東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

夏の実り

2024-08-10 01:10:48 | ノルウェーの食べもの mat
先日
相方の親戚が遊びにきた時に
手土産に地元の果物をたくさん持ってきてくれました



今がシーズンのプラムとラズベリーです

ラズベリーはみんなで食べるのに3パックだけ残して
残り5パックは冷凍庫へ直行

それにしても
さすがベリーで有名な産地から来ただけあって大粒です
自宅の庭に生えている野生のラズベリーの3倍くらいありそう



今はちょうど
ご近所さんちの敷地に大量になっている赤スグリも採り頃で
好きなだけ持ってって!というお言葉に甘えて
気兼ねなく摘ませていただいています


(こういう大きな茂みがいくつも)

この赤スグリやラズベリーやイチゴなどのベリー類を
フレッシュなままいただく時に
ここの人たちはバニラソースや生クリームをたっぷりかけます



わたし個人的には
ラズベリーやイチゴはそのまま食べるのが1番好きですけれど
赤スグリだけは酸味が強いので
甘いソースがよく合うなーと感じます

ちなみに黒スグリ(カシス)は
シロップやジャムにするのが人気


(ブルーベリーとも少し違う深い赤紫色)

今年はブルーベリーが全体的に小粒で
モルテ(クラウドベリー)は絶望的に不作な反面
(大豊作だった年の記事はコチラ👉恵まれた夏
きのこの王様のアンズタケが大豊作のようです



食感も香りも良いこのキノコはわたしも好きで
たまに採ってはリゾットやパスタにして楽しんでいますが
こちらの人はアンズタケといえばまずスープ


(meny.noのレシピサイトより)

そして食べきれない分は冷凍したり干したりするほか
オーブンでしっかり乾燥させてから粉にして
スパイスとして保存も可能です

ベリーやアンズタケは夏の恵みという印象ですけれど
カレンダーが8月に変わるとすでに夏の終わりの気配


(まだ明るい午後9時のウロコ雲)

いつのまにか真夜中には数時間ですが外が暗くなり
朝晩の冷え込みにセーターをはおり
ああ、今年の夏もそろそろ終わりかあ…

8月いっぱいはまだ夏のど真ん中で
海水浴や蝉の合唱や花火大会などで賑やかな日本の夏が
ちょっと恋しくなる季節です

木と生きる

2024-08-06 13:59:42 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ここでの暮らしには薪が欠かせません



薪を作るために毎シーズン
森の木を大量に切るのはもちろんのこと
何か別の理由で木を切る用事や機会があった場合も
切った木はできる限り薪にします

たとえば
樺の木は雪の重みでとてもしなるので
道路をふさぎそうな場所に生えているものは
ときどき伐採する必要があるのですが


(道路の左側にあやしい茂み)

こういう木はなるべく細いうちに
なんなら苗木のころにこまめに切っておけばラクなものを
緊急度が低いのでついつい後回しになりがち…

そしてそろそろやばそう、、となってから
チェーンソー片手に重い腰を上げると
すでに薪になるサイズに育っていることがほとんど



スッキリ!

片付けた木々のうち
左側手前に写っているくらいの太さのものは薪に使えるので
持ち帰ります

もちろん薪用にわざわざ木を切る場合には
作業効率の良い太さのものをチョイス


(直径20cmくらいまでなら電動タイプの軽量チェーンソーでじゅうぶん)

森では
あちこちでしょっちゅう自然による倒木があるので
家まで運べそうなところに新しい倒木を見かけたら
できるだけ持ち帰って薪にしますし



今年の夏のように
土地を作るために一面木を切り倒した場合も
木の種類や太さに関係なくもれなく薪にします


(木の達人の義父は今年87歳)

普段は主に燃費の良い樺の木を薪にしていますが
今シーズンは上記の土地に建てる建物のために
建築資材も作る必要があったので
そのついでに松の木で薪づくりも大量にしました

ちなみに
建材用の丸太は10kmほど離れたご近所さんの製材所へ運んで
必要なサイズに切り出したのち持ち帰って乾燥させます



大工でも木こりでもない相方が
なぜこういう一連の工程に熟練しているのか…
ノルウェーのDIYここに極まれり


(乾燥用に隙間をあけて積まれた建材)

そして
建材を切り出した後の木の外側も
もちろんカットして薪にしますが
長くてまっすぐな端材のカットには薪マシーンが大活躍



この薪マシーン
カッティングマシーンとスプリッターが一つになっていて
長いままの丸太を入れると
出来上がった薪がトランスポーターベルトで離れた場所に放り投げられます

ちょっと仕上がりがラフなので
乾燥室で並べるときに
少し選別したり手を入れたりする必要はありますが
とにかく早い!

この薪マシーンの導入で
3年分くらいの薪のストックを作って
上記の空き地に新たに建てる建物にストックする、というのが
相方の計画です


(建築申請も自分でやる)

ひと冬に必要な薪の量はだいたい12立方メートル

ちょっと不思議な薪の単位についてはコチラ
👉薪の量の数えかた

森に囲まれた場所で木の恵みと暮らすのは
力仕事でもありますが
とても豊かだなあと
薪を作りながらしみじみ思います


異国の香り

2024-07-06 13:24:53 | 旅行 travel
少し前になりますが
先月の初めにロンドンへ行ってきました



オスロ空港よりも少し近いトロンハイムのヴァーネス空港から
ガトウィックへの直行便があり
早朝に家を出て午後1時すぎにはロンドンに到着
(時差が1時間あるのでノルウェー時間では午後2時過ぎ)

フライトはほんの2時間半足らず
なるほどノルウェー人がよく週末旅行でロンドンへ行くはずです


(日本人にはお馴染みの左側通行)

今回の渡航の目的は
昨年の暮れから勉強し始めた経絡の実習で
2泊3日の弾丸トリップ

正味12時間の集中講座には
カッピング、GuaSha、鍼の治療体験も含まれていて盛りだくさん


(注※わたしの背中です)

ロンドン中心部へは足を踏み入れることなく
観光をする時間は一切ありませんでしたけれど
代わりに先生が近くのパブに連れて行ってくれて
イギリスのフィッシュ&チップス初体験



パブにはビリヤード台のほかに
スポーツ観戦するための大型スクリーンが3箇所もあって
お酒を飲む大人だけでなくファミリー層も気軽に利用できる
日本のファミリーレストランのような場所だそうです



そういえば以前
イギリスではフライドポテトにお酢をかけると聞いて
えーっ!と驚いたことがあったのですが
実際に食べてみるとモルトビネガーはとてもマイルドで
すっかり気に入りました



それにしてもさすが紅茶の国
食事の飲み物に紅茶を頼んだら
ぶあつい陶器のポットに入った熱々の紅茶が
たっぷりのミルクが入ったピッチャーと一緒に出てきて
それもとても美味しかったです


(すかさずパブの近くのスーパーへ寄って自分用にお土産を購入)

ノルウェーはコーヒー大国なので
手に入る紅茶の種類はとても少なくて
おまけに値段がけっこう高いのです…

ほんの短い滞在ではありましたが
久しぶりに日本一時帰国以外の海外旅行をして
やっぱり旅行はいいなあーと改めて思いました


(空港の免税店でボディペインティングのデモンストレーション)

ちなみに経絡の先生は日中ハーフで
滞在中は皮から手作りの水餃子や薬膳料理などをいただき
中国の食の魅力も発見


(洋梨・白クラゲ・蓮の実・百合根・氷砂糖と、白色尽くしの薬膳スープ)

今まであまり辛いものは好んで食べていませんでしたが
李錦記の辛味ペースト調味料はとてもおいしかったので
ぜひ入手したい!と思いました


(日本に帰ったら探してみよう。。)

ノルウェーに戻ってからもしばしイギリスの紅茶やお茶菓子で
いつもと違うティータイムを楽しみながら
きっとまたロンドンへ行こう!
今度はアフタヌーンティーやクラフトビールかなあ…と
夢を膨らませています


(オーブンで温めると焼きたてのように美味しいお手軽キプリング・パイ)

そしてつい最近のこと
ホリデーでクレタ島へ1週間ほど行っていた職場の同僚から
お土産に天然のスポンジをいただきました



「スポンジ」って…
天然のこのスポンジが名前の由来だったのね
知らなかった…

さっそく使ってみると
これがびっくりするくらい気持ちがいい〜


(偶然ですが普段使っている石鹸もクレタ島産)

うっとりする肌触りで
天然素材のすごさを再認識
ふと、子供のころ庭先で育てていたヘチマで
体を洗うスポンジを手作りしたのを思い出しました

それにしても
イギリスも南欧も近いのに
ヨーロッパに8年半住みながら行ったことがなかっただなんて
ちょっともったいない気がしてきた…

立て続けに異国情緒に触れて
外国旅行への憧れが募る今日この頃です


羊毛紡ぎ

2024-06-15 17:24:21 | ノルウェーの村で bygd
羊毛紡ぎの講習会があるけど来ない?
と、ご近所さんが声をかけてくれたので
参加してきました

主催は村の婦人会
集まった人のほとんどが顔見知りです

会場に入ると
テーブルにはクラッカー類と何種類ものチーズ
それから季節の果物が並べられてお出迎え
しばらくしてホームメイドのチョコレートケーキとルバーブタルトも登場



平日の夜でみんな夕飯を済ませてから集まっているので
デザートを用意してくれたようです

教えてくれるのはスコットランドから移住してきた男性で
地元でもナチュラリストとして有名な人

羊毛を紡ぐのはノルウェーに来てから始めたそうで
近所の羊農家さん(彼女もこの会に参加)から仕入れた羊毛と
糸を梳く道具、そして古い糸車を持参


(ノルウェー語でrokk(ロック)と呼ばれる糸紡ぎ車)

参加者の何人かも
自分の糸車を持ってきていて
複数の人が同時に体験できました



洗って乾かしただだけの羊毛は
硬いトップコートを取り除いてアンダーコートだけを紡ぐのが一般的のようですが
手間を省き、かつ防水性と強度の高い毛糸にするため丸ごと使用

まずは少量ずつkarder(カルデル)という大きめのブラシ2本を使って
繊維の方向を整えていきます



先生がやっているのを見ると簡単そうですが
実際にやってみるとけっこう腕が疲れる…
これはわたしにはムリかも、と思いましたが
慣れてくるとだんだん力を入れずに梳けるように

何度も繰り返して滑らかな感じになったら
ブラシから外して軽く丸めて棒状にします


(ふわふわした棒状のtull)

そしてここからが本番
足踏みのペダルで車輪を一定の速度で回しつつ
両手でそっとtullを引き延ばしながら送り出して
紡いでいきます



む、むつかしい…

でも楽しい〜
家に帰ったら屋根裏を探そう!と決心

そして見つけました



屋根裏部屋ではなく本当にだたの真っ暗な我が家の屋根裏には
もういつの時代のものかわからないような古いものがごまんとあって
引っ越してきてすぐに片付けを諦めた場所なのですが

作業着に着替えてヘッドライト装着で捜索した甲斐あって
毛糸作りに必要なものは全て揃っていました

地元には羊農家さんがたくさんいるので
羊毛もカンタンに手に入ります
あとは練習あるのみ…



松の木で薪づくり

2024-06-02 11:52:53 | ノルウェー山暮らし fjellgård
今年の初夏は本当にお天気に恵まれて
外仕事がはかどります



ふだんは樺の木で作っている薪ですが
今シーズンは家の近くの開拓地の間伐の仕事があって
松の木をたくさん切っているので
それも薪にします



冬の間も葉を落とさない針葉樹の松は
枝のボリュームがすごくて
丸太を切り出した後の片付けが大変ですが
とにかくいい香り



松は良い建築資材になるので
まずは角材に加工する分を選り分けて



残りは薪の長さにカット
だいたい50cmくらい



薪にする丸太は自宅へ運んで
ある程度の量がたまったらスプリッターで割る作業を開始



割ってできた薪は
これまたどんどん運んで
ひと冬のあいだ乾燥させるための場所へ積んでいきます



今年はいつも使っている乾燥場が
もうすでに結構いっぱいになっているので
相方が急きょもう1箇所作ることに


(乾燥場の軒下はウサギのお気に入り)

どこに作るか散々もめた…いえ検討した挙句
(置ければどこでもいい相方と、家からの視界や景観も考慮したいわたし)
昔、乾燥場として使っていた場所に
高さ低めで設置することに決定



パレットで作った土台が残っていたので
比較的カンタンに設営できそうという点でも意見が一致しました



もうすぐ夕立や雷雨が増える時期が始まるので
今のうちに屋根ものせてしまいます

6月に入ってオフィシャルに夏本番のノルウェー
夜がますます明るくなる
不思議な季節です


(夜9時半の通り雨)

注意書

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