(朝鮮日報日本語版) 開城操業中断:「死刑宣告」に進出企業呆然、設備撤収に懸念も
「死刑宣告を受けたに等しい。北朝鮮に対する制裁という名分だが、進出企業にさらに大きな被害を与えている」
10日に韓国政府から開城工業団地の稼働中断を通告された進出企業の経営者は呆然とした様子だった。進出企業からは「工業団地の運営が中断されれば、会社が存亡の危機に直面する」との声が相次いだ。他に生産拠点を持たない零細業者が多いため、会社の廃業につながりかねないとの叫びだ。
韓国統一部(省に相当)によると、開城工業団地には昨年11月現在で124社が進出している。北朝鮮の労働者5万4763人と韓国企業関係者803人が働いている。年間生産額は5億1549万ドルだ。旧正月の連休には184人が工業団地に残り、11日からは600人余りが団地に戻って操業を続ける予定だった。
進出企業団体の開城工団企業協会によると、進出企業の85%はOEM(相手先ブランドによる生産)方式で受注し、生産を行う企業だ。既に受注した分が今回の事態で供給できなくなれば、バイヤーの信頼を失い、企業活動の継続が難しくなりかねない。ある繊維業者の経営者は「2013年に一時閉鎖した際にもバイヤーが『契約が守られるかどうか信頼できない』として、取引を中断するケースが多かった。一部業者は当時の取引先との関係を修復できず、今も被害を取り戻せずにいる状態だ」と話した。
これまでに開城工業団地に行った投資を回収できなくなることも考えられる。13年に開城工業団地が一時閉鎖された際、進出企業は約7000億ウォン(約668億円・統一部試算)の被害を受けた。今回開城工業団地の稼働が全面的に中断され現地工場の生産設備、原材料や資材、完成品などを韓国側に回収できなければ、被害額が1兆ウォン(約950億円)に達するというのが業界の試算だ。
機械・金属メーカーの経営者は「政府が保険で損害額を支援するというが、保険に加入していない企業も多く保険には補償上限があり、投資額を全額回収できないケースが大部分だ。政府は代替生産拠点を整備すると説明しているが早くても2年はかかる。その間会社を維持するための支援が求められる」と訴えた。化学メーカーの経営者は「南北関係が深刻なことは分かるが、企業が倒産することもあり得るため、気が気でない。まずは工業団地にある完成品と原材料や資材を韓国側に搬入するため、政府には真っ先に解決に取り組んでもらいたい」と述べた。
現代経済研究院のホン・スンジク首席研究委員は「進出企業が生産中断による被害だけでなく、今後企業活動ができないことに対する支援も求めており、政府と対立しそうだ」と予想した。
☆
北朝鮮は人だけは帰すものの機械、製品、原料など返還する意志はないだろう。返すにしても身体検査をし丸裸同然、図面、資料など何も持ち出せないのは容易に想像つく様だ。
北朝鮮、韓国企業の資産凍結=開城団地閉鎖を宣言
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信によると、同国の祖国平和統一委員会は11日、韓国政府が南北協力事業である開城工業団地の操業の全面中断を決めたことに反発する声明を出し、同団地に入居する韓国企業や韓国側機関の設備、物資、製品など全ての資産を凍結すると表明した。
また、開城団地を閉鎖し、軍事統制区域にしたと宣言。11日午後5時(日本時間午後5時半)までに韓国側関係者を全員追放すると発表した。
韓国政府は10日、北朝鮮による核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を受けて、開城団地の操業の全面中断を発表した。北朝鮮の声明は、韓国政府の措置について「北南関係の最後の命綱を切る破綻宣言であり、朝鮮半島情勢を対決と戦争に追い込む危険千万な宣戦布告だ」と非難。南北間の軍通信線と板門店連絡ルートを遮断することも表明した。

「死刑宣告を受けたに等しい。北朝鮮に対する制裁という名分だが、進出企業にさらに大きな被害を与えている」
10日に韓国政府から開城工業団地の稼働中断を通告された進出企業の経営者は呆然とした様子だった。進出企業からは「工業団地の運営が中断されれば、会社が存亡の危機に直面する」との声が相次いだ。他に生産拠点を持たない零細業者が多いため、会社の廃業につながりかねないとの叫びだ。
韓国統一部(省に相当)によると、開城工業団地には昨年11月現在で124社が進出している。北朝鮮の労働者5万4763人と韓国企業関係者803人が働いている。年間生産額は5億1549万ドルだ。旧正月の連休には184人が工業団地に残り、11日からは600人余りが団地に戻って操業を続ける予定だった。
進出企業団体の開城工団企業協会によると、進出企業の85%はOEM(相手先ブランドによる生産)方式で受注し、生産を行う企業だ。既に受注した分が今回の事態で供給できなくなれば、バイヤーの信頼を失い、企業活動の継続が難しくなりかねない。ある繊維業者の経営者は「2013年に一時閉鎖した際にもバイヤーが『契約が守られるかどうか信頼できない』として、取引を中断するケースが多かった。一部業者は当時の取引先との関係を修復できず、今も被害を取り戻せずにいる状態だ」と話した。
これまでに開城工業団地に行った投資を回収できなくなることも考えられる。13年に開城工業団地が一時閉鎖された際、進出企業は約7000億ウォン(約668億円・統一部試算)の被害を受けた。今回開城工業団地の稼働が全面的に中断され現地工場の生産設備、原材料や資材、完成品などを韓国側に回収できなければ、被害額が1兆ウォン(約950億円)に達するというのが業界の試算だ。
機械・金属メーカーの経営者は「政府が保険で損害額を支援するというが、保険に加入していない企業も多く保険には補償上限があり、投資額を全額回収できないケースが大部分だ。政府は代替生産拠点を整備すると説明しているが早くても2年はかかる。その間会社を維持するための支援が求められる」と訴えた。化学メーカーの経営者は「南北関係が深刻なことは分かるが、企業が倒産することもあり得るため、気が気でない。まずは工業団地にある完成品と原材料や資材を韓国側に搬入するため、政府には真っ先に解決に取り組んでもらいたい」と述べた。
現代経済研究院のホン・スンジク首席研究委員は「進出企業が生産中断による被害だけでなく、今後企業活動ができないことに対する支援も求めており、政府と対立しそうだ」と予想した。
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北朝鮮は人だけは帰すものの機械、製品、原料など返還する意志はないだろう。返すにしても身体検査をし丸裸同然、図面、資料など何も持ち出せないのは容易に想像つく様だ。
北朝鮮、韓国企業の資産凍結=開城団地閉鎖を宣言
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信によると、同国の祖国平和統一委員会は11日、韓国政府が南北協力事業である開城工業団地の操業の全面中断を決めたことに反発する声明を出し、同団地に入居する韓国企業や韓国側機関の設備、物資、製品など全ての資産を凍結すると表明した。
また、開城団地を閉鎖し、軍事統制区域にしたと宣言。11日午後5時(日本時間午後5時半)までに韓国側関係者を全員追放すると発表した。
韓国政府は10日、北朝鮮による核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を受けて、開城団地の操業の全面中断を発表した。北朝鮮の声明は、韓国政府の措置について「北南関係の最後の命綱を切る破綻宣言であり、朝鮮半島情勢を対決と戦争に追い込む危険千万な宣戦布告だ」と非難。南北間の軍通信線と板門店連絡ルートを遮断することも表明した。
