杉本福井県知事が美浜原発3号機など三原発の再稼働に合意したというニュースが流れています。
この三原発は、いづれも運転開始から40年が過ぎた老朽化したものです。
菅総理は「2030年の温室効果ガス低減目標に原発の稼働は欠かせない」と言っていますから、この方針に沿ったものと言えますね。
国の基準をクリアしてるからと言って、運転開始から40年で廃炉という以前の基準を超えて稼働させることに問題は本当にないのでしょうか(原子炉だって基本40年持つようにと設計されているだろうに)?
それと2023年には使用済み燃料を保管するプールが満杯になってしまうのに、それをどこに保管するんでしょうか?
先日も、関電が保管したいと言ってる六ヶ所村では拒否の声明が出されました。
政府は「温室効果ガス低減のためには、原発が必要不可欠」と言ってますが、それより放射性廃棄物の処理の方が重大案件では?
温室効果ガスの低減には、原発じゃなくても再生可能エネルギーの使用など確立された自然エネルギー技術を利用する方法がありますが、放射性廃棄物の処理法は未だ確立されていません。
この状況で古くなった原発を再稼働するのは、国民にとってメリットがあるのか。
こんなことじゃ~、世界の最高水準だった自然エネルギーを利用する日本の技術が、ドンドン遅れて行ってしまいます。
それに福島では大震災で原発事故が起こっているのに、福井では大震災は起きないとでも思ってるんでしょうかね。
政府にはコロナ対策もそうですが、危機意識がほとんどないというのが本当のところでしょう(口では何とか言ってるけど、実効性が伴ってないんだよな)。
目先のことばかり考えて、将来の設計なんてできてないし(まあ、今の政治家や官僚じゃ~できる訳ないけど)、目の前のコロナ対策だって、右往左往するばかりで全くできてないんだから、どうしようもありません。
自民党の先輩たちが創り上げてきた功績を必死で守り、このコロナ禍でも世界中からアスリートを迎える東京五輪・パラリンピックをやろうとしている…。
福井県が原発再稼働を受け入れたのも、簡単に言えば地元経済にとってプラスになるからです。
県内の市町村の首長から突き上げを食らった知事は「再稼働に賛成」と言わざるを得なかったのでは…。
地元自治体では、政府から入る交付金などをただ食いつぶしていくことが原発を誘致した時からの地方政治だと認識してるんでしょう。
新しい地域振興を企画できないアホな首長たちが原発から上がってくる不労所得があれば、それだけで何とかなると昔の栄華を夢見てるだけの情けない状況です。
「金で頬を打たれれば何でも聞いてしまう」という構図が見えてきます。
そして、もし原発事故が起こったらという想定さえしてないから困ったもんです。
事故があったら30キロ以内の住民はどうやって逃げるのかと不安に駆られているのに、道路1本しかない中でどうするのか?
陸から逃げるの、それとも海から逃げるの?
福島原発事故の後に、避難マニュアルを作る作ると言ってもまだ出来てないらしいし…。
原発の再稼働には(特に運転開始から40年経った老朽化した原発の)、いろいろと問題があるのに、すべてを先送りする姿勢は、原発の灯が我が国に初めて灯った頃とまったく変わりがないのが、この国の政治なんですね。