東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

ウサギとネズミ

2019-12-30 13:28:02 | ノルウェーの動物 dyr
朝起きるとバスルームへ

ここは家の中でゆいいつ24時間暖房がきいていて暖かい部屋です
4畳半くらいで床が防水仕様かつ全面床暖房
トイレも洗面もここにあって着替えもここでします

西向きの割と大きな窓があり
朝まずは外の天気をここから見るのですが
雪の上に真新しいウサギの足跡があるとつい頬が緩みます



ガレージ横の薪を乾燥させる小屋組み下はウサギが好む通路のひとつで
バスルームの窓の下にりんごの皮があることを知っているウサギは
一直線にここへやってきます

しかし…
一緒にネズミの足跡があるのを見ると小さくため息
キミも来たのね
いや、来てもいいんだけど
うちの中に入ってくるのやめて欲しいのよね

表に出てネズミの足跡をたどり
どこから家の中に入り込んでいるのかをつきとめようとする試みは
成功したためしがありません



家のすぐそばは雪が溶けていて足跡が残っていないし
だいたい彼らは雪の表面ではなく
その下をトンネルのようにもぐって移動することもできるし
ウサギほど簡単に足跡を追跡できません

今年の夏にネズミの再来があって
かなりしっかりと対策を講じたばかりなのに
その後も何度か屋根裏部屋を駆け回る足音を聞いているだけでなく
一度相方が室内でネズミのフンを見つけてしまい
以来我が家ではネズミ厳重警戒モードが続いています

ネズミを食べるイタチが家の周りにもっとたくさんいればいいのに…
でもウサギも捕食するキツネには寄り付いて欲しくないし…



とりあえず
うちを縄張りにしているウサギが
まだ元気で生き延びていることを素直に喜んで
ネズミのことは来年の夏まで考えないようにしよう


(リスは大歓迎)

Kokosboller

2019-12-27 22:35:05 | ノルウェーの食べもの mat
ノルウェー語学校に通っていたころよく見ていた
子供向けテレビ番組のひとつ
Det lille spøkelset Laban
「小さなおばけのラーバン」


(左の白いのがラーバン)

まるでオバケのQ太郎みたいですが
そこは舞台がスウェーデン
ラーバン一家が住んでいるのはお城です

ある日
ラーバンのママがお菓子を作るというエピソードがあって
それがあまりに美味しいものだから
みんながちょっとずつつまみ食いをしているうちに
全部なくなっちゃうというようなストーリーだったと思うんですが
そのお菓子が kokosboller


(画像は食べ比べ企画をした雑誌 Dagbladet より)

写真のようにスーパーでもいろんな種類が売られていますが
きっと家で手作りすると美味しいんだろうなーと思い続けてはや数年
今年はじめてクリスマス用に作ってみたら意外と簡単

メレンゲにゼラチンを加えてビスケットの上に絞り出して…


(ビスケットがなかったのでチョコレートで代用)

溶かしチョコレートでコーティング後ココナッツパウダーをまぶすだけ



コロッケやフライなんかの調理工程にちょっと似ています

職場のおやつに持って行ったら好評で
あっという間に売り切れ
みんな好きなのね、kokosboller

要領がわかったのでまた作ろう!

でもタマゴの黄身がたくさん余るので
黄身の使い道も考えて買い物しないとね



クリスマス

2019-12-25 19:31:46 | ノルウェー山暮らし fjellgård
昨日はクリスマス・イブ
相方の実家で夕飯をごちそうになりました

実家までは山道5kmをトラクターで40分
そこから車に乗り換えて公道6kmを10分
車両の乗り換えと着替えを含めるとだいたい1時間かかります

ここのところ運動不足で体温が低く
しばらく体調がスッキリしなかったので
相方がトラクターで山を降りるあいだに
わたしは少し早く出て谷越えの近道を歩くことにしました

夏は何度も歩いたことのあるオモタンルート
高低差約300mの急な下り道が谷まで続き
川を渡ったら今度は約200m高い場所までひたすら登りです

冬は1度だけ歩いたものの足元の悪さに閉口して
以来足が遠のいていました
(氷とジャリジャリのハードな雪だった)

今回は雪のコンディションが良さそうでお天気も良好だったので
念のため靴裏に取り付けるスパイクを持参して出発

夏は50分かかるところ余裕をみて倍の100分前にスタート
とにかく転ばないことを最優先にいたってのんびりと歩いたおかげで
さして疲れることもなく80分で到着しました



写真では見えにくいですが
滝は右半分はまだ水しぶきを上げながらごうごうと落水
左半分は凍っていた…



午後2時半過ぎですでに夕焼け空



綺麗すぎて見惚れることしばしば

もうすぐ道路に出るという一歩手前の雪原で
真っ白なウサギがのんびりと駆けていく姿を見かけて
その雪の上を滑るような軽やかな足取りにもうっとりと見惚れました

彼らは体の大きさの割に足跡が大きく
しかも足裏に毛が生えているとあって
雪上の最速ランナーです

軽くひと汗かいたあとの食事は
とても美味しかった〜



ノルウェーの伝統的なクリスマス料理のひとつ lutefisk(ルーテフィスク) は
干したタラを灰汁に漬けて作る独特な食感の料理で
レフセ(極薄パンケーキのようなもの)にバターを塗って
茹でたじゃがいもなどと一緒に包んでいただきます



食事の後はみんなで後片付け
(この「みんなで」というのがノルウェーぽい)
そしてリビングに移ってプレゼントをひとつづつ開けるというメインイベント
(そしてなぜか紙に書き出してリストを作る義母)
さらにコーヒーとデザート
(メイン料理に劣らないボリューム)

ちなみにクリスマスは25日を初日と呼び
26日が2日目…と数えて30日のクリスマス6日目まで続くので
家中のクリスマスの飾りは年明けしばらくまで活躍します



今年のプレゼントのひとつ
デンマークのデザイナーのオーナメントも
さっそくツリーに飾るとしよう!

森色のカード

2019-12-20 23:46:51 | ノルウェーで手芸 håndarbeid
去年からペーパークラフトにはまり
クリスマスマーケット用のクリスマスカードやギフトタグも作り始めました

ハンドメイドのカードを売る人はちょこちょこいて
そのうちの1人は仲のいいご近所さん
しかもおりがみ教室に通ってくれた人

彼女のカードはレイヤーを多用したクラシックなデザインなので
なるべく違うテイストでと
去年はわりとポップな感じのものを作っていました
色もなんとなくこっちの人が好きそうな赤やゴールドを多用

でも売れるのがシカのモチーフやクラフト紙を使ったものなど
ナチュラルな路線のものが多かったので
今年は森をイメージしたグリーンを基調としたデザインにトライ



お気に入りのクラフターのYana Sumakulaさんのブログから
たくさんインスピレーションをもらいました

彼女の動画を見ているといろんなグッズが欲しくなって困るんですが…



ところで
つまみ細工をしているときにも思ったことですが
緑や青は作業していて目がとてもラク
(目が疲れるのはなんといっても赤)

とはいえ緑ばっかりだと並べた時にちょっとさみしい感じなので
去年けっこうウケのよかった簡単なポップアップのカードも
チャチャっといくつか作りました



インクの色をグラデーションにしたりエンボス加工をしたり
シークエンスやリボンをつけたりという手間を全くかけていない
いたって簡単なカードなんですけれど
これが今年いちばん人気だった気がします

ううむ
ちょっと複雑

もっと腕を磨いて
手の込んだカードも上手に作れるようになりたいなあ…

ストーブの上で

2019-12-18 23:05:28 | ノルウェー山暮らし fjellgård
うちの薪ストーブは長い箱型をしています



去年取り替える前も同じ型でしたので
わたしにとって薪ストーブといえばこの形ですが
世の中の薪ストーブはもっとコンパクトなものが主流のようです


(アルバイト先のハードウェアストアに並んでいるストーブ)

場所を取らないのにガラス窓が大きいので
炎がよく見えてキレイです



ただし小さく割った薪でないと使えません

それにひきかえうちのストーブは
色で燃え具合がわかる程度の窓ですが
60cmくらいの薪がすっぽり入ります



加えて何と言っても便利なのが広い上面
たくさん物が置けるうえに
一部は調理用に熱の伝わりやすいプレートが取り付けられているので
お湯なんてあっという間に沸かせます



毎朝の朝食用にミルクやパンを温めるのも
コーヒーやお茶を淹れるお湯を沸かすのもここ

夕飯の支度にもジャガイモ(相方の主食)を茹でたり
スープを煮込んだり鉄製のフライパンを温めたり
使わない日はありません

そして何にも増して重宝しているのは
お風呂用にわかす10リットルの大きな鍋が乗るという点

うちの温水タンクは120リットルと小ぶりで
バスルームに洗い場はなくバスタブとシャワーのみなので

バスタブの中に立ってシャワーでかかり湯

バスタブにお湯をためて温まる

髪と身体と顔を洗う

最後にまたシャワー

という行程なのですが
これがかなりお湯を使います
お湯の配分に気をつけないと最後のシャワーが冷たくなってしまうことも

そこでバスタブにお湯をためる時に
薪ストーブの上で熱々になっている10リットルのお湯を足すと
これがずいぶん助けになります

オールドファッションの薪ストーブ最高!




朝の月

2019-12-13 16:37:25 | ノルウェー山暮らし fjellgård
朝、前日の生ゴミを谷に捨てに行きます

生ゴミといっても野菜の皮と卵の殻程度で
湿度が低いのですぐにパリパリになるしにおいもしません
冬の間家の中には弱ったハエがいますが
彼らは暖を取りに家に来るので食べ物には全く興味を示しません

ここに引っ越してきた最初の年こそ
ハエの多さにうろたえました
おじいさんのようによっこらしょと床を歩く姿や
窓枠の隙間にこそこそと潜り込む様子は
もういっそハエを主人公にしたディズニーアニメでも作ってくれという感じです

話が逸れましたが
そんなわけでハエに卵を産まれる心配などもないので
冬の間はたいてい一晩台所に置かれている生ゴミ
(暗くなるのが早いから夕飯の仕度のあと外へ出るのが億劫)

そして朝
家から北北東の谷へ捨てに行くと
そこから谷の反対側のご近所さんが一望できます
5世帯総勢13人の小さな集落ですが
そのほか納屋には牛がたくさんいます



みんなおはようーと挨拶して
景色が綺麗なのでしばらくその辺をうろうろしたり

左手遠くには
やっぱり谷の反対側にもうひとつ別のご近所さんの集落があります

この方角は北北西なのに
朝から朝焼けの反射で空が茜色になることもしばしばで
これまたいつも綺麗なのですが
今朝は沈んでゆく満月が見えました



不思議…
別の惑星にいるみたい

ちなみに写真は朝10時ごろ

試しにインターネットの気象ページで月の出入りの時刻を調べたら
月の出が15:56、月の入りは10:59となっていました
約17時間出てるってこと??

これって日の出から日の入までの間隔が短いことと関係あるんでしょうか
惑星の模型が欲しいわ…

「ちひろと魔女たち」

2019-12-10 13:00:38 | ノルウェーの町で tettsted
図書館でDVDを物色していると
背後から名前を呼ばれました

振り向くとそこには
いつもカウンターにいるデンマーク人の背の高いおじさん

ジブリアニメ「借りぐらしのアリエッティ」のDVDを手にして
ニコニコと嬉しそうに

「これ、いい映画だよね
他にも日本の良いアニメのDVDあるはずなんだけどな…」

とさらに探してくれようとします

日本のアニメを借りるつもりではなかったものの
せっかくなので借りることに

ノルウェー語タイトルは「アリエッタの秘密の世界」
ついでにもうひとつ借りた「千と千尋の神隠し」は
「ちひろと魔女たち」になっていました

ううむ…
「借りぐらし」といい「神隠し」といい
たしかに翻訳するにはトリッキーな単語かも

でもアリエッティの名前ををアリエッタに変えるのはナゼ?
ノルウェー風?
「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)も「カマジ」
ちょっと納得が…



村上春樹さんの「アフターダーク」の本と朗読CDも借りました

この前の一時帰国の時にたまたま読み返していて記憶に新しかったので
何の気なしに借りたのですが
独特な村上ワールドは翻訳すると聞いたことのない単語がいっぱい

いちいち辞書をひいていたらいつになっても読み終わりそうにないので
ストーリーを知っているのをいいことに
CDをハンドクラフト作業のBGMがわりに流して
本は気が向いた時にチラ読みするにとどめています

いやでもここは
この本をテキストにして
久々にちゃんとノルウェー語の勉強をするべきかも…



朝はマイナス9℃だった気温がどんどん上がって
お昼過ぎにはもうマイナス3℃
南からの風が強くなってきました

山の稜線の雪が吹き飛ばされているのが見えます



また嵐の予報

早いうちに散歩に行っておいてよかった…



待ちどおしい

2019-12-08 10:09:27 | ノルウェーの町で tettsted
12月に入りクリスマスがもうそこ、という感じです



ショッピングモールやスーパーはもちろん
図書館の入り口にあるモスクスのはく製もサンタ仕様



おとといまで南からの強くて暖かい風が吹いて
ストームになるかもと色々準備していました
(そういえば去年の今ごろも冬の嵐に備えていた…)

でも今回はそれほど勢いは強くなく
停電にもならずに済んでホッとしています



空の色が不気味な感じになるのは
日本で台風の前に空の色がいつもと違っていたのと同じ理由なのか…

翌朝は台風一過よろしく青空が広がって
穏やかな天気

太陽は姿を見せませんが
雲に反射する日光を見て
ああ、いまあの下あたりに太陽がいるのね…とその存在を想像しています



クリスマスが近いということは
冬至も近い!

太陽が折り返す日が待ちどおしいわあ…

アドベントの良さ

2019-12-04 15:56:03 | ノルウェー山暮らし fjellgård
12月1日の日曜日はアドベントの始まりの日でした
4本のロウソクのうち1本に火をつけます

来週の日曜日には2本
翌週は3本
クリスマス直前の日曜日には4本全部
毎週ともす明かりが増えて盛り上がるしくみ(だと思う)

窓辺という窓辺を
星や階段状になったろうそくをかたどったライトで飾り
カーテンやテーブルセンターなどもクリスマス用にチェンジ

それからアドベントカレンダー
まいにちひとつずつ窓を開いて小さなギフトを楽しみます

クリスマスに向けてたくさんのケーキや焼き菓子を作ったり
クリスマスプレゼントの計画を立てたり…

と、まるで自宅でやっているかのように書きましたが
実際にはうちのアドベントは最小限です

相方がノルウェー人のくせにロウソクをあまり好きではないため
アドベントといえどもノー・ロウソク
窓辺の明かりもリビングのみ
アドベントカレンダーは職場にあるから家ではナシ
プレゼントは義父母と相方の仲良しのいとこ一家にだけ

他のお宅に比べたらものすごく地味な部類のアドベントだと思います



そもそもクリスチャンではないわたしはこのアドベントという言葉すら
ノルウェーに引越してくるまで知りませんでした

思い起こせばあれは2016年
最初の年に語学学校の教室で先生が授業中にロウソクをつけて
クリスマスやアドベントの風習について説明をしてくれました
なつかしいなあ…

2年目は自宅でいちおうグッズを部屋に飾って
少しだけアドベントの雰囲気を楽しんだものの
3年目の去年は12月の初めに小学校でおりがみ教室をして
すぐに日本へ一時帰国(つまり何もしなかった)

でも最近になってようやく
1年で1番暗くて気分も落ち込みがちなこの時期に
オレンジ色の明かりをたくさんともしたり
家族で集まる日のためにいろいろな準備で忙しくしたりするのは
なかなか理にかなった風習だなと思うようになりました



カーテンくらいクリスマス用に変えようかなあ…

注意書

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