東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

橋の工事再開

2018-05-31 10:29:34 | ノルウェー山暮らし fjellgård
去年の夏に始まったビッグプロジェクト
橋の作り替え工事が今月に入って再開されました

もともとは去年の夏中に終わらせる予定でしたが終わらず
未完成のまま冬を越し
ずいぶん不便な思いもしました

何が不便だったかと言えば
橋を車で渡れないせいで橋から自宅までの400m坂道を
歩くかトラクターを使うかしないといけなかったこと

本格的に雪が積もってからはATVで通れるようになりましたが
今月に入って雪が溶けてからはまた徒歩

本当にまた車が通れるようになるのかと
疑いたくなるようなスローペースで進む工事
(作業をしているのは相方と義父の2人)



石を割って並べる作業は義父の得意分野



数百キロの石にドリルで穴を開けて割って
トラクターで移動させます



でも位置の調整なんかは
アイロンバーを使っての人力なんですが
それをやすやすとやってのける義父
80歳とはとても思えない…

そして5月も終わる頃になってようやく
車が通れるようになりました!
やったー


(通れるのは4WDオフロード車限定ですが)

あとはセメント工事と木工事が残っているだけです
だけというか大仕事なんですけれど
ともかく車が通れさえすればもう
多少車がガタつこうが手すりがなかろうがかまいません

ああ、うれしい



初夏のアイコン

2018-05-27 11:16:10 | ノルウェーの食べもの mat
朝方、目覚ましの音を聞いて

あれ?なんで目覚ましが鳴ってるの?
セットしていなかったはずなのに…

とぼんやり考えて
しばらくしてそれが目覚ましではないことに思い当たりました

昨夜遅く(といっても夕方のように明るい午後11時頃)
5km先のご近所さんが羊を放牧に来たんだった

母羊たちの首輪についているベルが
四六時中カランカランと音を立てます



もう羊の季節か…


(羊は柵が好き)

気がつけば庭のルバーブも茂りまくっており
すっかり初夏の景色



ルバーブは育ちがとても早くて
おっ、芽が出てる、と思ったらものの1週間ほどで茎を伸ばし葉を広げ
あら、もう摘めるわね、と思いつつ数日置いておこうものなら
すぐに花のつぼみが見え始めます

花が咲くと茎の育ちが悪くなるので
あわてて少し収穫してつぼみは切り取りました

ルバーブの茎を皮をむいて2cmほどの長さに切り
砂糖と一緒に鍋に入れて煮れば美味しいジャムになります


(20本ほどの茎でジャムの瓶4つ分くらい)

去年まではこの切った状態でたくさん冷凍していましたが
けっこう場所を取るので
今年はジャムに煮て冷凍する分を増やそうかな…

ナショナルデー2018

2018-05-25 07:35:19 | ノルウェーの町で tettsted
去年のナショナルデー
ただフラッと町の中心部に行ってお祝いムードを味わって帰りましたが
ノルウェー人だけでなく移民の多くも自国の民族衣装を着ており
それがとても華やかで素敵だったので
わたしも来年は着物を着ようかなーと思ったことを覚えています

あれから1年
一時帰国の度に母から着付けを習い
着物一式もノルウェーに持ってきました

ときどきあるキチンとした格好が求められる場面で
着物を着ちゃえば
よそゆきの洋服の心配がいらないんじゃないかという
軽い気持ちだったのですが

今年のナショナルデー(5月17日)の少し前に
知り合い(エリトリア人女性)から
「広場で一緒に食べ物を売らないか」と誘われ
「できたら民族衣装を着よう」という話になったので
ノルウェーで3度目の着物姿を披露することになりました

ちなみに1度目は義父の80歳の誕生祝いの席で
2度目はおりがみ教室の千秋楽
全5回のコースに通ってくれてありがとうの気持ちを
着物姿で表してみました
(おりがみより喜ばれたかも…)

そのおりがみ教室からざっと半年
一度も着付けの練習をしていなかったので慌てて練習開始
時計を見ながら着付けにかかる時間もチェック

着物を着るところまではわりと上手くいくようになったのですが
作り帯を背負うのと帯あげをきれいに結ぶのとに手間取り
どうしても30分の壁が越えられない…
紐類を帯の中に押し込むのもイマイチ納得のいかない出来栄え



それでも直前集中演習の成果で
なんとか着崩れせずイベント終了まで持たすことができたので
ひとまずヨシとします
(ここでは着付けの良し悪しのわかる人はいないと思うので多少気がラク)

当日はお天気も良く
エリトリア人の作ったアフリカ料理と
日本の巻き寿司&鶏肉テリヤキソースという異色コラボにもかかわらず
なかなかよく売れました



ナショナルデーは特別に
申請などしなくても誰でも食べ物を売っていいことになっていて
わたしたちのほかにも自国の料理を作って売っている人があちこちに

そういえば今はもう亡くなったおばあちゃんが
戦後の苦しい時期に食堂を始めた時の話で
「食べ物を売るんはホンマにもうかったわ〜」
と言っていたことを思い出します


夏の予感

2018-05-14 19:45:06 | ノルウェー山暮らし fjellgård
先週
久しぶりに谷を越える徒歩ルートでふもとへ下りました
谷の名前はオモタン

オモタンについては
毎週のように歩いていた一昨年の夏も書きましたが
ほんとうに気持ちのいい場所です

👉オモタン
👉オモタン つづき

谷へ下りる道中には小さな野草があちこちで
春を告げる可愛らしい花を咲かせていました




(花びらの数が5枚から8枚と幅広い hvitveis の花)

倒れている木はなぜか丸裸



食料の乏しい冬の間シカが皮を食べ尽くしたらしい

今回は午前中に歩いたので
滝の正面には大きく(しかもうっすら二重に)虹がかかっていて
滝しぶきのマイナスイオンとあいまって癒し効果抜群



あーやっぱりいいなーオモタン
ちょくちょく来よう

谷を過ぎるとひたすら登りですが
下りで疲れた膝には登りが嬉しい



開けた場所までくればあと一息
もうすぐご近所さんの家が見えてきます



おお、屋根の草が青くなってきている!
草の背丈が伸びて屋根が草原みたいになると夏本番です

ふもとで相方の車に拾ってもらい町へ出ると
なんと桜が満開!



春だわ〜

1日の用事を済ませてふもとへ戻る頃には
時計は午後9時になっていましたが
それでもまだ日が出ているので7時くらいの気分



いつの間にこんなに日が長くなったのか?
夏の間の白夜のような明るい夜もそう遠くはないかも

一昨日も
ちょっと早めに寝ようと10時半に布団に入ったのですが
この明るさ…



春が短いというより
昔のカレンダーの通りここには冬と夏しかないのかもしれません


井戸の手入れ

2018-05-13 15:57:03 | ノルウェー山暮らし fjellgård
春の水問題の続きです

相方が井戸の周囲を掘ると言った翌日
天気はあいにくの小雨かつ霧

これじゃあ今日はやらないだろうと思いきや
雨合羽をきっちり装着して準備を整えた相方は
わたしが朝食を食べ終えるのも待たずに表へ出て行きました

マジで…

一般的にここらへんの人は
天気で屋外の予定を変更しない傾向にあると思います
雪が降ってもバーベキューするとか最初はビックリしました
雨天順延という単語、なさそう

ともあれ
井戸のメンテナンスは以前からわたしも興味があったので
しばらく経ってから井戸まで行ってみました

すでに井戸の周辺はかなり掘り下げられており
コンクリートの筒と筒のつなぎ目が見えていました
相方はこのつなぎ目から雪解け水が入り込んでいると想定したらしいのです

加えて井戸のすぐ近くに自然に出来た溝があり
そのまとまった流れが井戸を直撃しているせいで井戸の周辺は水浸し
これも良くないというので
井戸を迂回させるべく新たに溝を掘りました


(写真は翌日様子を見に行った時のもの)

水が井戸から少し離れた場所を流れるようになったところで
今度は井戸の水を抜く作業
ポンプなどはなく、ホースの高低差を利用した原始的手法です
4本のホースを試してようやく水をほぼ全部抜くことに成功

これで水質が改善されるかどうかわかりませんが
とりあえずできることはやり切りました
あとは数日間様子を見ます

まあうまくいかなくても1年のうち今だけのことだしね…
と気楽に考えているわたしとは対照的に

「新しく井戸を掘ろうかな…
もっと高い場所にある別の水源からファイバーのタンクに貯めて落とせば
水圧がかかるから地下室のポンプいらなくなっていいかも…」

と大規模な構想を練り始めた相方

また続きを書く日がくるかもしれません


春の水問題

2018-05-12 14:39:10 | ノルウェー山暮らし fjellgård
ここしばらく
浴槽にお湯をためるとやや黄みがかって見えていました



写真では分かりづらいですが
ふだんは青みがかっているので差は歴然

雪が大量に溶けて山から流れ出してくるこの時期
湧き水をためている井戸に雪解け水の奔流が入り込むことがあります

井戸はコンクリートでできていて
縦方向に3層ただ積んでいるだけなので
井戸の周囲の水分量の状況によっては
わずかなすき間から湧き水ではない水分が入ってきてしまうわけです

雪解け水の流れは
地上に現れている部分を見ればよくわかるのですが
周囲の枯れ草や木の枝や石などをじゃんじゃん巻き込んで
勢いよく下っていきます



地中深くの砂地を通って井戸に集まる地下水と違って
今の季節地表を流れる水は
枯れ草や木のバイオ成分で若干黄色くなるのだそう(相方談)

黄色とはいっても
お鍋にお水を張ったくらいでは全くわからないですし
ほんの1ヶ月ほどのことですからさして気にしていませんでした

ついでに言うと
わたしは冷たい水というものをほとんど飲まないので
(たいてい麦茶やほうじ茶、玄米茶などのお茶を飲む)
井戸水の味の微妙な変化にも気づきません

ところが相方がお腹をこわしました

薪割りに精を出しすぎて体力が落ちていたから?
毎日1リットルくらい飲んでるから?

お腹をこわしたときノルウェー人は何を食べるのか聞いてみたら
saftsuppe が食べたいというので
インターネットでレシピを検索して作りました


(ブラックカラントの saftsuppe)

saft は果汁シロップで
ふだんはカルピス並みに薄めて飲みます
それを濃いめに溶いてオートミールを煮込んだものがくだんの saftsuppe

suppe(スープ)というだけあってオートミールは少量です
レシピではレーズン少々とシナモンで風味をつけることになっていましたが
相方がどちらも抜いてほしいというので何とも簡単に出来ました

さらに薬局で何やら買ってきて飲み始めた相方
飲んだ直後、口の中がイカスミパスタを食べたみたいになっています
なんとそれは炭の汁


(kull は木炭の意)

ほほう
水あたりに炭が効くとは知りませんでしたが
なんとなく納得

お風呂の水が黄色いだけでは決して何もしなかったであろう相方
自分が水に当たったらしいとなると急にやる気が湧いたらしく
体力が戻るやいなや井戸の周りを掘ると言い出しました
そして場合によっては井戸の水を抜く、と

え?掘るの?
水を抜くって…そんなことできるの?

おおごとになってきました(つづく)

トリノミ

2018-05-08 09:35:54 | ノルウェー山暮らし fjellgård
先週の話になりますが
朝起きたら体のどこかに虫刺されの痕が複数箇所あるということが
何日も続きました

これがすごーくかゆいうえ
かゆみが数日のあいだ続くという不愉快さ

腹立たしいことに
同じベッドに寝ている相方は全く被害にあっておらず
わたしひとりイライラとストレスをためていました

これは間違いなくダニだろうと
シーツ類を洗ったりベッドマットに掃除機をかけたり
掛け布団を巨大冷凍庫に入れたりしたのですが
(ここでは日に干しても全く温かくならないので凍らせるのが常套手段)
一向に止む気配がナイ…

そんな折
うちの近くの遊歩道を散歩で歩いていたご近所さん2人連れと
たまたま立ち話をする機会があったので

「ちょっとー、見てくださいよコレ」

と足の赤い斑点を見せて
被害がわたしにだけ及んでいることも愚痴りました

すると

「それ、鳥ノミだと思うわ」

え?
ダニじゃなくてノミ?

鳥にくっついて移動するノミのことを fugleloppe (fugl = 鳥 loppe = ノミ) と言うらしく
このご近所さんのご両親も
いつもお母さんだけが刺されているのだそう

そういえば最近家の周りにやたらと鳥が来ています



ガレージに巣を作るセキレイのつがいをはじめ
雀サイズからカラスサイズまで
相手探しだか巣作りだか知りませんがまあにぎやかなこと

「ノミは布団にタマゴは産まないからそのうち止むけど
当面は布団を冷凍庫に入れて、あとは窓は開けないことね」

とのご近所さんのアドバイスを聞いて
ハタと思い当たりました

窓!

確かにこの虫刺されが始まる少し前から
2階の窓の1か所が常時少しだけ開いていた…
理由は相方の薪を割る機械につなぐ電源コードを通すため
(毎日コードを出し入れするのが面倒だったらしい)

「あっ、あれがいけなかったのか
ごめんごめん、今すぐ閉めよう!」

と相方

薪割りの仕事を一手に引き受けてくれている彼を責める気はありませんが
彼の所業でわたしだけ刺されているって…

それはともかく
布団 in フリーザーが効かなかったので
(たぶん冷凍庫の中身が多すぎて布団が十分冷えなかったから)
何か他の手を考えなければ

家にあるもので虫退治できるものといえば…
着物をしまってある場所にあるしょうのうはどうだろう?
匂いがキツイけれどこの際そんなことに構っていられない

キッチンにあるクローブ(丁子)も確か防虫効果があったような



相方も窓を開けっ放しにしていた後ろめたさからか
快く承諾してくれたので
しょうのうとクローブをありったけ
ベッドのマットレスと掛け布団でサンドして丸一日放置

これが効いたのか
はたまたノミの寿命が尽きたのかはわかりませんが
ともかくこの日を境に虫刺されはストップしました

ホッ

それにしても恐るべし野鳥
1メートルくらいまで近寄ってきたりすることもあるけれど
気をつけよう…







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