東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

裏庭の溝掘り

2021-05-26 15:28:33 | ノルウェー山暮らし fjellgård
先週
春の大水で庭のあちこちが水浸しになりました

相方が何年もやらなきゃと言いつつ放置していた
裏庭の溝を掘り起こす作業が
直近の最優先事項に決定

ここの土地は義父が所有しているので
相方がさっそく実家に電話をしてあれこれ相談していたかと思うと
翌週末に義父母がそろってうちへ来る計画が決まりました

山道の後半3kmほどはまだ車が通れないので
そこからは徒歩で来るという義父母(76歳と83歳)
相変わらず健脚
そして作業が終わったらみんなで焚き火をしてソーセージを焼いて食べるとのこと

え?
なにそのプラン?
今って乾燥してて焚き火禁止の時期じゃないの?

そういえば週末は pinse で世間は3連休
pinse はイースターから49日目の聖霊降臨にちなんだ
キリスト教の祝日です

今まで知らなかったのですが
前日の夕刻には焚き火をする習慣があるとのこと
ほほう

さて
よく晴れた pinse の前日
土木工事を得意とする義父と相方の2人が
着々と溝を掘り進めます


(慣れた様子の義父)

溝のはじまるフェンスから
メインの溝と合流する薪置き場の裏手までざっと20メートルほど
下流から初めて念入りに深く掘り下げていきます



この日は約半分の10メートルを仕上げて
上手はざっと通す程度で終了

わたしも微力ながら
剪定バサミを使って作業周辺の枝を払ったり
溝の中を横断している木の根っこを切って回ったりして
いい汗をかきました

作業前後の写真です


(作業前)


(作業後)

手前は細いけれど奥は幅、深さともしっかり掘れているので
来年は水浸しを回避できそうです

作業が終わったころあいにく風が出てきたため
焚き火は延期にして
用意していた食材はふつうに家で食べました



ポテトサラダとポテトレフセは買ってきたものなので
ソーセージをフライパンで焼いただけという
とても夕食には見えないメニュー

こういうのが立派な食事になるというノルウェーの食文化は
初めの頃こそ呆れていましたが
炊事担当にとってはラクチン極まりないので
いまではありがたく迎合しています

ウサギの季節

2021-05-23 12:52:27 | ノルウェーの動物 dyr
夜が明るくなって
にわかにウサギを目にする機会が増えた今日この頃

貫禄のお母さんウサギ
ひとまわり小さいまだ1〜2歳のウサギたち
冬毛から夏毛への衣替えの進み具合もまちまちです



物干しが邪魔ですが
写真中央に2羽がこちらにお尻を向けて食事中



白い部分の多いウサギは
雪がまだ多く残る標高の高いところにいたようです

ちなみに写真は夜の11時過ぎに撮りました
夏至までもうあと1ヶ月です

ところで
ウサギにはテリトリーがあるので
家のすぐ近くまでやってくるウサギはみんな同じファミリー

そして今年のフリークエントビジターは
たぶん去年ここで生まれた1歳のウサギで
衣替えが1番進んでいる子

この子はわたしたちが庭で音を立てながら作業していても
構わずマイペースでずっと草を食べていたり
バスルームの窓を開けて呼ぶと逃げずに近づいてきたりと
かなり肝が座っています



だるまさんがころんだのように
2〜3歩ごとに少し止まりながら用心深く移動


(話しかけるとこちらを見て目が合う)

窓が開いていて丸見えのわたしの姿にも臆さず
りんごの皮を食べるウサギ



おでこというか頭頂部?に
真っ白な毛がひとふさ残っていてカワイイ

もう少ししたら
去年のように生まれたてのベビーウサギが姿を見せるかもしれません

忙しいけれど楽しみも多い夏です

山道での出会い

2021-05-21 19:24:51 | ノルウェー山暮らし fjellgård
5月も後半だというのに
まだ自宅からの山道は車が使えません



相方がせっせと除雪した甲斐あって
雪はほとんど溶けているのですが
場所によってはまだとてもぬかるんでいて
いま何トンもある車で走ると後の路面復旧が大変になるため
しっかり乾くまで待ちます


(蛇行する溝はわだちではなく雪解け水が流れた跡)

ぬかるみの他にも
1箇所ある浅瀬の周辺の氷もこの時期の問題のひとつ



冬のあいだ厚い氷におおわれていたせせらぎが
春の雪解け水で増水して流れを取り戻すのですが
周囲との段差がかなり大きいので
今月いっぱいはATVかな…


(ぬかるみを走るので泥まみれになるATV)

仕事や用事で町へ出るたびに
まずは自宅からアスファルトの公道へ出るまでがひと仕事なわけですが
道中で野生動物に会ったり
何度見てもうっとりするような景色を目にしたりすると
そんな不便さもかすんでしまいます


(朝、出かける時の橋の上流)

特にいまは春(というか初夏?)特有の自然の勢いが
気持ちをとても元気にしてくれる気がします


(夜、帰宅途中の同じ橋からの下流の景色)

昨日は道中で珍しい鳥を見かけました

ATVで長い下り坂を降りている途中
ふいに近くの視界に鳥が映ったかと思うと
それは羽ばたきを止めて大きな翼を広げたまま滑るように下降

その羽の模様の美しさに見惚れていると
鳥はスーッと地面に降り立ち
しばしこちらの様子を伺っているようでしたが
やがておもむろに歩いて森の中へ姿を消して行きました

写真は撮れませんでしたが
鳥はこの辺りではときどき見かける storfugl の雌です


(画像はローカル新聞のネット記事から拝借)

写真の右側がわたしが出会った雌で
ピントの合っていない左の黒いのが雄
ここでは雄を tiur 雌を røy と呼び分けます

tiur は綺麗な色と孔雀のように尾を広げた姿が有名で
ノルウェーの切手のモチーフにもなっており
けっこう馴染みが深いんですけれど
実際にお目にかかるのはなかなか難しい鳥です


(中央の2枚、写真とイラストの2バージョンの tiur)

ここで生まれ育った相方でさえ
雌しか見たことがないそうですが
経験値の高い義父はあるらしい…
なんでもこの鳥は木のてっぺんに止まるのが好きなのだとか

いつか出会いたい野生動植物リストに追加です

何もしないナショナルデー

2021-05-17 14:05:45 | ノルウェー山暮らし fjellgård
5月17日はナショナルデー


(子どもの絵がかわいい数日前のローカル新聞の紙面)

去年に引き続きいろいろと規制がありますが
町では多少のイベントが再開されている様子です

今年はわたしも相方も下山せず誰とも会わず
特別なお祝いはしないので
せめてワッフルでも焼こうかとキッチンで生地を作っていたら
窓から見えるガレージの窓に小鳥の姿が

ああ…
セキレイが入り込んで出られなくなってる…

いつも不思議に思うのですが
このガレージから出られなくなって困るというのは
セキレイに限って起こります
他の鳥はそもそも入らないのか入っても出られるのか…

とにかく手を止めて表に出て
ガレージのドアを開けて呼んでみるものの
なかなか窓から離れないのはいつものこと



正面にある大型の電動ゲートを開けてあげれば
きっと簡単に外に出ていけると思うのですが
冬の間は嵐に備えて内側から添え木をして電動ドリルでスクリュー固定してあるゲート
外すとなると大型の脚立を運んで電動ドリルで大きな音を立てることに

ガレージの中でセキレイがパニックを起こすと
窓ガラスに体当たりしたり
梁や柱にぶつかったりして逆に危ないので
ドアが閉まらないよう端材で押さえて自然に出てくるのを待ちます

家の屋根に止まっている2羽のセキレイがときどき小さく呼んでいるし
まあそのうち自力で出てくるに違いない


(煙突の右側に豆粒のように写っている2羽)



ちなみにこのセキレイは去年に引き続き3羽のグループです
うちのムツゴロウさん(相方)の解説によると
2羽のつがいではなくメス1羽とオス2羽の3羽セットは
小鳥の世界では特別珍しくないとのこと

オス2羽がともに自分の卵と信じて世話をするので
生き延びる可能性が高く合理的なのだとか

「考えてみなよ、この家にヨハネスがいたら
薪割りだって道路のメンテナンスだってどれだけはかどるか」

わたしの職場にいる力持ちの同僚(男性)の名前を出して
例えの説明をする相方
何を考えているのか…

そうこうするうちに
ふと見るとキッチンの窓のすぐ外に
セキレイが1羽たたずんでいるのが目に入りました



でてきたのかな?
それとも他の子かな?

個体識別が難しいのですけれど
そばに巣材をくわえた別のセキレイもいたので
きっとガレージにいた子が無事に出てきて
挨拶に来てくれたのだと思うことにしました


それにしてもここのところ急に気温が上がって
周囲の景色がどんどん変わっていっています

夜も氷点下にはならなくなり
日中は薪ストーブをつけずに過ごせる日も

当然のことながら雪もどんどん溶けています
おかげで一昨日はいちにち庭の治水工事に明け暮れましたが
同時に今年最初の花が咲いているのも見つけました

たくさんのつぼみの中
3輪だけが開いていたんですけれど
ナショナルデーの今朝は満開


(春を告げる可憐な花 hvitveis)

そういえば今年は
ノルウェーの国旗が制定されて200周年記念だそうです



ノルウェーのナショナルデー
おめでとう!

大水の日

2021-05-16 11:59:51 | ノルウェー山暮らし fjellgård
朝目が覚めると何やらかすかな音が聞こえて
窓を開けたらそれは水流の音だとわかりました

ふだん家の周囲は静かで
150メートルほど歩いて下りのコーナーにさしかかると
ふいにその先にある川の音が聞こえてくるのですが
家の中まで伝わってくるほどの水音とはこれいかに…

玄関から外に出ると
庭を流れているせせらぎが濁流になっていて
家の裏手の林の中をごうごうとまとまった水が流れ落ちてきているのが見えます

長靴をはいて林側へ回るとガレージの裏が大変なことに



水浸し…

本来もう少し上流に
山からの水流をパイプのある場所へと導く溝が掘ってあるのですが
そういえばここ数年メンテナンスを怠っていたので
とうとう埋まって機能しなくなったようです

そのツケを払うべく
ひとまずガレージ裏の水を下手へ導く溝を掘ろうとしますが
地面はまだカチカチに凍っていて思うように掘れません



仕方がないので
これまたずっと片付けずに放置して積み上げてあった
大量のモノをひとつひとつ片付けるという別のツケを払いつつ
ガレージと薪置き場の間のスペース全体から水を逃せるようにします


(溝が機能していれば水はぐるっと迂回して右側の水路から出てくるはずだった)

時間がかかりましたが
なんとかガレージ裏の水を通すことができました



春の雪解けの季節には
特別に大量の水が山から降りてくる日が1日あって
去年は家の近くで土砂崩れ
数年前には井戸の周りが水浸しとバリエーション豊かな影響がありますが
今年はガレージの浸水危機とは…

ハッ!
井戸、大丈夫かな?
シャベルを持ってチェックしに行くと
以前掘った溝がちゃんと効いていて無事でした



よかった
定期チェックとメンテナンスが肝心です

そんなわけで
雪がなくなったら今年の夏は
裏の林の溝の掘り起こし作業することが決定



そもそも道具は揃っているので相方のやる気次第なんですが
どうせいつか必ずやらないといけないことを
どうしてギリギリまでやらないんだろう?
国民性なのか個人の性格なのか…



夜になっても勢いの衰えない水の流れを眺めながら
つくづく自然の前で人は非力、と思いました

夏を感じる

2021-05-11 10:43:28 | ノルウェーの町で tettsted
町で週2日働いているハードウェアストアでは
職場に着くとだいたい荷ほどきから始めます

発注しておいた商品がパレットにドーンと届くので
ラジオターミナルでアイテム毎にバーコードを読み取って
数量を入力したらカートに積んでいくのですが



ウソでしょ?というようなピッキングミスがちょいちょいあって
日本と比べてはいけないと思いつつも
こんなのアリ?とつい呆れてしまうことがしばしば

そして
ここのところ特に呆れることが多くて
ふんわりと夏を感じています

というのも
来月に入れば世間は夏休みモード
業界が繁忙期でも社員はキッチリ夏休みを取るので
(だいたい4〜5週間)
そのあいだ穴埋めをするアルバイト(多くは学生などの若者)が
ボチボチ実務に就いていたりします

なので
ふだんと違う目新しいタイプのミスに作業の手を止めさせられると
ああ…きっと新人さんだな…
もうすぐ夏休みか…
と思うわけです

それにしてもこの納品書とかどうなんでしょう?


(写真の右下に小さく写っているのが普通の納品書)

プリンターの不調か何か知りませんが
この状態で顧客に送る?
あっ、でもこれはミスではなく国民性かも…
ちなみにスウェーデンの会社です

一息つこうと休憩室に行くと
いつも届く果物の詰め合わせに今週は苺が!


(早くも苺がだけ減っている)

わあ〜
夏だ〜
(でもまだ国産モノではなくオランダ産ですが)

仕事帰りに買い出しへ行くと
スーパーにスカイも登場



ちなみに1キロあたり200円弱とお手頃価格です
夏だわ〜

町へ出たついでに寄った農業用品のお店でも
お母さんのミルクをもらえない子羊用のミルクやり器(?)などが並んでいて
やっぱり夏を感じました



まだ真っ白のうちの周囲ももうじき一面の緑になって
初夏のアイコンが楽しませてくれると思うと待ち遠しいです

ウサギの季節

2021-05-08 08:18:07 | ノルウェーの動物 dyr
窓から見える夕焼けがあんまり綺麗だったので
ちょっと表に出ようと玄関ドアを勢いよく開けたら
少し離れたところにウサギがちょこんと座っていてビックリ



そうか
もう夜の10時だもんね
いてもおかしくないよね
驚かせてごめんごめん


(わたしに気づいておもむろに移動)

そうっと引き返して2階の窓から見ると
バスルームの窓の外に投げておいたリンゴの皮を食べていて
衣替え途中のまだらな毛皮がよく見えます

いつも思うのですが
ウサギに限らずここの野生動物たちは
なぜか決まってこちらが予期していない時に姿を見せます

たとえば
この辺は前に通った時にいつものシカの親子に会ったんだけど
今日もいるかなー
というふうに周囲を見渡してシカを見たということはありません

もしかしたら
彼らには自分を探す気配のようなものを
とても敏感に感じ取る能力があるのかな…
草食動物はいつも天敵に気を配って生きているのだから
当たり前と言えば当たり前かもしれません

ウサギをうちの庭で見るようになったのは3年前の夏
生まれて間もない小さな子ウサギの兄弟が
ちょろちょろと家の周囲を走り回るのを見るのはなんとも楽しくて
以来、ウサギのために毎日リンゴの皮と芯を外に置いておくようになりました

去年は3羽の子ウサギがこれまた仲良く一緒に姿を見せていたので
お母さんウサギはこの家を子育て場所として気に入った様子

今朝も朝の7時頃
定位置の薪の前でのんびりと日向ぼっこするお母さんウサギ



半分目を閉じて休んでいたり
毛づくろいをしたりストレッチをしたりして
やがてのそりと薪の下へ潜っていきました

もう少しして雪がとける頃には
今年も可愛い子ウサギが見られるかな?

谷に咲く花

2021-05-05 15:14:03 | ノルウェー山暮らし fjellgård
春は三寒四温といいますが
ここの春も季節が行ったり来たりしています

先月後半いったん暖かくなって
セキレイが巣作りの場所の下見にやってきたし
ヨシ!もう雪は降らないね!と思ったのに
また気温が氷点下まで下がり雪の日々
(そしていなくなるセキレイ)

仕事帰りの夜8時頃
家へ向かう山道の途中で渡る橋から見る景色は
まだまだ冬



でも
先日運動がてら滝のある谷まで降りて行ったら
ずいぶん雪どけがすすんでいました



この川は自宅より標高が約300m低く
日当たりのいい向こう側にはちっとも雪が見えません

そして吊り橋を渡るとすぐに
ななななんと花が咲いていました!



今年はじめて見る花です

サングラスのまま適当に撮ったので
ピントが全く合っていませんが
日本のソメイヨシノのように葉より花が先に咲く花で
後で聞いたら強い毒があるそうです

人によっては新芽に触れるだけでも
肌がかぶれることもあるとのこと
よかった…触らなくて…

この辺りは国内外からツーリストが来るハイキングコースなので
立札とかあったほうがいいんじゃあ…


(イベントのチェックポイントもある)

さて
ここから滝のそばを通り抜けて小径を登り続けると
自宅から一番近いご近所さんのいる小さな集落にたどりつき
そこからはいつも車両で通る山道を歩いて帰ります

自宅からだいたい3時間で一周できる散歩コースですが
この日も例にもれず知り合いに会ったり
ハイキング中の旅行者と立ち話をしたりして
予想していたより大幅に遅い帰宅となりました



ご近所さんが見せてくれた温室はグリーンでいっぱいで
いいなあ…とウットリ
(うちでは温室は夢のまた夢)

でもふと思いついてルバーブの株を見てみたら
果たしてすでに小さな芽が顔を出していました!



もうすぐ忙しい夏が始まります

注意書

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