花を咲かせよう

鼻先ばあさん、3度目の引っ越しです。
日々の一言絵日記

「生と死についてわたしが思うこと」姜尚中

2013-09-15 16:42:30 | 

              

「生きとし生けるもの、末永く元気で、さようなら」という言葉を残して

息子さんは亡くなった。・・それから1年後3・11が起きる。

「原発事故という惨事を招いたシステムと人脈が息を吹き返し、

我こそ「改革者」とばかりに戦後の幕引きを図ろうとしている。」

「この2年は、あの関東大震災から昭和恐慌、世界恐慌、そして満州事変と続く

時代の暗転劇のようで、今や戦後の終わりが始まろうとしているのかもしれない」

「不安を感じながらなす術もなく見守らざるを得ない人々にとって、

本書がささやかな励みになってほしいと願う」・・作者の言葉

この本は、「アエラ」に連載されたコラムを収録されたもの。

ひとつひとつのコラムの中味が濃く、読み飛ばしてしまうのは惜しい。


「のさり」藤崎童士 を読む

2013-08-31 16:11:54 | 

                      

「水俣の漁師、杉本家の記憶より」と、副題が付いているように、

「チッソ」による水俣病に苦しんだ一家の話が中心になっている。

数十万人という被害者を出した水俣病は、34年もの間、無処理で流された有機水銀によるもので、公害病と認定されるまで、今のようにテレビ・ラジオなどのない時代、どんなことが起こったか・・・。

集落で最初に発病したのが杉本雄の義母であった。壮絶な差別といじめの中、「のさり」という不知火海のあたりの言葉のように生きた杉本家。

「のさり」とは、よいこともわるいことも、自分が求めなくても天から授かったものだという言葉で、この境地によって救われた一家の壮絶な日々の生活が書かれている

個人史として書かれているが、チッソ城下町といわれるほどで、税金も、半分はチッソと言う会社があるおかげという水俣であった。

杉本家の様子は、思わず涙がでてしまうほどのものだが、

福島第一原発のこととダブることが多く、汚染水もれの状況など、はっきりと調べて教えてほしいものだ。

 


「老王の家」アルノ・ガイガー

2013-08-25 18:55:42 | 

             

渡辺一男さん訳の「老王の家」を読む。

ウイーン在住のアルノ・ガイガーさんの実体験から生まれた本。

息子による、アルツハイマーの父の人生への敬意と再発見を描いている。

「父が私の世界にやってくることは出来ないから、私の方が父の所へ出向く」

という筆者と父親の会話のすばらしさ。

認知症で失われるものはあっても、基本的な人間性はかわらない。

介護の苦労だけの話ではないので現在同じような状況の人にも

希望を与える本だと思った。

 

今、「はだしのゲン」が子どもにとってショッキングな表現なので

子どもの目に触れないようにすると言うようなことが言われ始め、

なんだそれは!と思う。

子どもの頃読んで、原子爆弾の恐ろしさ、戦争のおろかしさを感じた本なので、

作者が亡くなり、遺言のような本をどうして今更と不信感をもった。

中沢啓二さんはご自分の体験を抑えて表現しているのに・・と。

 


「どんぐり姉妹」よしもとばなな

2013-08-20 19:23:11 | 

            

よしもとばななさんの「どんぐり姉妹」を読む。

亡くなった吉本隆明さんが好きなので、娘さんであるバナナさんの本を・・

幼い時交通事故で両親を亡くした姉妹が親戚を渡り歩き、

苦しみが終わっrた時、「どんぐり姉妹」という相談サイトを開く。

若い人の感性であふれ、何気ない日常や会話の中の幸せが・・。

でも、よくわかって読んでないんだろうなと思った。

吉本隆明さんが亡くなる前、最後に読んだ本だそうだ。


最近読んだ本

2013-08-14 17:17:19 | 

   

 「帰化日本人」は、台湾、中国、韓国から帰化した三氏の対談。

ちょっと賛同しかねるところもあるが、純粋の日本人とは違う視点から日本を語っているので、とても面白かった。図書館で「石平」氏の本を頼んであったが、これが先に来たので・・。

「葉隠」は「武士道と言うは、死ぬことと見つけたり」と言う言葉が有名で、戦時中に死にゆく若者に読ませたりしたことなどから、ちょっと内容が誤解されて伝わっていることもありそうだなと思った。

三島由紀夫さんの入門書で、意訳してあるのでわかりやすい。

私は人生論として面白く読んだ。山本常朝の聞語りなのだが、現代の人達が読んでも非常に共感することが多い。

この本も時々開いて読みたい本だ。


「うおつか流台所リストラ術」を読む

2013-07-31 18:51:13 | 

            

この本は、12年も前に文庫になったもの。

魚柄仁之助という侍のような名前の作者の実家は、

代々続く古典料理屋である。

赤貧の学生時代、100円の菓子パンより

30円の納豆、50円のニンジン、20円のパンの耳のほうが

栄養バランスがよく病気にならないと、お金の使い方を考える。

でも、ただの倹約家ではなく

時間をかけず安上がり・体調が良く病気にならない・美味しい

ということにこだわって研鑽を積む。

たくさんの買い物をして冷蔵庫で腐らせるなんてもってのほか。

落語に詳しいらしく、「八っつぁんのリストラ」という項などもあり、

大家さんとの会話が面白いし、共感できることがイッパイだった。

「美味しいけれど高く付く、美食は健康をそこねる、

体に良いものは高くてまずい、身体に良くても作るのに時間がかかる、

安上がりだが栄養バランスが悪い、安くてもまずい」

こういうことを認めず、経済的でおいしく体に良いものを

とことん追求している、凄い!

 

 


「女は太もも」田辺聖子

2013-07-21 16:40:39 | 

               

今日は、参議院選挙の投票日である。

国防軍を作って、「厭だ、戦場なんか行きたくない」と言ったら死刑もありうる

などと言い出す与党幹部も居たりして、

ハラワタが煮える思いを1票に託した後、おじいちゃんの家に行く。

田辺聖子さんの「女は太もも」なんぞを読んで、平常心を保つのもいいかな。

例によって、カモカのおっちゃんと、飲みながらの掛け合いが

なんともいえず愉快、爽快。

なんで下関係を書いても爽やかなのかと思うに、

聖子さんの男性に対する思いやりあふれるアプローチが

そうさせているんではないかな。

 


「桐島、部活やめるってよ」を読む

2013-07-16 17:10:21 | 

                    

 映画も気になっていたが、近くの映画館ではもうやっていないので、

本を借りた。

映画監督の吉田大八さんが本の解説を書いている。

本屋さんでタイトル、装丁を見て、「お若くない方にはご遠慮いただきます」と、

慇懃にことわられているような気がしたと書いている・・。確かに・・。

はじめ、部活をやめる桐島を中心に物語が回っていくのかと思ったが、

6人の高校生に密着して(その時作者は大学生)

若くても、人間関係、大変なんだなという現実を書いている。

文庫化で付け加えた7人目「東原かすみ」の項が好きだな。

 


今週読んだ本

2013-07-06 13:44:12 | 

           

 「古事記の禁忌 天皇の正体」 関裕二さん の「正体」シリーズで、日本史最大のタブーに挑んだ本。「古事記」と同時期の「日本書紀」が全く反対の外交姿勢をとっているのはなぜか?など興味深い話題が・・。

「聖徳太子は蘇我入鹿である」でデビューした作者は、独学で古代史を学んだ人。

これは一回読んだだけでは難しいし、もったいないと思うので、この本はとっておこう。

瀬戸内寂聴さんの「夏の終わり」は、私小説的なものだが、映画化されるらしい。

文章化されたニュアンスで、「さもありなん」ということも、映像になると現象だけが先行してしまって、つたわるのかな~と、ちょっと心配になる。

 

今日は、これからホテルメトロポリタンエドモントで、納涼食事会がある。会社の行事なので、できるだけ参加を心がける。ほとんど会社負担の食事会だし。


花めぐり&冥土めぐり

2013-06-28 17:29:40 | 

茂原あじさい園

家の周りの紫陽花は、既に盛りをすぎた。

友人から送られてきた「茂原あじさい園」の広大さと自然環境のすばらしさに目を瞠った。

一度は行ってみたいところだと思った。

 

           

 図書館から届いた「冥土めぐり」の本の題名を見て、孫娘が「冥土}ってなに?と聞いていたっけ。その時は、「あの世のことよ」と簡単に答えたら、なんだか嫌そうな顔をしていたな~。

読み終わったら、ここで言う「冥土」とは、この世の冥土のことなんだなと・・。

男は、自分が贅沢な生活をするためのものと思っている豊か?な母親。

品性は貧乏であり、幼いころからその母親に支配されていた主人公。

母親にとっては価値のない、病気で途中障害者になった夫に救われ、母親から自立していく。

さっと読み終えた。

 

 


「西洋靴事始め」 

2013-06-20 16:43:49 | 

             

夫のいとこが出版した本が、新聞に載った。業界の機関紙の「かわとはきもの」の連載「靴の歴史散歩」100回をまとめたもの。

職人として叔父のところで修行し、30歳で独立しパンプスなどを作っていた。

文章を書くのも得意。84歳の今は皮革産業資料館の副館長をしている。

 

サンフランシスコに仕事?で出かけている息子のFBより

    

                      

                        これにはちょっとびっくり

          

       サンフランシスコの朝 やはり子どもが気になる?


こころの処方箋 河合隼雄

2013-06-18 15:48:26 | 

            

 河合隼雄さんの「こころの処方箋」を読む。河合さんはご健在と思っていたが、すでに亡くなっていたんですね。

月一回の連載の4年分が文庫にまとめられていて、一章4ページというのが、電車の中で読むのにちょうどいい。各章の見出しが面白いので、ちょっと記してみる。

・ 人の心などわかるはずがない

・ ふたつよいことさてないものよ

・ 100%正しい忠告はまず役に立たない

・ 「理解ある親」を持つ子はたまらない

・ イライラは見とおしのなさを示す

・ マジメも休み休み言え

・ 人間理解は命がけの仕事である

・ 文句を言っているうちが華である

・ 一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり

・ 「昔はよかった」とは進歩についてゆけぬ人の言葉である

・ 家族関係の仕事は大事業である

 どうですか?55章もこういう見出しがついていると、読みたくなりませんか?

吉田兼好が読書のことを「見ぬ世の人を友とする」と言ってましたが、河合さんは現代人ですが、いろいろ教えてくれます。


湊かなえ「往復書簡」を読む

2013-06-07 19:20:50 | 

             

この本も図書館で借りたもの。

映画「北のカナリヤたち」の原作だということで、頼んであった本だが、ずいぶん時間が経ってから届いた。

10年後の卒業文集・20年後の宿題・15年後の補修・1年後の連絡網の4篇。

この中の「20年後の宿題」が映画のエピソードに使われた。

湊かなえさんは、教師をしていたんですね。ミステリー作家であっても教師としての視点があふれている。

      

今年は「びよう柳」が沢山咲いた。一日花なので、毎日たくさんの花弁が落ちるから、掃き掃除が一仕事。


「暴走老人!」を読む

2013-05-30 16:21:24 | 

            

ノンフィクション作家の藤原智美さんの「暴走老人!」を読んだ。

暴走老人と言う言葉は、すでに独り歩きしているが、いろんな場面で老人の暴走が話題になる。

ちょっとしたことで、突然怒り出す老人が増えたとは思っているが・・。怒りが極端で、どうして?と言う場面も多い。役所で書類の不備を指摘され、突然どなったり、立ち読みを注意され逆ギレ(オットットは大丈夫か?)などは可愛いほう。

70代が80代を殺したニュースにおどろいたが、もう当たり前になった。、万引きなども高齢者が多い。日本の高齢者の犯罪は、世界でも群を抜いていると言う。

ケータイやインターネットがここ20年で急激に普及し、コミュニケーションの土台がズレ、待つ時間がおしい。

自分が老人なのに、レジでなかなか会計がすまない老人に優しくなれず、イライラしたりする。

人はプライドが傷つけられた時、ぐちをこぼせる相手が必要だ。大体リタイアした老人は、社会に疎外感をもっている。

「時間」「空間」「感情」と言う項目にわけられ、論文のような完成度。面白かった。

 

 

 


「光圀伝」を・・

2013-05-21 17:28:54 | 

         

沖方丁の「光圀伝」を図書館で借りてから2週間。半分しか読んでいないが、次の人が待っているので、今日、bookポストにかえしにいかなければ・・。

ハードカバーの厚さ5センチもある本は持ち歩けないので、夜寝る前しか読めない。

このところ体調のせいか、すぐに眠くなってしまうので、面白いのにいつの間にか寝てしまい、返却の日になってしまった。こんなことはめずらしい。

今までだったら、寝ないでも読んだのに・・。歳を感じる。

あの水戸黄門の生い立ちや若いころの興味深い話で、又、続きを読むために借りよう。

沖方丁のものは「天地明察」を読んだが、面白く、歳の若い作家だったので驚いたことを思い出す。「光圀伝」も期待通りだったが・・。