東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

赤十字のレスキュー

2017-02-25 20:07:21 | ノルウェー山暮らし fjellgård
先日
いつものように町へ出かけるためATVで下山して
車を停めてあるふもとの集落まで来たら
なにやらあわただしく4台もの車が
村の中心地からの坂道を登ってやってきました

4台のうち3台はトレーラーを引いていて
スノーモービル計3台が搭載
そして車には赤十字のロゴ

これはまさかの雪山レスキュー?



そういえば前日
雪の晴れ間に相方が私道の除雪に出かけたのですが
そこで1人のスキーヤーと会って立ち話をして

その人が山小屋へ向かっていて
ハイティーンの息子2人があとから彼のトラックを頼りに登ってくるのだと
聞いたそうです

「あの年代の若者は出来ないことはないと思ってるから」
と話す父親の口ぶりからして
彼は息子たちの体力・経験ともまだ雪山には無理だと思っているのに
息子たちがどうしても行きたいとゴネたのでは、というのが
相方の推測でした

赤十字のスタッフのうち1人が
ATVにカバーをかけていたわたしに近づいてきて
「ちょっといいですかー」
と話しかけてきたので
相方を呼んで前日の出来事を説明

父親は山小屋へ着くとそのまま折り返して下山
途中で登ってくる息子たちと一度会っています
2人の若者が小屋に何泊滞在する予定だったのかはわかりませんが
夜になって天候はどんどん悪くなり吹雪

翌日も雪が続き
子供たちだけでの下山はもはや不可能と判断した父親が
警察に連絡をして赤十字に捜索依頼がかかった次第

その日の夜
わたしたちが町から戻った夜9時頃には
まだ赤十字の車が全て停めてあったのでちょっと心配になったものの
ローカルニュースで何も報じられていなかったので
たぶん無事だったのだと思います

くだんの山小屋がある場所は
ふもとからの距離で言えばうちよりも倍以上遠いですが
到達難易度は五十歩百歩

捜索依頼が出されないように
日々気をつけて暮らさないとね…

袋の裏のレシピ

2017-02-20 00:14:52 | ノルウェーの食べもの mat
スーパーで製菓用ココナッツがすごく安かったので
何か作ろうかなと思い立ったものの
特に思いつくレシピがない…

そんな時は袋の裏を見ると
たいてい何かしらレシピがあります

なになに、ココナッツマカロン
卵白とさとうと…要はメレンゲらしい
聞けばクリスマスの定番のひとつだそう



意外と簡単でオイシイ〜

そういえばワッフルを初めて家で作った時も
本やインターネットでレシピを探すのが面倒で
バニラシュガーのパッケージの裏面レシピを利用しました





ケフィアのかわりに牛乳多めにしてヨーグルトを混ぜて
合計の分量の帳尻を合わせるという適当さ
それでもこれがとても美味しかったので
以来ずっとこのレシピです

ちなみに
このバニラシュガーの隣に写っているベーキングパウダーの裏には
チョコレートケーキのレシピがあります

家には義母の料理本やお菓子作りの本が豊富にそろっているのですが
どれもこれも一部のレシピの写真しかないうえに
どの写真がどのレシピのものかの説明すらなく
使いにくいことこの上ない

もちろん
インターネットでもたくさんのレシピを検索できますが
こちらは逆に沢山ありすぎて
どれにしようかとあれこれ見ているうちに日が暮れそうになるという…

そんなわけで
端的なパッケージ裏レシピはとても重宝している次第です

雪解け水と井戸

2017-02-09 14:17:27 | ノルウェー山暮らし fjellgård
家の裏手
少し離れた場所に井戸があります



そこから家に水を引いて
地下室のポンプで加圧して各蛇口から使えるようになっています

このポンプの仕組みがいまいちわからない
例えば停電になった場合
1滴たりともポンプから水は出ていかないのか
それとも自然の水圧で足りる分なら蛇口をひねれば出てくるのか
相方もよくわかっていません

井戸のまわりには小川というか
水が常に流れているのが見てとれるのですが
これがけっこうな流量なんですよね

雪が降ると表面は見えなくなりますが
雪が断熱材になるのかちゃんと流れ続けているようで
どんなに気温が低くても水が止まることはまずありません

ポンプの謎を解くべく
計画停電時にテストしてみようと常々思っていたのですが
前回の停電が朝9時から午後2時という長めの
しかも1日のうちの貴重な外が明るい時間帯の大部分だったので
散歩したい気分を優先
ポンプの謎解きは先送りにして
かわりに井戸水の水源をたどってみることに

森を歩くと聞こえるのは鳥の声と水の音だけです
そのうち雪の合間にところどころ水面が顔をのぞかせ



派手に流れている場所では
以前河口湖で見た雨氷みたいな氷の芸術が



雪の下でも緑色の苔や



秋と同じままの姿のベリー



気温が氷点下まで下がっても森は生き生きしています

でも更に水の流れをたどって高いほうへと登っていくと
水の流れはあっちにもこっちにも現れて
ところどころ飛び越えられない広さ



そして周囲の景色は
木がまばらになってどんどん淋しい感じに…



その木もよく見ると岩から生えていたりして
ちょっとした奇景です



更に進むと
今度は巨大な岩石も出現し始め
岩の近くは雪の下に空洞ができるのかときどきズボッとはまったりして
だんだん登るのが大変になってきました



見上げると山頂まで行けちゃいそうなんだけど
ただの散歩のつもりで出てきて手ぶらだし
あそこまでいくと1200mくらいの高さのはずなので
またにしよう…



なかなか楽しかった水源をたどる散歩
ヘラジカの足あとを初めて見つけたのもこの時です

家の近くでは見かけない目新しいフンもあったので
家に帰って写真を相方に見せたら雷鳥のフンとのこと



真っ白な冬の雷鳥にも
一度お目にかかりたいものです

世界のteriyaki

2017-02-07 08:23:56 | ノルウェーの食べもの mat
テリヤキ味が外国人に受けが良いことは聞いていましたが
スーパーで瓶入りの teriyaki sauce なるものを見たときは
おおっ!と思いました

なるほど
みりんはなくてもできあいのテリヤキソースがあれば
簡単にテリヤキチキンとかできるのね

ちなみに
ここ田舎では簡単に手に入る日本の調味料はキッコーマンのお醤油くらいで
料理酒、みりん、米酢、味噌は見かけたことがありません
少し大きめのお店だと寿司コーナーに sushisu なるものもありますが
150mlで450円くらいします

で、テリヤキですが
隣町にある少し大きめのスーパーその名も「コープ・メガ」のウェブサイトで
ホームメードのテリヤキソースの作り方が紹介されていました

なになに



う、うーん
斬新なメニュー
サーモンのテリヤキに白米と枝豆とパパイヤとアボカド



「テリヤキソースは1600年代から日本で使われてきました」

し、知らなかった…

「みりんはアルコールを含むのでわたしたちの店では取り扱いがありません」

そうか!
度数が高いからスーパーではみりんや料理酒は売れないのね
今度リカーショップをのぞいてみよう

「でもだいじょうぶ、パイナップルジュースで代用できます」

それも知らなかった!
今度パイナップルの缶詰め開けたら
残った汁をテリヤキ風の料理に使ってみよう

レシピ面白いので参考までに載せてみます





材料
・しょうゆ 200ml
・水 大さじ2
・米酢 大さじ2
・ごま油 大さじ1
・ブラウンシュガー 大さじ3
・はちみつ 大さじ3
・にんにく 1片
・しょうが 大さじ1(コショウのように粉状で売っている)
・ベーキングパウダー 小さじ1(とろみを増したい場合)

作り方
材料を静かに煮たててにんにく(みじん切りまたはすりおろし)としょうがを加えたら
弱火で10分ほど煮詰める
とろみを増したい場合はベーキングパウダーを加える

あれ?
パイナップルジュースじゃないのね
とろみ付け、コーンスターチでも片栗粉でもなくベーキングパウダー??

でもいつもサーモンといえば
ソテーかホイル焼きかグラタンかスープの4択で
和風の味付けにしたことがなかったので
今度サーモンを食べるときに試してみようかな

あとヨハンセンさんの鮭のみぞれ煮
大根が店頭にあるうちに試さなくては!

シカ vs ヘラジカ

2017-02-06 11:42:58 | ノルウェーの動物 dyr
先日
少し遠出してふだん行かない場所まで散歩してみたら
すごーく大きな足あとを見つけました





このひづめに足を踏んづけられたら骨折間違いなし

ちなみにサイズ比較に使っているこの手袋はけっこう大きいです
(散歩中は手ブラなので他に使えるものがない)



足あとの写真を例によって相方に見せたら
ヘラジカとのこと



体重300〜400kgほどあるそうなのでやっぱり踏まれたくない

そして体長は
角を含めず一番高い方の位置で成人男子と同じくらい(約180cm)

脚がとにかく長いので
もし車でヘラジカをはねたら車体は脚に当たり
胴体がフロントガラスから突っ込んできてすごく危ない、との相方談

ちなみにこの絵が描かれているのは…



薪運び用のバッグ
約60kr(800円弱)はセール価格で普段の定価は1000円以上します

このヘラジカ
30年くらい前まではうちの近くにうようよいたらしい
いま現在うようよいるのはシカ(hjort)または小型のシカ(rådyr)がほとんど
それはそれで愛らしいですが
ヘラジカもいたらもっと楽しいのになー

ところで30年前に一体何が起こったのか?

答はなんとダイナマイト

当時まだ働き盛りだった相方のお父さんが
岩を砕くか動かすかするために使ったダイナマイト
その爆発に驚いたヘラジカたちが一斉に遠くへ逃げたのだそうです

すると
それまでほとんど見かけなかったシカが大挙して押し寄せてきて
静けさを好むヘラジカは戻ってこなくなり
今では森(というより山)の中を通過するだけになってしまったという…

後日
改めてヘラジカの足あとを延々とたどって歩いてみたら
なんとうちからほんの200〜300mくらいのところらへんも
あちこち歩きまわっていたことが判明

真新しい大粒アーモンドのようなフンの山も
10カ所以上ありました

なんだー
意外と近くまで来てるのね

彼らは同じルートを好む傾向があるので
いつか出会える日がくるかもしれません

雪が消えたらもう足あとは追跡できないので
今のうちにヘラジカ散歩ルートマップ作っておこうかな


太陽が戻ったお祝い

2017-02-05 17:35:29 | ノルウェー山暮らし fjellgård
1月28日に戻ってくるはずだった太陽
あいにくの雲のせいでうちまでは光が届きませんでした

翌日も雲…

30日から2月1日までは
学校と仕事のため町に滞在していて
戻った翌日の2日も曇り空

ああ、今年はいつになったら太陽に会えるのかしら…
と諦めかけていた翌日の節分の日
11時10分に突然陽の光が部屋の中に差し込んできました
わー!やったー!



もしもこれが初日の1月28日なら1分足らずで消えてしまう日光ですが
6日目だったのでなんと40分間も日光浴を楽しめました
そして翌4日は80分間



ほぼ水平に使い太陽光で木々の影が異様に長い
そして雪面のキラキラ感がものすごい
雪目注意!


(可愛らしい足あとは子狐)

ああ、おひさまってあったかい〜

町でももうすぐ太陽が戻ります
そうすると solfest と呼ばれるお祝いをするのがならわしで
学校や保育園、老人ホームなどの公共施設ではケーキが出るらしい

「これでもう冬も終わりね!」
と口々に言うノルウェー人たち

えっ、雪これからが本番じゃあ?

でもお祝いしたい気持ちはすごくわかるので
あえて否定はしません
実際にはイースター明けの4月下旬までは大雪に対して気を抜けませんが…

Norskkurs, januar 2017

2017-02-02 22:14:45 | ノルウェー語 norsk
1月3日から再開した学校
今年は火・水のみの出席です

そして相変わらずの少人数ぜいたくクラス
たいてい4〜5人、全員そろってもたった11人
そのうちこのクラスは解体されて他のクラスと統合されるのでは…と
心配になるほどの少人数っぷり

人数が少ないおかげと
先生が会話の練習に重点を置いているため
毎回全員が何かしら話す機会をたっぷりめに与えられます

でもわたしにとっては不思議なことに
先生は生徒の言い間違えをめったに直しません

語彙についてはときどきピックアップして
類義語との使い分けなどを説明してくれるし
発音もていねいに教えてくれますが
こと文法的な言い間違いはほぼスルー

筆記では文法ミスもきっちり直してもらえるのに
なぜ話し言葉のミスは放置なの?

ノルウェー語は(たぶん近隣のスウェーデン語とデンマーク語も?)
「語順」がとにかくクセモノで
疑問文でもないのに主語と動詞の位置がひっくり返る invers というルールが
高い頻度で適用されます

この invers をまるで無視して
(他にも動詞の時制や形容詞の活用やトーネムその他もろもろも構わず)
常に「主語+動詞」の順序で早口に話す移民が多いのですが
先生がその点を指摘しないからには
きっとそれはたいした問題ではなく言いたいことが伝わりさえすればヨシ!
なのかな…とずっと思っていました

特に長く住んでいて
すごくなめらかに話しているように聞こえる人のノルウェー語の多くは
もはや数々の文法を無視した独自の言語になっている
と言っても過言ではないと思います

ちゃんとした話し方を習得しているのは
わたしの知る限り10代の若い生徒ばかり
彼らは小さな子供と同じように耳から言語を習得しているのね、きっと
うらやましい…

ところが!

少し前に届いた試験の結果についてクラスメイトと話をして
ちょっと考えが変わりました

彼女はノルウェーに6年住んでいてよどみなくスラスラと話します
発音もとても良くてよく先生に褒められています
試験の前も
「リスニングとスピーキングは全く心配していないけど筆記がちょっと…」
と言って作文を重点的に勉強していました

その彼女がリスニングとスピーキングの両方でA2の結果
(B1 の結果を見込んで nivå A2-B1 を受験)
何故???

そうです
彼女のノルウェー語会話は文法無視タイプ
少ない語彙で会話の全てをまかなうオリジナル言語タイプ

いっぽう奇跡的にスピーキングで B1 をもらえたわたしは
決して流暢に話せはしませんが
できるだけ文法を遵守して
語順や時制や単語の活用に気をつけながらのいわばノロノロ安全運転

加えて発音が悪いのを
トーネム(上がり下がりのメロディーのようなもの)でカバーしつつ
ジェスチャーと表情筋を駆使した北島マヤタイプ

おおやけの試験の場で
流暢な移民オリジナルノルウェー語より
トロいけどより正統なボークモール(学校で習うノルウェー語)が
高い評価を得られるのだとしたら

それから
リスニングについても
正しく話せていないと正しく聞き取れないのだとしたら

生徒は会話をもっとしっかり指導されるべきなのでは…?

めずらしく
真面目に考えこんでしまった1月でした



1月: 9日間出席 (27時間)





注意書

※このブログの文章・写真・画像を無断で使用することを禁じます。