伊吹・元衆院議長79歳、二階幹事長78歳、麻生副総理76歳…
自民党ではベテランが党の中枢を担っている。
73歳を超える自民党衆院議員の顔ぶれを見てみよう。
最高齢は伊吹文明・元衆院議長の79歳(当選11回)。
続いて78歳の二階俊博幹事長(同)、76歳の麻生太郎副総理(当選12回)74歳の高村正彦・党副総裁(同)など、安倍政権の“中枢中の中枢”が並ぶ。
いずれも、もし政界引退が決まれば政府・自民党の屋台骨もぐらつきかねない実力者ばかりだ。
もちろん定年といっても憲法で認められた被選挙権が剥奪されるわけではない。
小選挙区単独での立候補はできるし公認を得ることは可能だ。
しかし、党の比例名簿には登載されず、復活当選は不可能となる。「万一落ちることでもあれば、党にとって多大な損失が生じる」(70歳代のベテラン)という懸念も指摘されている。 現在、73歳定年制の「即刻廃止」を訴える急先鋒である自民党の竹本直一衆院議員(76)は、「自民党ばかりが定年制を導入しており、おかしい。海外を見ても、アメリカをはじめ、年齢制限を設けないのが通例だ。むしろ最近は、『高齢者差別』を社会全体として認めない風潮が強まっている。『一億総活躍社会』を掲げる日本で、国会議員が年齢によって活躍できなくなる仕組み自体が、論理矛盾だ」と語る。70歳で初当選したトランプ米大統領を持ち出すまでもなく、高齢であることは社会で活動する上で必ずしもハンデと見なされなくなっている例もある。
「高齢者は75歳」・・・年齢の定義引き上げも追い風に実際には、73歳の定年を区切りとして選挙出馬をやめる政治家も多い。
ただ、今回の議論では、こうした定年制の設定自体が問題視されている。
今年に入って、日本老年学会などが、高齢者の定義を65歳から75歳に引き上げるように提言したのも、ベテラン議員には追い風となっている。「65歳で社会人は引退」というこれまでの常識と決別し、75歳までは世の中の支え手となってはどうか、と提言したのだ。根拠も、単に人口の高齢化ということだけではない。国内の高齢者の身体や知的能力、健康状態が10~20年の間に5~10歳ほど若返ったという具体的なデータに基づいたものだっただけに、まだまだ働きたい元気な高齢者にとって、大いに勇気づけられる一石が投じられたのだった。
16年版の厚生労働白書によれば、「高齢者と思う年齢」で最も多かったのは「70歳以上」の41.1%で、「65歳以上」(20.2%)の倍以上に上った。アンチエイジングの効果も手伝って、実年齢を聞くとビックリするような「若い老人」が増えているご時世でもある。永田町で「73歳定年制」に異議を唱えるベテランの意見は以前からあったが、今回ばかりはいよいよ、単なる「年寄りのエゴ」「老害」などといって片づけられる時代ではなくなっているといってよい。二階幹事長は2月17日、78歳の誕生日を迎えたことについて記者会見で、「年齢の若い人が新しい意見を持っているかといえば、そうでない場合もある。
年齢なんか関係ない」と述べ、健在ぶりをアピールした。
☆
死ぬのを忘れた位に元気でボケもせず活躍している先生方が沢山いる妖怪の館。
スーパーのレジにいるパートのオバサンも若い人から見ると遅い、手の動きが...みな生活、ボケ防止のために活躍している。
<将来推計人口>高齢者「引退」なき時代へ
10日公表された推計人口では若干、スピードが緩んだものの、この先も厳しい少子高齢化が続く人口減少社会の姿が示された。かつて経験したことのない、超高齢社会に対応していくため、社会保障制度をはじめ、従来の少子化対策だけでない、女性、高齢者の働き方改革や外国人材解禁など、人口減を前提とした社会の仕組み作りを早急に進めることが求められている。
今回の推計で、現役世代(15~64歳)の人口は50年後、現在より4割以上減るとされた。人口構成が激変していく中、社会の担い手をどう確保していくのか。
政府が昨年6月に発表した「1億総活躍プラン」。現役世代の男性に偏っていた働き手に、女性や高齢者にもより多く加わってもらい、経済活動の維持を図る狙いがある。今後、65歳以上の雇用延長も進める方針で、高齢者に、支えられる側から支える側に回ってもらいたい考えだ。高齢者となっても「引退」しない時代は目前に迫る。
4月の昼下がり。神奈川県藤沢市の高齢者グループホーム「クロスハート本鵠沼・藤沢」では、入居者に笑顔で寄り添う岸武さん(73)の姿があった。岸さんは勤めていた会社を55歳で早期退職。57歳で介護の仕事を始めた。「体が続く限り頑張りたい」と話す。
ホームを運営する社会福祉法人・伸こう福祉会の定年は70歳。さらに規則で80歳まで継続雇用できる。介護現場は慢性的な人手不足。高齢者や外国籍の人も積極的に採用し、法人全体で約1100人いる職員のうち、4分の1は60歳以上の職員で、外国籍の職員も4%ほどいる。担当者は「人口が減っていくからこそ、力を発揮してくれる多様な人材が欲しい」という。
高齢者という「くくり」自体も見直そうという動きがある。
高齢者の定義は国際的にも「65歳以上」が一般的だ。これを「75歳以上」に見直すべきだとする提言を日本老年学会などが今年1月に発表した。同学会前理事長の大内尉義・虎の門病院院長は「今の65歳以上の人は、以前に比べ元気な人が多い」と説明する。ただ高齢者の健康状態は人によってさまざま。新たな年齢の線引きを設けるには慎重な検討が必要だ。
人手不足の中、外国人労働者の受け入れも広がっている。技能実習生や留学生のアルバイトなどとして、日本で働く外国人は昨年108万人となり、初めて100万人を超えた。政府はさらに拡大しようと昨年、法改正し、これまで農家や工場などでの労働に限っていた技能実習生の働く場を介護分野などにも広げた。今秋にも介護での実習生が来日する予定だ。しかし、技能実習生については低賃金、劣悪な労働条件などが問題になっている。また政府は移民政策は取らない姿勢で、どこまで門戸が広がるかは、見通せない。
昨年の出生数は1899年に統計を取り始めて以来、初めて100万人を割る見込みだ。既に現役世代は毎年50万人以上減っている。社会・経済活動を維持するための対策は急務だ。
◇社会保障制度、痛みどこまで
「将来にわたって社会保障制度が役割を果たしていけるよう、効率化を図っていくことが重要」。菅義偉官房長官は10日、50年後の超高齢社会に向け、改革が必要との認識を示した。
高齢者増がもたらすのは医療や介護など社会保障費の膨張だ。2015年度の約117兆円が10年後に149兆円に拡大。高齢化率が38・4%となる65年にどこまで膨らむか見通せない。経団連の榊原定征会長は7日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)会長就任の記者会見で「改革しなければ社会保障制度は持続可能性を確保できない。国民の将来不安を招き、消費停滞につながる」と訴えた。
しかし安倍政権は痛みを伴う改革に及び腰。社会保障財源の安定確保のため12年に与野党合意した消費税率10%への引き上げを2度延期。安倍晋三首相は19年10月の引き上げを明言するが、政府内では「本気なら経済が比較的堅調だった昨年6月に先送りを決めなかったはず」(経済官庁幹部)と実現を危ぶむ声が根強い。
政府は17年度から一定所得がある70歳以上の医療費の自己負担限度額を引き上げ、介護保険サービスの自己負担も18年度から所得の高い高齢者は2割から3割に上げる。しかし「踏み込み不足」(エコノミスト)との声が主流で、「持続性」は危ういままだ。日本総研の西沢和彦・主席研究員は「国民の負担を増やしつつ給付費も抑制することが必要だ」と話す。
一方、現役世代の減少は経済成長の足かせとなる。安倍政権は「経済成長による税収増」を掲げるが、その実現の制約要因になる可能性もある。
自民党ではベテランが党の中枢を担っている。
73歳を超える自民党衆院議員の顔ぶれを見てみよう。
最高齢は伊吹文明・元衆院議長の79歳(当選11回)。
続いて78歳の二階俊博幹事長(同)、76歳の麻生太郎副総理(当選12回)74歳の高村正彦・党副総裁(同)など、安倍政権の“中枢中の中枢”が並ぶ。
いずれも、もし政界引退が決まれば政府・自民党の屋台骨もぐらつきかねない実力者ばかりだ。
もちろん定年といっても憲法で認められた被選挙権が剥奪されるわけではない。
小選挙区単独での立候補はできるし公認を得ることは可能だ。
しかし、党の比例名簿には登載されず、復活当選は不可能となる。「万一落ちることでもあれば、党にとって多大な損失が生じる」(70歳代のベテラン)という懸念も指摘されている。 現在、73歳定年制の「即刻廃止」を訴える急先鋒である自民党の竹本直一衆院議員(76)は、「自民党ばかりが定年制を導入しており、おかしい。海外を見ても、アメリカをはじめ、年齢制限を設けないのが通例だ。むしろ最近は、『高齢者差別』を社会全体として認めない風潮が強まっている。『一億総活躍社会』を掲げる日本で、国会議員が年齢によって活躍できなくなる仕組み自体が、論理矛盾だ」と語る。70歳で初当選したトランプ米大統領を持ち出すまでもなく、高齢であることは社会で活動する上で必ずしもハンデと見なされなくなっている例もある。
「高齢者は75歳」・・・年齢の定義引き上げも追い風に実際には、73歳の定年を区切りとして選挙出馬をやめる政治家も多い。
ただ、今回の議論では、こうした定年制の設定自体が問題視されている。
今年に入って、日本老年学会などが、高齢者の定義を65歳から75歳に引き上げるように提言したのも、ベテラン議員には追い風となっている。「65歳で社会人は引退」というこれまでの常識と決別し、75歳までは世の中の支え手となってはどうか、と提言したのだ。根拠も、単に人口の高齢化ということだけではない。国内の高齢者の身体や知的能力、健康状態が10~20年の間に5~10歳ほど若返ったという具体的なデータに基づいたものだっただけに、まだまだ働きたい元気な高齢者にとって、大いに勇気づけられる一石が投じられたのだった。
16年版の厚生労働白書によれば、「高齢者と思う年齢」で最も多かったのは「70歳以上」の41.1%で、「65歳以上」(20.2%)の倍以上に上った。アンチエイジングの効果も手伝って、実年齢を聞くとビックリするような「若い老人」が増えているご時世でもある。永田町で「73歳定年制」に異議を唱えるベテランの意見は以前からあったが、今回ばかりはいよいよ、単なる「年寄りのエゴ」「老害」などといって片づけられる時代ではなくなっているといってよい。二階幹事長は2月17日、78歳の誕生日を迎えたことについて記者会見で、「年齢の若い人が新しい意見を持っているかといえば、そうでない場合もある。
年齢なんか関係ない」と述べ、健在ぶりをアピールした。
☆
死ぬのを忘れた位に元気でボケもせず活躍している先生方が沢山いる妖怪の館。
スーパーのレジにいるパートのオバサンも若い人から見ると遅い、手の動きが...みな生活、ボケ防止のために活躍している。
<将来推計人口>高齢者「引退」なき時代へ
10日公表された推計人口では若干、スピードが緩んだものの、この先も厳しい少子高齢化が続く人口減少社会の姿が示された。かつて経験したことのない、超高齢社会に対応していくため、社会保障制度をはじめ、従来の少子化対策だけでない、女性、高齢者の働き方改革や外国人材解禁など、人口減を前提とした社会の仕組み作りを早急に進めることが求められている。
今回の推計で、現役世代(15~64歳)の人口は50年後、現在より4割以上減るとされた。人口構成が激変していく中、社会の担い手をどう確保していくのか。
政府が昨年6月に発表した「1億総活躍プラン」。現役世代の男性に偏っていた働き手に、女性や高齢者にもより多く加わってもらい、経済活動の維持を図る狙いがある。今後、65歳以上の雇用延長も進める方針で、高齢者に、支えられる側から支える側に回ってもらいたい考えだ。高齢者となっても「引退」しない時代は目前に迫る。
4月の昼下がり。神奈川県藤沢市の高齢者グループホーム「クロスハート本鵠沼・藤沢」では、入居者に笑顔で寄り添う岸武さん(73)の姿があった。岸さんは勤めていた会社を55歳で早期退職。57歳で介護の仕事を始めた。「体が続く限り頑張りたい」と話す。
ホームを運営する社会福祉法人・伸こう福祉会の定年は70歳。さらに規則で80歳まで継続雇用できる。介護現場は慢性的な人手不足。高齢者や外国籍の人も積極的に採用し、法人全体で約1100人いる職員のうち、4分の1は60歳以上の職員で、外国籍の職員も4%ほどいる。担当者は「人口が減っていくからこそ、力を発揮してくれる多様な人材が欲しい」という。
高齢者という「くくり」自体も見直そうという動きがある。
高齢者の定義は国際的にも「65歳以上」が一般的だ。これを「75歳以上」に見直すべきだとする提言を日本老年学会などが今年1月に発表した。同学会前理事長の大内尉義・虎の門病院院長は「今の65歳以上の人は、以前に比べ元気な人が多い」と説明する。ただ高齢者の健康状態は人によってさまざま。新たな年齢の線引きを設けるには慎重な検討が必要だ。
人手不足の中、外国人労働者の受け入れも広がっている。技能実習生や留学生のアルバイトなどとして、日本で働く外国人は昨年108万人となり、初めて100万人を超えた。政府はさらに拡大しようと昨年、法改正し、これまで農家や工場などでの労働に限っていた技能実習生の働く場を介護分野などにも広げた。今秋にも介護での実習生が来日する予定だ。しかし、技能実習生については低賃金、劣悪な労働条件などが問題になっている。また政府は移民政策は取らない姿勢で、どこまで門戸が広がるかは、見通せない。
昨年の出生数は1899年に統計を取り始めて以来、初めて100万人を割る見込みだ。既に現役世代は毎年50万人以上減っている。社会・経済活動を維持するための対策は急務だ。
◇社会保障制度、痛みどこまで
「将来にわたって社会保障制度が役割を果たしていけるよう、効率化を図っていくことが重要」。菅義偉官房長官は10日、50年後の超高齢社会に向け、改革が必要との認識を示した。
高齢者増がもたらすのは医療や介護など社会保障費の膨張だ。2015年度の約117兆円が10年後に149兆円に拡大。高齢化率が38・4%となる65年にどこまで膨らむか見通せない。経団連の榊原定征会長は7日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)会長就任の記者会見で「改革しなければ社会保障制度は持続可能性を確保できない。国民の将来不安を招き、消費停滞につながる」と訴えた。
しかし安倍政権は痛みを伴う改革に及び腰。社会保障財源の安定確保のため12年に与野党合意した消費税率10%への引き上げを2度延期。安倍晋三首相は19年10月の引き上げを明言するが、政府内では「本気なら経済が比較的堅調だった昨年6月に先送りを決めなかったはず」(経済官庁幹部)と実現を危ぶむ声が根強い。
政府は17年度から一定所得がある70歳以上の医療費の自己負担限度額を引き上げ、介護保険サービスの自己負担も18年度から所得の高い高齢者は2割から3割に上げる。しかし「踏み込み不足」(エコノミスト)との声が主流で、「持続性」は危ういままだ。日本総研の西沢和彦・主席研究員は「国民の負担を増やしつつ給付費も抑制することが必要だ」と話す。
一方、現役世代の減少は経済成長の足かせとなる。安倍政権は「経済成長による税収増」を掲げるが、その実現の制約要因になる可能性もある。