花を咲かせよう

鼻先ばあさん、3度目の引っ越しです。
日々の一言絵日記

「もし、日本という国がなかったら」

2015-05-28 16:51:22 | 

                                                                  

ロジャー・パルバースさん著

半世紀もの長い間日本に住むことになったのか、

それは、このままでは何よりも嫌っていたベトナム戦争に徴兵されてしまうからだと言う。

めまぐるしく変化する人生を過ごした中で

21世紀の今、日本が世界に必要だとこころから感じているのは、

一般に言われている日本ーマンガ・アニメ・スシ・カラオケという文化のことではない。

宗教に対する態度により戦争になる場合、

日本はすべてのものに神が宿ると言う国(八百万の神)なので、仲裁に入ることができるはず。

ロジャー・パルバースさんがどれだけ多くの日本人に親しく接したかがわかる。

そこから日本と言う国について書いている。

又、無気力と言われている日本の若者についてのあたたかい分析も面白かった。

 

 

 


「星砂物語」

2015-05-16 09:02:31 | 

                                                               

ロジャー・パルバースさんは、半世紀も日本に滞在した米国人。1944年生まれ。

舞台は1945年4月、戦争末期の沖縄・八重山諸島の鳩間島で、

日米の脱走兵と16歳の少女を主人公に、日記風に綴られた小説。

はじめての日本語による執筆だそうだが、違和感はない。

戦火の及ばない1km2しかない島で、

善良な人びとがこの時代を、日々どのような状況ですごしたかを知る。

 戦争はすべての人びとに、逃れることのできない状況をつくる。

残酷な時代も、文章の力で最後まで読ませる。

夕べ一晩で読み終えた。ちょっと眠いが・・。

 

 

 


「鉄が地球温暖化を防ぐ」

2015-05-12 19:40:47 | 

                                                              

作者の畠山重篤さんは気仙沼で牡蠣・帆立の養殖をしている人。

川から海に繋がる場所で養殖は行われ、ダムで川が堰きとめられると

赤潮プランクトンにより牡蠣は売り物にならなくなった。

養殖をする河口の上流には、必ず豊かな森がある。

「森は海の恋人」と、広葉樹・落葉樹の植林の運動もしている。

腐葉土のバクテリアが、フルボ酸鉄という物質をつくる。

貝、魚のえさになる植物プランクトンは、窒素や燐酸がいくらあっても

鉄が無ければ育たない。

フルボ酸鉄として水に溶けた鉄イオンが、植物プランクトンに取り込まれるのだ。

海を復活させたところから、「鉄が地球温暖化を防ぐ」までの理論がわかりやすい。

 

 

 


「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」

2015-05-11 16:39:55 | 

                                                                 

長男のFBにこどものために「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」の絵本を買ったと・・。

今は分からなくても、いずれ分かるときが来るだろうと書いてある。

2012年に、リオで「環境の悪化した地球の未来について」世界で話し合ったとき、

最後にウルグアイのホセ・ムヒカ大統領がスピーチした内容が絵本になった。

だいたいの内容は分かっていたつもりだが、

今回改めてスピーチを聞いてみると、共感できることばかり。

環境問題や持続可能な地球についての根本問題にふれることが出来たのは、

小国の大統領だからなのか?

半永久的に使える電球を作れるのに、壊れやすくしたり、

修理できないような仕組みをわざわざ作って使い捨てさせる。

富裕層と同じ生活を80億人がしたら地球はもたない。

貧しいとは、なにか?自分の給料のほとんどを寄付するムヒカ大統領は豊かな人だ。

ぜひ、スピーチをきいて欲しい。

 

 

 


「子育てが終わらない」を読む

2015-04-23 14:00:48 | 

                                                          

「子育てが終わらない・・30歳成人時代の家族論」を読む。

キャリア・カウンセラーの小島貴子さんと精神科医の斉藤環さんの対談本。

じつは小島先生は、孫のゼミの先生としてお世話になっていて

とても影響を受けているようだ。

この本は、現在増えている成人ひきこもりを中心に、家族の問題が話され、

不謹慎な言い方かもしれないが、面白い。

母子密着型の日本は、ひきこもりが多い割に、若者の犯罪・ホームレスが少ない。

ひきこもりのこども(40歳も・・)のいる家庭はどうしたらよいのか

家族へのアドバイスが満載。

 

 


スノーデンの「暴露」

2015-03-23 18:57:49 | 

                                                                      

合衆国のジャーナリストであり弁護士のグレン・グリーンウォルドが、

スノーデンから託されたファイルをもとに表した本「暴露」がやっと届いた。

図書館から回ってくるのに1年近くかかった。やはり関心が高かったんだと思う。

NSAとCIAに籍を置いていたエドワード・スノーデンが、なぜ最高の機密文書を著者に託したか。

普通の若者が、監視国家アメリカの実態を自分の運命を投げ捨て内部告発するようになったのはなぜか?

当初、このニュースは世界を震撼させたが、今、スノーデンはどうしているのだろうか。

容疑者としてアメリカで投獄されることをさけられたのは、たくさんの人の協力があった。

機械音痴なので携帯を盗聴器にしたりできることにおどろいた。

たくさんのプロバイダが取り込まれて、世界中の個人情報を渡している。

強大な国家権力と無力な個人であっても、あきらめず、

このようなことを世界中の人に知らせることができたことに感動する。

この本を出版するためにも、多くの人の尽力があったのだ。

 

 

 


志賀直哉

2015-03-12 18:23:26 | 

                                                                     

やはり志賀直哉は面白い。

短編なので、電車で読むのにちょうどいい。

小僧の神様などを中学、高校のころ読んでも、本当のところは分かっていなかったな~。

夏目漱石なんかも読み直さなければ、ほとんどわかっていなかったんじゃないかと思う。

子供のころは、人生経験も少ないので、理解できることもその範囲だけだった。

古典は大人になってから読むものだとつくづく思う。

本屋さんも売れるものしか並べなくなってるけれど、

図書館はすぐに届くので重宝している。

 

 


想像ラジオ いとうせいこう

2015-03-09 19:02:27 | 

                                                           

「兼六園の夏」 

北陸新幹線金沢開業の4部作「兼六園の四季」から・・。

変わったブックカバーだなと思ったら、開業記念の絵だった。

文庫本を持ってくるのを忘れ、渋谷の山下書店で「いとうせいこう」さんの「想像ラジオ」を買う。

本屋大賞1位と書いてあったので・・

「DJアーク」が、ひっかかった杉の木のてっぺんから想像ラジオをオンエア。

アークさんは東日本大震災の被害で木のてっぺんにいる?

いや、もういない人。

生者と死者の関係を描き、救われた気持ちになった人が多いという。

解説の木の話ー(表皮は生きていて、芯のほうが死んだ状態になっているので、

木は何百年も生きているものがある。)も興味深かった。

 


又、又中勘助

2015-02-21 18:52:41 | 

                                                        

図書館で、中勘助の「菩提樹の陰」その他とともに、詩集を借りる。

あまり借りる人がいないらしく、すぐに届くのが良い。

夏目漱石が、中勘助の若い時の作品「銀の匙」を推薦したというが、

詩と随筆がまたすばらしい。

特別難しい言葉を使わず、普通の人が日常の中で見逃してしまうようなことを

細やかな愛情(特に子供や生き物)の感じられる詩にしている。

又、リズムの感じられる表現にも、すっかりやられました。

詩はちょっとした隙間の時間に読めるし、中勘助さんの詩は、

短くても小説を読んだような満足を感じる。

 

今日、おじいちゃんが、右腕が少し痛いのは、「豚肉がいいらしいな」と言った。

よく聞くと、血流改善に豚肉がいいという情報をテレビかなにかで得たらしい。

耳が悪くても、このごろはテレビの下にテロップが出るからね~。


「デーバダッタ」と「犬」

2015-01-22 15:57:18 | 

                                    

 

中勘助の「銀の匙」を読んですっかりその文章に魅せられ、

図書館で「提婆達多」と「犬」を借りる。

なんだか懐かしい岩波文庫。庶民が安価に古典を読むことができるようになった文庫のはしり。 

「デーバダッタ」は「銀の匙」とあまりにも文体が違うので最初とまどったが、

最初のカビラバスツの場面から、見知らぬインドにいるような臨場感に驚く。

仏教のはじまりや、シッダールタとデーバダッタとの関係を

史実や創作を超えて、「人間とは」こういうものかと考えさせられる。

そういう点では「犬」も人間の根源の部分を扱っている。

 

この本は、図書館の「保存庫」に収められていたものと「閉架」にあったもの。

「区内最後の1冊ではないが、保存したほうがいい」と言う区分になっている。


最近読んだ本

2015-01-06 16:47:56 | 

                  

養老孟司さんの本を2冊読む

「日本人はどう住まうべきか?」は建築家の隈研吾さんとの対談。

だましだましと言う考え方や都会と田舎を参勤交代すると言う考えも面白い。

「庭は手入れをするもんだ」では、人工物に囲まれ、大量のエネルギーを使うことが

豊かなのか?と・・ここで言われる庭とは森のこと。

 

読みたいと思いながら今まで機会がなかった「銀の匙」

中勘助は明治18年生まれ。

なので、現在では差別語と言われる「きちがい、くろんぼ,乞食、めくら」などという言葉もでてくる。

批判的に聞いていた、亡母が使っていた言葉だ。

おつきさまいくつ 十三七つという歌もでてくる。

いま103歳の父が若いころ歌ってくれた歌詞を鮮明に覚えている。

 

おつきさまいくつ

じゅうさんななつ

まだとしゃわかいな

あのこを産んで この子を産んで

だあれにだかしょ

おまんにだかしょ

おまんはどこいった

                    あぶらかいに ちゃかいに            後は忘れたが。

 

 幼少期の記憶をこんなに鮮明に覚えているものだろうか。

しかも言葉が美しく、感性豊かな人間性が誇張なく表現されている。

何気ない日常をえがいているのに、作者と同化してじんわり涙が出そうになる。


「アミ」の本

2014-12-09 19:42:53 | 

                                

「アミ小さな宇宙人」の続編、3部作の2,3巻。

「もどってきたアミ」と「アミ3度目の約束」

これも図書館で借りて読んだ。3巻目をもう数ページで読み終わる。

読み終わるのが惜しいような気がする。

ここのところ、いろいろ忙しいので、通勤電車の中を中心に読んだが、

なかなか示唆に富んだ本なので、もう一度読み返してみたい本。

12日に図書館に返す日が迫っている。


「アミ 小さな宇宙人」を読む

2014-11-22 18:33:38 | 

                                                                 

先日来た長男に薦められた本「アミ小さな宇宙人」を図書館で借りて読む。

さくらももこさんの挿絵がかわいい。

アミという宇宙人とのコンタクトで、宇宙をめぐる旅をする。

地球がいまだ愛の度数の低い未開の惑星であることを教わる。

アミにもう一度会うために「子供のためのおとぎ話」としてこの本を書くことにした

エンリケ・バリオスの著書である。

面白かったので2冊目の「もどってきたアミ」と「アミ3度目の約束」を

図書館に頼んだ。

 

今日、ちょうど試験の終わった孫娘と大会〔フィんスイミング)の終わった孫息子が来たので

おかしくなったパソコンを使えるようにしてもらった。

 

 

 

 


山口瞳の本

2014-11-07 18:15:39 | 

                                                                       

山口瞳さんの「木槿の花」を読み終わって、面白かったので、

夫のお勧めの「居酒屋兆治」を読んだ。

「木槿の花」は、向田邦子のことを書いたものを中心にしたエッセーなど。

「居酒屋兆治」は「電車の中で読む文庫、なにかない?」と聞いたら夫が出してきたもの。

表現がそこはかとないペーソスにあふれ、どぎつくないのがいい。

この雰囲気は、ある程度の年配じゃないと理解できないものかな~。

 

今日は、びっくりするほど若い同年齢の友人と地元で「お茶」をする。

ひとりものの覚悟というものをきちんと持って日々いきいきと生活している尊敬できる友人。

 

 


「飛ぶ夢をしばらく見ない」を読む

2014-10-25 10:07:35 | 

                                                                      

山田太一さんの「飛ぶ夢をしばらく見ない」を読む。

子供のころよく飛ぶ夢を見ていた。それもスイスイではなく、

必死になって両手を羽ばたかせるやり方で・・。だからあまり高く飛べない。

せいぜい屋根の上くらいでそこからもっと上に行こうとするとだんだん地面に近づいてしまう。

又、必死で飛んで屋根へ・・この繰り返しだからかなりの運動量?。

 

67歳のおばあさんが人生に絶望して死のうとして失敗し、入院して・・。

列車事故で病院は混み、一時的に同室にされた男性の視点のファンタジー。

ポルノ部分もあるが、「人間不可抗力でどんどん若返ってしまったら」という面白い設定。

読んでいるうち何年か前に見た「ベンジャミン・バトン」を思い出す。

こちらはおじいさんで生まれた男性が若返っていくのだが。

そういえば今思い出したが「若返りの水」という御伽噺もあって、

子供たちに聞かせていたっけ。

昔から「若返り」ということは必ず死んでいく人間の謎でもあったんですね。