと思う。

 

 

 

 

 


「下流老人」

2016-08-14 15:41:39 | 

                                                               

朝日新書の「下流老人」を読んだ。

「一億総老後崩壊の衝撃」と言う本当に衝撃的なサブタイトルがついている。

区の図書館に6冊くらい蔵書があるのに待っている人が膨大だったので

9ヶ月くらいでやっと番が回ってきた。

いつものことだが、頼んでおいた本が同時に届くことが多い。

藤田孝典さんは、30代とは思えない素晴らしい分析力。

幾つになっても成長しない人間もいるというのに・・。

これからの日本にとって大切な提言が書かれていて、ゆっくり読みたい本。

期限で図書館にかえさなければいけないので、手元においてもう一度

ゆっくり読み直したいと思い、アマゾンに頼んだ。

終活で本を処分しなければいけない歳というのに・・・。


 謹訳「平家物語」 林望

2016-08-01 15:49:59 | 

                                                                   

リンボウ先生の「謹訳 平家物語」の三を読み終わったので、図書館で四を借りようとしたが、

どうも未だ発売されていないらしい。4月に出るということだったが・・。

平家最期の巻で、楽しみにしている。

今まで、どうして読まなかったんだろうと思うほど面白い。

軍記ものといわれるので、女性で読む人は少ないとおもうが・・。

「見るべきほどのことは見つ」と言う知盛の言葉。「子午線の祀り」を観た時の感動がよみがえる。

新劇・歌舞伎・能・狂言の俳優陣を一度に見ることができた。

宇野重吉はすでに居なかったが、山本安英を見ることもでき、木下順二の素晴らしさ、

群読の迫力に触れることが出来、当時大学生の娘ともども貴重な体験だった。

早く、四の巻が読みたい。

9ヶ月前図書館に頼んでおいた「下流老人」がやっと届いたそうだ。

 


方丈記

2016-05-13 20:49:43 | 

                                     

高校生の昔、古文の授業での「方丈記」は、あの有名な「序」の部分だけ。

それでも言葉のリズム感が好きで、暗記をした。

暗記をするということの良さは、幾つになっても忘れないということ。

なぜか気になってコピーして読んでみた(A4で10枚と言う短い文)。

なぜ鴨長明が方丈の庵で隠遁生活に入っていったのかは、私生活で出会った事柄や

安元の大火・治承の辻風・福原遷都・元暦の地震・飢饉等の人びとの様子を書いた文でわかる。

家系から禰宜になっていたかもしれず、歌人の素質もあり、琵琶の素養があったようだ。

世の中の観察・人間の観察は抜群で、哲学者のよう。

今の時代にも通じる「なにか」がある。とても共感した。

読んでよかった。

 

 


女子大で「源氏物語」を読む

2016-05-03 18:13:23 | 

                                                                   

津田塾大で行われた「源氏物語」の講義(木村朗子先生)を

学生にコメントシートを毎回配り、感想を書いてもらうと言う手法で書かれた本。

千年も前の古典を現代の女学生はどうとらえるのか?

『源氏物語」は、摂関政治の後宮で生まれ、そこに集う女性たちが最初の読者だったので、

女子学生の感想は、時代背景は違っても共通するものがあったのではないでしょうか。

原文の一部が紹介されているのだが、とにかく、現代の学生のコメントが面白い。

私も高校時代、図書館にこもって読破したが、それ以来の「古典を自由に読む方法」に触れたので、

18歳のとき「光源氏」に感じた感想は、今の若い学生に通じるものがあった。

潔癖な気持ちから、なんだこの男(光源氏)は・・という気持ちは強かったと思う。

今では、時代背景などもっと幅広く捉えることが出来るようになったし、

歳もとったから、もう少し深く理解できるようになったが・・。

戦時中「源氏物語」は、天皇家の内幕を赤裸々に書いていると言う観点で、禁書になったこともあったという。

木村朗子先生の本は、久しぶりに楽しく読むことが出来た。

 

 


「半市場経済」と「人間らしさ」

2016-03-06 16:42:38 | 

                            

続けて角川新書を読む。

内山節著の「半市場経済」と文化人類学者の上田紀行著「人間らしさ」の2冊

市場経済の暴走で、おかしくなっている社会と人間が

地域や人間の絆を大切にした経済のありかたで、豊かになっている例を

半市場経済と言う呼び名であらわしている。

「人間らしさ」のほうは、人が交換可能な存在として扱われている現在、

自分を無価値な、どうでもよい存在と思ってしまっている人が増えている。

どうすれば人はかけがえの無さをとりもどせるのか 

東工大の先生の著書は、教育の課題をつきつけている。

偶然2冊とも同じような問題意識が・・。

 

 

 


「しがみつかない生き方」を読む

2016-02-03 18:47:32 | 

                                                             

幻冬舎新書を続けて3冊読む。

「しがみつかない生き方」 これは精神科医の香山リカさんの書。

「普通の幸せ」をつかむのが難しい時代にどう生きたらよいかを・・。

雇用、医療、介護も重要だが、自分の外に求めるだけでは人生は満たされないと言う。

お金、子供、恋愛にしがみつかない。むだを楽しむ。

そして他人の弱さを受け入れること。(自己責任だけでは冷たい社会になる)

ますます格差の広がっていく時代に貴重な提言。

....

この本のタイトルどこかで聞いたことがあるな~と思いながら読んだ。

な~んだ、5年以上前に一度読んだんだった!

でも、はじめて読んだようだったので、いいか~。

 


「人生を半分あきらめて生きる」を読む

2016-01-31 16:23:21 | 

                                                           

                                日本はこれから「縮小社会」に向かっていく。

努力とは無関係に就職できない、結婚できない、人並みになれないと

あせり、苦しんでいる人がますます増える社会になっていく。

夫婦子供二人が当たり前ではなくなって単身世帯が当たり前になる。

こんな時代に「自分は普通からはずれている」と自己否定感を持たずに生きるには・・。

「まっ、いっか」と言う言葉が象徴する生き方で半分あきらめれば、

心が深く満たされた生き方ができる。

今出来ることに集中し、現実に抗わないことで、かえって前を向ける。

教育学博士である諸富祥彦先生は言う。


介護ヘルパーは見た

2016-01-24 14:19:52 | 

                                                          

以前、「家政婦は見た」というテレビ番組がありましたが、これは介護ヘルパーの視点からの話。

「世にも奇妙な爆笑!老後の事例集」とサブタイトルがついているが、

義母、母、弟を見送って、今、父の介護にもかかわっている身には

そんなに「世にも奇妙な爆笑」とも思えない、あるあるという感じ。

妹が、以前弟の介護のときお世話になった介護ステーションに寄ったら

知っている人が一人もいなくなっていたという。

将来家事援助をなくしていきたい厚労省が、介護保険の改正?をして

介護ヘルパーの資格者の5人に一人しか仕事についていないほど条件が悪くなっている。

そのことは、介護を受ける老人に即はね返っている。

福祉を削る腹立たしい日本の政治だ。

 


「最貧困女子」を読む

2015-12-05 16:57:18 | 

                                                        

新聞の書評を見て図書館で借りた「最貧困女子」を読む。

働く単身女性の三分の一が年収114万以下だそうだ。

10~20代を貧困女子と呼んでいるそうだが、

その中で「プア充」といわれる地域の縁などで充実した生活をしているものもいる。

特に目も当てられない地獄で苦しむ女性たちで、家族・地域・制度の縁をなくし

セックスワークで日銭をかせぐしかない女性を称して「最貧困女子」と言っている。

その苦しみを鈴木大介さんは克明に取材していて、読むのがつらかった。

ちょうど、三女が「面白いから読んで」と言って貸してくれたのが、西加奈子さんの

「漁港の肉子ちゃん」で、シングルマザーと子供の日常を描いたもの。

帯に「ちゃんとした大人なんて一人もいない。だから生きてていいんだ!」

と、あるように5年生の子供の視点から活写されていて、

これは縁で繋がった人間を描いていて、とてもホットする。

 


「歴史のなかの家族と結婚」

2015-11-30 15:48:10 | 

                                                                  

古代、中世,近世、近代、現代と学校での歴史の勉強は、

その時代の表面的、大まかな流れの勉強が主なものだった。

その時代の家族や結婚はどういったものだったか、とても興味深いものだ。

時代によって家族のあり方はおおいに規定されてきたのがわかる。

それにしても、子供、女性、老人の人権というものがごく最近まで惨憺たるものだったことがわかる。

あらためて、あたりまえと思っていた日本国憲法24条の大切さを思う。

長い歴史のなかで勝ち取ってきたものだな~と・・。

「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを

基本として、相互の協力により、維持されなければならない」

この文章は当たり前のものになった時代は進んでいる時代だが、

未だ家族や結婚の問題はたくさんの問題をはらんで前進していくだろう。

 


「老いては自分に従え」を読む

2015-10-06 19:45:26 | 

                            

山藤章二さんの「老いては自分に従え」を読む。

老いては子に従えとはよく言うが・・。

とにかく落語のように面白い本だった。

落語に良く通じている山藤章二さんだけあって、落語話が沢山出てくる。

それで思い出したが、

明日、父が104歳の誕生日なので、三女とケーキを持っていく。

「耳が遠くなって、しばらく会わないから、私がわかるかな」と言うので一緒に行く。

名前をいうと、「うんうん」と言って分かっていた。

「植物にも限界があるし、人間も同じで限界があるんだよ」

「だいぶ弱ってきてるんだけど、死なないな~、あっはっは」

話をすると、耳が悪いので、ときどきずれるが、全然ぼけてはいない。

ひ孫の京都みやげ「長寿のお守り」を喜んで見ていた。

 

 


「せんそうしない」谷川俊太郎

2015-08-16 14:58:38 | 

 

  ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない
きんぎょと きんぎょも せんそうしない
くじらと くじらは せんそうしない
すずめと かもめは せんそうしない
すみれと ひまわり せんそうしない

・・・

ちきゅうにいきる いきもののなかで

せんそうをはじめるのは にんげんだけ

それも おとなだけ

・・・

谷川俊太郎さんの詩の絵本は、こどもといっしょに読みたい本。


「批判の仕方」

2015-08-06 16:33:47 | 

  以前読んだ三島由紀夫の「葉隠入門」を 電車の中で読み直す。

「批判の仕方」と言う項目で、三島訳は適確に訳している。

文語体の日本語を訳さなければ理解できない時代になったのか~。

・・・・・

意見をするということは、「言いにくいことを言ってやるのが親切」と思っているかもしれないが、

受け入れられなければ、恥じをかかせ、悪口をいう気晴らしになってしまう。

まず、相手と親しくなり、信用されなくてはだめだ。

趣味などの話題から入ったり、自分の失敗を話し、余計なことを言わずとも

思い当たるようにすることもよい。

まず、良いところを褒め、喉が渇いたとき、水が飲みたくなるように考えさせる・・

人に意見すると言うのは、いかに大変なことかを山本常朝は語っている。 

読んでいると、人に意見の出来るような自分じゃないとわかる。

                                   


「格差と民主主義」

2015-07-10 18:46:18 | 

                   

ロバート・ライシュさんの「格差と民主主義を読む。

ご自分が書かれたというイラストがあるので、理解しやすい。

これを読む前に・・

「沈み行く大国アメリカ」を読んでいたので、とっても分かりやすかった。

富裕層減税でよい効果を得ようと言う「トリクルダウン」は破綻しているのが、

日本でもはっきりしてきている。

堤未果さんの本は、医療を中心に書かれていて、本のはかまに、写真とともに、

「あなたは盲腸手術に200万円払えますか?」と記されているのが衝撃的で、

つい買ってしまったが、TPPの別の側面がわかった。

知らないということは恐ろしいことで、支配されやすいということでもあるね。

 

傘を差すのも楽しそうだけど、今日はやっと晴れ間が・・