10月30日、31日と大阪自然史博物館を会場に表記のシンポジウムが開催された。異分野間の学術交流の場として企画されただけあって、内容は植生学、樹木病、地理学、歴史学、社会学、用材などの売買の現場など多彩であった。一番最初の講演は「里山は「自給」的システムであったか?」、これが基調になって展開されると思っていたが、思ったほどは広がらず、自給的なものもあれば、オーバーユースもありという方向でまとまった。まあそうなるだろうなという感じ。
総合討論では新しいコモンズを考えるにあたり、生態系サービスの対価を誰が担うかというむつかしい議論にすすみかけたが、これは進展せず。最後は能登の里山関係者が中山間地の問題を訴える発言(少し怒っておられるようだった。)があり、次回に続けますとなった。結局新たな展望は開けずに終わったなというのが感想。
「すぐ効く解決策の呈示の意図はない・・より大きな道筋を示したい」とのことだったが、あくまでも個人的感想ですが、COP10で環境省が示したSATOYAMAイニシアチブとは違うところから構想を組み立てるという発想はいいとしても、うまく設計できなかったというのが印象です。