朝刊に「ブルガリアが原発を推進するための国民投票を行う」という記事が載っていました。
日本では、福島の事故以来「原発反対」の声が高まり、原発を稼働させたい政財界を国民の声が押さえている状態が続いています。
大飯原発では、今日「断層調査」を行う予定です。
前からこの断層があることは分かっていたようですが、『これまで「十二万~十三万年前以降」の断層を検討していたのを、「四十万年前以降」に拡大して断層の活動を調べる。(原子力規制委員会)』ということになり、引っかかってきたものです。
そんな調査をしたら、日本国内ではどこにも原発を造れないんで、これまで口にチャックをしてきたんでしょう。
ブルガリアでは、電気料金が高いらしく、少しでも安い電気を作って欲しいとの願いから原発を造れという国民の声が高まっているようです。
ブルガリアの電気料はそんなに高いのかと思ったのでJETROの国際比較のページを見てみると日本の賃金(名古屋)平均月額3800ドルに対してブルガリアの首都ソフィアでは470ドル。
一般家庭用電気料金比較では、名古屋が1kwh当たり0.22~0.29ドル。ブルガリアが0.16ドルでした。
賃金では、名古屋がソフィアの約8倍に対して、ブルガリアの電気料金は3分の2くらいの高額です。
これでは、ブルガリアの国民が電気料金の低減のために原発をと願う気持ちもわからんではありません。
しかし、原発による発電と電気料金の間には、普通の火力発電所とは異なる裏事情が一杯あります。
日本とブルガリアでは、相違点がたくさんあると思いますが、まず原発立地地点への補償や補助金が通常の発電所とは比較にならないほど高い。
次に、検査のために通常の発電所より長い時間発電を止めなければならない。
そして、事故が起こった時に周辺が瞬時に放射能で汚染され、住民の避難や環境が破壊される。
他にもたくさんありますが、ちょっと思いつくだけでもこんなにあります。
確かに、少量のウラン燃料で莫大な発電ができるので、燃料だけで比較すると安いかも知れませんが、メリットはほとんどそれだけです。
ただ、使った燃料の廃棄には大きな問題が残っています。
ブルガリアの人たちは、こんな事情をどこまで知ってるんでしょう??
原爆と原子力は、似て非なるものと、利権をむさぼってる人たちは言いますが、戦争利用が先行した原子力の平和利用なんて、虫が良すぎる話じゃないでしょうか??
戦闘機と旅客機、戦車と自動車、ミサイルとロケットなどなど、確かに戦争を有利に運ぶために様々なものができ、平和な社会の実現に貢献してきましたが、どれもみな事故が起これば大きな被害をもたらします。
私たちは、この高度な技術の恩恵を受けて暮らしてますが、間違った使い方をするとトンデモナイことになることを自覚していなければならないと思うじいちゃんです。