7月27日、成ケ島を訪ねました。今回は西淀自然文化協会の企画に浜寺公園自然の会と自然のみかた研究会が共催で実施。たくさんの方に参加いただきました。
成ケ島は淡路島の南東端にある砂州の島で、たくさんの海浜植物や海岸生物の生息する大阪湾屈指の自然の宝庫です。
浜寺~大阪駅前と参加者を乗せたバスは明石海峡大橋を渡り、順調に淡路島へ、11時前に由良漁港に着き、ここで渡船に乗り、すぐ目の前の成ケ島へ。レクチャー、そして地元の成見会の方の紹介があり、まずは成山の山頂へ、ここで、成ケ島の全貌を眺めます。それから下山し、ハマゴウ、オニユリの群落、塩沼湿地を見た後、昼食。昼食後は2班に別れ、成ケ島に残ったメンバーは内海の塩沼湿地、南の外海の砂浜などを見学の後船着場に戻るコースをとりました。
今回は潮のかげんもあり、海岸生物はあまり見られませんでしたが、なんといっても圧巻はハマボウ、ハマゴウ、オニユリなどの大群落が開花する姿です。特にハイビスカスの仲間といわれるハマボウは大輪の花が多数咲き、大阪湾とは思えない景色でした。
ハマゴウは紫の花が咲き良い香りがし、地元の方は浜のラベンダーと呼んでいるそうです。写真は南の外海側の群落です。
オニユリはやや時期が終わりかけでした。
塩沼湿地ではハママツナが印象的でした、これは満潮時には海に没する植物で、植物体にも塩分が含まれています。
動物系ではヤマトマダラバッタ、タワヤモリ、海浜性甲虫にめぼしをつけていきましたが、ヤマトマダラバッタは発見できず、タワヤモリは現地の方の解説によるとここにいるのはタワヤモリとのことですが、実物は見られませんでした。成ケ島は内海は砂利浜、外海には砂浜がありますが、外海の打撃が激しく、ヤマトマダラバッタにとってもきびしいのかなと思いました。
かわりといってはなんですが、ニッポンハナダカバチを見ることができました。ハマゴウの群落でけっこうたくさん飛んでいましたが、環境省レッドリストでは「情報不足」、兵庫県ではCランクに指定されています。砂丘環境などに生息するため、砂浜の減少による打撃で少なくなっているようです。写真はアミ越しで少しわかりにくいですが、ニッポンハナダカバチです。
ニッポンハナダカバチは立命館大学の松原先生が研究され、繭が水に浮くことから、暖流で分布を広げたのではないかとの仮説を提唱されています。これにより、太平洋側と日本海側との分布の違いが説明できるそうです。
また、クロシオキシタバらしきガも見ました。これはウバメガシにつくガで、兵庫県の要注目種になっています。
それからギュリキマイマイというカタツムリも見ることができました。
成ケ島は最近休憩所が整備されました。知人のFさんが計画を作ったとのことです。写真は休憩所と背後は成山です。
成ケ島は交通が便利でなく、また、現地は狭いようで実は広く、歩き回るだけで半日はかかります。行けばいろいろな発見がありますし、また、次回行ってみたいところです。ヤマトマダラバッタのことも再チャレンジしたいと思います。