ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

二足のわらじ

2009年06月19日 | ゴルフ理論…私の見解
宝松苑ゴルフセンターのフロントサイドに置いてあるテレビで、ゴルフのレッスン番組をご覧になっていた方が、一言。
「なんで、プロに教えているプロが、トーナメントで活躍できへんねんやろな?プロに教えられるくらいなら、自分も活躍できないとおかしいのと違うか?」
それを聞いて、私は、思わず絶句した。
「なんで???」
「なんでやろ???」

でも、こういう疑問を抱いておられる方は、少なくないと思う。

そこで、私自身も「なんでやろ?」と思ってしまったことを、ちょっと考えてみた。

「自分でゴルフをする」と言うことは…。
自分の身体を動かす。
自分の身体に問いかけて、自分の身体に記憶させようとする。
他者の言葉に耳を傾け、自分の動きを改善し、自分でそれを表現しようとする。

「他者にゴルフを教える」と言うことは…。
他者の身体を動かす。
他者の動きを見て、他者の動きを自分の中に取り入れて、良いか悪いかの判断をする。
改善した方が良いと思える点が有れば、それを他者に伝えようとして、言語化して、他者の動きを調整する。

こういう違いを考えれば、またまた、脳の話になってしまうが…。
自分でゴルフをする時と、他者にゴルフを教えようとする時の、働いている脳の部位や回路は異なるんじゃないか?…なんて思える。
私は、脳科学者じゃないので、はっきりと違うとは言い切れないが、違うような気がする。
(茂木健一郎さんに、意見を求めたくなりますね…笑)

でも…。
自分の身体に問いかけて、自分の身体の動きに意識が向いている時は、他者の動きを感じ取る方の脳の回路は、閉ざされやすい。
他者の身体の動きに意識が向いたり、他者の動きの改善点を見つけようとしている時には、自分の身体の動きは、一瞬止まる、と言うことは、自分の身体を動かす脳の回路は、一瞬遮断されているのではないかと思える。
どちらかを行えば、それを行っている方の脳の回路が、段々と強化されて行く。
両方を行おうとすれば、脳の回路が色々に動くので、両方ともの回路がスムーズに働きにくくなる。
だから、二足のわらじは履きにくいし、履けている人が少ない。
…ように思う。

皆さんも、経験なさったこと有りませんか?
誰か身内の人などと打ちっ放しの練習場に行って、その人に教えようとした時には、自分のことがおろそかになりやすい。
集中しにくい。
自分が一生懸命に集中して打ちたい時には、人のことなど構っていられない。
自分が一生懸命に打ちたい時に、人のことが気になりだすと、少々イライラした気持ちになる。
人にも教えて、自分の練習もしっかりやろうと思えば、自分の練習だけをして帰るより、3倍くらいの時間を要する気がするなんてこと。

あのタイガー・ウッズ選手でさえ、イベントなどでちょこちょこっとレッスンしているのは別として、本気でレッスンに身を入れ出したら、自分のことがおろそかになってしまうのではないかと思ったりもする。

私自身も思った「なんでやろ?」を考えてみて、上記のようなことを思った。

だから、「なんでプロに教えられるプロが、トーナメントで活躍できへんねんやろな?活躍できないのはおかしい」と、おっしゃる気持ちはよく分かるが、これって、なかなか手厳しい意見のように思えた。

プロ野球の世界で、優れた選手が、優れた指導者(監督・コーチ)になれるとは限らない、と言われるのを、よく聞く。
ゴルフの世界でも、同じことが言えるのかも。

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