空の道を散歩

私の「仏道をならふ」の記

追っかけ

2010-11-07 21:21:37 | 日記・エッセイ・コラム

 今日、ダライ・ラマ法王の講演会に行ってきた。

 大阪青年会議所が開催したPeace Conference 2010で、平和について基調講演をされた。

 世界各国から学生が集まり、1週間寝食をともにし、世界平和という共通のテーマを話しあうというプログラムで、学生たちが作った「世界学生平和憲章」を発表した。今後、30年間続けるそうだ。

 ダメもとで申し込んだら、無料のチケットが送られてきた。久しぶりに法王さまにお会いできると、前の晩は興奮して眠れなかった。 

 法王さまは、風邪をひかれて、咳こんだり、鼻をかまれたり、熱があるようにも見えた。

 お話の内容よりも、法王さまのお体の方が気になった。風邪のせいか、以前より、とてもお年を召されたようにも思える。

 声もかすれて、大きな声が出せないにもかかわらず、話が進むにつれ、声も、身振りも大きくなる。熱が入ると、どこまでも話を続けられるので、通訳泣かせだ。

 過去2世紀、人類は、物質的繁栄を遂げ、科学技術も大きく発展したが、それをもってしても、精神的安定を得ることができないでいる。

 世界は相互依存的に構築されており、1国家だけで問題は解決できなくなっている。

 すべての問題は人間の心によって引き起こされている。

 70億の人類は、人間という点ではみな同じであり、生きとし生けるものは、幸福になりたい、苦しみから逃れたいという点で同じだ。

 他を思いやるやさしさ、愛情をはぐくむことが、心に平和をもたらし、勇気をもたらす。

 個々人の中に内なる平和を築くことが、世界平和を構築することにつながっていく。

 仏教の縁起の考えを織り込みながら、こういう話をされた。

 皆さんの顔をよく見たいと、ソファーから立ち上がって聴衆に近い演壇に立たれたり、照明で聴衆の顔が見えないと、バッグから有名なサンバイザーを引っ張り出してかぶられたり、懐を探ってティッシュを出して鼻をかまれたり、通訳が話している間にマスクをされたり、いつもの茶目っ気ぶりは健在だった。

 明日は奈良・東大寺での講演がある。こちらのチケットも、自分では信じられないぐらいの行動力を発揮して購入した。

 生まれて初めて、法王さまの追っかけをする。

 それにしても、風邪の症状が少しでも緩和され、法王さまが楽になられますように。