雨山(大阪府泉南郡)に行きました。
雨山の南側には樫井川が流れ、この冬歩いたところです。
雨山へは土丸集落から登りました。登山口へは土丸バス停の前から春日神社前を通り、高架道路の下をくぐります。
この行程で一番急な傾斜です。植生はウバメガシ林です。肩に近付くとアカマツ低木林の名残の植生に変わりますが、アカマツ自体はごく少数になっています。
モチツツジは健在で、明るいところでは芽生えが多数出ています。
土丸城址につきました。城といっても南北朝の砦のようなもので、居住用のものではありません。平坦地が何段も続きます。その最上部です。写真ではわかりにくいですが、奥の石垣の上に神社があります。
ここははじめ北朝方の城であったのを楠木氏の一族が奪取し、雨山を中心とした要塞に作り直したということです。
土丸城址からいったん坂を下り、再び雨山城址に登ります。
途中蛇行する樫井川と大木地区の棚田が見えます。ダイナミックな景観です。
雨山城址と大木地区の一部はさきほど重要文化的景観に指定されました。この一帯はかつて九条家の荘園です。
雨山の頂上一帯は主に針葉樹に覆われています。ここにも神社があり、その前のヤマモモは熊取町の保護樹になっています。
前には立派な休憩所やトイレもあります。きれいに清掃されています。
雨山城址から尾根伝いに奥山雨山自然公園の西ハイキングコースというところへ行きます。
途中月見亭という展望の良い場所があり、ここからも大木地区や小富士山、土丸城址が眺められます。写真は左から小富士山、土丸城址、雨山です。
猛禽が飛ばんかなと期待しましたが、猛禽は出ませんでした。
土丸城址へののぼりに比べこちら側のほうがアカマツ低木林らしい植生が残っています。
西ハイキングコースからは永楽ダムやダム湖東側の奥山雨山自然公園などが眺められます。尾根をくだり、駐車場やトイレのある西ハイキングコース入り口に降ります。帰りは体育大学まで歩いてバスに乗るか、熊取駅または日根野まで歩きですが、きょうはバスで熊取町まで出ました。
最後にきょうみた花や虫を少し紹介。
シロヘリキリガ ほんとこの日はイモムシ毛虫たちのシャワーでした。
ツクバネウツギ
雨山山系は和泉山系の主脈から一歩前にある低山帯です。また奥山雨山自然公園一帯はかつては共有林で、柴採取など利用が進んだ山で、昔はアカマツ低木林が主要な植生でした。そういう場所ですから乾燥しています。
和泉山系主脈の和泉葛城山は水量が豊富です。その恵みでふもとの蕎原には人家も多数あります。水量豊かな山と乾燥傾向の山、その違いをもとに自然環境を比較することができるでしょう。