東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

まだ白い

2020-04-29 18:54:03 | ノルウェーの動物 dyr
夜のあいだ気温が氷点下にならない日々が続いて
家の周りの雪も目に見えて減ってきています



残った雪の上はウサギの足跡がいっぱい
彼らはまだ雪の上が保護色に最適と知っているらしい



相方が先日ふもとで見かけたウサギには
すでに少しマダラな部分があったと言っていましたが
きのうわたしが家のそばでウサギを見たときはまだ全身真っ白
テリトリーの雪の残り具合で毛の生え変わる時期も違うのかな?



バスルームの窓の下あたりにリンゴの皮を置いておくと
外が暗い間に食べにきて
かわりに可愛らしい置き土産を残していってくれます



よほどリンゴが好きと見えて
窓の内側から見ていても気付かずに(あるいは気付いていても構わずに)
一心不乱に食べています

(バスルームの窓からどんなふうにウサギが見えるか
よかったら去年の記事をご参照ください)



薪を乾燥させるためのこの小屋が
一昨年の初夏に初めて子ウサギ兄弟が出没し始めた場所で
以来ずっと続いているピーターラビットな日々
オーロラに勝るとも劣らないここでの暮らしの特権です

森の仲間たち

2020-02-14 10:44:46 | ノルウェーの動物 dyr
こうも景色が雪一面になると
写真に撮れるものといったら木々か空か
あとは雪上の動物の足跡くらい


(ゆっくり移動するウサギ)


(走っているウサギ)

それにしても目を見張るのは
走っている時のウサギの前足(ほとんど重なっている小さい点)と
後ろ足(横に並んだ2つの足跡)の着地点の間の広さ
しかも上り坂でそれが顕著です

相方によると
ウサギはゆるい上り坂で平地よりもスピードを増して走れるらしく
天敵はこれに追いつけないのだそう

シカの足跡も
どんなに見慣れてもいつも感心するのが
前足の通ったところを後ろ足がきれいになぞっている省エネ走行



雪がある程度積もっているときには
写真のようにひづめの後ろに小さな2つの丸いあとを見ることができます

ひづめよりうんと浅いこの丸ぽちに
はじめのうちは気づかなくて
進行方向を逆の向きに勘違いしていました

まあ
別にシカの行方を追っているわけじゃないからいいんですけどね…

ところで
うちの周囲には羊よけのために柵が張り巡らしてあります
南側と北側にゲートがあるんですが
冬の間は取り外してあるのでシカが入りたい放題



でも今年はなんと
開口部以外の場所から出たかったシカがいたようです



すごいチカラ…

直すのかと思いきや
ここも開閉できる簡易ゲートにして冬の間は開けておこうかと
相方は考えている様子

確かに直してもまた壊されるかもしれないから
それなら開けておいてあげるのもいい考えかも

そういうわけなので
これからも心おきなくうちの周りのいい草を食べて
(暖房のせいで雪の下に青い草が生えている)
春には元気な赤ちゃんを産んでください


(坂の上で振り返ってじっとこちらを見るシカ親子)

ウサギとネズミ

2019-12-30 13:28:02 | ノルウェーの動物 dyr
朝起きるとバスルームへ

ここは家の中でゆいいつ24時間暖房がきいていて暖かい部屋です
4畳半くらいで床が防水仕様かつ全面床暖房
トイレも洗面もここにあって着替えもここでします

西向きの割と大きな窓があり
朝まずは外の天気をここから見るのですが
雪の上に真新しいウサギの足跡があるとつい頬が緩みます



ガレージ横の薪を乾燥させる小屋組み下はウサギが好む通路のひとつで
バスルームの窓の下にりんごの皮があることを知っているウサギは
一直線にここへやってきます

しかし…
一緒にネズミの足跡があるのを見ると小さくため息
キミも来たのね
いや、来てもいいんだけど
うちの中に入ってくるのやめて欲しいのよね

表に出てネズミの足跡をたどり
どこから家の中に入り込んでいるのかをつきとめようとする試みは
成功したためしがありません



家のすぐそばは雪が溶けていて足跡が残っていないし
だいたい彼らは雪の表面ではなく
その下をトンネルのようにもぐって移動することもできるし
ウサギほど簡単に足跡を追跡できません

今年の夏にネズミの再来があって
かなりしっかりと対策を講じたばかりなのに
その後も何度か屋根裏部屋を駆け回る足音を聞いているだけでなく
一度相方が室内でネズミのフンを見つけてしまい
以来我が家ではネズミ厳重警戒モードが続いています

ネズミを食べるイタチが家の周りにもっとたくさんいればいいのに…
でもウサギも捕食するキツネには寄り付いて欲しくないし…



とりあえず
うちを縄張りにしているウサギが
まだ元気で生き延びていることを素直に喜んで
ネズミのことは来年の夏まで考えないようにしよう


(リスは大歓迎)

モスクス

2019-10-14 17:57:42 | ノルウェーの動物 dyr
今年の秋は初めてのことがいろいろとありました

森で見つけた羊を連れて帰って
敷地内でお預かりしたのは都合3回



相方でさえ滅多に見ることがないという
まんまるの可愛らしい rødstrupe が家の周りを頻繁にチョロチョロしていたり


(画像はWikipediaより)


(村のストアでは鳥のエサが絶賛販売中)

9月の終わりに降った雪が
解けきらないでずっと残っているのも例年ではないことです

でもなんといっても1番ビックリしたのはモスクス
(ノルウェー語では moskus 翻訳すると「ジャコウウシ」らしい)

夜中に何者かが雪を踏みしだく音を聞いて目を覚ました相方に起こされて
2階の窓から下を見ると
月明かりに照らされたクマのような動物がなんと5頭
家の周囲の芝生をムシャムシャ

ふつうならこの辺にいる動物じゃないんですが
数日前から出没が目撃されていて
つい先日も駆除のためにハンターが山に入って探していました

帰りがけに冗談で
「モスクス見つけたらおたくの庭の中に入れておいてくれよ」
などと言っていたのがまさかの本当に…



真っ暗で何も見えないと思いますが車のすぐそばの点線の中にいて
背中の一部の白い毛が見えています

どうやら母子が2組と雄が1頭の小グループのようで
みなとても大人しく食事をしていましたが
何かの拍子にパニックをおこして突進してこられると怖いので
外に出てゲートを閉めるという芸当はとてもできず
またそっと布団にもぐりこみました

朝起きて窓の外を見ると姿が見当たらなかったので
もう立ち去ったと思ってふつうにバスルームのドアを開けたら
窓のすぐ外に大きな雄が寝ている…



大きい…



ということは他の4頭もまだ近くにいるはず

そろりとリビングへ移動



まだ朝の7時頃で薄暗くてよく写っていませんけれど
4頭が仲良く寝ています

しばらくすると子どもが起きあがって走り回ったり
お母さんのおっぱいを飲んだりし始めて
みんな起きてまた食事タイム



見られると怖いので
窓の下にしゃがんでiPhoneを持った手だけそっと持ち上げて写真を撮ったため
写りはとっても悪いのですが
観察する時間はたっぷりありました



大人も子どもも背中とおでこと蹄が白い
目がどこにあるかよくわからない
雌にも小さなくるんと丸まったツノがある

このモスクス
生息地の Dovre ではモスクスツアーなるアトラクションもあるほど
そう簡単には出会えない野生動物です
それが家の壁一枚隔てて1〜2mのところで見られるとはビックリ

明るさの増してきた8時頃
ハンターがやってくることを知っているかのように
揃ってゲートから出て行きました
(頼まれていた相方が電話で連絡したので)



あとには大量のフンと足跡





50mくらい離れてもう危険を感じなくなったところで
ようやく息をついて相方と表に出てしばらく眺めました



向こうも話し声に気づいた様子で一瞬固まっていましたが
やがてゆったりと谷の方へ歩き去って行きました



それにしても
どうして背中の真ん中の毛が白いんだろう…
不思議です

一足遅い鳥たち

2019-10-01 15:28:35 | ノルウェーの動物 dyr
「ナナカマドの実がなっているうちは雪は降らない」

と聞いていたのですが…

9月最後の日の昨日
朝起きたらうっすら雪景色
でも空は明るくて青空が見えていたりしたので
積もらないと思っていました



ヨシヨシ
とけてるとけてる

ところが午後から本降りになり
相方は慌てて車をふもとの集落まで運転していって
歩いて戻ってきました

というのも
今年の夏に車を買い替えてスノーチェーンがないのです
というよりそもそもまだ夏タイヤ…

雪が積もってしまうと自宅から車で出かけるのは不可能になってしまうのですが
5km先の集落からの道路はアスファルトで
もしも雪が積もっても自治体の除雪車が稼働します
(でもたぶんそれほど雪も積もってもいないはず)

町へ出かけるのに車は必要なので
冬の間はずっとふもとに車を停めて
そこから家までは別の車両(チェーン装備のトラクターか雪上走行仕様のATV)を使います

うーん
景気よく降っている



夜には予想外に早い雪にびっくりしたのか
ふだんは森にいる鳥が何度も窓ガラスにぶつかっていました
気の毒…



翌朝になってもまだ降っていたので
相方はATVで仕事へ



なんだかもう12月みたい

ふと家の近くのナナカマドの木を見ると
大勢の鳥がさえずりながら実を食べているところでした

きみたち、ちょっと遅いよ…

2度目のお預かり

2019-09-27 18:17:41 | ノルウェーの動物 dyr
森へコケモモ摘みに出かけて歩いていると
ベルの音が聞こえてきました
ん? 近いな

音のする方へ歩いて行くと



羊農家さんが日々探している居残り組の羊たち
これはぜひ sankefelle (羊を集める時に使う羊トラップ) に連れて行きたい

でもどうやって…
手伝ってくれる牧羊犬もいないし…



ムシャムシャと草を食べている羊に話しかけつつ
進んでいって欲しい方角の逆にそっと回り込みます
(彼らはなぜか人の前を歩きたがる)

少しずつ距離をつめて行くと
離れようとしてわたしがいるのとは逆の方へ歩みを進める母羊
丸々とした2頭の子羊も従順に後を追います
ヨシヨシ、その調子

なんとか3頭を sankefelle まで連れて行くことに成功したものの
しばらく柵の周りをうろついた後で

「ここはなんだかイヤな予感がするからはいらナイ」

と確固とした足取りで離れ始めた母羊
つづく子羊2頭

えーそんなー
ここまできたのに惜しい

でもですね
羊たちが進む先にはわが家があります
うちの周りはぐるっと柵に囲われていて
つい先日も子羊を1頭農家さんが来るまで閉じ込めておいたのでした

急いで家にいる相方に電話
2人で両方向から囲い込めば
羊をうちの柵内に誘導することも可能なのでは…



うちの柵のゲートからほんの10mくらいのところで
行く手に相方がいるのをみてハタと立ち止まる羊たち

だるまさんがころんだをやっているかのように少しずつ少しずつ
すこーしづつ両側から間を狭めていって…

とうとう母羊は
わたしのいる方向と相方の立っている方向を諦めて
大きく開いているゲートの方へと歩いて行きました

やったー



中に入るとそこは
禁じられた(いつも外から眺めていては入ることのできなかった)未知のエリア
長く伸びた草がたくさんあるので
ものすごい勢いで食事を始めました

すぐに農家さんに連絡すると翌朝引き取りに来るとのこと
またもや一晩お預かりです
しかも今回は3頭でうち1頭は巨体のおかあさん
これは後のフン拾いが半端ないな…



でもそんな不便さよりも
窓の外をウロウロする羊たちが可愛くて
何より農家さんに喜んでもらえたし万々歳です



家の中に興味津々のおかあさん



口から草が一本出てますよ…

迷子のヒツジ

2019-09-23 13:34:49 | ノルウェーの動物 dyr
今年の秋は
羊農家さんがとっても手際よく羊たちを集めて連れて帰ったので
あっという間に羊の姿を見ることがなくなりました

それで
家の周りを囲っている柵のゲートも
車の出入りのたびに開閉するのがけっこう面倒くさいので
開けっ放しにすることに

あと1ヶ月もすれば
雪に備えてゲートは外して納屋にしまうので
もうちょっとのことだし…

と思っていたら

ある日出かけていて帰ってくると



あら



あらあらあら

小さな子羊が1頭だけ柵の中をウロウロ

耳についている識別番号を確認して
農家さんの携帯電話にすぐに電話をしました
その日は遠出していて来られないけど
翌日には迎えに行くからとのこと

仕方がないので一晩柵の内側でお預かりです
1頭だけだし子羊なのでフン拾いもそんなに大変じゃないし
伸びてる草も食べてくれるし
まあいいか

ところで
ここのところ良いお天気が続いて
夕焼け空がとてもきれいなのですが



窓から外を見るたびに
小さな子羊がウロチョロしているのを見るのも
なかなか楽しいものです

羊集めの季節

2019-09-17 10:04:16 | ノルウェーの動物 dyr
先日スーパーへ買い出しに行ったら
もう店頭にキャベツの山
そして冷蔵コーナーには新鮮なラム肉がズラリ

フォリコールの季節到来!

フォリコールはノルウェーの伝統料理で
羊肉とキャベツの煮込みです
塩と大量の粒胡椒を使いますがブイヨンなどはナシ

カンタンで美味しいけど大量にできてしまうので
(そして相方はあまり好きではないので)
うちではラム肉料理は別のものをよく食べます

それにしても今年は羊の撤収が素早い!
羊トラップのおかげなのは一目瞭然

羊農家さんが初日に大群を連れて帰ったあと
あちらこちらに散らばって残っている羊たちが
塩を求めて自分から柵に入ってくるので
(そして入ったら出られない仕組み)
農家さんはただやって来てワゴンに積んで帰るだけ

日がないちにち山を歩き回って探す手間も
逃げる羊をつかまえる手間も省けます



この日見たときは
なぜか違う種類のよその子羊がまぎれこんでいました
でもそこは羊農家さん同士のネットワークがあるのでだいじょうぶ



森はすっかり秋色です

あちこちにきのこもニョキニョキ



家の周りをぐるりと取り囲む山々も大半は雪化粧



やり残した庭仕事の象徴のように
雑草が盛大に綿毛を飛ばしている…
ああ、この種類は全部刈っておきたかった…



いつのまにか夜の9時頃には
星の瞬きが見えるくらいの暗さになっています

初めて北欧を訪れた2008年の9月
フィンランドのルオストはここより緯度の高い北緯67度で
やっぱり夜遅くまで明るいことにびっくりしたことを覚えています

羊たちの姿が見えなくなるとシカの季節がやってきて
もうすぐ5度目の冬です

羊トラップ

2019-08-27 23:41:40 | ノルウェーの動物 dyr
すっかり大きくなった子羊たち
遠目には母羊と見分けがつかないくらい
でもまだときどきお母さんのおっぱいを飲んでいます



相変わらず家の前に置いてあるトラクターの周りにはべる彼ら



当然その周辺は羊のフンだらけ
まあいいんですけど…

森でブルーベリーを探しながら歩いていると
視界に見慣れないものが
あれ?こんなところに岩あったっけ?
と思ったら



よく見ると羊たちでした



ベリーを探しているときは地面にフォーカスしているので
もともと景色をあまり見ないんですが
最近思い込みが激しくてつまらない思い違いをよくします
気をつけよう…

さて
羊たちとのお別れの時が近づいてきています
いつも羊農家さんが家族総出で集めに来るのですが
今年は前々から作りたかったという sankefeller を作ることにしたようです

これはうまく日本語に訳せないんですけれど
英語に直訳すると gathering trap

羊を集める時に使う囲いのことで
柵の中に塩柱を置いておいて(羊が舐めにくる)
柵の外側を一部高くしておくことで
外から中にだけ柵を飛び越えられるようになっています



去年まで
最後まで逃げ回る羊たちを探して連れて帰るのに
多大な時間を割いていた羊農家さん
この柵ができればきっとその作業もうんと楽になるはず



左手奥の黒いのが塩の入っている筒で下がオープンになっています
出来上がりが楽しみだなー



身軽な牛たち

2019-08-19 22:12:58 | ノルウェーの動物 dyr
2016年の夏に新しく作った道路
牛の洗礼を受けています

ショベルカーで削られたまま草木に覆われていない斜面は
ただでさえ雨や春の雪どけで崩れやすく
石が転がり落ちてきやすいのに

夏の間は放牧中の牛たちが
この斜面を降りて道を横断したりするので
余計に石でゴロゴロ



影で見えにくいですが左手前の辺りが石だらけ
こんなふうになっているところが何か所もあります



車幅は車1台分ギリギリ
石をよけては通れません



オフロード車なので石を踏んづけて走れなくはないのですが
そうすると石がめり込んで余計にガタガタ道になってしまうので
長い目で見ると路上の石はどかすに限ります

かくして
ただでさえ仕事の多い夏に
道路の石よけという新たな仕事が加わり
ああ…また家の中の工事が滞る…

それにしても
数百キロはあろうかという巨体をものともせず
急な斜面を平気で登り下りする牛の脚力というか運動神経というか
その身軽さにビックリです

牛ってもっとノンビリと平らな牧草地で
ひたすら草を食んだり座って休んでいたりしているものかと思っていました

今の季節
濃い霧のなか山道を走ることがしばしばあるのですが…



ふいに現れる仁王立ちの牛たちには
毎度のことながらギョッとさせられます





特に雄牛はこの春生まれたばかりの仔牛でさえ
決して道を譲ろうとしません

羊は車が近づけば勝手に走り出してくれるんだけどな…



きみたちもコロコロの体型のわりに身軽だね

注意書

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