東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

ヒナ祭り

2020-08-26 14:06:33 | ノルウェーの動物 dyr
いま家の周辺は小鳥のベビーラッシュ第二弾
たくさんのヒナを見かけます

いつものセキレイのほかに
今年はちょっと珍しい黄色のセキレイのヒナも


(屋根のてっぺんに仲良く並ぶセキレイのヒナ)

芝生でウロウロしているヒナを窓から双眼鏡で見ていると
巣立ったばかりなのに
空中を飛んでいる虫をパクリと獲ることに感心したり
コマ落としみたいな首の動きを見つめたり
いつまでも双眼鏡から離れられません


目の前の窓に衝突音
立ち上がって窓の外を見ると芝生の上に動きのないヒナが1羽
黄色のセキレイです

外に出てそうっと近づくと
目を回しているらしく
目をつむったままじっとしています

このまま気を失ってしまわないように
小さく話しかけます

トュルトュル、トュル
トュルリッ
(鳥語で)

しばらくするとそうっと目を開いて
でもまたすぐに閉じる、というのを繰り返すようになり
カパッと口を開けてみたりすこし首を動かしたり



やがて目がしっかりと開いたかと思うと
間もなくスッと羽ばたいて林の方へ

ああ、よかった〜

実は先週もツグミのひなが1羽
反対側の窓の下で冷たくなっていたので
鳥が窓に衝突するとドキッとします

そういえば少し前に森を散歩中に
これまた珍しいヒナ鳥を見かけました

遠目にも黒い鳥だとわかったので
カラスかな?巣から落ちたのかな?
それとも巣立って間もない子かな?
と思いつつ後ろからそっと近寄ってみたら…



あら
この白と黒のツートンはカササギ
民家のある場所では鳴き声がうるさいので割と迷惑がられる鳥です
成鳥が庭に来ると相方が冗談で「撃とうか」という鳥

カササギのヒナ、こんな近くで見るのは初めてかも
ツグミよりもさらに大きいけれど
それでもこんな場所でうずくまっていたら
キツネに見つかってしまうのでは…

そんなことは先刻承知とばかりに
鳴き声も出さずにただ静かにじっとしているのを見るにつけても
きみたちは本当にどう生きるかを知っているよね…と
感嘆のため息の出る思いがするのでした

招かれざる客

2020-08-14 23:06:27 | ノルウェーの動物 dyr
週末の朝
キッチンの作業場でのんびりと手仕事をしていたら
窓の外に仔羊が



えっ
どこから入ったの?
いま敷地内でお預かりしているヒツジはいないから
そこにいたらダメなんだけど〜

急いで外に出てなんとかフェンスの外に出してから
フェンスを一周して侵入箇所を点検することに

実は前の日も
わたしが仕事でいちにち留守にしている間に
相方が3度にわたってどこからか入り込んだ仔羊を外に出しては
フェンスのチェックをするということを繰り返していたらしいのです

でもどうしても
ウサギが通れるサイズの隙間はあっても
ヒツジが無理やり入り込んだ形跡のあるところは見つからず
ミステリーだよねーと話し合っていたら
今度はリビング側の窓の外にまた仔羊が!

ウソでしょ?
もうー困るんだけど〜



あのね
ダメなの
きみたちの場所はあっち
ホラ、ゲート開けたからお母さんのいるところに戻ってちょうだい



開けたゲートからべつのヒツジが入り込まないよう目を配りつつ
仔羊をなんとかそちらへ向かわせようとしますが
なんといきなり真反対の方向へ走り出す仔羊

と、そちら側にはもう1箇所閉まったゲートがあるのですが
その脇の縦長の開口部からスルリとジャンプして外に!
そこー!?



ビックリ
まさかその幅を通れるとは…
すぐに板切れを持ってきてスクリューを電動ドリルで打ち込みます



本当は斜めにふさぐと良かったのですが
ウサギが通りにくくなるのは残念なので田の字にしました

全くもう…

今年はやたらと手のかかるヒツジたち
夏の初めにはバタバタと5頭ほど立て続けに具合の悪い子がでたり
最近では橋の向こう側へエスケープを繰り返す親子がいたり

でも早いもので
来月の初め頃にはもう羊農家さんがヒツジたちを集めにきます

ブルーベリーが紅葉し始めているところもあるし
夏もそろそろおわりかな
(日本はお盆、暑い盛りですね…)


黒いマリア

2020-07-31 21:51:33 | ノルウェーの動物 dyr
うちの周囲にいるヒツジは基本的にみんな白いのですが
2年に一度くらいの割合で黒い仔羊が混ざっていることがあります

今年も1頭



オーナーによると
2年に一度くらいこういうことがあるのだそう

「あの子の名前は Svartemarja(黒いマリア)よ」
とニッコリするこの可愛らしい女性オーナーは
農場の動物たちの多くに名前をつけています



来たばかりの先月初旬
どこにいても目立つほど黒かった Svartemarja
身体が大きくなるにつれて白っぽい部分が増えてきました



丸々としてきたね…

ちなみにノルウェー語で svartemarja は護送車の呼び名です
(たぶん英語の Black Maria からの直訳かと)
オーナーさん、ちょっと遊び心ありすぎじゃあ…

それにしても
相変わらずみんなに人気のトラクター



日陰が気持ちいいのはわかるんだけど…



そんなところにもぐり込んじゃって
出るとき頭ぶつけないようにね



うんうん、そこも日陰だもんね
暑いときは日陰が大事



あっ
そこ、今は日除けになってるみたいだけど
なんといってもメタルだからね
熱くなってきたらちゃんと出るんだよ

ところで今年の夏はトラクターと並んで
私道メンテナンス用のパイプ(地中に埋めて水路を確保するためのもの)を
買ってきて置いてあります
例によって工事に取りかかるのはいつになるやらわかりません

ヒツジたちはめざとくこのパイプにも目をつけて
さっそく寄りかかるのに使っている様子



使うんだからね
かじらないでね

思わぬ伏兵

2020-07-21 23:22:34 | ノルウェーの動物 dyr
仕事帰りが遅くなった日
信号がひとつもないガラガラの幹線道路を30分走ると
地元の村に着きます

ここまで帰ってくればあと10kmちょっと
スピードの出せない山道なので気分的にもゆったり

舗装道路の終点の集落からは自宅の納屋が見えますが
なんだか雲と霧があいまって天気が悪そうだなあ…



ギアを4WDに切り替えて
さらに低速でいくつものカーブを超えて橋を渡って
さあ、あと一息というところで放牧中の牛の姿が見えました



きみたち、今日はこの辺を散歩しているのかい



あら
みなさんお揃いで



ちょっと、そこどいてくれないかなー



どかないよね
それどころか寄ってくる



あっという間に囲まれて
こうなるとしばらく動けません



いいんですけどね
帰るのがすこしくらい遅くなっても



それにしても
ヘッドライトにも一歩も引かないあたり仔牛でもすでにブルの気質
男の子はそうじゃなくっちゃね



帰ったら何食べようかなーなんて考えていたのですが
思わぬ伏兵にたっぷり10分以上足止めされた夜でした

ウサギのかわいいところ

2020-07-14 09:54:30 | ノルウェーの動物 dyr
ウサギの何がかわいいかといって
あの高速回転の口もとほどかわいいものはありません

ふだんヒツジのゆーっくりと大きく回転する口を見慣れているので
余計にそう感じるのかも…


(走るのは早いヒツジたち)

この春に生まれたチビウサギたちも大きくなってきて
少し前のように一目では去年生まれの子との区別がつかなくなってきました
(両方が一緒にいれば一目瞭然ですが)



あまり近づくと怒られるとわかっているのに近くにいたいらしく
少しずつ間合いを縮めるチビ


(このあとやっぱり怒られて追いかけられていた)

冬毛から2段階の生え変わり(白→灰色→茶色)を経て
すっかりこげ茶に近い色になった1歳の兄ウサギに比べると
今年生まれたチビは色が若干薄めです

それにしても兄ウサギの後脚のパワフルさ
河口湖時代のかまどうまを思い出します

うずくまって食事をしている時は小岩のようですが
走っている姿を見ると脚の長さに驚かされます
(走っているときの写真はなかなか撮れず残念…)


(これはただストレッチというか足を伸ばしているだけ)

身体全体の大きさに比べて後ろの足の裏面積が大きいことも
俊足の理由のひとつらしい


(こげ茶の兄ウサギ、白いおなかが大きいからもしやメス?)

ところでチビには複数兄弟がいますが
これはもうどれがどれだか全く区別がつきません


(窓の外に仲良しの同い年兄弟)

でも去年の3兄弟がそうだったように
そのうちの1羽が特に頻繁にうちに来ている気がします

もうわたしの声を聞いても姿を見ても
あわてて逃げなくなったチビ
可愛さが増します

庭中いたるところにコロコロのフンをしまくっていますが
ウサギのフンは義母に言わせると「パール」
無害どころか大歓迎


(狭いところは安心感があるのかトイレの定位置)

ここでいい草をたくさん食べて安心して休んで
森での冒険に備えてね

チビ助

2020-06-16 10:07:05 | ノルウェーの動物 dyr
ここのところうちの庭に可愛い新顔が



左下に写っている灰色っぽいのはいつもの去年生まれの子ウサギで
矢印のあたりに今年生まれた子がいます
夏毛で生まれるので全身茶色
見えにくいですが…



ほんとうにカワイイ
ぬいぐるみみたい

このチビちゃんは去年生まれのお兄さん(お姉さん?)から
多くを学んでいる様子

たとえばわたしと相方が少し離れたところで話をしながら2羽に近づいていっても
すっかり慣れているお兄さんが逃げないのでチビ助も逃げません
(チビ助だけの時はわたしたちを見るとすぐに隠れてしまう)

チビ助はお兄さんが草を食べている間同じように草を食べて
お兄さんが顔を上げて辺りを伺うと同じように顔を上げます

そんなことを知ってか知らずにか
チビ助が近づきすぎると怒ってソーシャルディスタンスを教えるお兄さん
それでもチビ助は気づくとまたそうっとお兄さんと同じエリアで草を食べています

ここの野生のウサギのお母さんは子育てをしないらしいので
こどもは自分でいろいろ覚えていくのね…



夕立の多い今の季節
夜の10時すぎに見える虹は太陽の位置が低いぶんとても高くて
さえぎる物がないので180度のアーチ
(大きすぎてカメラに全部収まらず)

日が沈むと今度は夕焼け空がいつまでも綺麗で
なかなか家に入れない



ミラクルな夏の明るい夜
いつまででもウサギや景色を眺めていたくなります

それでもそろそろ寝ないとなー、と
2階へ上がってふと窓の外を見ると
納屋のドアの前になにかが



いる
チビ助


(ドアの右下に右向きで座っています)

こんなに小さいのに自分の姿がまぎれる場所をちゃんとわかっているって
つくづく野生の動物の生きる力に感心させられます

この日はここで長い間休んでいたチビ助
明日もいちにち生き抜けますように

性格の違い

2020-06-03 00:04:32 | ノルウェーの動物 dyr
20℃前後の暖かい日が続いています



ルバーブももう採りごろ
というか早くも花が咲きそうでちょっとビックリ
つぼみを取ってしまえばまた新しい葉が出てくるので
急いでちぎって柵の外に放り投げます

うちの庭にやってくるウサギたちもずいぶん大きくなってきました
3羽で走り回っていた頃はみんな同じくらいだったのに
今ではそのうちの1羽がずば抜けて大きいです



皆勤賞の灰色のこの子
毎日りんごもの皮と芯も逃さず食べているし
家の周りの草は森の中より状態が良いみたい

そしてこの頃では半分飼っているウサギのように
わたしたちに慣れてきました

バスルームの窓の外にいるときにうっかりわたしが窓を開けて
近距離で正面から目が合っても
そのままわたしがリンゴの皮を外に落とすのをじっと見ていて逃げません

お気に入りの薪のそばで
半ば眠っているような様子で休息を取る姿もよく見ます


(後ろ足を投げ出してくつろぎすぎ…)

顔を前脚で毛づくろい(?)したり
犬や猫がよくするように前脚を伸ばしたあと後脚を伸ばしたり
ゴロンと転がって脚をぐーっと伸ばすなんてことまでやっています

それにひきかえ
いちばん早く毛皮の色が茶色に変わっていっていた別の子は
すごく用心深くてシャイです



あ、見られてる、と気がつくや
しばし石のように固まって
次の瞬間あっという間に森まで振り返りもせずに走っていってしまう…



身体の茶色さに比べて
いつまでも耳の白い部分が多く残っているのがちょっと不思議な気もしますが
森の中はまだ雪が残っている場所もあるから
雪の上に立った時は足と耳の白さが全体像を分かりにくくさせるので
この子のテリトリーは少し標高の高いところなのかもしれません

もう1羽のいちばん白さが残っていた子は
ここしばらく見かけていません
もっと高いところにいるのかな…
元気でいるといいんだけれど



シカはたいてい柵の外側にいます
でもたまに内側まで入ってきていることもあって
慌てて出て行こうとしたシカに柵を壊されたことも



ふもとのシカたちはかなり人に慣れているので
山道で人や車両に出会っても平気な様子

野生の動物も人間と一緒で
環境や個体によって性格が違うなーとしみじみ思います

珍しいお客

2020-05-25 11:15:15 | ノルウェーの動物 dyr
うちの周りに定期的にやってくるウサギの3兄弟のうち
灰色の子以外がここのとろあまり姿を見せません


(毎日欠かさずくる灰色の子はまだまだ衣替え途中)

ちょっと心配していた矢先のこと
明け方の午前4時前に窓の外に茶色いモノがいたので
てっきり色の濃いほうのウサギかと思ったら
なんか歩き方がヘン

ヒョコヒョコ跳ぶように移動するアレは…



おお、mår(日本語だとテン?)
めずらしい



これに似ていてもっと小さい røyskatt (日本語でイタチ?)は
好奇心が強いうえネズミを捕食するので
家のすぐそばで足跡を見つけたりしますが
(うちの周りには常にネズミがいる)
mår はシャイな動物です

えっ
でもちょっと待って
シャイだけど肉食だよね
まさか子ウサギは捕らないよね?

相方に尋ねると
動けなくなっているなどのよほどの状態でない限り
ウサギは大きすぎるので狙わないとのこと
ちなみに好物はリスだそう

そういえば最近リスも見かけました
夏至までもうあとひと月ほど
動物も植物も忙しい季節です


(真夜中12時頃でこれくらいの明るさ)

毛色ちがいの3兄弟

2020-05-19 14:54:50 | ノルウェーの動物 dyr
ウサギの毛の色が変わっていくにつれて
うちの庭にやってくるウサギたちの個体識別が容易になってきました

お母さんウサギは大きいのとカンロクとで一目で見分けがつきますが
入れ替わりやってくる子ウサギについては
去年生まれた子か一昨年の子かもわかりませんでした

でもここのところ
3羽が一緒になって走り回っていたり
2羽が同時にやってきたりして
比べてみると毛の色の濃さが3段階に異なっているのが見てとれます

ほぼ全身茶色に近い子
まだ全体的に灰色ぽくて背中に白い毛が残っている子
それから白い部分がとても多い子

この3羽は一緒にいると大きさもほぼ一緒で
体重はたぶん2kg足らずに見えるので
去年生まれたきょうだいのようです


並んでいると色の違いがよくわかります



茶色い子は
茶色い毛がほぼ生えそろっていますが…



灰色の子は
顔こそ茶色くなってきているものの
背中には生え変わり途中の灰色の毛がたくさん浮いていて
ほんの少しだけ茶色の夏毛が見えています


(中央あたり、雪の上に立っている)

白い子の写真は拡大しているので見づらいですが
顔以外は白い部分が多くて
雪の上にじっとしていると本当に見つけにくい

家の周囲の雪はずいぶん溶けましたが…



全体ではまだまだ雪の残る景色
少しずつ毛の色を変えていくウサギの変態にはいつも感心させられるばかり



昨日も今日も時々雪がちらついたりしていますけれど
今週の後半からはようやく暖かくなりそうな天気予報です



気温が10℃に届くようになる頃には
雪も降らなくなるかな?



庭にフワフワ転がっているウサギの抜け毛があんまり可愛いので
何かに使おうかと拾ってきたら
目に見えないくらい小さな虫なんかがいるかもしれないからダメと
相方に却下されました
残念…

絶賛ころもがえ中

2020-05-08 12:49:27 | ノルウェーの動物 dyr
うちの周辺にいるウサギが衣替えを始めて
まだらになってきました



どこにいるでしょう?



中央左寄り
芽が出始めたルバーブの黒っぽいかたまりとフェンスの間
右側を向いて草を食べています

遠目には雪の溶け残りのようにも見えていましたが
もう真っ白ではなく灰色がかった毛の混じったまだらで
地面とよく馴染む保護色



よく見ると頭部はほぼ灰茶色になっていて
耳はまだ白いままなのがわかります

ちなみに夜の7時過ぎですが
お天気が良いとこれくらい明るくて
うっかり夕飯の支度が遅れてしまうという…

もう少しあたりが薄暗いと保護色の威力は倍増



ウサギがどこにいるかというと…



雪と地面の境目に置物のようにじっとたたずんでいたりすると
本当に見つけにくい
ちなみにこのときウサギはわたしが見ていることに気づいています



この薪の乾燥小屋の近くはウサギのお気に入り
すぐ床下に隠れられるしそのまま背後の森へと抜けられます
本当にかしこい



この辺りのウサギの天敵の代表はキツネ
それから gaupe(オオヤマネコ?)や jerv(アナグマ?)などもいますけれど
どれも民家に近づくことを好まない動物なので
猟銃の匂いのしない人の住む場所は安全なのだということを
ここを根城にしているウサギたちはよくわかっているのだと思います

たまに2羽同時に敷地内をウロウロしていることも
(ウサギには縄張りがあって食べ物のシェアはしないので彼らは母子)

小さい方が
一昨年生まれてほぼこの庭で育ったといっても過言ではない
馴染みの深いきょうだいのどちらかなのか
それとも去年生まれたこどもなのかはっきりわかりません

さてもう少しして今年新しいこどもが生まれたら
ファミリー内の勢力図はどうなるんだろう?
どのこもウェルカムですよー


(夜行性なので一晩じゅう食事中)

注意書

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