東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

冬到来

2024-11-16 20:06:29 | ノルウェー山暮らし fjellgård
8月の後半に
今年の夏に生まれた子ウサギの記事を書きかけたまま
あっという間に月日が流れて
はや2ヶ月以上が経ってしまいました


(8月の頃の子ウサギ)

その間に薪作り繁忙期に突入したり
日本に一時帰国をしたり


(忙しかったけれど富山行きは敢行)

10月中旬
やっと涼しくなり始めた日本からノルウェーに戻ると
カレンダー上では同じ秋でも別次元の寒さです



家の周りの羊たちはすでに姿を消していて
スーパーに並ぶ新鮮なラム肉が美味しい季節


(生肉で買えるのは今だけなのでラム肉料理を結構食べます)

ノルウェーではめずらしいカボチャが店頭に並ぶのも
同じ頃です



自宅のある山沿いでは雪の日が続いても
フィヨルドに近い町ではまだ冷たい雨止まりだったりして
10月中は紅葉の名残を楽しめました



日照時間が目に見えて短くなって
時計の針を1時間戻して11月に入ると
にわかにクリスマス・マーケットで忙しくなります


(人が多くて出店がほとんど見えませんが…)

以前は毎年いくつものマーケットに
誘われるままに出店していましたが
去年あたりからわたしも相方もちょっと息切れしてきたので
今年は2か所のみに絞りました


(ハンドクラフトは作っている時がいちばん楽しい!)

今月末は地元の村でクリスマス・マーケットがあって
ここは毎年欠かさず出店するし
来る人も常連さんが多いので
少し目先の変わったものを出したいところです


今日は外は軽く吹雪
積雪の予報は50cm
明日は朝から玄関先の雪かきでスタートかなあ…


(部屋の中は薪ストーブで快適)

木と生きる

2024-08-06 13:59:42 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ここでの暮らしには薪が欠かせません



薪を作るために毎シーズン
森の木を大量に切るのはもちろんのこと
何か別の理由で木を切る用事や機会があった場合も
切った木はできる限り薪にします

たとえば
樺の木は雪の重みでとてもしなるので
道路をふさぎそうな場所に生えているものは
ときどき伐採する必要があるのですが


(道路の左側にあやしい茂み)

こういう木はなるべく細いうちに
なんなら苗木のころにこまめに切っておけばラクなものを
緊急度が低いのでついつい後回しになりがち…

そしてそろそろやばそう、、となってから
チェーンソー片手に重い腰を上げると
すでに薪になるサイズに育っていることがほとんど



スッキリ!

片付けた木々のうち
左側手前に写っているくらいの太さのものは薪に使えるので
持ち帰ります

もちろん薪用にわざわざ木を切る場合には
作業効率の良い太さのものをチョイス


(直径20cmくらいまでなら電動タイプの軽量チェーンソーでじゅうぶん)

森では
あちこちでしょっちゅう自然による倒木があるので
家まで運べそうなところに新しい倒木を見かけたら
できるだけ持ち帰って薪にしますし



今年の夏のように
土地を作るために一面木を切り倒した場合も
木の種類や太さに関係なくもれなく薪にします


(木の達人の義父は今年87歳)

普段は主に燃費の良い樺の木を薪にしていますが
今シーズンは上記の土地に建てる建物のために
建築資材も作る必要があったので
そのついでに松の木で薪づくりも大量にしました

ちなみに
建材用の丸太は10kmほど離れたご近所さんの製材所へ運んで
必要なサイズに切り出したのち持ち帰って乾燥させます



大工でも木こりでもない相方が
なぜこういう一連の工程に熟練しているのか…
ノルウェーのDIYここに極まれり


(乾燥用に隙間をあけて積まれた建材)

そして
建材を切り出した後の木の外側も
もちろんカットして薪にしますが
長くてまっすぐな端材のカットには薪マシーンが大活躍



この薪マシーン
カッティングマシーンとスプリッターが一つになっていて
長いままの丸太を入れると
出来上がった薪がトランスポーターベルトで離れた場所に放り投げられます

ちょっと仕上がりがラフなので
乾燥室で並べるときに
少し選別したり手を入れたりする必要はありますが
とにかく早い!

この薪マシーンの導入で
3年分くらいの薪のストックを作って
上記の空き地に新たに建てる建物にストックする、というのが
相方の計画です


(建築申請も自分でやる)

ひと冬に必要な薪の量はだいたい12立方メートル

ちょっと不思議な薪の単位についてはコチラ
👉薪の量の数えかた

森に囲まれた場所で木の恵みと暮らすのは
力仕事でもありますが
とても豊かだなあと
薪を作りながらしみじみ思います


松の木で薪づくり

2024-06-02 11:52:53 | ノルウェー山暮らし fjellgård
今年の初夏は本当にお天気に恵まれて
外仕事がはかどります



ふだんは樺の木で作っている薪ですが
今シーズンは家の近くの開拓地の間伐の仕事があって
松の木をたくさん切っているので
それも薪にします



冬の間も葉を落とさない針葉樹の松は
枝のボリュームがすごくて
丸太を切り出した後の片付けが大変ですが
とにかくいい香り



松は良い建築資材になるので
まずは角材に加工する分を選り分けて



残りは薪の長さにカット
だいたい50cmくらい



薪にする丸太は自宅へ運んで
ある程度の量がたまったらスプリッターで割る作業を開始



割ってできた薪は
これまたどんどん運んで
ひと冬のあいだ乾燥させるための場所へ積んでいきます



今年はいつも使っている乾燥場が
もうすでに結構いっぱいになっているので
相方が急きょもう1箇所作ることに


(乾燥場の軒下はウサギのお気に入り)

どこに作るか散々もめた…いえ検討した挙句
(置ければどこでもいい相方と、家からの視界や景観も考慮したいわたし)
昔、乾燥場として使っていた場所に
高さ低めで設置することに決定



パレットで作った土台が残っていたので
比較的カンタンに設営できそうという点でも意見が一致しました



もうすぐ夕立や雷雨が増える時期が始まるので
今のうちに屋根ものせてしまいます

6月に入ってオフィシャルに夏本番のノルウェー
夜がますます明るくなる
不思議な季節です


(夜9時半の通り雨)

初夏の楽しみ

2024-05-20 11:00:28 | ノルウェー山暮らし fjellgård
一気に暖かくなりました
昼間の気温が20度を超えることも



まだ景色に雪は残っていますが
日に日に日照時間が伸びて
ひと晩じゅう周囲の山の端は明るいままです


(夜10時半の夕暮れの青空)

うちから徒歩30分くらいのところにある谷に降りると
滝つぼにはまだけっこう雪が多くて
ひんやりした空気



でも周辺には
春になると1番初めに咲く花のhvitveis(ヴィートヴァイス)が
そこいらじゅうに咲き乱れています



ウサギも絶賛衣替え中で
雪の残る山でも乾いた草の上でも
見事に景色に溶け込む絶妙な色の毛皮
毎年思うけど本当にすごいなあ



5月17日のナショナルデーは晴天に恵まれて
日光浴をしながらこの日の定番のホットドッグとアイスクリームでお祝い


(※ノルウェー人はレタスなどの野菜ははさみません)

今年の夏はルバーブの育ちも早くて
もうすでに何度か収穫して
クランブルケーキ やスープにして楽しみました



自宅とふもとを繋ぐ山道もオープンして
車で行き来できるようになったので
もうすぐヒツジ農家さんが放牧にやってきて
にぎやかな夏が始まります


白い春

2024-04-26 20:33:21 | ノルウェー山暮らし fjellgård
もう5月の足音が聞こえようかというのに
相変わらず雪が降ったりしていて
家からふもとまでの移動は依然としてATV



でも春の雪は晴れた日にはサッと溶けて
シカ達も食事がラクそうです



天気の良い日には外で薪仕事



雪がこれくらい少なくなると
木を切る作業もはかどります



ちなみに
ひと冬に使う量の薪はだいたいこれくらい



常に2〜3年分はストックしておきたいので
可能な限り薪作りに時間を充てます

そして!
今シーズンの薪作りには新戦力が!



丸太を入れると
カットとスプリットを同時にやってくれるという優れもの(らしい)

比較的新しい機械なので
思ったように働いてくれるのかドキドキです

ところで
こういう機械や重機が一般家庭にあるというのは
わたしの住む田舎のこのあたりでは珍しくなくて
小さな子供たちももれなくマシーンを複数所有しています



義父母宅のお隣に住む1年生の男の子は
芝生の境界ギリギリをパーキングエリアにしている模様
(縁石より手前は義父母の敷地)

何か考えがあるんですね、きっと…
今度会ったら聞いてみよう


気がつくともう夜の10時まで薄明るくて
職場のボードには夏休みの予定表(誰がいつ休みを取るか)が貼られていて
景色に雪は残るものの夏の気配を感じずにはいられません


せかせかしない

2024-02-02 20:54:53 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ブログを書きたいなーと思いつつ
気がつけばもう今年も2月



クリスマスの飾りを片付ける1月13日までに
クリスマスについて書こうと思っていましたが
なんだかもう思い出せない…

でもとにかく
クリスマス料理とクリスマスのお菓子をたくさんいただきました



そして太陽のない季節なので
ひたすら雲に映る光を楽しむ日々

冬の雲は本当にきれいです



マザーパール雲と呼ばれる
真珠貝の内側のイリデッセンスのような雲も
ときどき見ることができます



雪が多くても少なくてもそれなりに難のある
5kmの山道を通らないことには
職場へも買い物にも行けない場所に住む苦労はそれなりにありますが


(揺れが激しすぎたので降りて前を歩きながら撮影)

力仕事を請け負ってくれる相方が元気でいてくれる間は
ここで暮らし続けられるといいなと思います


(気温が上がるとスケートリンク化する山道)

つい最近のことですが
2台あるうちのメインのATVの冷却液漏れが判明したので
ベルトを二号機に付け替えることになって


(後輪をベルトからチェーン付きタイヤに付け替えたところ)

日本にいるときに
愛車のフィットのタイヤ交換くらいなら自分で出来ていましたが
ATVのベルトの交換などはわたしには到底ムリ…とシミジミ


(グレーの二号機の夏用タイヤをベルトに交換)

ところで
今年の抱負は「せかせかしない」にしました



2ヶ月前からオンラインで受講し始めた
経絡循診の先生の口癖で
これが酉年生まれの落ち着きのないわたしにはなかなか難しい



コースを修了する頃までには
抱負も達成できるかな…

クリスマスへのカウントダウン

2023-12-13 21:39:24 | ノルウェー山暮らし fjellgård
数日前に南からのストームが来て
周囲の軽い雪が吹き飛ばされると
シカの足跡がまるでアートのように


(シカの足跡の雪だけ踏みしめられて硬いので飛ばされずに残っている)

嵐が去って好天が戻ると気温は再び下がり
マイナス10℃〜15℃くらいの日々です


(太陽のない季節の午前11時頃)

外出時に運転するATVの右側のハンドルは
デフォルトのレバー式アクセルをスロットル式に取り替えた都合で
ヒーターが使えなくなっているので
運転する時はとにかく手指の防寒に気を遣います



途中で雪かきをすることもある相方は
常に用途に合わせた3ペアほどの手袋を用意



ATVではスライドの危険がある傾いた路面を
スイスイとすり抜けていくスキーヤーと犬
羨ましいなぁ…



川は完全に雪と氷に覆われて
もうどこが川かわかりません

冬至まで
そしてクリスマスまであと少し


(町の図書館前の広場)

11月に入って以来ずっと
町はすでにクリスマス全開ですけれど
家の中にツリーを飾るのは23日
そしてこの国ではイエス・キリストの誕生日は24日です



イベントの日々

2023-11-27 20:43:23 | ノルウェー山暮らし fjellgård
気候や服装はすっかり冬ですが
カレンダーではまだ秋のノルウェー
町では文化的なイベントが多く催され
地元でもあれこれと手伝いに駆り出される機会が増えます



村の射撃クラブでは
誰でも来て試し撃ちを楽しめる感謝デーのようなイベントがあり
ケーキやコーヒーも無料サービス



こういう場合はお手伝いに行くのもボランティアです

でも急なお葬式の会葬の手伝いに呼ばれたりすると
時給で支払いをしてくれるのが普通で
わたしとしてはこういう場合こそお金なんていらないと思ってしまうのですが…



それとこれは別という
貸し借りなしのノルウェー方式
きっちり仕事をした時間分が振り込まれます



今回の会場は教会から離れた場所でしたが
小さなパイプオルガンがあり
ゲストが来る前に少し弾かせてもらうという予期せぬ楽しみも

かと思えば
ご近所さんちの娘さんのバースデーパーティーにお呼ばれすると
食事とデザートをたっぷりいただいて
持っていくのはほんの小さなギフトであることが普通です



この日は急な招待で買い物をする暇がなく
当日の朝に急いでカードを作り
少額のお金を同封して持参



この辺りでは誕生日は当人が周囲に振る舞うのがデフォルトなので
たとえば職場なんかでも
誰かの誕生日だと本人がケーキを持参したりします

少し前の義母のバースデーしかり



メインの食事のほかに
ケーキ類を全て1人で用意したお義母さん
おつかれさまです…

まだ12月になってもいないうちから
クリスマスパーティーもありました



職場のクリスマスパーティーはグループ会社が一堂に会するので
大規模なうえ宿泊付きと豪華



パートナー同伴可ですから
会社の負担費用は参加社員の約2倍
加えて12月には全員にクリスマスギフトも配布されるので
クリスマスに確保する予算はかなりのものだと思われます

クリスマスマーケットもフルスロットルで
毎週あちこちで絶賛開催中


(知り合いの出店の木工ハンドクラフト)

今シーズンは
屋内にブースを持てる会場3つに絞ったのですが
それでも上記のイベントと合わせるとじゅうぶんてんやわんや

そしてあらゆる隙を見て薪作りも進行中



日の長い夏は夏でやることがたくさんありますが
本格的な冬を前にした今の季節も負けず劣らず忙しい…



でも今年はまとまった積雪が遅かったので
11月23日まで車で家とふもとを行き来できてずいぶん楽でした

でもとうとう雪の予報が出て一夜で景色が一変したので
これから雪まみれの日々の始まりです


冬の入り口

2023-10-24 16:18:32 | ノルウェー山暮らし fjellgård
晴れて気温がプラスの日が続き
雪がずいぶん溶けました
やったー!



うまくいけばもう一度
ATVではなく車で家に帰ってこられるかも?

それにしても日が落ちるのが早くて
午後ちょっと遅い時間に散歩に出ようものなら
もう日光を浴びられません



すっかり葉の落ちた白樺のシルエットはとてもきれいで好きなのですが
劣らず美しい紅葉を見逃したのがちょっと残念

でも雪上のシカの足跡にいろんな木々の葉っぱがたまっていることろをみると
まだ落葉中の木も森の中にはあるのかな…



ただの落ち葉ですけれど
まるで子どもがきれいに収めたみたいでなかなか素敵です



ちなみに太陽が昇るのは11時を回ってからで
もちろん晴れた日に限りますから
リビングに陽が差したら観葉植物は南向きの出窓付近に全員集合させて
少しでも日光に当たるようにします



天気が良いと薪割りもはかどります



ときどき手伝いに来てくれる義父(86歳)の働きはベテランだけあってとても大きく
好調に積み上がっていく今シーズンの薪たち



いまはシカ狩りの季節でもあるので
先日も4人ほどが連れ立ってうちの近くに来ていたのですが
その中に古くからの知人がいたのをこれ幸いと
猟のあとでトラクターのチェーン付けを手伝ってもらいました



ここでの生活は
トラクターとATV、そしてご近所さんとの互助なしでは
とてもとても大変だとつくづく思うのですが

同時に
スキーと馬とソリだけで生活していた先人たちのことを考えると
むしろ持ちすぎている気にすらなるから不思議です



夏の備忘

2023-09-19 13:54:31 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ブルーベリーを摘み始めたのはついこの間だと思っていたら
もう一時帰国の季節(秋)です



駆け足で過ぎていった夏ですが
振り返るといろいろありました

ブルーベリーだけでなく
molte(英語ではクラウドベリー)もラズベリーもコケモモも大豊作で
摘むのに苦労しなかったかわりに忙しかった…


(摘みたてが美味しいラズベリー)

それから今年も家の敷地内でウサギが子育てをしていて
ちびウサギたちを見るのが毎日楽しかった〜


(車の手前に2羽)

ちょっと特別なイベントもありました
なんと地元の射撃クラブ所属の人が全国大会で優勝!
テレビや新聞にも載ってクラブハウスで祝勝会が開かれたり


(写真の手前中央のメダルをつけている人は市長さん)

遠路はるばる遊びに来てくれた知人と
一説によるとノルウェーで一番高いという滝の近くに新設された
ながーい石段を初めて登ったりもしました


(滝のすぐそばまで行ける)

それにしても
今年の夏はやたらと雨が多くて
家の近くの川もまるで春の雪解けの頃のような濁流になることがしばしば



森の中の湿度も高かったのか
キノコ祭りも例年よりちょっと早かった気がします



そして気がつくと
いつのまにか暗い夜がやってきていて
町で残業して帰る夜道では
車のヘッドライトをロングビームにしてシカに気をつけないといけなくなり
家に着く頃には満天の星と天の川



夕焼けの茜空に見惚れることも増えてきました

本当にあっという間に景色は秋色になっていて
その変化の速さにビックリします

朝起きると気温は0℃
一面霜が降りて真っ白ということも
まだ9月なんですけどね…



きみたちもすっかり大きくなったね

注意書

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